概要
戦闘に至るまでの背景
▲700年6月における勢力図
両軍の戦力
戦闘経緯
知略に生きる
アレスが、何故このような蛮勇ともとれる行動に走ったのか。
それは、彼女自身もこの決戦において勝ち目が少ないということが見えていたため、来るべき敗北の結末を覆すには、誰もが想像しない行動をとり、そこに活路を見出すしかないと考えた為である。
アレスの鬼神に憑かれた突撃により
ルーディア本陣の旗は倒れ、激しい乱戦の末
ルーディア自身までもが流れ矢で負傷する。
だが、一時の混乱から立ち直った本陣に加え、
レニィラ、
ディルセア部隊が
アレス部隊を包囲し、今度は
アレス自身が左肩を斬られる。
もはやこれ以上の突撃は不可能と悟った
アレスの副将である
親衛白牙団が、自らの命を犠牲にして彼女を後退させた。
この混乱に乗じて両軍共に一旦陣を退き、再び対峙することとなる。
なお
ラゴベザスは、自分と
ヴィルガスを同時に相手にしながら一歩も引かなかった
バイアラスの敵ながら見事な戦いぶりに惚れ、帰還中の彼に使者を送って酒を渡し、これを受け取った
バイアラスも、毒酒を警戒する副官の
ザロに対し「戦場で槍を交わすことでわかることもある」と語り、笑って飲み干したという逸話がある。
戦いの結末
ディースの戦いは、
ベルザフィリス国軍が一応の勝利を飾ったが、
ロードレア国軍は決して崩壊したわけではなく、戦線を維持したままであり、国境こそ譲ったが、更に守りやすい地にて再布陣して待ち構えているという状況であり、
ベルザフィリス国は、勝利の実感を一切もてなかった。
ルーディアは、帰国した直後の2月24日に、突如国主の座から引退することを発表。
その地位を養子の
ガイヴェルドへ譲ると宣言した。
周囲の者は当然反対したが、
ルーディアの決意は固かった。
彼女は元々好戦的な人物ではなかったが、先王
ディアルの遺志を継ぐ為にあえて自らを修羅と化して戦っていた。
強靭な精神力で支えてきたその仮初の姿も、一本の矢によって簡単に断ち切られ、自らの精神力の限界を感じたのである。
ルーディアの説得を諦めた諸将は、彼女の決意を尊重し、2月26日、
ベルザフィリス国国主は
ガイヴェルドへと受け継がれた。
最終更新:2024年07月28日 14:31