南部の唄
ストーリー
南部の農場へ引っ越すことになった白人の少年ジョニーは、仕事で不在の父親の代わりに農場で働く黒人の
リーマスおじさんと出会う。リーマスおじさんの話には動物たちが登場し、その話には教訓が込められていた。ジョニーはリーマスおじさんと仲良くなり、農場から家出する計画をやめる。
ジョニーは世話役の少年トビーやとともにリーマスおじさんの話を楽しむ。ある日、ジョニーとトビーはジニーが二人の兄にいじめられているところに遭遇。ジョニーとジニーは仲良くなり、彼女から犬を譲り受ける。しかし不たちの兄が犬の所有権を主張する。ジョニーは母親のサリーの反対を無視し、リーマスおじさんの家でこっそり飼い始める。
ジニーの兄らの密告により、ジョニーがリーマスおじさんの話に夢中になるさまを快いと思わないサリーはリーマスおじさんに、ジョニーに二度と近づかないように言い渡す。リーマスおじさんが農場を出ていくことになり、寂しさを押さえきれないジョニーはリーマスおじさんを追って危険な雄牛がいる柵の中に入ってしまう。
概要
実写とアニメーションを融合させた長編映画。
ジョエル・チャンドラー・ハリス*が編纂した黒人の民話として有名なリーマスじいやの物語を基に、弱者が強者を出し抜く痛快な作品として長編アニメーション映画を企画していたが、コストの問題で大部分を実写で撮影することとなった。
白人の少年ジョニーが黒人のリーマスおじさんのする
ブレア・ラビットの冒険物語(アニメーション)を聞いて、心を通わせていく物語となっている。
というのも、公開直後の1946年から
全米黒人地位向上協会*が本作品の描写に対して異を唱え続けており、1986年の再公開を最後に、自主規制の対象として再公開・ソフト販売の中止を決定したからである。協会は「奴隷制が美化されており、差別の歴史について誤った認識を後世に残してしまう懸念がある」と主張し、多くのメディアからも批判を受けた。ディズニーは本作の制作にあたり、アフリカ系アメリカ人の活動家に意見を求めたが、「元奴隷が南部の農園を楽しげに歌うような作品は避けるべきだ」と忠告されたため聞き入れなかった。
日本においてはVHS・LDが発売され、日本語版が2種類存在する。なお、このソフト版には旧題『南部の
歌』が採用されている。
東京ディズニーランド内のアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」ではこの吹替版の声優が起用されている。後に、新録版『南部の
唄』として吹替が再録されたが、新録版の方が流通数が少ない珍しいケースとなる。
主人公のリーマスおじさん役(アニメーションパートでは敵役の
ブレア・フォックスの声も担当)の
ジェームズ・バスケットは、本作でアフリカ系アメリカ人男優初の
アカデミー特別賞*を受賞した(本作が遺作)。しかし、ジョージア州の法律で黒人である彼が映画館に入ることは許されず、プレミアに参加することはできなかった。
ジョニーの両親役を演じたルース・ウォリックとエリック・ロルフは当時、実の夫婦であったが、後に離婚した。
歴史
第二次世界大戦*の影響でスタジオの海外市場は凍結され、プロパガンダでは利益が出ず、『
白雪姫』(1937年)や『
ピノキオ』(1940年)の再公開によって売上を捻出している状態だった。
キャスト
旧録版:1986年5月2日発売。旧ビデオに収録。廃盤。
新録版:1992年8月21日発売。新ビデオに収録。廃盤。
スタッフ
情報集計中…
用語集
ロケーション
楽曲
★…邦題不明
最終更新:2024年12月24日 00:29