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ディズニー映画の著作権
ディズニーといえば、著作権に厳しいというイメージが定着してしまっているようですが、実際にはどうなのでしょうか。これは、
ミッキーマウスの前のキャラクター『
オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』(1927年)の版権を配給先の
チャールズ・ミンツ*に騙し取られたことから、ウォルト自身が権利に敏感になったことが原因だと言えます。ちなみに、2006年、傘下のABCのキャスター、
アル・マイケルズと引き替えにオズワルドの権利を回復しています。
日本での権利
- 日本の動画サイトに公開されるディズニー作品(英語版)の権利はここに該当します
- 映画の著作権が切れるのは、原則公開後50年です。
- 1945年以前の作品は戦時加算10年が適用されます。
- 2004年(1954年以降の作品)、改正により公開後70年に変更されました。
- 1954年以前の短編映画も同様に、ディズニー以外によるDVD化が認められています。
- しかし、映画の著作権とキャラクターの著作権は別々なので、ミッキーマウスを無許可に使用することは禁じられています。
ここで紹介したのは、英語版のみの話なので、一概に『白雪姫』を公開していいということではありません。例えば…
『白雪姫』(1937年)の公開版の権利は1937年に発生したもの(1997年消滅)なので、日本国内での公開は認められています。しかし、今日の日本で出回っているディズニー作品の日本語吹き替え音声は1980年代以降に新しく録音されたものがほとんどです。日本語版の権利は1980年代以降に新しく誕生したものなので、無断の公開はできません。
- スペシャル・エディション、プラチナ・エディション等
例えば、『白雪姫』(1937年)は、1993年にデジタル・リマスター版が公開されました。つまり、公式の日本のDVDに収録されている白雪姫は『白雪姫』(1993年)ということになります。これは1993年に新しく権利が発生したことになるので、この権利が消滅するのは現時点で、2060年以降になります。
『ドナルドダック・クロニクル』『シリー・シンフォニー 限定保存版』等、古い
短編映画をほぼ網羅したDVDが販売されていますが、これらはすべてデジタル・リマスター版です。
アメリカで著作権切れ(パブリック・ドメイン)になった長編映画は『白雪姫』(1937年)のみです。アメリカでは延長などが認められているようですが、『白雪姫』に関しては、ディズニー側が延長の申請を知らなかったらしく、著作権の延長を忘れてしまったのが原因です。
最終更新:2024年12月05日 00:34