ピノキオ
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1995 |
2003(SP) |
2009(SP) |
2009(Pt) |
ストーリー
旅するコオロギ、
ジミニー・クリケットは、時計職人
ゼペットの家に辿り着き、一晩過ごすことにする。その家には木でできた操り人形
ピノキオがいた。その晩、ゼペットが夜空の星に「ピノキオを本当の人間の子供にしてください」と願をかけると、真夜中に青い妖精
ブルー・フェアリーがやってくる。ブルー・フェアリーはピノキオに生命を与え、「善悪を判断し、善い行いをすれば人間にしてあげましょう」と言う。成り行きから、ジミニーが勲章を褒美に、ピノキオの良心を務めることになる。ゼペットは生命を持ち、自由に動いて話をするピノキオを見て、大喜び。
翌朝、ピノキオはジミニーと学校へ通い始める。登校初日、ずるぎつねの
J・ワシントン・ファウルフェローとネコの
ギデオンのコンビに目をつけられてしまう。2匹は糸なしで動く操り人形のピノキオを人形座に売り飛ばし、儲けようと企んでいた。「スターの暮らし」を説くファウルフェローの誘惑に乗ってしまったピノキオは、親方の
ストロンボリに気に入られ、人形劇のスターとなる。
しかし、ストロンボリはピノキオを金の成る木としか考えていなかったため、鳥かごに閉じ込められてしまう。そこへ、ブルー・フェアリーが現れるが、学校をサボったことを隠そうと嘘をつくとピノキオの鼻が伸び始めた。ブルー・フェアリーはピノキオに「嘘はその嘘を隠すためにどんどん大きくなる」と教える。ジミニーの説得もあり、ブルー・フェアリーからチャンスをもらったピノキオは脱出し、家に帰る。
家に帰る途中、再びファウルフェローとギデオンに呼び止められ、遊びの島
プレジャー・アイランドへ行こうと誘われる。またも誘惑に乗ってしまったピノキオは馬車に乗り、島へ向かう。悪童の
ランプウィックと親しくなったピノキオはジミニーの忠告に聞く耳を持たなくなってしまう。諦めたジミニーだったが、この島にいる子供はロバになってしまい、町に売り飛ばされることを突き止め、ピノキオの救出に向かう。
ランプウィックはすでにロバになっており、ピノキオにもロバの耳としっぽが生えてしまった。ジミニーはピノキオを連れて島を脱出し、家へと帰る。家に帰ると、ピノキオを心配して探しに行ったゼペットが、クジラの王様
モンストロに飲み込まれてしまったことを知る。
概要
心を持つ木彫りの人形ピノキオが、本当の人間になるために、誘惑に負けず、正直や勇敢であることの大切さを学んでゆく物語。ディズニーの長編アニメーション映画第2作として公開された。
映画主題歌ベスト100 (2004年):7位
感動の映画ベスト100 (2006年):38位(アニメではトップ)
アニメ映画ベスト10 (2008年):2位(ディズニーが、『シュレック』(ドリームワークス)を除く9枠を独占した)
歴史
1937年9月、『
白雪姫』の制作中に、
ウォルト・ディズニーは
ノーム・ファーガソンが持っていた『ピノッキオの冒険』に興味を持つ。本を読んだウォルトは熱狂し、『
バンビ』に続くスタジオの第3作の題材として選んだ。『バンビ』は動物のリアリティを追求するあまり制作期間が延び、『ピノキオ』が2作目に繰り上げられることとなった。
前作『白雪姫』は短い物語を想像力で長編へ膨らませていったが、『ピノキオ』の原作は長編小説だったためストーリーの手直しを行った。原作小説での
ピノキオは冷たく生意気で観客の共感を得にくいキャラクターであったことから、キャラクターの創造にも時間を要した。当初のピノキオのデザインは
エドガー・バーゲンの辛辣な腹話術人形
チャーリー・マッカーシー*をモデルにしたものだった。
1938年夏、ピノキオが頼りないキャラクターであることに目をつけたウォルトは、原作では物言うコーロギという口うるさいだけの地味なキャラクター(終盤、ピノキオに誤って殺されてしまう)をピノキオの良心役にあてることにした。ウォルトは『白雪姫』で担当した「
ミュージック・イン・ユア・スープ」のシーンを削除されて退社を決意していた
ウォード・キンボールにコオロギのスーパーバイザーを任せ、名脇役
ジミニー・クリケットが誕生した。キンボールはコオロギであると同時に、「耳のない小さな人間」をモチーフにしたという。ジミニーは本作以降も『
ミッキーのクリスマスキャロル』(1983年)などでも活躍している。
キャスティング
『白雪姫』の成功により、ウォルトは有名な役者をキャラクターの声優に起用したがっていた。ジミニー役はウクレレ・アイクとして知られるビルボードの
クリフ・エドワーズを起用。ピノキオは子役を起用するというウォルトの希望で、『スミス都へ行く』(1939年)に出演した11歳の
ディッキー・ジョーンズが選ばれた。ウォルトは
ゼペット役の声優が気に入らず、制作を中断して適任者を見つけ出した。新しく選ばれた
クリスチャン・ラブはゼペットのデザインにも影響を与えた。
ウォルトは『白雪姫』に登場するしゃべらないこびとの
おとぼけを気に入っており、本作にも同じ要素を求めていた。その役目を担当したのはネコの
ギデオン。ギデオンはピノキオを誘惑するコンビで、
J・ワシントン・ファウルフェローの相方である。ディズニーのライバルとも言えるワーナー・ブラザーズで一人でほぼ全役を担当していた
メル・ブランクがギデオンの声を担当したが、こうした経緯の中ですべてカットされた。しかし、本作に登場するギデオンのくしゃみやしゃっくりはブランクによるものである。
アニメーション
1938年9月、アニメーション作業が開始。
ジョー・グラント率いるキャラクターモデル部門がマケットと呼ばれる3次元の模型を制作し、からくり時計や揺れる幌馬車の動きをアニメーターに研究させた。キャラクターの動きは『白雪姫』同様、実写のモデルの動きを参考に描かれた。
『ピノキオ』は特殊効果技術を大幅に向上させた。アニメーターがキャラクターの演技に集中し、特殊効果スタッフは雨、雷、煙、霧、影、水といった自然表現を実現した。同時進行の『
ファンタジア』(1940年)の制作チームから抽象的演出のアニメーターの
オスカー・フィッシンガー*が
ブルー・フェアリーの杖の演出に貢献した。特殊効果アニメーターの
サンディ・スローザー*は水中のシーンの水しぶきや泡、波などの再現に苦労した。海は手前の物体を細かく描き遠くの物体をぼやかせることで深さを表現した。また、波のアニメーションをセルにトレースした後、アニメーターはさらに青と黒の鉛筆でトレースを繰り返して彫刻のような波を作り上げた。こうした工夫によって『ピノキオ』は芸術性の高い作品として認められるようになった。
キャスト
※ジミニーの歌声は旧・新録版ともに同じ俳優が担当している。また、ファウルフェローの歌声も旧録版では別の俳優が担当しているが、新録版では山田康雄が担当している。
- 初公開版:1958年12月15日公開。
- 再公開版:1983年7月23日公開。1993年8月20日『金曜ロードショー』。
- 旧録版:1986年4月25日発売。※旧VHSに収録(販売元:ポニー、バンダイ)
- ソフト版:1995年3月17日、再公開版に一部追録してビデオ発売。※Blu-ray・DVD・新VHS収録
- スペシャル・エディション新録キャスト(2003年)
スタッフ
情報集計中…
用語集
ロケーション
楽曲
- 歌:星に願いを
- リトル・ウッドゥン・ヘッド
- クロック・シークエンス
- 子猫のテーマ
- ブルー・フェアリーのテーマ
- 歌:困ったときには口笛を
- ゼペットじいさん
- ピノキオ 学校へ行く
- 歌:ハイ・ディドゥル・ディー・ディー
- ソー・ソーリー
- 歌:もう糸はいらない
- 恐ろしいストロンボリー
- 悲しい再会
- 嘘をつくレッスン
- ターン・オン・ジ・オールド・ミュージック・ボックス
- 楽しい遊園地の島(プレジャー・アイランド)への馬車
- 怒ったジミニー・クリケット
- 変身
- ブルー・フェアリーからの手紙
- 救出
- 大波
- 悲しみのテーマ
- 目覚めたモンストロ
- 鯨のレース
最終更新:2025年01月19日 19:19