「世界は消化されている。我々は、まだ溶けていないだけの異物に過ぎない」 —— 形而上物理学研究部 主席研究員 春鳴華
1. 根源:深淵の冥海
全ての元凶であり、この世界のルールの中心。
概要
国家最南端に30年以上前から鎮座する異常領域。
物理法則が崩壊しており、観測機器での正確な測定は不可能。
正体: 物質や概念を分解し、無へと還す「巨大な情報の消化器官」。
冥水
ステュギアン・フルード。深淵の冥海を満たす黒い流体。水ではなく「高密度の情報エントロピー」。
触れた物質の「定義」を溶かし、黒い泥に変える。
深度
アビス(深淵)という名の通り、深さによって危険度と得られるものが変わる。
- 第一階層「沈黙の岸辺(サイレント・ショア)」
- 現状の主な舞台。比較的浅瀬で、スカベンジャーやタナビオンが活動可能な領域。
- 第二階層「忘却の波打ち際(オブリビオン・サーフ)」
- 波が荒く、重力が歪み始めている領域。ここにある漂流物は、現行人類の技術を超越した「オーパーツ」クラス(ギターやミミックなど)が多い。
- 第三階層「原初の泥(プライモーディアル・マッド)」
- 『黙示の王』 が眠るとされる最深部。ここでは時間や空間の概念がなく、過去・現在・未来の全ての「終わり」が混在している場所。
環境現象
- 無音:音が死ぬのは、空気が振動しないからではなく、「アビスが『意味のある信号』を捕食しているから」。爆発音や銃声は「無意味な物理現象」としてわずかに響きますが、「人間の言葉(叫び、命令、詠唱)」は即座にアビスに吸い込まれて消滅する。そのため、アズール社やタナビオンは、身振り手振りや、光信号、あるいは脳に直接響く骨伝導デバイスなどを使って連携をとる必要があります。
- 記憶の雨: アビスの上空では、黒い海から蒸発した「死の概念」が雲となり、「記憶の雨」を降らせます。この雨に打たれると、自分の過去ではない「誰かの死に際の記憶」がフラッシュバックし、錯乱状態に陥ります。
- 黒い潮(ブラック・タイド): 月の引力ではなく、「別次元での大量死」や「世界的な悲劇」に呼応して、水位が上昇する現象。
2. 地理:二つの世界
この世界における「日常」と「非日常」の対比。
■ 境界都市イージス
文化: テック・ゴシック / コズミックホラー。
技術: オーバーテクノロジー。冥水や生体部品を利用したブラックボックス技術が主流。
景観: アズール社の「白」と、警告色の「黄」、そしてリゾートの廃墟が混在する歪な要塞。
廃墟区画モルヴァ: イージスの外殻にある無法地帯。スカベンジャーやタナビオンが跋扈する。
■ 内陸都市群
文化: レトロ・アジアン / サイバーパンク・オリエンタル。
技術: 現代レベル(電気・シリコン)。アナログ信仰が根強い。
雰囲気: 赤い提灯、雑多な路地、妖怪伝承。
関係性: イージスを「汚れた技術の街」として忌避しつつ、その恩恵(エネルギー)に依存している。
3. 生態系:怪異
環境による汚染度の違いが生む、異形の分類。
原型種
またの名を「オリジナル」
生息地: 内陸部。
特徴: 伝承や民話に基づく、霊的な「妖怪」や「悪魔」。
深淵変異種
またの名を「アビスバリアント」
生息地: モルヴァ、アビス周辺。
特徴: 原型種が冥水の影響で変異し、人工物(ゴミ・兵器)と融合した姿。
例: 銅線蟲(水蛇×ケーブル)、葬列虫(ヤドカリ×兵器残骸)。
降雨種
またの名をレインブリンガー。
特徴: 過剰に冥水を取り込み、「歩く雨雲」となったエリアボス級の大型個体。
勢力・組織
「感情はノイズだ。深淵を数値で定義し、資源として管理せよ」
テーマカラー:白 (White) / 属性:科学・管理
イージスのインフラ、防衛、医療を一手に担う巨大軍産複合体。
「ハスター繊維」の漂白技術や「冥水」のエネルギー転用など、オーバーテクノロジーを独占している。
「機械を捨てよ。泥を飲み、肉を変え、黒き母の胎内へ還ろう」
テーマカラー:黒・藍 (Black/Indigo) / 属性:信仰・肉体
深淵の冥海を崇拝する狂信者集団。「黒の洗礼」により冥水を体内に取り込み、肉体を異形化(進化)させることを教義とする。深淵変異種(怪異)を同胞として従える。
「観測できないものは存在しない。秩序とは、見ないことによって保たれる」
テーマカラー:灰 (Grey) / 属性:権威・隠蔽
政府管轄の研究機関。かつては対アビスの希望だったが、現在は保身と隠蔽に走る象牙の塔。 アビスの真実(消化器官であること)を隠し、市民には「特殊な磁場」程度の虚偽情報を流している。
最終更新:2025年12月01日 13:39