概要
戦闘に至るまでの背景
▲687年3月における勢力図
自軍の強さに絶大な自信を持っていた
メスローは、自らの師である
ディグドの猛反対を押し切り出陣を決定、逆に彼を総指揮官に任命する。
ただし、
カルディスはこの時期
ロードレア国との戦いを視野に置いていたため、
シャリアル国に対しては防衛に専念していたことを考えると、結果的にこれは
メスローの慢心であった。
それでも、彼がそう思いたくなるほど、当時
シャリアル国の軍勢が各国の軍勢を圧倒していたことは事実である。
両軍の戦力
戦闘経緯
すぐに決戦に及ぶと思っていた
ナルザードに対して、
ディグドの持久戦は思いのほか長期にわたり、
ナルザードは次の動きがとれなくなる、元々諸将をまとめるほどの器量のなかったこともあり、早期開戦を主張する
グラインたちを抑えきれなくなる。
その一方で、単ににらみ合いを続けていただけではない
ディグドは、
リッシンバーを密かに動かして
バルド国軍の食糧庫を焼き討ちし、更に
バルド国軍の後方にある小城を陥落させたという虚報を流す。
短期決戦のつもりで、そこまで多くの兵糧をもちこんでいなかった
バルド国軍はこの報告に動揺、そこにそれまで動きを見せなかった
シャリアル国軍が一気に攻め込む。
グラインの必死の防戦によって、かろうじて戦線を持ちこたえさせていた
バルド国軍だが、
シャリアル国の名将と呼ばれる
フォールが
ケーズ部隊に強襲を仕掛け、部隊を壊滅させて戦線離脱させる。
これをきっかけに、
バルド国軍は総崩れとなり、全軍退却した。
戦いの結末
戦いに勝利した
ディグドの元に、
メスローから更なる進軍が命令される。
しかし、
アル国の動きを察知した
ディグドは、このまま進めば鉢合わせになることを計算し、それ以上の進軍をせずに帰国する。
帰国してきたことに
メスローは怒るが、
ディグドは「戦場に立てば、現場の判断を最優先するべき」と譲らず、
メスローも「さすがは我が兵法の師匠」とその場は笑って済ませるが、自室では一切怒りを隠さなかったと当時のメイドの証言にある。
事実、これ以後
ディグドは、
メスローの戦略から外されていくこととなる。
アル国の侵略
バルド国の敗戦を知った
アル国は、
ラウラの戦い、
カルドの戦いの連敗によって落ち込んでいた戦意を高揚させる為、便乗して
バルド国の西部、
エィディス平原に侵略している。
ただし、その地はほとんどが無人地帯であり、最初から形だけの勝利を得るためのものであった為、単独の戦いではなく、ルセーンの戦いの中の局地戦としてまとめられている。
また、
アル国軍においても、撤退する
デイルを追撃して領土深く進入した
ガズドが捕虜となり、説得を受けて以後は
バルド国の将となるが、この裏切りに怒った
ルドリアによって本国に残っていた家族が処刑される。
最終更新:2024年08月16日 03:19