概要

ネルヴァの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ707年2月、ロードレア国軍とロー・レアルス国軍の間に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲706年3月における勢力図

フェルス城の戦いベルザフィリス国軍を撃退したヴェリアは、いまだ彼の智謀が健在なことを示した。
ヴェリアの大遠征失敗後、彼の名声は一度は地に落ち、鉄の軍律を守り続けていたロードレア国軍も目の届かない辺境の地で綱紀の緩みがあらわれていたが、この勝利は再び国を一致団結させた。

しかし、今度はロー・レアルス国が本格的な進軍を開始したと聞き、ヴェリアフェルス城ファルザスに任すと、自らは東へと向かった。
だが、この行軍の途中で彼は吐血して倒れる。
それでも、ヴェリアは気力を振り起こすと、病状についてはごく一部の将にしか告げずに全軍の前では変わらぬ姿を見せ、ネルヴァ城を本拠地としてロー・レアルス国軍と対峙した。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ロー・レアルス国軍
軍勢
ロードレア国軍
総兵力54000 兵力 総兵力42000
ガイアス 総指揮 ヴェリア
レザリア 軍師
主要参戦者

ルー

リガード

ガイアス

レザリア

ノードゥ

ヴェリア

リューズ

アルガード

メネヴァ

ナッシュ


戦闘経緯


ネルヴァ城は、かつてマラ偽帝討伐連合軍と戦った時、この城を捨ててフェリアザード城に撤退したことからもわかる通り、それほど堅固な城ではなかった。
そのため、ヴェリアも籠城ではなく、あくまでも食料や武具を蓄える拠点として使い、外に全軍を布陣させて野戦を挑んだ。

ロー・レアルス国軍は、3月に全軍総攻撃を仕掛けるが、ヴェリアが指揮するロードレア国軍はこの攻撃を撃退し、指揮の健在ぶりをみせた。

しかし、この頃からヴェリアの体調が崩れ始める。
看病と称して陣幕に他者を一切寄せ付けないルフィに対して、諸将は怒りをおぼえはじめる。
この時のルフィの心の内を知る術は、今となってはもうない。
通説通り本当に悪女であり、他者の心情など理解していなかったのか、それとも父の復讐のため、ヴェリアの心象を落とすためわざとこの様な行動をとったのか。
また、復讐説を推す者の間でも、ヴェリアが病に苦しむ姿を見て光悦に浸っていたという説と、最初は復讐のつもりだったが、この頃既に情がうつっており、愛憎の狭間に自身も揺れていたという説の二手に分かれている。

ルフィの思いはともかく、戦局において両軍はにらみ合いと小競り合いを続けながら、その後大きな決戦を避けていたが、ヴェリアがこの地に釘付けとなっていたことから、ベルザフィリス国、フェルスデッド国が一斉にロードレア国境に向かい進軍を開始する。
更に、この戦局においてもルーをはじめとする援軍が到着し、ヴェリアは窮地においこまれていく。


707年5月にロー・レアルス国軍の援軍が到着すると、再び大規模な激突を迎えるが、ルーはこの戦いでロードレア国の先発隊四将を次々と打ち破りその名を高めた。
ロー・レアルス国の猛将ゼノスは病によってこの戦いに出陣してこなかったが、この報告を聞くと「ルーがいる限り自分は病の快復のみを待つことができる」と我が事の様に喜んだという。

しかし、戦いそのものはヴェリアが再び押し返し、ルーをもってしても突破は困難であった。
「敵の主力を、国主自らが食い止めている」その報告が各地に伝わる事で、ロードレア国軍の士気はかろうじて維持され、ベルザフィリス国、フェルスデッド国の攻撃も各地の将が奮戦して食い止めていた。

だが、6月9日深夜、ヴェリアは突如として「敵軍を撃退する策が浮かんだ」と叫ぶと、ラディアアリガルアレスといった既に亡き将たちの名をあげ、亡霊に向かって幻の陣形と出陣を指示。
その直後に激しく吐血して倒れこむと、そのまま没した。
彼の脳裏には、ロードレア国黄金の時代による天下取りへの道がはっきりと見えたのだろうが、それは一瞬だけ垣間見えた走馬燈ともいえた。
これが、天下に名を轟かせた天才の最期であった。


戦いの結末

ロードレア国最後の柱がいま音を立てて崩れ、ヴェリアの陣没を知ったロー・レアルス国は総攻撃を仕掛ける。
ネルヴァ城は陥落し、リューズは降伏、ロー・レアルス国軍は更なる援軍を得て、本格的なロードレア領進軍を開始する。

メファイザスガルダドゥバ、病の癒えたゼノスロードレア国に派遣し、ヴェリアを失った国境守備部隊を一気に突き崩す。
敗走するロードレア国軍は狂乱し、ヴェリアを堕落させたと信じられていた悪女ルフィを見つけ出すと、彼女を斬り殺した。

ヴェリアの死は、かろうじて保っていたロードレア国の最後の糸を寸断させ、これによりベルザフィリスフェルスデッドとの国境戦線も崩壊、ロードレア国の領土は急速に削られていった。
ロードレア国は、内政総指揮官ミリフォンが国主となることでかろうじて混乱を収拾するが、この時はロードレアの内乱の様な国主争奪戦は起きなかった。
それは、ヴェリアが出陣前に密かに残していた書状により、自身に何かあった時のため後継者としてミリフォンが指名されていたためである。
だがこの混乱のなさは、ロードレア国主という地位が、「天下を狙う国の国主」から、「沈み行く船の船長を押し付けられる」にまで落ちぶれていた証拠でもあった。


最終更新:2024年08月18日 13:45