概要

フェルス城の戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ706年5月、ロードレア国軍とベルザフィリス国軍の間に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲706年3月における勢力図

ベルザフィリス国の攻撃をかろうじてクルス山地で防いだロードレア国軍だが、今のロードレア国なら勝てると判断したガイヴェルドは、ディルセアに軍勢を預けて南ルートからロードレア国への進軍を命じた。
この時、一月の別離酒で帰順した将軍たちの目線をそらすため、彼らを北に配置して、ロッド国との決戦を期待させている。

ヴェリアが堕落したと聞いていたディルセアだが、彼はその警戒心を解いていなかった。
そして、その警戒が思い過ごしでなかったことを、身をもって思い知らされることとなる。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ベルザフィリス国軍
軍勢
ロードレア国軍
総兵力52000 兵力 総兵力35000
ディルセア 総指揮 ヴェリア
軍師
主要参戦者

ディルセア

バンガーナ

ゾーグ

カイル


ヴェリア

グロライド

ファルザス

メネヴァ

イル


戦闘経緯


フェルス城を包囲したディルセアだが、その城攻めは予想に反して苦戦を強いられた。
ヴェリア自らがファルザスメネヴァといった名将を率いて城に入り指揮をとると、これまでの国境守備軍とは見違える動きを見せ、一切の隙を見せずにベルザフィリス国軍を何度も撃退する。

城を力攻めすることの愚かさを知っているディルセアは、定石にのっとって兵糧攻めを試みるが、堅固なフェルス城を完全包囲することができず、輸送部隊に仕掛けた襲撃もファルザスによって撃退される。
そこで、長期戦を覚悟しつつ、水面下で内応者を探し出すが、ヴェリアに逆手にとられ、隠密であるイルの指揮の元、内応したと思っていた将の突然の攻撃を受けて思わぬ損害を出す。

こうして、ヴェリアが最も得意としていた心理戦においてディルセアは手玉にとられ、その後も戦いは数ヶ月に及び続くが、ついにディルセアは、城を落とせずに撤退を決意する。

後世において、「ヴェリアディルセアに強く、ディルセアメファイザスに強く、メファイザスヴェリアに強い三すくみの関係」と言われる通り、第2次ディースの戦いに続いて、ここでもヴェリアディルセアに完勝した。


戦いの結末

ディルセアを撃退したフェルス城は、しばらくはクルス山地と並んで西の守備の要となり、この後も何度もベルザフィリス国軍を撃退する。
その一方で、今度はロー・レアルス国軍の動きを察知したヴェリアは、自ら東へと向かいネルヴァの戦いへと赴く。

しかし、この時行軍中のヴェリアが吐血したとの記録がある。
その為、途中で首都から出立したルフィが合流し、看病と称して共にネルヴァ城へと向かう。
このことが、兵士たちに「戦場に娼婦を連れてきた」という誤解をうむこととなる。

また、ルフィの復讐説を提唱する者たちの間で現在も信じられている説として、彼女はヴェリアと出会った時から、酒に少量の毒を入れ続けて、その毒がここにきて効果を発揮しはじめた。
ルフィの合流は、自らが仕掛けた毒の顛末を最後まで見届けるためだった、という解釈もある。

これまで、ヴェリアルフィと酒に溺れて堕落したと言われていたが、ロー・レアルスベルザフィリスフェルスデッドといった強国を同時に相手にするという心理的重圧、そして西の果てから東の果てに移動して連戦しなければならない肉体的疲労、更に信頼していた将の裏切り、これらの事が重なり体を蝕んでいた。

確かに酒に逃避することもあったが、それは常識の範囲内であり、バイアラス達はヴェリアへの失望というより、ルフィや彼女が作った派閥と徹底的にそりが合わなかったことが出国の原因であった(復讐説を推す者には、それすらもルフィの計画であった)という説が近年では多くの支持を受けている。


最終更新:2024年08月11日 03:04