概要

ムストア湾海戦とは、アルファ1737年11月、ヴァン・フレイ国のルナティスが、フェローラ国の三魔王ガルゾーマを討つ為に行ったフェローラの戦いにおいて、フェローラ国主力部隊をひきつけるためにラ・ディアス帝国が行った戦いである。

ただし、ラ・ディアス帝国にその意思はなく、ヴァン・フレイ国の遠謀で操られていた形となる。


戦闘に至るまでの背景


ノアルスの戦いガルゾーマの前に大敗を喫したラ・ディアス帝国。
もともとプライドの塊の様な大帝国はこの敗戦が許せず、機会があれば必ずフェローラ国かリヴォル帝国に攻め込むつもりでいた。
その気持ちをヴァン・フレイ国のルナティスは読み取り、フェローラ国がアリアス国との戦いで疲弊、今なら容易に攻め落とせると吹き込む。(それも、アストリア国経由で情報を送るという念の入れ方である)
人は、自分がこうなってほしい、という情報は、疑わずに信じてしまうものである。
ラ・ディアス帝国は、慎重派の意見を皇帝ロンディーナが無視し、出兵を決意する。

こうして、自分達がルナティスが行ったフェローラの戦いの囮部隊として利用されているとも知らずに、ラ・ディアス帝国艦隊はフェローラ東海岸を目指して出陣した。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ラ・ディアス帝国軍
軍勢
フェローラ国軍主力部隊
総兵力48000 兵力 総兵力41000
総指揮 エミリィ
軍師
主要参戦者

フローラ

マルキィ

ホルス

クリスアーノ

ボーン

エミリィ

ヴィル
援軍

ローザ
兵力 総兵力1700
総指揮
軍師
主要参戦者

リオン


戦闘経緯

ムストワ湾を目指して出陣したラ・ディアス帝国艦隊。
フェローラ国と友好関係にあるローザ国は、フェローラ国に多少なりとも恩を売ろうと、この艦隊に奇襲を仕掛けるべく艦隊を派遣した。
なお、多くの後世の物語ではこの艦隊をリオンが指揮したことになっているが、彼女に艦隊指揮経験はなかったため、あくまでも後に物語に絡むリオンの初登場を前倒しさせた物語上の演出と思われる。

しかし、ラ・ディアス帝国艦隊のあまりの大軍に、指揮官がだれであったかは関係なくローザ国艦隊は一蹴され、すぐに撤退する。

ラ・ディアス帝国艦隊は、それ以上の抵抗を受けることなくムストワ湾に到着。
元々フェローラ国の東海岸は断崖絶壁な地域が多く、上陸ポイントは限られている。それ故にフェローラ国の東の守りはこれまでの長い歴史でも完璧を誇っていた。
今回も、エミリィヴィルが狭い上陸ポイントに密集したラ・ディアス帝国軍を迎撃しようとするが、ラ・ディアス帝国軍はそれを上回る大軍で強引に上陸、海岸線を占拠する。

前述のとおり彼らの軍事行動そのものが実はルナティスによって踊らされた壮大な陽動作戦であり、その裏ではフェローラ強襲作戦が発動され、サヌアたちがガルゾーマの居城に到達した。
だが、首都でそんなことが起きているなどと知らずに、ムストア湾の戦いは上陸したラ・ディアス帝国軍は次々と進軍、本格的な激戦がはじまる。

この初戦でホルスエミリィが相打ち、ホルスは戦死し、エミリィは捕虜となる。
だが、更なる進軍を開始したラ・ディアス帝国軍の前に、ガルゾーマの側近ロアリーがあらかじめ準備して、迎撃軍に託されていたポイズンブレスが発動する。
本来なら、密室でもない外で広範囲に放たれた毒霧にそこまでの脅威を感じることはないのだが、独特の地形、季節風を計算したロアリーの秘策がラ・ディアス軍兵士の鼻腔を刺激する匂いを充満させていく。
前線の兵士がこの毒により倒れると、それを見た兵士達が一気に混乱状態となる。
距離を置けば毒には十分対処できたが、自分たちの知らないまったく新しい毒を撒かれたのではないかと動揺していたところにフェローラ国軍の攻撃が加わり、ラ・ディアス帝国軍は押し戻され、兵士達は完全に狂乱状態となり次々と海岸線の艦隊に逃げ戻る。

戦いの継続は不可能と見たラ・ディアス帝国軍は、ここで全軍に後退を命じ、フェローラ国から撤退していった。


戦いの結末

帰国した彼らに待っていたのは、ヴァン・フレイ国がガルゾーマを討ち取ったという報告であった。
ここにきて、自分達が誰のために出陣したのか、誰に踊らされていたのかを理解した皇帝ロンディーナは怒り狂ったが、他国の為に無意味に自国に被害を出したことにより、権威は地に落ちることとなる。


最終更新:2024年06月30日 05:54