概要

ギルミアの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ693年10月、ロー・レアルス国軍とシャリアル国軍の間に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲693年6月における勢力図

フィードの戦いで敗れたシャリアル国は、勢いのまま攻め込んでくるロードレア国軍を撃退するため、ロー・レアルス国、リューグ国に依頼して、ロードレア国の後背を襲わせている。
しかし、この連合軍はキルレイツドゥバが軍議の席で対立した為、まともに戦うことなく引き上げていた。
それでも、依頼されたロードレア国軍を撤退させるという最低限の義理を果たしたロー・レアルス国軍は、「利害の一致から手を貸しただけで、決して我々は同盟を結んだわけではない」と、今度はそのままシャリアル国へと攻め込む。

シャリアル国は、686年にカルディスリファードの戦いで敗れたとき、その混乱に乗じてジース砦ドルリア砦を占領していたが、いまが奪還する好機と、メファイザスは自ら軍勢を率いて出陣した。
シャリアル国は、シャリアル三牙王を失ったショックから立ち直る間も与えられず、今度はロー・レアルス国に対峙しなければならなかった。

なお、この地は長い間シャリアル三牙王ドラグゥーンリガリオンが駐屯し、ロー・レアルス国軍の攻撃を過去に何度か撃退していた。
ゼノスとも戦ったことがあるが、さすがの三牙王も、ゼノスの前に負傷し、それ以後は正面から戦うことを避けたという。
フィードの戦いに召集された時、ドラグゥーンは「ロードレア軍がどのくらいの強さかは知らないが、ゼノスより強いという事はないだろう」と洩らしたという。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ロー・レアルス国軍
軍勢
シャリアル国軍
総兵力25000 兵力 総兵力19000
メファイザス 総指揮 ガルダフォール
リヴァドル 軍師
主要参戦者

メファイザス

ゼノス

ゾッグ

フェリシア

リヴァドル

ガルダ

フォール

リガード

リッシンバー

ゾゥド

ガイアス

ガイズ

戦闘経緯


フォールを筆頭に、リッシンバーリガードといった名将が揃っていたジース砦だったが、メファイザスはまずガズス砦を攻める。
しかし、ガルダゾゥドが指揮をとり、簡単には近づけさせず、ロー・レアルス国軍は一旦後退していく。

更に、メファイザスガズス砦をあきらめて、先にジース砦を攻めるべく、密かに砦の偵察にきているとの情報を掴んだシャリアル国軍は、ここで全軍出陣してメファイザスを討てば、一気に勝利できると、ジース砦から出陣する。

だが、最初の戦いで苦戦したこと、攻撃先を変更してジース砦の偵察に来ているということ、これらがすべてメファイザスの策略であり、偽情報におびき寄せられたシャリアル国軍は、待ち構えていたロー・レアルス国全軍の前にその身を晒す。

有利な籠城を捨てて野戦におびき出されたことに気付かされるが、時すでに遅く、ゼノスの突撃によってリッシンバーが負傷する。


一方その頃、ガズス砦には、フォールからの使者が到着し、砦から討って出て、ロー・レアルス国軍を挟撃するべきとの命令が下っていた。
これもまたメファイザスの手であり、砦から誘い出すために捕虜を使って行った偽伝令であったが、この策の恐ろしい所は、実際に野戦に持ち込むメファイザスは、一歩間違えれば本当に挟撃を受けるということであった。


時間差をつけて、二つの部隊を各個撃破するため、自分自身を囮として敵軍を呼び寄せる危険な策であったが、彼の読み通りガズス砦から出陣した部隊が到着するより前に、ジース砦部隊を敗走させることに成功すると、追撃をせずにそのまま部隊を反転させ、ガズス砦から出陣してきたガルダゾゥド部隊を撃退し、そのままギルミアの地まで追撃する。

この追撃戦で最も戦功をあげたゾッグは、ゼノスの副将から指揮官に昇格する。
また、ゼノスの養女と言われたフェリシアも、この頃から指揮官として戦場に立ったと言われている。

10の戦力と10の戦力がまともにぶつかれば、勝利を収めても損害は大きいが、砦から敵軍を誘い出し、10の戦力で5の戦力と2回戦うことで、メファイザスは完勝を収めた。


戦いの結末

この勝利により、ロー・レアルス国は、リファードの戦い以後に奪われた領土のほとんどを奪還することに成功する。
シャリアル国は、フィードの戦いとギルミアの戦いにより、ほぼ同時期に南北の領土を大きく削られることとなるが、フォールたちの動きも素早く、砦こそ奪われるがすぐさま軍勢を合流させ、新たな防衛陣を敷く。
これ以上の進軍は難しいと判断したメファイザスは、全軍をひきあげさせた。




最終更新:2024年08月09日 19:40