勾配線路/Gradient track
Gefällestrecke:勾配線路
回生ブレーキ(E-Bremse / Dynamische Bremse)の運用規定
- 回生ブレーキを搭載している機関車(BR185やBR193など)では、下り坂を走行する際、「摩耗と熱を抑えるため、可能な限り優先して発電ブレーキを使用しなければならない」
- 回生ブレーキは「車輪のロック(滑走)」や「架線の停電」によって一瞬でブレーキ力がゼロになるリスクがあります。そのため、急勾配を下る際は、必ず列車全体の空気ブレーキ(主制動管の減圧)をわずかにかけた状態(最低段制動:Mindestbremsstufe)をベースにし、そこに発電ブレーキを上乗せして速度を維持する
勾配の度合いによる「速度制限」と「計算ロジック」の規定
下り坂の速度決定規定
EBO § 35 Anhang(付録)
ドイツ鉄道の運行規定:Richtlinie 408(Fahrdienstvorschrift)
Ril 408.2421(Bremstafeln:ブレーキ表)
Bremstafeln
Bremstafel
EBO § 35 Anhang(付録)
ドイツ鉄道の運行規定:Richtlinie 408(Fahrdienstvorschrift)
Ril 408.2421(Bremstafeln:ブレーキ表)
Bremstafeln
Bremstafel
運転士は、路線の勾配(例:20‰の下り坂)と、自分の列車の「ブレーキ百分率」を専用の勾配速度表(Soll-Geschwindigkeitstabelle)に照らし合わせ、下り坂に進入する前に「時速〇〇km以下で下る」という絶対的な上限速度(最高速度)を決定しなければなりません。
発電ブレーキの「重量換算」への不算入(安全マージン)非常に重要な保安規定として、出発前のブレーキ力計算(Bremshundertstelの算出)の際、通常の発電ブレーキの制動力は、原則として全体のブレーキ重量にカウントしてはならない。
実際の運転
坂の手前での手順
坂の頂上に達する前に減速する
下り坂に入ってからブレーキをかけ始めるのは規定違反です。下り勾配が始まる手前で、あらかじめ目標の「抑速速度」まで列車を減速させます。
下り坂に入ってからブレーキをかけ始めるのは規定違反です。下り勾配が始まる手前で、あらかじめ目標の「抑速速度」まで列車を減速させます。
砂撒き装置の確認
雨や落葉で線路が滑りやすい場合、坂に入る前に砂撒き機能が正常かテストします。
雨や落葉で線路が滑りやすい場合、坂に入る前に砂撒き機能が正常かテストします。
坂を下っている最中の手順(抑速運転:Beharrungsbremsen)
空気ブレーキを1段かける
自動空気ブレーキ(列車全体のブレーキ)をわずかに作動させ(約0.4〜0.5バール減圧)、列車全体の連結器がキュッと縮んだ「安定した姿勢(圧縮状態)」を作ります。
自動空気ブレーキ(列車全体のブレーキ)をわずかに作動させ(約0.4〜0.5バール減圧)、列車全体の連結器がキュッと縮んだ「安定した姿勢(圧縮状態)」を作ります。
E-Bremseを最大活用して速度を固定する
スロットルレバーを「E-Bremse」の領域に入れ、制限速度をピタッと維持できるように微調整します。
スロットルレバーを「E-Bremse」の領域に入れ、制限速度をピタッと維持できるように微調整します。
熱の蓄積(Fading)を防ぐ規定
もし空気ブレーキだけで坂を下り続けると、車輪やディスクが摩擦熱で数百度に達し、ブレーキが突然効かなくなる「フェード現象(Fading)」が起きます。これを防ぐため、「速度調整の7割以上は発電ブレーキ(E-Bremse)で受け持ち、空気ブレーキの摩擦熱を逃がすこと」がマニュアルで指示されています。
もし空気ブレーキだけで坂を下り続けると、車輪やディスクが摩擦熱で数百度に達し、ブレーキが突然効かなくなる「フェード現象(Fading)」が起きます。これを防ぐため、「速度調整の7割以上は発電ブレーキ(E-Bremse)で受け持ち、空気ブレーキの摩擦熱を逃がすこと」がマニュアルで指示されています。
発電ブレーキが失効したときの「緊急規定」
即座の非常ブレーキ(Vollbremsung / Schnellbremsung)
E-Bremseの失効を検知した瞬間、運転士は迷わず自動空気ブレーキを全開(または非常位置)にし、空気の力だけで列車をその場に強制停止させなければなりません。
停止後の点検
坂の途中で安全に停止させた後、車輪の温度やブレーキパッドの異常がないかを確認し、指令(Fahrdienstleiter)に報告して、次の一歩(徐行で坂を降りるか、補助機関車を呼ぶか)を判断します。