基本情報



略歴

幼い頃はヴェリアアレスと机を並ばせ、エザリアンの元で学んだ仲で、彼らの兄弟子にあたる。
成長すると、諸国を回り見聞を広めルディック国に仕官、カルディスロー・レアルス建国後はロー・レアルス国に籍を置き、その卓越した見識によって文官の中から見出される。

バルディゴス亡き後も未だ国力を蓄えていたルディック国に諸将が懸念を示すが、彼ただ一人はルディック国の衰退を予期、その言葉通り戦わずして次々とロー・レアルス国に帰順する城が現れ、その知略、先見力はカルディスをも驚愕させたが、同時に警戒心も呼んでいた。

リファードの戦いで大敗したロー・レアルス国にシャリアル国軍が攻め込むが、メファイザスはドルリア砦で敵を食いとめ、被害を最小限に抑えた。
この功績によりカルディスの軍師に抜擢され、メネシア砦の戦い(687)でも活躍し、ゼイレアンの戦い(690)においては、撤退をためらうカルディスに、ロードレア国に追撃戦をするほどの余力はないと進言、撤退を決意させる。
ソルドレイカの戦いでは、カルディスの「敵軍と同じ兵力をそろえられるか?」という問いに対して、「同数は無理ですが、半数もあれば勝利できるでしょう」と豪語、その言葉を実戦させて大勝利を収める。
その後、国境を守備するソフィスを2年に渡る戦いの末、第5次ゼイレアンの戦いで戦死させる。
しかし、かつての同門ヴェリアロードレア国の新たな軍師になると知ると、カルディスがここで戦死してくれれば自分の天下取りもあり得ると思い、メファイザスはカルディスヴェリアの能力を過小評価して伝え、辺境の反乱軍鎮圧と称して自身は主力部隊を率いて帰国する。
こうしてヴェリアの力を見誤り、主力部隊も失ったカルディスは、メファイザスの思惑通り戦死。政変の末メファイザスロー・レアルス国国主となる。

以後はギルミアの戦い(693)などの戦いを経て、ロードレア国、ベルザフィリス国と天下を賭けて戦い、その駆け引きはヴェリアを上回り、その知謀はディルセアを困惑させた。
ヴェリアの大遠征(703~705)では、ギリギリまで追い詰められる激しい戦いの末、リアーズ冬の陣ヴェリアを打ち破り、そのままメファイザスの逆遠征を開始するが、攻める立場となって、その膨大な戦略構想を現実のものとしたヴェリアの知力に改めて驚愕する。

708年にフェルスデッド併合を成し遂げ、ギルラ高地の戦いにも勝利してロードレア国も滅亡させる(ロードレア遠征)と、710年にベルザフィリス国と天下分け目のヴァイグの戦いに挑む。
この時ディルセアは「智」でも「力」でもかなわないと見て「運」の勝負にでたが、これにはメファイザスも対処の仕様が無く敗れ、敗走中に捕らわれる。

メファイザス最期の策は、処刑の前にガイヴェルドディルセアとそれぞれ会談、言葉巧みに互いに僅かに感じていた不信感を増幅させるという離間の策であった。
これは後になっておこる二人の確執の確かな火種となった。


人物

  • ヴェリアディルセアと並んで三大軍師と言われるが、軍師から国主となった二人が敗れ、軍師のままでいたディルセアが勝ち残ったところが興味深い。
  • 冷静な現状分析能力と守勢に回った時の戦争遂行能力、人心掌握術の3点において、同時代の軍師達の中で突出した能力の持ち主だったと言われている。カルディスに才覚を認められたのもルディック国の衰退を正確に予見できていたからであるし、ヴェリアの大遠征ではロードレア国の補給ルートが抱える脆弱性を見抜いたかのように巧妙な縦深防御(攻撃側の前進を防ぐのではなく、遅らそうとすることを目的とする。それにより時間を稼ぎつつ、攻撃側の前進による占領地域の増加と引き換えに敵の犠牲者を増加させる戦略)を行い、このことがリアーズ冬の陣での逆転勝利に繋がったという説である。
    • ただし、計画してそうなったのではなく、結果的にそうなっただけという異論も少なくない。
    • 逆に攻勢局面での動きには全般的に慎重さ・鈍重さが見られ、メファイザスの逆遠征のように部下の積極的な外征策を抑えつけるような役回りを演じることも珍しくなかったと言われる。
  • ルディック皇帝の地位を簒奪したバルディゴスがどのような統治を目指していたかについては、その治世が短かったこともあり十分には研究されていない。だが、メファイザスによるロー・レアルス国主即位に賛同者が多かった点やその治世中に領国では目立った反乱・一揆が発生していない点、またバルディゴスの側近であったケルスティンがメファイザス時代以降の内政で広範な権限・発言力を持っていた点などから、バルディゴス時代の施策を推測する為の手掛かりとして、メファイザス時代のロー・レアルス国に対する再評価も行われている。


関連項目




最終更新:2024年08月22日 01:08