概要

第2次ディースの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ702年8月、ロードレア国と、ベルザフィリス国軍の間に起きた戦いである。
ディースの戦いと同じ場所で、攻守入れ替えて行われた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲700年6月における勢力図

ガイヴェルドが国主となったベルザフィリス国は、更なる富国強兵に務め、702年8月、ロードレア国に対して二度目の決戦を挑むこととなる。

前回のディースの戦いベルザフィリス国がとりあえずの勝利を収めていたが、決して圧勝ではなく、ロードレア国軍もすぐに防衛の体勢をとったことにより、結局ディース高原は放置されていた。
ロードレア国軍は、ヴェリアが真なる目的(ヴェリアの大遠征)の前に、主力部隊を一旦西に集結させ、ベルザフィリス国の封じ込めるためにこの戦いになんとしても勝たなければならなかった。
全く同じ地を決戦の舞台として選んだ両国は、前回よりも多くの兵力を動員し、この地へと戻ってきた。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ロードレア国軍
軍勢
ベルザフィリス国軍
総兵力81000 兵力 総兵力74000
ヴェリア 総指揮 ディルセア
アレス 軍師 レニィラ
主要参戦者

ヴェリア

アレス

バイアラス

ファルザス

レイアス

ディルセア

レニィラ

ラゴベザス

ディグド

レガード

リディ

リューズ

メネヴァ

アルガード

ザロ

ゾゥド

ゾーグ


戦闘経緯


第2次ディースの戦いは、前回の戦いより多くの兵士を動員しつつも、ガイヴェルドロー・レアルス国を警戒し、総大将をディルセアに任せて自身は出陣しなかった。
これに対しては、ルーディアが総指揮だった前回の戦いに勝利した以上、今回それ以上の戦果が期待されていたが、ガイヴェルドはその心理的重圧に耐えられずにディルセアに総指揮を委任したという説もあるが、真偽は不明である。

レニィララゴベザスディグドを初めとした主力部隊をディルセアに託して送り込んだベルザフィリス国軍。
対するロードレア国軍は、アレスバイアラスファルザスアルガードリディメネヴァといった、前回を遥かに上回る陣営を引き連れての出陣となった。

シルヴァスグローリヴァスに各国境戦線を任せ、可能な限りの戦力を集めたところにヴェリアの本気が伺われる。

両軍は約一ヶ月においてにらみ合うが、9月13日、先にヴェリアが動き出す。
ファルザスバイアラスアレス部隊が攻撃を開始すると、これに対してディルセアは、レニィララゴベザスディグドゾーグレガード部隊をもって防戦。
だが、全てはヴェリアの策であった。
最初に攻撃を仕掛けたファルザスバイアラスアレス部隊のうち、本物はバイアラス部隊のみであり、ファルザス部隊の旗を持っていたのはレイアス部隊、アレス部隊の旗をもっていたのはリューズ部隊であった。


最初から鉄壁の防御陣を敷き、守備だけに全力を傾けていたリューズレイアス部隊がベルザフィリス国軍の猛攻を塞いでいる間に、真のファルザス部隊が中央突破をはかり、更にアレス部隊、隠密で結成されたリディの伏兵部隊が、大きく左右から迂回してディルセア本陣へ同時攻撃を仕掛ける。

ディルセアは、ここでヴェリアの策を更に読もうとする。
ここで退けばそこに別の罠があり本陣が襲われるのか、それを見越して逆にこちらから突撃を仕掛けヴェリア本陣を狙うか、いや、それこそがヴェリアの真の目的で、突撃した瞬間真の罠が発動するのか、ディルセアの目の前に立ちはだかるヴェリアの幻影は、これまで彼が体験したことのない威圧感を発しながら彼に次の手を指せと促す。


ディルセアは完全にヴェリアの手のひらの上で疑心暗鬼となり、結局どう転んでも最も被害のでない状況を作るため全軍に防衛を命するが、そこにファルザスアルガードメネヴァ部隊の総攻撃がはじまり、アレスリディの奇襲も加わると、ディルセアは全軍に撤退命令を下した。

その撤退劇は前回の戦いをそのまま攻守交替したようなものであり、ラゴベザスディグドが指揮するベルザフィリス国軍の完璧な撤退に、ヴェリアもそれ以上の追撃を諦めざるを得なかった。

こうして国境決戦は終わり、ベルザフィリス国軍はロードレア国軍に、というよりディルセアヴェリアに対して完全に苦手意識を植え付けられ、ベルザフィリス国軍の矛先はロードレア国ではなく、ロッド国、ロー・レアルス国へと向けられる様になる。


戦いの結末

ベルザフィリス国軍を撃退したロードレア国軍だが、ヴェリアの真の目的は、最初からロー・レアルス国であった。
一度ディルセアに対して、自分への苦手意識を持たせ、ベルザフィリス国の目線を一旦ロードレア国からはずさせたヴェリアは、続いてロッド国へ攻め込むと見せかけて、一気にロー・レアルス国へ侵攻する予定であった。
それも、並大抵の遠征ではない、ロー・レアルス国の首都を落とすまでの年単位の遠征である。

この時代、既に遠征という軍事行為は存在していたが、出陣、戦、占領までを一連の行動と区切り本国へ帰還するのが主であり、長くても数ヶ月単位が限界であった。
しかし、ヴェリアが考えた遠征(ヴェリアの大遠征)は、まさに巨大なロー・レアルス国を併合するまで終わらないものであり、動員される将、兵、食料、武器、それらを繋げる補給、補充の確保、占領後の統治、全てがこの時代の常識を覆す大規模な遠征であった。
しかし、その準備には膨大な準備期間を必要とし、アレスが遠征計画案作成中に過労で倒れたこと、ロッド国との小競り合いが始まったことから、最終的に1年の準備期間を必要とした。


最終更新:2024年07月07日 20:51