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イッツ・ア・スモールワールド

アトラクション:It's a Small World

1964年、ニューヨーク万国博覧会*ウォルト・ディズニーが提供したパビリオンをもとにして制作したアトラクション。ボートに乗って約300体のオーディオアニマトロニクス*で表現された子供たちの世界を巡る。企画はユニセフ。

アニメーターのメアリー・ブレア*の代表作として知られる。原曲となる「小さな世界」は、色々な国の言葉で歌えるように短くシンプルで覚えやすいフレーズというウォルトの注文によって、シャーマン兄弟(リチャード・M・シャーマン*ロバート・B・シャーマン*)が完成させた。後にディズニーのスタンダードとなる名曲「小さな世界」も世界的に有名となった。

ニューヨーク万国博覧会*

ユニセフからの依頼を受けて、第4のアトラクションとして制作された。他の4つは「マジック・スカイウェイ(後のピープルムーバー)」(フォード)、「リンカーン大統領の感動の演説」(イリノイ州)、「カルーセル・オブ・プログレス」(ゼネラル・エレクトリック)。いずれも革新的な技術を用いたアトラクションで、博覧会閉会後にディズニーランドへ移設された。(リンカーン大統領のみ、会期中の1965年にディズニーランドにも作った。)

入口には約120フィートの高さのモニュメントが設けられた。

利用料は大人95セント、子供60セント。総利用者数は2年半で1,000万人という驚異的な数字を叩き上げた。売上は全額ユニセフに寄付されたため、少なくとも600万ドルがこのアトラクションから寄付されたことになる。このアトラクションは時間あたりの回転率が極めて高く、ウォークスルータイプを想定していた「カリブの海賊」がボートライドになったきっかけとなったと言われている。

歴史

スポンサーのペプシ社の取締役会ではアトラクションの方向性がなかなか決まらなかった。元社長の未亡人であった女優のジョーン・クロフォード*は友人のウォルトにふさわしいアトラクションを依頼した。ディズニーは当時既に4つのアトラクションを掛け持ちしていたが、期間も一年を切っていたことから取締役会はディズニーに依頼することとした。

コンセプト・アートは『ふしぎの国のアリス』(1951年)のメアリー・ブレア*が担当した。彼女は1953年にディズニーを退社していたが、ウォルトの強い希望で制作に参加した。服飾デザインはアリス・デイヴィスマーク・デイヴィスの妻)が務めた。おもちゃのデザインはロリー・クランプ*、人形の動きはブレイン・ギブソン*が担当した。ウォルトは人形の表情にこだわっており、深く参加していた。

ディズニーランド

名前:イッツ・ア・スモールワールド
原題:It's a Small World
オープン:1966年5月28日
スポンサー:バンク・オブ・アメリカ(1966年~1992年)
      マテル(1992年~1999年)



ニューヨーク万国博覧会からアナハイムに移設する際、日照時間の長い気候のためカラフルなペイントを採用する案は断念し、白い外観となった。からくり時計には24体の人形が登場する仕掛けが追加された。

オーディオアニマトロニクス*の技術によって、297体の子供人形とその他256体のおもちゃが作られた。世界の100以上の国と地域を音楽のアレンジで表現している。

1997年からはクリスマス・バージョンが上演されるようになった。

2009年のリニューアルで香港版に倣って、ディズニーキャラクターが29体登場するようになった。

キャスト


マジック・キングダム

名前:イッツ・ア・スモールワールド
原題:It's a Small World
オープン:1971年10月1日
所属:ファンタジーランド



メアリー・ブレア*自らが手掛けた最後のスモールワールド。

からくり時計が屋内のキューラインにあるが、時報の人形の仕掛けはない。

フロリダ版は唯一、クリスマス・バージョンが実施されていない。

東京ディズニーランド

名前:イッツ・ア・スモールワールド
原題:It's a Small World
オープン:1983年4月15日
所要時間:約10分
定員:1台20名
スポンサー:そごう(1983年4月15日~2008年4月15日)
所属:ファンタジーランド


ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中南米、南太平洋の島々を巡る。ライドの内容はフロリダ版に準拠しており、ほぼ同じ。オリジナル版では、ピノキオがカメオ出演していた。

初のアメリカ合衆国*外のバージョンであり、フィナーレは現地の日本語で歌われている。

1996年までは建物の外に「スモールワールド・ステージ*」がありショーが行われていたが、現在は撤去されてトピアリーと噴水となっている。それと同時に外観の色も寒色から暖色に変更された。

1987年から1998年までは「スモールワールド・レストラン*」というレストランがあり、キャラクターブレックファストを実施していた。クローズ後は「プーさんのハニーハント」が設置されている。

2018年のリニューアルによって、香港版やアナハイム版と同じくディズニーキャラクターが登場するバージョンに変更された。登場キャラクターは最多の40体。乗り場も船旅の出発口であるスモールワールド・ステーション*というロケーションに変更された。また、中国語で歌唱されるシーンも追加されている。

ディズニーランド・パーク (パリ)

名前:イッツ・ア・スモールワールド
原題:It's a Small World
オープン:1992年4月12日
所属:ファンタジーランド



東京版同様、カラフルな外観をしている。

ライドの内容はヨーロッパ*の国々を増加させる変更が加えられている。また、アメリカ合衆国*のシーンも登場する。パリ版ではジョン・デブニーが作曲として参加している。

乗車場所はアナハイム版同様、屋外に設置されている。

2015年のリニューアルで照明の変更が行われた。

香港ディズニーランド*

名前:イッツ・ア・スモールワールド
原題:It's a Small World
オープン:2008年4月28日
所属:ファンタジーランド



開園当初は存在しなかったが、3年ほど遅れてオープンした。キューラインは屋外にあり、乗り場は屋内にある。

世界初となるディズニーキャラクターが登場するという構成となっており、38体のキャラクターが登場する。このしくみは2009年にアナハイム版、2018年に東京版にも採用された。

楽曲



ゲーム

ディズニー エピックミッキー ミッキーマウスと魔法の筆

グレムリンの村にはこのアトラクションをモデルにしたジャングルボート・ライド、アジアンボート・ライド、ヨーロピアン・ボート・ライドが登場する。

また、アトラクションの外観の時計塔のシンボルをモチーフにしたボスキャラクター「クロックタワー」が登場する。ボス戦BGMには「小さな世界」のダーク・アレンジが使用されている。

Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ

ファンタジーランドのアトラクションとして登場する。
最終更新:2025年01月19日 19:34