平原美弦

登録日:2024/04/29 (月曜日) 08:37:17
更新日:2024/05/20 Mon 14:31:36
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大丈夫、私に迷いはないわ。

平原美弦(ひらはら みお)とは、TVアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』に登場するキャラクターで、本作の主人公・平原陽桜莉の姉である。


■概要

高校三年生で、月宮市にある聖イネス学園高等部に通っている。
好きなものはアイス。嫌いなものは虫全般。物事に対して冷静で、どこかはかなげな雰囲気を持っている。
ある事情で両親がいない陽桜莉にとって親代わり的な存在で、いつも優しく、“想い”を尊重して守ってくれた大好きなお姉ちゃん。
その特殊な家庭事情のために料理や家事全般が得意。

物腰がやわらかで優しく、繊細な性格。その特殊な事情ゆえに高校生とは思えないほど大人びており、岸田メル氏の原画はさながら未亡人のような雰囲気を放っている。
母と姉妹揃って、誰にも言わず何かしらを心の奥底で背負い込み過ぎるという悪癖があり、周囲が気が付けば限界を迎えているというパターンも多い。
幼い頃、父と死別。さらに中学二・三年生の頃に母も失踪しており、陽桜莉とずっと一緒に暮らしていた。その過ごした時間の長さゆえに二人の絆は非常に強いのだが……。
「幻」以降のブルリフでは比較的珍しく親戚付き合いはいたって良好で、現在住む家は叔父の住んでいたアパートの一室を借りたもの。ただし、未成年の二人暮らしは非常に心配されている。

「澪」本編前では、司城夕月と来夢の姉妹にリフレクターとして選ばれ、攻め寄せる人類の敵である“原種”を撥ね返し、自分の大切(ひおり)を守るために戦っていた。

■リフレクターとしての能力


まだ迷いがあるようね

武器は、前作主人公である日菜子と同じ、青く透き通った刀身を持つ
髪色は変化せず、衣装だけが変化する。うわきつと言ったやつは最深な
変身に必要な青い指輪は、司城姉妹から与えられたもので、リフレクターに共通して左手人差し指に嵌めている*1
■■■(サポーター)がいたとはいえ、ネツァクが現れるまで順調に“原種”を撃退できていたことから、リフレクターとしての能力は日菜子と同等のもの推察でき、「澪」本編中ではその実力の一端が見える場面も。
「帝」では、ある理由で変身できず、非戦闘員として登場。変身と戦闘は出来ないものの、家事に料理にと八面六臂の大活躍を見せる。
+ ルージュリフレクターとしての能力
「澪」本編では、赤の指輪(ルージュリフレクション)を嵌めるルージュリフレクターとしても変身している。
武器は剣と、それを変化させた意思に従って動く二本の鎖で、トリッキーな戦い方でブルー側のリフレクターたちを翻弄する。
衣装もまたブルーの時と比べ黒と灰色を基調としており、非常に毒々しい。
+ イローデッド
柴乃に力を与えられ、操られている状態のこと。長らく謎だったが、『BLUE REFLECTION SUN/燦』で登場する、“灰”に適応してしまった少女たちと同じ名称であることが判明した。

+ 《アニメ前半》
間違ってた、私……。もう、どうすればいいか分からない……

本編冒頭、最後の“原種”ネツァクと対峙する■■■(あいぼう)の元に急行。しかし戦意を喪失しており、剣を構えることが出来ず地面に落とす。
そして、放たれたネツァクの攻撃が直撃し……。

これからも私たちはなにも変わらない
フラグメントを集めるためなら、絶望をも恐れない

なぜか、憧れや愛情などいった正の感情を力に換える青の指輪とは異なり、絶望や虚無感などといった負の感情を力に変える赤の指輪(ルージュリフレクション)を嵌めるルージュリフレクターの首魁として登場。
フラグメント集めの走狗である山田 仁菜と謎の病弱な少女、柴乃からそれぞれ“お姉さま”、“お姉ちゃん”と呼ばれ、とある目的のためにフラグメントを集めているようだが――?

柴乃──……!!

“また”殺すの?まだ殺し足りないの?
殺さないで、“お姉ちゃん”。もう二度と苦しめないで、私の想いに気づいて

……っ

私だけの“お姉ちゃん”でいて。お願い、“お姉ちゃん”……

大丈夫……
大丈夫よ……!二度とあなたを苦しめたりしないっ

集めたフラグメントで、人間の潜在的無意識の世界、“コモン”への扉を開く鍵兼生贄が山田から妹である陽桜莉に変更された聞かされた美弦はたまらず激昂したが、美弦の抱える過ちと、それに対するトラウマを刺激され妹を生贄にすることを承諾。多くの謎を抱えたまま、物語は怒涛の展開を迎える。

どうして陽桜莉を狙う!大切なら、どうして……!?

道はひとつしか残されていなかった……!!
ここでまた道を誤れば、繰り返されてしまう……っ!
私は陽桜莉を……その“想い”を殺してしまう!

瑠夏を欺き、自分たちの拠点の教会に攫った美弦らルージュリフレクター一行は、瑠夏を取り戻しに来たブルーリフレクター組と乱戦を展開。
黒い指輪を嵌め自分の“想い”を失いかける山田が陽桜莉によって助けられるなど状況は目まぐるしく変化。陽桜莉のため、妹のフラグメントを抜こうとする美弦だったが、それをかばった百のフラグメントが破損。
管理するフラグメントたちに触れられそうだったが、あと一歩のところで紫乃がそれを阻止。実質的に負けた陽桜莉ら一行は、立ち去る美弦たちを茫然と見送るしかなかった……。

+ 《アニメ後半》
教会での戦いから数余日後──……多くの学校は夏休みに入ったが、それでもフラグメントが奪われる事件は依然として起こり続けていた。
橘 涼楓、皇 亜未琉と知り合うも敵対し懊悩する陽桜莉に対し、山田は美弦と共鳴した際に得た過去を流し込み、美弦の抱える過去を明かす。

(気づけなかった……。気づいてあげられなかった)
(陽桜莉がどんな思いでいるかも知らずに私は……)
(お願い陽桜莉、笑っていて。自分のことだけ考えて……私のことはいいから)

母の帰りを信じて二人で暮らす陽桜莉と美弦。二人の絆は強かったが、強すぎるゆえに大きくすれ違ってしまう。
家庭のためにアルバイトを始めたことも。自分といるだけじゃない世界を知ってほしいと思い、月ノ宮女子高校へと入学させたことも。
全てが裏目になり、陽桜莉のフラグメントはついに崩壊。そのせいで美弦は戦意を喪失し、攻め寄せる敵に相棒の百と共に殺されてしまった……。
ありとあらゆるものを利用し美弦は陽桜莉を追い詰め、妹のフラグメントを暴走させることに成功。そして、その強大な絶望を鍵として固く閉ざされたコモンへの扉を開く。

いつだったろう。あの、永遠にも似た苦しみを知ったのは……
ひとり、またひとり……──私の“大切”が奪われていく

徹底的に陽桜莉を追い詰め、妹の幸せを自分で決めようとしていた美弦だったが、陽桜莉の相棒の瑠夏に「報われない少女や、陽桜莉のためというのは嘘。陽桜莉の幸せは陽桜莉自身で決めること」と痛烈に批難され、ブルー組に与した山田と、仲間の言葉で立ち直った陽桜莉と激突。
剣を交え、心の奥底に抱えた見せたくない“弱さ”を知られた美弦はみじめな姿を見られまいと立ち去ろうとするも、“妹”に抱き留められ本当の意味で分かりあうことに。
精神攻撃を受けるも砕けた百のフラグメントの力で立ち直り、「貴方が“大切”よ」と訴えかける美弦だったが、柴乃は煩わしい自らのフラグメントを砕き、扉の向こうへと飛び去ってしまう。

私はもう、逃げはしない──
あなたを傷つけるすべてから守りたい……!
今度こそ……!

柴乃、あなたが“大切”よ!!

子供の姿をした紫乃のフラグメントに接触し、彼女の想像を絶する過去を陽桜莉たちと共有した美弦は、彼女を救うためコモンへと突入。
ありとあらゆる攻撃を無効化する障壁の前に苦戦し、柴乃(幼)を消されかけるも、彼女を想う気持ちと、今度こそ柴乃を守り抜くという誓いに呼応して、赤の指輪(ルージュリフレクション)が青色に変化。柴乃のフラグメントを妹とその相棒(バディ)に託した美弦は、自らのフラグメントを抜き出し、それを障壁にぶつけることで無効化。“想い”を守り届けるリフレクターたちの活路を切り開く。

奪われたフラグメントが流星のように地上へと降り注ぎ、荒廃したコモンが再生されていく中、
一人の人間として、自分の道を真っ直ぐ歩き続けていくことを誓う陽桜莉を儚げな笑顔で見守る美弦は、そのまま妹と生き別れになってしまう*2
そして、謎の降灰現象が始まった現実世界でさまよう美弦の姿が映され、物語は一応の完結を迎えるのであった。


+ 《BLUE REFLECTION/帝》
記憶を失い、水に囲まれた学校という不思議な世界に召喚されたヒロインの一人として登場。記憶を失ってはいるが、陽桜莉の存在は覚えている。
「帝」のキャラクターである靭 こころとは同じAASA*3に所属する仲間で、七夕祭りに招待している。
「澪」での事件で大いに反省しているが、同時に事件の影響でいつにもなく陽桜莉に対して過保護になっていおり、あるエピソードでは陽桜莉から過保護にするのを禁止されることも。
反省しているとはいえ事件のことをずっと抱えており、それを主人公の愛央に零す場面もある。

少女たちの思い出や記憶。心象風景で形成されたダンジョン・ココロトープでは母の失踪に関するお話がメイン。
アニメと違い、母が失踪した時期がズレて、姉妹共にアニメ本編より幼いころとされているが*4、それでも母を失い苦労しているのには変わらない。

+ フラグメントについて
柴乃の障壁を破る際に砕け散ったフラグメントだが、やはり相当なダメージがあったらしく、「澪」の事件の後は廃人状態で各地を放浪していた。
だが、ある日を境に自分を探す陽桜莉の夢枕に立ち、自身がいる場所を伝える。
そして、見つけ出された際にはユズとライムの協力を得て、陽桜莉が自身のフラグメントを分割して美弦のフラグメントを修復。日常生活へと復帰した。
「帝」で非戦闘員となったのも、上記の件が関係していると思われる。
ただ、「帝」本編の回想では普通に変身して、やべーやつ兼マゾっ子こと駒川 詩と戦っていたりもするのだが……

■余談

  • 母、妹揃って面倒な性格をしているので、「平原の血」、もしくは「平原の呪い」と呼ばれることも。
  • 姉妹の仲は非常に良く、確かに絆は存在しているが、少し歪んでいる為、共依存だったのでは?と言われることも。
  • CVを務める上田麗奈氏の怪演は必聴。

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最終更新:2024年05月20日 14:31

*1 左手人差し指に嵌める指輪は、「背中を押す」「集中」「前向き」などといった意味がある

*2 演出から死んだと勘違いされがちだが、ところがどっこいちゃんと生存している

*3 Ancient Ark Solving Agency(超古代遺物研究機関)

*4 上述のように、「澪」本編では陽桜莉が小学五年生、美弦が中学二・三年生の頃に母が失踪しているが、「帝」本編では二人が小学生の頃に失踪している