この作品の「金髪最強軍人」枠で曰く "人類最大"。
その中でも対人戦績が最後まで 無敗だったという、 強キャラに相応しい無敵っぷりを誇った(ただし本人が強すぎるためか前線に出張ることはあまりない)。
作中唯一敗北した相手は人間ですらなく、 そもそも人間が勝てる戦えるの土俵にいない存在である。
最強の能力を持つだけではなく、真正面から戦う以外にも確実に勝てる手段も取る堅実な戦い方も行う油断のならない強者。
特筆すべきは巨大すぎる能力を完全に制御しているその精神力であり、油断すれば暴走を引き起こし都市一つを滅ぼしかねない超能力を完璧に支配下に置いている。
その実力から部下からの信頼は厚いようで、彼も彼で部下を思っている様子がたびたび見られる。
元々は現在のような超能力兵士ではなくパイロット志望であり、米軍海兵学校を卒業してからは戦闘機乗りとなる。
子供の頃から空を見上げ、大空を横切る白い飛行機雲に憧れていて曲技飛行隊に入隊することが夢だった。
そして夢を叶え超難関を突破しブルーエンジェルズに入隊。磨き上げた技術で拍手喝采を浴びる栄光の日々を送っていた。
だがそんな栄光の日々も最後までは続かず、操縦桿を僅かに狂わせてしまったことで機体を地上に激突させてしまう。
死んだかと思われるような大惨事の中、しかしここでキニスンは無自覚だった超能力の才能を開花させることになる。
空に憧れていただけのただの男はここで死に、最強の超能力者が誕生することになった。
本編での活躍
前線に出張ることは少なく、平時は あかつき財団日本側との交渉や ザ・シックスの総指揮を執っている。
だが戦いに赴かねばならないと判断すれば自ら戦線に加わる。
加護ルートでは 妹を失い、 自失状態になっているナドレックに復帰の命令を下して出撃するよう命ずる。
そしてルート終盤ではそのナドレックが 直に敗れた場面に現れ、彼にほぼ何もさせずに一方的な勝利を収めた。
やちるルートでは妹と再会したナドレックの前に現れ、彼に「敵である妹を殺して隊に復帰せよ」と命令という名の温情を与えるが、ナドレックがそれを拒絶したため やむなく彼とその妹を殺害した。
そして彼の最大の見せ場である幸ルート。
本国との連絡も途絶え、敵地となった都市に取り残されることになるが臆することなく立ち向かうことを決意。
バーゲンホルムに騒乱の 元凶を突き止めるべく 予知能力の能動的な発動を請願する。
彼女がその身を 怪物に変えられる代償に、宇宙の彼方にいる元凶を突き止めると、妹と再会したことで帰還したナドレックに自分を元凶のもとまで 転送するよう命令。
仲間たちの制止を受けても自らの意思を曲げず、軍人とは誰かがやらねばらない時、そしてそれが自分しかいない時に己の命を惜しんでいい 存在ではない。
その責務を果たすため、決して英雄願望に駆られた死にたがりではないのだと軍人としての矜持を示し、ついに地上から三百億キロメートル離れた宇宙へと転送される。
「そして……人類は、ただ蹂躙されるだけではないと知れッ。滅びに抗う鉄槌こそは、ここに在りッ!!」
ここからのキニスンVS融合知性群体は作中屈指の名バトルの一つ。
人間の意地を見せながら 鋼の意思力で超能力の出力を上昇させ、肉体すら捨て去って最後の閃光を見せつける。
……だが結果はキニスンの敗北。いかに彼が人類の中でどれだけすさまじい存在でも、圧倒的質量差という無慈悲な現実の前に成す術なく散ってしまう。
最強の存在による抵抗が無意に終わったその戦いは人類がどれほど矮小なのかをこれ以上ない形で見せつける無残な結末であり、 ザ・シックスを超人たらしめる超能力すら矮小なのだという現実だった。
確かにキニスンは強い意志力を持っていたものの、残念ながら「金髪最強軍人」という枠は同じであれど悪の敵たる 英雄とは違い、彼の心は光に精神が寄った揺るがない 達人ではあったが、かの英雄のように光に精神が振り切れていかなる逆境に対し幾度も 覚醒して覆せるような 超人ではなかったのである。その証拠に死に際の彼の精神は青空に思いを馳せるただの人間に帰っていたのだから。
しかし彼の闘いと散り様に何の意味もなかったのかといえばそうではなく、その戦いを見ていた部下たちの胸に熱い何かを残すことになる。
超能力者兵士たちは彼の残した人類守護の意思を自己の生命より優先し、人々を守るために死地に身を投げ打つ。
それはキニスンの壮絶な最期を目にしたことによる「錯覚」でしかないのかもしれなかったが、その魂は受け継がれ、 少女たちの命を救うことになった。
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