龍尾剣/虎尾剣



『双血の墓碑銘』第三巻において、新選組幹部が使用した天然理心流の技。
どちらも術理自体はシンプルな、相手の剣に対する返し技だが、使用者がいずれも剣士として卓越していた事でその冴えは凄まじいものとなっていた


龍尾剣

使用者:土方歳三

終盤、蝦夷の地で対峙した沖田総司との決戦で使用。

氷結の異能で下半身の動きを奪い、トドメの一閃を放つ寸前に沖田が村正の振動が生む高熱で脱出――
そのまま即座に発動した逆襲の三段突きの一撃を何とか中段の刀で弾いた土方。
その後にほぼ同時に襲い来た二撃目に対し、土方は刺突を鍔元へと滑らせ受け止め……勢いを奪ったままその刀をかち上げ弾く。
本来の型ではそのまま切り返し相手の胴を薙ぐ動作に繋げるところを、繰り出された三段目の刺突封じに土方は返しの太刀を用いたのである。
こうして土方の体に染みついた剣士としての本能と合わさる事で、魔剣『三段突き』を止めて見せるという戦果を挙げた。


虎尾剣

使用者:永倉新八

箱根の地に集った剣士達がそれぞれの技と異能の力をぶつけ合う中、飛び入りで参戦してきた人斬り・岡田以蔵との戦いで使用。

相手の呼吸を読み、その流れを意図的に乱し相手の隙に入り込む以蔵の変幻自在の剣技に対し、
自らの刀が実際に届く範囲の外の事象には心を一切乱さず、その間合い(・・・)に入り込んだ相手のみを斬り
けしてその領域からは深追いはしない――という堅実な永倉の戦術は、見事に動と静、対照的な構図を描く。

一方的に傷を負わされるばかりの以蔵は悪態をつきながら、再度永倉の懐に切り込もうと動くも―――
間合に立ち入った以蔵の刀は永倉の刀の鍔元により、凄まじい力で抑え込まれており。
力を下方へと逃そうとした相手の動きを見逃すことなく、永倉の刀が雷光の如き勢いで跳ね上がり……無防備となった胴へと強烈な一閃が叩き込まれていた。
肋骨を深々と断ち切られ、臓物を撒き散らしつつ睨む以蔵に対し、やはり永倉は間合の外へ飛び込む事も無く鉄壁の構えに戻るのだった。




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最終更新:2021年12月20日 21:34