アスペルガー症候群

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アスペルガー症候群 - (2017/04/06 (木) 22:22:15) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2012/01/08(日) 03:15:27 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 19 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- *【概要】 ---- アスペルガー症候群(Asperger syndrome、AS)とは、広汎性発達障害(PDD)の一つで分類上では&font(#ff0000){発達障害}にあたる。 勘違いされやすいが&font(#ff0000){知的障害ではない。} わかりやすく言うならば「知的レベルは健常だが、健常者に出来ることの一部ができない」障害。 知能指数だけなら健常者と変わらないことが殆どで、120や130を越えることも珍しくない。 なので、学業などの成績に秀でていることもざらにある。 男女比は3:1で男性が圧倒的に多い。 知的障害は約80%が原因不明であり、残りの20%は染色体などの先天的な異常や出産時の何らかのトラブルなどが原因となっているのに対して、 発達障害は脳機能の先天的な異常が原因とされている。 ※発達障害の他に知的障害も伴う場合が自閉症(カナー症候群とも言う)。 似たような言葉に高機能自閉症があるが、さほど区別されてない為ほぼ同一のものと思ってもらってよい。 *【歴史】 ---- 1944年にオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガー氏が発見したとされる。 ただし当時は第二次世界大戦戦中で、その後は敗戦国となってしまったことと、 その前年にアメリカの精神科医レオ・カナー氏が乳児自閉症に関する論文を発表していた事もあって、長らく歴史の中に埋もれてしまっていた。 1981年にイギリスの児童精神科医ローナ・ウィング女史がアスペルガーの業績を再評価し、一般に広まった。 つまり再発見されてからまだ30年程度しか経過していない、ある意味で新しい病気である。 日本では早期に紹介されていた事もあって1989年には社団法人日本自閉症協会が設立された。 2000年の豊川市主婦殺人事件や、2003年の長崎市男児誘拐殺人事件などで注目を浴びた。 これにより2005年には発達障害者支援法が施行されたが、まだまだ偏見の目は色濃いのが現状である。 *【特徴】 ----- 基本的にコミュニケーションに関する障害、と思ってもいいが厳密には全く方向性が違う。 自閉症とは違い、言語障害はない。 大まかに分類すると ①社会性 ②コミュニケーション能力 ③想像力と創造性 の3つが欠如していると言われている。 (他にもあるが後述) その一般人とは乖離した特徴や振る舞いから「変人」「宇宙人」「原始人」などと呼ばれやすい。 結果、周囲と変わっているということで学生時代にはいじめの標的にされやすい。 ※事前に前置きするが(ASも含まれる)自閉症スペクトラムの特性上、&font(#ff0000){個人差が非常に大きい為全員が全部に当てはまるわけではない}点には注意。 例えば運動能力に秀でている発症者や、社交的・コミュニケーション能力のある発症者、想像力のある発症者も存在する。 以下にアスペルガー症候群の特徴を例記するが、&font(#ff0000){当てはまるからといってアスペルガー症候群ではない}し、逆に&font(#ff0000){当てはまらないから健常とも限らない}。 &font(#ff0000){素人判断をせず、不安に思ったら必ず医師の診断を受けること。} ①社会性 相手の感情を読み取りにくいのが特徴。 ■事実かつ悪意はないものの、不適切な発言をしてしまい相手を不快な思いにさせる ■文面通りの意味として受け取ってしまう。冗談や皮肉が通用しない 夫婦喧嘩でもして「ウチから出てけ!!」などと言ったら多分間違いなく実行するだろう ■「暗黙のルール」を理解できない ■物事の好き嫌いが極端で嫌いな人間に対しては攻撃的になり、八つ当たりをする他、暴力を振るう ■空気が読めない、と言われる ■「常識」で考えれば推測出来るようなことが分からない ■相手の微妙な表情や声のトーンの変化から感情の変化を読み取ることができない ■逆に自分の感情を表情に表すことが難しい ■普段は無口 ■打ち解けた人にはマシンガントークを繰り広げる ②コミュニケーション能力 ●独特の話し方 ASは会話の内容を適切に処理する能力や要点を整理する能力に乏しい為、実は話の内容を理解していないことが多い。 ■話し方が回りくどい ■話の内容をぶった切り、全く脈絡のない話をし出す ■「何を言いたいのかよく分からない」と言われる ■会話が一方的になりがち ■人の話を聞かない人間とは相性が悪い(こういった人間と仲の良い人間もそう簡単にいるものではないが) ■やたらと難解な熟語や諺を使いがち ●その他 ■一対一なら問題なく会話できるが、複数の人数での会話になると取り残されがち ■話すときに無意識に目線を別の方向に反らす ■まばたきを殆どせずに凝視する ③想像力と創造性 ●強いこだわり よく言えば一点突破型とも言える。 ■自分独自のルールを持っており、周囲に合わせづらい。破られると強い不満を持つ ■毎日儀式的ともいえる行為をする (例:雨の日でも毎日ドアを開けないと気が済まない、朝決まった番組を必ず見る) ■(特定の事、もしくはあらゆる事に対する)恐ろしいまでの記憶力の高さと集中力 羨ましいように見えるが、裏を返せば…↓ ☆キーワード一つで嫌な出来事が突然フラッシュバックする ●その他 ■幾ら注意されてもメモを録って見返しても、同じような失敗を何度も繰り返す ■言われたことしかできない、柔軟性に欠ける ■具体的に指示しないと行動できない ■予定変更に弱い ■一度に一つのことしかできない、マルチタスクができない ■得意と不得意の差が激しい ■小さい頃に「ごっこ遊び」に興味を示さなかった ④その他 ●感覚の異常な感度 人によって過敏か鈍感のどちらか両極端。 ■聴覚過敏 聞きたい音と雑音の音量調整がうまくいかず(どれも同じ音量に聴こえる)聞きたい音が聞こえない、不快な音(例えば黒板を引っ掻く音)に対して思わず耳を塞ぐ等。 また、雷、破裂、チャイム等の突然発生(意識に割り込む)する音は基本的に苦手 ■視覚優位 視覚による情報処理が得意だが聴覚による情報処理が苦手、という傾向を視覚優位という。 例:職場で電話を受けても上手く情報をまとめられない、メモを取れないなど 逆に聴覚による情報処理の方が得意な聴覚優位というものもある。 ■触覚 例 ・タートルネック等の肌にピタッとくっつく服や、セーター等のチクチクした服が着られない、もしくは苦手&br()特定のメーカの服しか着られない ・むやみに相手に体を触られるのが苦手 ■嗅覚 一般人なら気にならない匂いを嗅ぎ分けて気にしてしまう ■味覚 極度の偏食など ●その他 ■不器用 ■量的感覚が掴みにくい ■運動が苦手(適度な運動をすれば克服は容易)、もしくは異様に長身で逆に身体能力に恵まれている故に身体の使い方が下手で力加減の制御ができず、物を壊しやすい ■独り言が多い(脳内だけでの処理が難しいため) ■後先を全く考えず、思い付きだけで頓珍漢な行動をしがち ■小刻みに手を振る歩きなど歩き方の挙動がおかしい ■食事や作業の途中でもじっと出来ずに歩き回りたくなる衝動に駆られることが多い この他にもタイプが分けられることがある ■積極奇異型アスペルガー 基本的にコミュニケーションは嫌いではないのと、数がアスペルガーの中でも最も多い型なので、 ネット上で「お前アスペだろ」と言われているのは積極奇異型。喋りたがりだが空気が読めず苦労する。 アスペルガーで漫画家で自身の体験を赤裸々に暴露する漫画を描き続ける沖田×華も積極奇異型アスペルガー。 ■受動型アスペルガー 周りのいう事をはいはい聞くため、他のタイプよりも問題を起こしにくく印象が良い。 だが本人のうちに溜めたストレスは他の型の比ではない。 周りから違和感を指摘されづらく一人で悩む傾向にある。 ■孤立型アスペルガー 自身の興味ある事象以外は目に入らず、交流を好まないのでまず出会えない。 度が過ぎると自分自身にすら興味がない。時間があれば興味がある事でも研究しているんだろう。 天才アスペルガーのイメージを作り上げたタイプである。 //天才アスペルガーのイメージを作り上げたのはこいつら。積極奇異型に求めないでほしい。 規定的に物事を行うため、いわゆる生真面目、クソ真面目、融通がきかない、などといわれるが、反面、余計なストレスに対する耐性がなく、非常に貯めやすい。 しかも自覚症状に乏しく、自分に無理を強いることが多い。 叱ると逆効果。特に泣いている時にはさらに号泣させてしまうことになる。 なのでパニックを起こしていたらそっとしておいた方がよい。 二次障害によりうつ病や統合失調症などを発症するリスクが健常者(定型発達者ともいう)よりもずっと高い。 なぜならストレスを貯める →でも真面目に仕事をする →またストレスが貯まる →真面目だから仕事が増える →限界突破して欝になる →対人恐怖症等の心因性の病気をこじらせて廃人になる という負のサイクルを非常に起こしやすく、脱出も難しい。 回復にも常人よりはるかに時間がかかる。 というのも重ねて言うが、アスペルガー症候群は知的障害ではない。 つまり&font(#ff0000){普通の人ができる事を自分ができない}という事を自覚している人が多いのだ。 自分は精一杯やっているつもりだけれど、他人からは努力していないと怒られる。 他の人が平気で軽々とやっていることを、どうしても自分は上手くやれない。 何をやっても怒られる。怒られたくないし迷惑かけているのもわかるから必死になる。 しかし…………。 こういう状態に陥れば、アスペルガー症候群で無くとも精神的苦痛やストレスは極めて大きいのは理解してもらえるだろう。 特に自分がアスペルガー症候群だと自覚していない人ほど、原因がわからず余計厳しい状態になってしまう。 知的障害が無い事は、&font(#ff0000){一見してまとも}であるという最大のネックにも繋がっていて、 つまり&font(#ff0000){あいつはダメな奴だ、サボっている、と周囲から思われてしまう}為、 発見がさらに遅れてしまうのだ。 仮に学生生活では成績が悪くはなくある程度適応出来ていても、就職してから適応が出来なくなるというパターンも少なくない。 *【対処法】 ---- 大事なことだから繰り返し言うが、アスペルガー症候群は&font(#ff0000){本人にはどうにもならない先天的障害}である。 だから必要以上に自分を責めてはならない。かといってどうせ先天的障害だからと最初から諦めたり開き直ったりするのも好ましくはない。 大切なのは自分の症状を自覚し、それに対処する方法を身に付けること。 例えば持ち物を忘れてしまうなら、常に仕事道具一式を全部携帯して持ち歩く。 道を覚えられないのなら、事前に地図を用意したり列車の乗り換えを確認しておくなど。 また、訓練で後天的にコミュニケーション能力を手に入れることも不可能ではない。 ほんの些細な事だが、ちょっとした工夫を積み重ね、社会に適応しようと努力している患者も大勢いることを、どうか覚えておいて頂きたい。 ただし自分がアスペルガー症候群であるということを自覚出来ても、 自分の問題点の内どこからどこまでが障害に因るものなのか、逆にどこからどこまでが努力不足や元来の性格などに因るものなのか、 といったことが自分でも分からず思い悩む人も大勢おり、 そのために周囲の人も接し方(強く叱責して良いのかどうかなど)に困ることが多々あるというのもこの障害の厄介な所である。 *【もし自分が発達障害ではないかと思ったら】 ---- 現在、アスペルガー症候群は先天性の脳の発達障害と考えられており&font(#ff0000){根本的な治療は不可能}。 [[根性論>根性論/精神論]]や人格否定に至るまえに、改善するには自分自身がこれらの&font(#ff0000){症状を自覚し対処方法を考えることが一番の近道}なので、 兎に角&font(#ff0000){早期発見が大切}。 もし「自分もそうじゃないのか?」と思ったら精神科か心療内科で診てもらおう。 また、近年発見されて認知が広がっている障害という事もあって、専門医師の中でも周知が遅れている。 その為なるべく専門のところで、セカンド・オピニオンも視野に含めて診察を受ける事をおすすめする。 他にも当事者会に参加し、信頼できる心療内科医を教えてもらうこともできる。 ただし、信頼できる医者の場合は人気もあって&font(#ff0000){&bold(){初診が○ヶ月待ちというのはザラ}}なので、待つ覚悟は必要。 更には全国で運営されている「発達障害者支援センター」という専門的機関も大きな支えとなることだろう。 ただし拘りすぎて「わかってもらえないが自分はアスペルガー症候群に違いない!」と思い込まないよう気をつけて。 その場合は&font(#ff0000){他の障害である可能性}もあるのだから。 &bold(){間違ってもしてはいけないのは、インターネット上で見知らぬ誰かに相談すること。} アスペルガー症候群、発達障害に限った話ではないが、素人で判断できる病気はほぼ存在しない。 ネットにいる人たちの殆どは本職のカウンセラーや精神科医ではないため、むやみに相談することはどちらにとっても負担であり、不利益でしかない。 また、インターネット上のアスペルガー症候群診断なども、確実・正確なものではない。 もし有益な情報が得られないような状況であれば、住んでいる自治体の福祉課へ。 *【偏見】 ---- インターネット上では「アスペ」をという言葉が、恐らく本来の意味ではなく単に「空気が読めない人」という意味合い、 要するにレッテル貼りでしか使われていないことに注意。 本来の意味から乖離している点では所謂「[[ステマ>ステルスマーケティング/ステマ]]」と同じ。 むしろ蔑称として扱われていることが多い以上、極めて問題のある使用法である。 実際にアスペルガー症候群で苦しんでいる人が大勢いる為、あまりこういった使い方をしないようご注意願いたい。 最近、世間に認知されてきたという事もあり、一時期の「自称うつ病」と同様に「自称AS発症者」も増えつつある。 これは本当の発症者に多大な迷惑がかかる上に偏見を広める一因となっているので、くれぐれも気を付けて頂きたい。 また「うつ病」同様に極めて個人差の大きい障害のため、&font(#ff0000){実際の発症者を「自称AS発症者」と混同しないように}。 健常者であればできて当然のことが、本人がいくら努力してもできないのがアスペルガー症候群なのだから。 アスペルガー症候群は先天性の障害である為、&font(#ff0000){幼少期から傾向が現れる}。 その為、小さいころから何か変わった点があったかどうかが、ひとつの診断の目安となっている。 (もっとも保護者がそれに気づいていない可能性も多いので、絶対とは言えないが) アスペルガー症候群などの発達障害の診断で保護者からの聞き取りが重要視されるのはそのため。 もし「自称AS発症者」と遭遇したら、まずその点を確認し、保護者と共に診断を受けるよう薦めて頂きたい。 当たり前だが&font(#ff0000){素人判断では診断も対処も極めて難しい障害}なのだから。 それでもしも本当の発症者であれば本人にとっても良い事であるし、もし違うなら……思い込み乙で済む話。 ただ無闇矢鱈に「お前アスペだろ」という行為は、前述の使用法と同じ行為なので、気を付けて。 障害者差別禁止法に先立ち行われたヒアリング等で判明している案件でも、以下の様な事例が確認されている。 ①障害特性について熟知していて然るべき臨床心理士、教師から配慮のない言動された -障害を持っている息子が臨床心理士から公の場で「普通学校は無理」ということを言われた。(茨城) -学校でトラブルがあると、自分が見てないところで起こった事もわが子のせいにされた。(茨城) -担当者の知識が薄く「わがまま、甘えてる」と言われ登校に恐怖を感じている。(沖縄) ②日常生活であからさま嫌悪感を示された・配慮のない発言をされた -市の職員から障害について配慮を欠いた発言をされた。(仙台) -下車時に(障害者手帳を見せると)極めて侮辱的な発言・態度を取られた。(茨城) -「発達障害をたてにできないと決めつけているだけでしょう」と言われた。(兵庫) -「他の人に迷惑がかかるから」と飛行機の搭乗を断られた。(沖縄) ③障害をオープンにして(就労した)が配慮が得られない -「特別扱いしないことが私の支援」と言われ合理的配慮が一切得られなかった。(茨城) -「見た目が普通なのに何で変なの?」と言われ、説明しても分かってもらえない。(千葉) -発達障害であることを伝えると門前払いされる。(仙台) -「多動じゃないの?」「ウチの学童はおとなしい障害児を求めている」などと言われ、入所は却下され退所。(千葉) -「そういうお子さんが入ってくると先生たちが大変なんですよ」と言われ入園を断られる。 -オープン就労しても席以外配慮してもらえない。(横浜) -オープン就労しても一切何の配慮もなく、退職に追い込まれた。(横浜) -オープン就労したが継続的なハラスメントを受けることになってしまった。(plus-handicap.com) -障害名を告げた(オープンにした)ら話もしてくれなくなり、退社せざるをえなくなった。(沖縄) また、「発達障害など児童の障害は幼児期の愛着の形成に起因する」といった&font(#ff0000){医学的エビデンスに基づかない悪質な情報}が流され、 発達障害は親の責任と単純解釈した人々から、当事者の親が上記のヒアリング事例のような心ない言葉を掛けられるケースもある。 さすがに当事者団体が抗議して撤回させたが、いかんせん学者が言っているから正しいというバイアスに基づく「発達障害児は親の責任」論は根強い。 以上のように、本人だけでなくその家族に対しても「社会的な障壁」が立ちふさがっているのが実情である。 日本の場合は2000年、2003年に発生した凶悪犯罪の犯人がアスペルガー症候群を患っていた事もあり、偏見が強い。 2016年に発生した神奈川県相模原市障害者施設襲撃事件も、標的となったのは重度知的障害者だが、アスペルガー症候群への偏見と根っこは同じである。 「知的障害者は不要、邪魔、危険だから排除しよう」という考えは、極めて危険なものである。 現に[[アドルフ・ヒトラー]]は「障害者は無用である」として抹殺する政策、K4作戦を推し進めていた。 フィクションだが類似の法令として『[[銀河英雄伝説]]』に登場する「劣悪遺伝子排除法」が独裁者の制定した稀代の悪法とされている。 そしてアスペルガーはまた、アスペルガー症候群の子供たちがナチスによる抹殺対象にならぬように訴え続けていた。 当該項目を閲覧している健常者の方は、くれぐれもこういった差別を助長しないよう注意していただきたい。 なぜならアスペルガー症候群は&bold(){誰でも発症する/している可能性のある}障害である。 あなたが、あなたの家族が、友達が、恋人が、もしかしたらアスペルガー症候群かもしれない。 決して、誰にとってもこれは他人事ではないのだ。 そしてもちろん、これはアスペルガー症候群に限った話ではなく、すべての障害や病気に言える事である。 *【最後に】 ---- アインシュタイン、トム・クルーズ、ビル・ゲイツ等もアスペルガー症候群であると言われるが、誰もが彼らのように才能を開花させているわけではない。 むしろ自分の特性に気づかずに日々を過ごしている人々が殆どであるとも言われる。 治療できる障害ではなくとも、上手く付き合って生きていける障害なのだから、どうか悲観的にならないよう。 またこの障害の持ち主は自分の興味関心のあることに対しては素晴らしい記憶力と集中力を発揮することも少なくないので、 巡り合わせによってはある特定の分野において大成するかもしれない。 //(恐らく宝くじで一等を当てるより困難であるが)。 追記・修正はお手柔らかに。 (分類等に間違いがありましたら適宜修正お願いしますm(_ _)m) #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,37) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2016-05-29 21:03:50) - 最近、芸能界で強姦致死でタイーホされた奴も発達障害だった模様。 本当に頼むから、有名人かつ障害者の奴は犯罪に走らんでくれ、本当に。「これだから障害者は...」っていう風潮になりだすから、余計生きにくくなるんです。仕事だって一回やめたら次探すのにも滅茶苦茶時間が掛かるのに、こういうことがあると、同じ障害ってだけでハネられるから。 -- 名無しさん (2016-09-12 15:10:52) - アスペルガーはもちろん、知的障がいや自閉症など発達障がいは、生まれつきで好きで産まれた訳ではないので、何もわかっていない人たちに色々、勝手な事言われるのが一番悲しいし、命に関わる癌などの重い病気と違って、手術で治す技術もないし、何よりも死ぬより辛いのが現実 -- 名無しさん (2016-10-01 20:28:41) - 日本では特に生きにくいよね。『空気を読む』とか『言葉の裏を読む(直接的な表現を避ける)』っていう、文化が西洋に比べて強いから。 -- 名無しさん (2016-10-01 20:48:40) - ↑どちらかと言うとむしろ、集団主義・・・というか同調圧力思想の強い日本の国民性に人一倍適応しにくいからだと思う >日本での生きにくさ -- 名無しさん (2016-10-01 21:15:37) - やっぱり日本は遅れとる -- 名無しさん (2016-10-01 21:27:37) - ↑同感。生まれつきである発達障がいを持つ子供達と人達にとっては、日本の間違った躾の「他人に迷惑をかけてはいけない」事と同じ。空気を読む自体が、ある意味自殺行為 -- 名無しさん (2016-10-05 19:09:06) - ↑よくそういってる人いるけど、海外は実際どうなん?人に迷惑をかけるなってのは最低限の礼儀だし、話し合ったうえで納得できる落としどころを見つけようってのじゃだめなん? -- 名無しさん (2016-10-06 01:11:08) - ↑「迷惑」の定義による。日本では「みんなと違う=迷惑な存在」となる。 -- 名無しさん (2016-10-06 01:27:19) - 遺伝的障害なのに男性比率が高いとはこれ如何に。Y染色体にでも影響してるのかね…? -- 名無しさん (2016-10-06 15:06:43) - アメリカの対応を調べてみると、本当に障害者とかマイノリティに理解があるんだなーと思える。 -- 名無しさん (2016-10-06 15:08:11) - 自分がアスペルガーだと分かったのは、大人になってからだった。子供の時に検査を受けたときは分からなかったのに、どうして、大人になってから分かったんだ。子供の時に分かっていれば、自分の人生も少しは変わったかもしれないのに… -- 名無しさん (2016-10-25 21:51:58) - 欧米は「相手の心を考える」的な文化なので、障害者だろうと健常者だろうと、それをおざなりにする日本はそれ以前の問題だったりする。まず考えるべきは、「平等とは何か」から。 -- 名無しさん (2016-10-28 16:09:28) - しかも最近保守系の連中が「平等=左翼の妄言」みたいにとらえてるからなおさらね。 -- 名無しさん (2016-10-31 10:58:47) - ↑続き 平等の言葉自体が悪いんじゃないけど、極左が拡大解釈して使っちゃってるからそれもあると思う。個人的な意見だけど。 -- 名無しさん (2016-10-31 11:01:08) - ↑続き だから平等っていうとそれだけで拒絶反応する人多いよね。(改行しようとして分けすぎましたすいません。)) -- 名無しさん (2016-10-31 11:02:01) - ↑5 自分と全く同じパターンだわ。もっと早くにわかってれば周りにかける迷惑ももっと少なく済んだんじゃないかって思うと後悔しかない -- 名無しさん (2016-10-31 11:17:43) - アスペルガーではないけど大人になって障害が解った者です。↑のかたは後悔や反省はしなくてもいいと思います。だって、解らなかったのは貴方の責任ではないんすから。思うのなら、「損したな、でも今からでもわかればある程度対処できるし、これから気を付けよう」程度に気楽にした方が鬱の併発とかにならずに済むと思います。発達障害+鬱になると余計面倒ですから -- 名無しさん (2016-10-31 12:21:47) - 昔からある障害なのに、世間から最近、発見したように扱われる事自体が腹が立つ。 -- 名無しさん (2016-12-09 21:54:55) - ↑昔の人は障害とすら分からず苦しんでいたと考えると知ってもらえるだけマシだと思う。(襲いかかる差別から目を逸らしながら) -- 名無しさん (2017-01-10 19:47:45) - そう言えば、日本人は障害者を一方的に毛嫌いしたり、敬遠する傾向あるけど、もし自分達が病気や事故で、障害者になる事を考えた事があるのかな?恐らく、ほとんどないと思うけど。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:22:37) - 相模原のあの事件みたく内心障害者の数減らせばええみたいなこと考えてる人多いんやろうなぁと思うとやるせない。もしかしたら自分がこれかもしれない、だから消えたいってのを叶えたがりなだけなのかもしれないが。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:34:29) - ↑2日本人に限らず人の常。日本では障害者支援やそれに関連したビジネスとかが表に出て来て、一般にも認知されたりしてるけど、まだまだ障害者を社会の恥として隠そうとする国だってある。アスペルガー症候群なんかは一見すると普通の人と同じってことで逆の意味で見ないフリされるケースもあるわけだし。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:58:40) - 発達障害持ちの漫画家・沖田×華の実話作品を初めとした、発達障害漫画を読むと、昔の自分を思い出して、ウツになる。 -- 名無しさん (2017-04-06 21:56:37) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/01/08(日) 03:15:27 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 19 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- *【概要】 ---- アスペルガー症候群(Asperger syndrome、AS)とは、広汎性発達障害(PDD)の一つで分類上では&font(#ff0000){発達障害}にあたる。 勘違いされやすいが&font(#ff0000){知的障害ではない。} わかりやすく言うならば「知的レベルは健常だが、健常者に出来ることの一部ができない」障害。 知能指数だけなら健常者と変わらないことが殆どで、120や130を越えることも珍しくない。 なので、学業などの成績に秀でていることもざらにある。 男女比は3:1で男性が圧倒的に多い。 知的障害は約80%が原因不明であり、残りの20%は染色体などの先天的な異常や出産時の何らかのトラブルなどが原因となっているのに対して、 発達障害は脳機能の先天的な異常が原因とされている。 ※発達障害の他に知的障害も伴う場合が自閉症(カナー症候群とも言う)。 似たような言葉に高機能自閉症があるが、さほど区別されてない為ほぼ同一のものと思ってもらってよい。 *【歴史】 ---- 1944年にオーストリアの小児科医ハンス・アスペルガー氏が発見したとされる。 ただし当時は第二次世界大戦戦中で、その後は敗戦国となってしまったことと、 その前年にアメリカの精神科医レオ・カナー氏が乳児自閉症に関する論文を発表していた事もあって、長らく歴史の中に埋もれてしまっていた。 1981年にイギリスの児童精神科医ローナ・ウィング女史がアスペルガーの業績を再評価し、一般に広まった。 つまり再発見されてからまだ30年程度しか経過していない、ある意味で新しい病気である。 日本では早期に紹介されていた事もあって1989年には社団法人日本自閉症協会が設立された。 2000年の豊川市主婦殺人事件や、2003年の長崎市男児誘拐殺人事件などで注目を浴びた。 これにより2005年には発達障害者支援法が施行されたが、まだまだ偏見の目は色濃いのが現状である。 *【特徴】 ----- 基本的にコミュニケーションに関する障害、と思ってもいいが厳密には全く方向性が違う。 自閉症とは違い、言語障害はない。 大まかに分類すると ①社会性 ②コミュニケーション能力 ③想像力と創造性 の3つが欠如していると言われている。 (他にもあるが後述) その一般人とは乖離した特徴や振る舞いから「変人」「宇宙人」「原始人」などと呼ばれやすい。 結果、周囲と変わっているということで学生時代にはいじめの標的にされやすい。 ※事前に前置きするが(ASも含まれる)自閉症スペクトラムの特性上、&font(#ff0000){個人差が非常に大きい為全員が全部に当てはまるわけではない}点には注意。 例えば運動能力に秀でている発症者や、社交的・コミュニケーション能力のある発症者、想像力のある発症者も存在する。 以下にアスペルガー症候群の特徴を例記するが、&font(#ff0000){当てはまるからといってアスペルガー症候群ではない}し、逆に&font(#ff0000){当てはまらないから健常とも限らない}。 &font(#ff0000){素人判断をせず、不安に思ったら必ず医師の診断を受けること。} ①社会性 相手の感情を読み取りにくいのが特徴。 ■事実かつ悪意はないものの、不適切な発言をしてしまい相手を不快な思いにさせる ■文面通りの意味として受け取ってしまう。冗談や皮肉が通用しない 夫婦喧嘩でもして「ウチから出てけ!!」などと言ったら多分間違いなく実行するだろう ■「暗黙のルール」を理解できない ■物事の好き嫌いが極端で嫌いな人間に対しては攻撃的になり、八つ当たりをする他、暴力を振るう ■空気が読めない、と言われる ■「常識」で考えれば推測出来るようなことが分からない ■相手の微妙な表情や声のトーンの変化から感情の変化を読み取ることができない ■逆に自分の感情を表情に表すことが難しい ■普段は無口 ■打ち解けた人にはマシンガントークを繰り広げる ②コミュニケーション能力 ●独特の話し方 ASは会話の内容を適切に処理する能力や要点を整理する能力に乏しい為、実は話の内容を理解していないことが多い。 ■話し方が回りくどい ■話の内容をぶった切り、全く脈絡のない話をし出す ■「何を言いたいのかよく分からない」と言われる ■会話が一方的になりがち ■人の話を聞かない人間とは相性が悪い(こういった人間と仲の良い人間もそう簡単にいるものではないが) ■やたらと難解な熟語や諺を使いがち ●その他 ■一対一なら問題なく会話できるが、複数の人数での会話になると取り残されがち ■話すときに無意識に目線を別の方向に反らす ■まばたきを殆どせずに凝視する ③想像力と創造性 ●強いこだわり よく言えば一点突破型とも言える。 ■自分独自のルールを持っており、周囲に合わせづらい。破られると強い不満を持つ ■毎日儀式的ともいえる行為をする (例:雨の日でも毎日ドアを開けないと気が済まない、朝決まった番組を必ず見る) ■(特定の事、もしくはあらゆる事に対する)恐ろしいまでの記憶力の高さと集中力 羨ましいように見えるが、裏を返せば…↓ ☆キーワード一つで嫌な出来事が突然フラッシュバックする ●その他 ■幾ら注意されてもメモを録って見返しても、同じような失敗を何度も繰り返す ■言われたことしかできない、柔軟性に欠ける ■具体的に指示しないと行動できない ■予定変更に弱い ■一度に一つのことしかできない、マルチタスクができない ■得意と不得意の差が激しい ■小さい頃に「ごっこ遊び」に興味を示さなかった ④その他 ●感覚の異常な感度 人によって過敏か鈍感のどちらか両極端。 ■聴覚過敏 聞きたい音と雑音の音量調整がうまくいかず(どれも同じ音量に聴こえる)聞きたい音が聞こえない、不快な音(例えば黒板を引っ掻く音)に対して思わず耳を塞ぐ等。 また、雷、破裂、チャイム等の突然発生(意識に割り込む)する音は基本的に苦手 ■視覚優位 視覚による情報処理が得意だが聴覚による情報処理が苦手、という傾向を視覚優位という。 例:職場で電話を受けても上手く情報をまとめられない、メモを取れないなど 逆に聴覚による情報処理の方が得意な聴覚優位というものもある。 ■触覚 例 ・タートルネック等の肌にピタッとくっつく服や、セーター等のチクチクした服が着られない、もしくは苦手&br()特定のメーカの服しか着られない ・むやみに相手に体を触られるのが苦手 ■嗅覚 一般人なら気にならない匂いを嗅ぎ分けて気にしてしまう ■味覚 極度の偏食など ●その他 ■不器用 ■量的感覚が掴みにくい ■運動が苦手(適度な運動をすれば克服は容易)、もしくは異様に長身で逆に身体能力に恵まれている故に身体の使い方が下手で力加減の制御ができず、物を壊しやすい ■独り言が多い(脳内だけでの処理が難しいため) ■後先を全く考えず、思い付きだけで頓珍漢な行動をしがち ■小刻みに手を振る歩きなど歩き方の挙動がおかしい ■食事や作業の途中でもじっと出来ずに歩き回りたくなる衝動に駆られることが多い この他にもタイプが分けられることがある ■積極奇異型アスペルガー 基本的にコミュニケーションは嫌いではないのと、数がアスペルガーの中でも最も多い型なので、 ネット上で「お前アスペだろ」と言われているのは積極奇異型。喋りたがりだが空気が読めず苦労する。 アスペルガーで漫画家で自身の体験を赤裸々に暴露する漫画を描き続ける沖田×華も積極奇異型アスペルガー。 ■受動型アスペルガー 周りのいう事をはいはい聞くため、他のタイプよりも問題を起こしにくく印象が良い。 だが本人のうちに溜めたストレスは他の型の比ではない。 周りから違和感を指摘されづらく一人で悩む傾向にある。 ■孤立型アスペルガー 自身の興味ある事象以外は目に入らず、交流を好まないのでまず出会えない。 度が過ぎると自分自身にすら興味がない。時間があれば興味がある事でも研究しているんだろう。 天才アスペルガーのイメージを作り上げたタイプである。 //天才アスペルガーのイメージを作り上げたのはこいつら。積極奇異型に求めないでほしい。 規定的に物事を行うため、いわゆる生真面目、クソ真面目、融通がきかない、などといわれるが、反面、余計なストレスに対する耐性がなく、非常に貯めやすい。 しかも自覚症状に乏しく、自分に無理を強いることが多い。 叱ると逆効果。特に泣いている時にはさらに号泣させてしまうことになる。 なのでパニックを起こしていたらそっとしておいた方がよい。 二次障害によりうつ病や統合失調症などを発症するリスクが健常者(定型発達者ともいう)よりもずっと高い。 なぜならストレスを貯める →でも真面目に仕事をする →またストレスが貯まる →真面目だから仕事が増える →限界突破して欝になる →対人恐怖症等の心因性の病気をこじらせて廃人になる という負のサイクルを非常に起こしやすく、脱出も難しい。 回復にも常人よりはるかに時間がかかる。 というのも重ねて言うが、アスペルガー症候群は知的障害ではない。 つまり&font(#ff0000){普通の人ができる事を自分ができない}という事を自覚している人が多いのだ。 自分は精一杯やっているつもりだけれど、他人からは努力していないと怒られる。 他の人が平気で軽々とやっていることを、どうしても自分は上手くやれない。 何をやっても怒られる。怒られたくないし迷惑かけているのもわかるから必死になる。 しかし…………。 こういう状態に陥れば、アスペルガー症候群で無くとも精神的苦痛やストレスは極めて大きいのは理解してもらえるだろう。 特に自分がアスペルガー症候群だと自覚していない人ほど、原因がわからず余計厳しい状態になってしまう。 知的障害が無い事は、&font(#ff0000){一見してまとも}であるという最大のネックにも繋がっていて、 つまり&font(#ff0000){あいつはダメな奴だ、サボっている、と周囲から思われてしまう}為、 発見がさらに遅れてしまうのだ。 仮に学生生活では成績が悪くはなくある程度適応出来ていても、就職してから適応が出来なくなるというパターンも少なくない。 *【対処法】 ---- 大事なことだから繰り返し言うが、アスペルガー症候群は&font(#ff0000){本人にはどうにもならない先天的障害}である。 だから必要以上に自分を責めてはならない。かといってどうせ先天的障害だからと最初から諦めたり開き直ったりするのも好ましくはない。 大切なのは自分の症状を自覚し、それに対処する方法を身に付けること。 例えば持ち物を忘れてしまうなら、常に仕事道具一式を全部携帯して持ち歩く。 道を覚えられないのなら、事前に地図を用意したり列車の乗り換えを確認しておくなど。 また、訓練で後天的にコミュニケーション能力を手に入れることも不可能ではない。 ほんの些細な事だが、ちょっとした工夫を積み重ね、社会に適応しようと努力している患者も大勢いることを、どうか覚えておいて頂きたい。 ただし自分がアスペルガー症候群であるということを自覚出来ても、 自分の問題点の内どこからどこまでが障害に因るものなのか、逆にどこからどこまでが努力不足や元来の性格などに因るものなのか、 といったことが自分でも分からず思い悩む人も大勢おり、 そのために周囲の人も接し方(強く叱責して良いのかどうかなど)に困ることが多々あるというのもこの障害の厄介な所である。 *【もし自分が発達障害ではないかと思ったら】 ---- 現在、アスペルガー症候群は先天性の脳の発達障害と考えられており&font(#ff0000){根本的な治療は不可能}。 [[根性論>根性論/精神論]]や人格否定に至るまえに、改善するには自分自身がこれらの&font(#ff0000){症状を自覚し対処方法を考えることが一番の近道}なので、 兎に角&font(#ff0000){早期発見が大切}。 もし「自分もそうじゃないのか?」と思ったら精神科か心療内科で診てもらおう。 また、近年発見されて認知が広がっている障害という事もあって、専門医師の中でも周知が遅れている。 その為なるべく専門のところで、セカンド・オピニオンも視野に含めて診察を受ける事をおすすめする。 他にも当事者会に参加し、信頼できる心療内科医を教えてもらうこともできる。 ただし、信頼できる医者の場合は人気もあって&font(#ff0000){&bold(){初診が○ヶ月待ちというのはザラ}}なので、待つ覚悟は必要。 更には全国で運営されている「発達障害者支援センター」という専門的機関も大きな支えとなることだろう。 ただし拘りすぎて「わかってもらえないが自分はアスペルガー症候群に違いない!」と思い込まないよう気をつけて。 その場合は&font(#ff0000){他の障害である可能性}もあるのだから。 &bold(){間違ってもしてはいけないのは、インターネット上で見知らぬ誰かに相談すること。} アスペルガー症候群、発達障害に限った話ではないが、素人で判断できる病気はほぼ存在しない。 ネットにいる人たちの殆どは本職のカウンセラーや精神科医ではないため、むやみに相談することはどちらにとっても負担であり、不利益でしかない。 また、インターネット上のアスペルガー症候群診断なども、確実・正確なものではない。 もし有益な情報が得られないような状況であれば、住んでいる自治体の福祉課へ。 *【偏見】 ---- インターネット上では「アスペ」をという言葉が、恐らく本来の意味ではなく単に「空気が読めない人」という意味合い、 要するにレッテル貼りでしか使われていないことに注意。 本来の意味から乖離している点では所謂「[[ステマ>ステルスマーケティング/ステマ]]」と同じ。 むしろ蔑称として扱われていることが多い以上、極めて問題のある使用法である。 実際にアスペルガー症候群で苦しんでいる人が大勢いる為、あまりこういった使い方をしないようご注意願いたい。 最近、世間に認知されてきたという事もあり、一時期の「自称うつ病」と同様に「自称AS発症者」も増えつつある。 これは本当の発症者に多大な迷惑がかかる上に偏見を広める一因となっているので、くれぐれも気を付けて頂きたい。 また「うつ病」同様に極めて個人差の大きい障害のため、&font(#ff0000){実際の発症者を「自称AS発症者」と混同しないように}。 健常者であればできて当然のことが、本人がいくら努力してもできないのがアスペルガー症候群なのだから。 アスペルガー症候群は先天性の障害である為、&font(#ff0000){幼少期から傾向が現れる}。 その為、小さいころから何か変わった点があったかどうかが、ひとつの診断の目安となっている。 (もっとも保護者がそれに気づいていない可能性も多いので、絶対とは言えないが) アスペルガー症候群などの発達障害の診断で保護者からの聞き取りが重要視されるのはそのため。 もし「自称AS発症者」と遭遇したら、まずその点を確認し、保護者と共に診断を受けるよう薦めて頂きたい。 当たり前だが&font(#ff0000){素人判断では診断も対処も極めて難しい障害}なのだから。 それでもしも本当の発症者であれば本人にとっても良い事であるし、もし違うなら……思い込み乙で済む話。 ただ無闇矢鱈に「お前アスペだろ」という行為は、前述の使用法と同じ行為なので、気を付けて。 障害者差別禁止法に先立ち行われたヒアリング等で判明している案件でも、以下の様な事例が確認されている。 ①障害特性について熟知していて然るべき臨床心理士、教師から配慮のない言動された -障害を持っている息子が臨床心理士から公の場で「普通学校は無理」ということを言われた。(茨城) -学校でトラブルがあると、自分が見てないところで起こった事もわが子のせいにされた。(茨城) -担当者の知識が薄く「わがまま、甘えてる」と言われ登校に恐怖を感じている。(沖縄) ②日常生活であからさま嫌悪感を示された・配慮のない発言をされた -市の職員から障害について配慮を欠いた発言をされた。(仙台) -下車時に(障害者手帳を見せると)極めて侮辱的な発言・態度を取られた。(茨城) -「発達障害をたてにできないと決めつけているだけでしょう」と言われた。(兵庫) -「他の人に迷惑がかかるから」と飛行機の搭乗を断られた。(沖縄) ③障害をオープンにして(就労した)が配慮が得られない -「特別扱いしないことが私の支援」と言われ合理的配慮が一切得られなかった。(茨城) -「見た目が普通なのに何で変なの?」と言われ、説明しても分かってもらえない。(千葉) -発達障害であることを伝えると門前払いされる。(仙台) -「多動じゃないの?」「ウチの学童はおとなしい障害児を求めている」などと言われ、入所は却下され退所。(千葉) -「そういうお子さんが入ってくると先生たちが大変なんですよ」と言われ入園を断られる。 -オープン就労しても席以外配慮してもらえない。(横浜) -オープン就労しても一切何の配慮もなく、退職に追い込まれた。(横浜) -オープン就労したが継続的なハラスメントを受けることになってしまった。(plus-handicap.com) -障害名を告げた(オープンにした)ら話もしてくれなくなり、退社せざるをえなくなった。(沖縄) また、「発達障害など児童の障害は幼児期の愛着の形成に起因する」といった&font(#ff0000){医学的エビデンスに基づかない悪質な情報}が流され、 発達障害は親の責任と単純解釈した人々から、当事者の親が上記のヒアリング事例のような心ない言葉を掛けられるケースもある。 さすがに当事者団体が抗議して撤回させたが、いかんせん学者が言っているから正しいというバイアスに基づく「発達障害児は親の責任」論は根強い。 以上のように、本人だけでなくその家族に対しても「社会的な障壁」が立ちふさがっているのが実情である。 日本の場合は2000年、2003年に発生した凶悪犯罪の犯人がアスペルガー症候群を患っていた事もあり、偏見が強い。 2016年に発生した神奈川県相模原市障害者施設襲撃事件も、標的となったのは重度知的障害者だが、アスペルガー症候群への偏見と根っこは同じである。 「知的障害者は不要、邪魔、危険だから排除しよう」という考えは、極めて危険なものである。 現に[[アドルフ・ヒトラー]]は「障害者は無用である」として抹殺する政策、K4作戦を推し進めていた。 フィクションだが類似の法令として『[[銀河英雄伝説]]』に登場する「劣悪遺伝子排除法」が独裁者の制定した稀代の悪法とされている。 そしてアスペルガーはまた、アスペルガー症候群の子供たちがナチスによる抹殺対象にならぬように訴え続けていた。 当該項目を閲覧している健常者の方は、くれぐれもこういった差別を助長しないよう注意していただきたい。 なぜならアスペルガー症候群は&bold(){誰でも発症する/している可能性のある}障害である。 あなたが、あなたの家族が、友達が、恋人が、もしかしたらアスペルガー症候群かもしれない。 決して、誰にとってもこれは他人事ではないのだ。 そしてもちろん、これはアスペルガー症候群に限った話ではなく、すべての障害や病気に言える事である。 *【最後に】 ---- アインシュタイン、トム・クルーズ、ビル・ゲイツ等もアスペルガー症候群であると言われるが、誰もが彼らのように才能を開花させているわけではない。 むしろ自分の特性に気づかずに日々を過ごしている人々が殆どであるとも言われる。 治療できる障害ではなくとも、上手く付き合って生きていける障害なのだから、どうか悲観的にならないよう。 またこの障害の持ち主は自分の興味関心のあることに対しては素晴らしい記憶力と集中力を発揮することも少なくないので、 巡り合わせによってはある特定の分野において大成するかもしれない。 //(恐らく宝くじで一等を当てるより困難であるが)。 追記・修正はお手柔らかに。 (分類等に間違いがありましたら適宜修正お願いしますm(_ _)m) #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,37) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2016-05-29 21:03:50) - 最近、芸能界で強姦致死でタイーホされた奴も発達障害だった模様。 本当に頼むから、有名人かつ障害者の奴は犯罪に走らんでくれ、本当に。「これだから障害者は...」っていう風潮になりだすから、余計生きにくくなるんです。仕事だって一回やめたら次探すのにも滅茶苦茶時間が掛かるのに、こういうことがあると、同じ障害ってだけでハネられるから。 -- 名無しさん (2016-09-12 15:10:52) - アスペルガーはもちろん、知的障がいや自閉症など発達障がいは、生まれつきで好きで産まれた訳ではないので、何もわかっていない人たちに色々、勝手な事言われるのが一番悲しいし、命に関わる癌などの重い病気と違って、手術で治す技術もないし、何よりも死ぬより辛いのが現実 -- 名無しさん (2016-10-01 20:28:41) - 日本では特に生きにくいよね。『空気を読む』とか『言葉の裏を読む(直接的な表現を避ける)』っていう、文化が西洋に比べて強いから。 -- 名無しさん (2016-10-01 20:48:40) - ↑どちらかと言うとむしろ、集団主義・・・というか同調圧力思想の強い日本の国民性に人一倍適応しにくいからだと思う >日本での生きにくさ -- 名無しさん (2016-10-01 21:15:37) - やっぱり日本は遅れとる -- 名無しさん (2016-10-01 21:27:37) - ↑同感。生まれつきである発達障がいを持つ子供達と人達にとっては、日本の間違った躾の「他人に迷惑をかけてはいけない」事と同じ。空気を読む自体が、ある意味自殺行為 -- 名無しさん (2016-10-05 19:09:06) - ↑よくそういってる人いるけど、海外は実際どうなん?人に迷惑をかけるなってのは最低限の礼儀だし、話し合ったうえで納得できる落としどころを見つけようってのじゃだめなん? -- 名無しさん (2016-10-06 01:11:08) - ↑「迷惑」の定義による。日本では「みんなと違う=迷惑な存在」となる。 -- 名無しさん (2016-10-06 01:27:19) - 遺伝的障害なのに男性比率が高いとはこれ如何に。Y染色体にでも影響してるのかね…? -- 名無しさん (2016-10-06 15:06:43) - アメリカの対応を調べてみると、本当に障害者とかマイノリティに理解があるんだなーと思える。 -- 名無しさん (2016-10-06 15:08:11) - 自分がアスペルガーだと分かったのは、大人になってからだった。子供の時に検査を受けたときは分からなかったのに、どうして、大人になってから分かったんだ。子供の時に分かっていれば、自分の人生も少しは変わったかもしれないのに… -- 名無しさん (2016-10-25 21:51:58) - 欧米は「相手の心を考える」的な文化なので、障害者だろうと健常者だろうと、それをおざなりにする日本はそれ以前の問題だったりする。まず考えるべきは、「平等とは何か」から。 -- 名無しさん (2016-10-28 16:09:28) - しかも最近保守系の連中が「平等=左翼の妄言」みたいにとらえてるからなおさらね。 -- 名無しさん (2016-10-31 10:58:47) - ↑続き 平等の言葉自体が悪いんじゃないけど、極左が拡大解釈して使っちゃってるからそれもあると思う。個人的な意見だけど。 -- 名無しさん (2016-10-31 11:01:08) - ↑続き だから平等っていうとそれだけで拒絶反応する人多いよね。(改行しようとして分けすぎましたすいません。)) -- 名無しさん (2016-10-31 11:02:01) - ↑5 自分と全く同じパターンだわ。もっと早くにわかってれば周りにかける迷惑ももっと少なく済んだんじゃないかって思うと後悔しかない -- 名無しさん (2016-10-31 11:17:43) - アスペルガーではないけど大人になって障害が解った者です。↑のかたは後悔や反省はしなくてもいいと思います。だって、解らなかったのは貴方の責任ではないんすから。思うのなら、「損したな、でも今からでもわかればある程度対処できるし、これから気を付けよう」程度に気楽にした方が鬱の併発とかにならずに済むと思います。発達障害+鬱になると余計面倒ですから -- 名無しさん (2016-10-31 12:21:47) - 昔からある障害なのに、世間から最近、発見したように扱われる事自体が腹が立つ。 -- 名無しさん (2016-12-09 21:54:55) - ↑昔の人は障害とすら分からず苦しんでいたと考えると知ってもらえるだけマシだと思う。(襲いかかる差別から目を逸らしながら) -- 名無しさん (2017-01-10 19:47:45) - そう言えば、日本人は障害者を一方的に毛嫌いしたり、敬遠する傾向あるけど、もし自分達が病気や事故で、障害者になる事を考えた事があるのかな?恐らく、ほとんどないと思うけど。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:22:37) - 相模原のあの事件みたく内心障害者の数減らせばええみたいなこと考えてる人多いんやろうなぁと思うとやるせない。もしかしたら自分がこれかもしれない、だから消えたいってのを叶えたがりなだけなのかもしれないが。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:34:29) - ↑2日本人に限らず人の常。日本では障害者支援やそれに関連したビジネスとかが表に出て来て、一般にも認知されたりしてるけど、まだまだ障害者を社会の恥として隠そうとする国だってある。アスペルガー症候群なんかは一見すると普通の人と同じってことで逆の意味で見ないフリされるケースもあるわけだし。 -- 名無しさん (2017-01-14 09:58:40) - 発達障害持ちの漫画家・沖田×華の実話作品を初めとした、発達障害漫画を読むと、昔の自分を思い出して、ウツになる。 -- 名無しさん (2017-04-06 21:56:37) - いやーものの見事にあてはまってたわ俺 -- 名無しさん (2017-04-06 22:22:15) #comment #areaedit(end) }

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