ラント(葬送のフリーレン)

登録日:2024/04/28 Sun 22:41:10
更新日:2025/04/19 Sat 00:45:02
所要時間:約 21 分で読めます




最初からだよ。第一次試験が始まった時から。

僕は他人を信じていないからね。

出典:葬送のフリーレン、20話『必要な殺し』、2023年9月29日~2024年3月22日まで放送。
「葬送のフリーレン」製作委員会、マッドハウス、
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会。

概要

ラントとは、『葬送のフリーレン』の登場人物の一人。

CV: 小松昌平

半目がちな目つきにメガネをかけた金髪の青年。初登場時点では二級魔法使い。
正確な年齢は不明だが、一級魔法使い試験の3年前に三級魔法使いであった事と、フェルンが15歳の時に最年少で三級魔法使いになったとの情報から、現在の年齢はおそらく20代前半あたりだろうと思われる。
家族構成については両親は生まれたときからおらず、祖母と一緒に暮らしていたとのこと。
この祖母との暮らしが自身の魔法の特性につながることとなるのだが、それについては後述。
祖母は一級試験の3年前に老衰で穏やかになくなったとのことで、以後は天涯孤独の身であると思われる。
出身地に関しては大陸北部の村であることがわかっているが、帝都にある魔法学校に通っていたという過去があるためおそらく帝国領出身である。

表情がなかなか動かない今作のキャラクターの中でも指折りに表情が動かない筋金入りのポーカーフェイス。
その見た目にたがわずクールで寡黙かつ愛想がない性分であり、「他人を信用していない」と自分で語っているほか、帝国編で再登場した際の柱の登場人物解説の欄に「心を開かない。開きたくない。」とまで書かれているほど。
クールというよりは基本的に人を信用していない、といった方が正しいのかもしれない。

魔法使いのタイプとしては超理論派魔法使いとファンブックに記載されており、理屈っぽい感覚で魔法を使用するとのこと。
実際に作中では基本的に手堅い安全策をとる傾向があり、未知の相手と戦う前は必ず自身の魔法を使用して様子見をする戦法を取る。
また、上述した通り他者を信用していないため、たとえ同じチームのメンバーであっても自分の手のうちをさらすことを避ける傾向にある。
その他に、感覚で魔法を使用する天才肌タイプの魔法使いを毛嫌いしているとのことだが…。


上記の情報だけ見ると他人を信用せず愛想もない気難しい人物のように見えるが、彼のもう一つの顔として自分のために誰かが死んだり傷ついたりすることを極端に嫌がるという面がある。
劇中では上述した通り自分の嫌う感覚派の魔法使いであるということに加え、自分視点でかなり危険な人物である*1ユーベルの窮地をわざわざ助けたり、自分の救助用ゴーレムを奪われた彼にユーベルが自分のゴーレムを渡そうとした際、「それは君が生き残るためのものだ」と断っている。*2
上述した通り普段の彼は無意味に自分の手札をさらすようなことを避けるほどに慎重なのだが、ユーベルが窮地に陥った際はわざわざ自分の手札を一枚さらすような真似をしてまで助けているあたり、彼にとってはたとえ自分が嫌っていたり自分にとって危険な相手であったとしても自分が助けられる状況で見殺しにしたり命を守る手段を奪うということは、自分の手札をさらしたり自分を危険に晒すことよりも避けるべきということが見て取れる*3
上記の行動は単純に戦力としてユーベルを失うのを避けたという打算的な面があったとも見て取れるが、それでも彼視点でかなりの危険人物であるユーベルをわざわざ助けたあたり筋金入りだと思われる。

以上のことから他者を信用しないという排他的な面と、他者が自分のために傷つくことを良しとしないという篤実的な面の両方を持った人物であるといえる。


戦闘能力


劇中の戦闘描写は多くないものの、上述した通り理論系の魔法使いであるため、
防御魔法や魔力探知を用いた比較的オーソドックスな戦術をとる魔法使いであることがうかがえる。
また、劇中の戦闘ではいずれも後述する魔法を使用して安全圏からの観察をしてから戦闘に入っており、彼の性格と同じく慎重な戦術をとることを好む。

また自身でも語っていたことだが特筆すべき点として魔力を隠匿する技能に関しては卓越したものを見せており、第一次試験の際のシャルフとの戦いでは自身が触れるまで全く気付かれないほどに自分の魔力を隠して接近した*4ほか、
帝国編で魔導特務隊のノイから襲撃を受けた際には、彼の探知能力では「潜伏していることまではわかるがどこにいるのかわからない」、という状況になったため、
わざわざ事前に確保したユーベルを人質にとるという方法を用いて炙り出さざるを得なかったという描写があり、かなりの技量であることがうかがえる。

基礎的な能力だけでもそれなり以上に優秀な魔法使いであるといえるが、彼の真価はやはり固有の魔法にある。


  • 自分の完璧な分身を生み出す魔法(仮称)

ラントのメインとなる魔法。128話現在、劇中では単に「分身魔法」とだけ呼ばれている。
読んで字のごとく自分自身の見た目、魔力、その他の肉体動作すべてを含めて限りなく完全な自分自身の分身を生み出す魔法。
完全な分身という言葉に偽りはなく、この魔法で生み出された分身は傷つけば血も出るし他者に触れることもできるし食事もとれるし魔法の行使も恐らく本体と遜色なく行えるというもはや「もう一人の自分」といってもいいほどの精度を誇る。
当然のことながら分身が見聞きした体験は本体にも逐一フィードバックされるため、倒したと思ったら無傷かつ手の内を読んだ本体が攻撃を仕掛けてくるという初見殺し要素と、様子見として分身を突撃させることで相手の手札を見たうえで行動を起こせるという初見殺し殺し要素の両方を併せ持つ。
おまけに分身が受けたダメージ等のネガティブな情報は本体には届かないらしく、分身がダメージを受けたことで本体も痛みやダメージを受けて行動が困難になるということも全くない。
おまけに身に着けたものの分身もほぼ寸分たがわず作成できるようであり、分身を解除しないかぎりはそれらも消えることはない。

総じて戦闘前の索敵や偵察、戦闘時の不意打ちや頭数を増やすなど、戦闘にも戦闘以外にもすさまじい汎用性を誇る魔法であるといえる。
おまけにラント自身は上述した通り超理論派の魔法使いであるため、彼は自分自身を増やすという魔法をすべて理論立てて設計し、行使しているということになるため、そういった点でも恐ろしさを感じさせる魔法である。
ここまで行くと「超・理論派」というより「超理論」派の魔法使いと言ってしまってもいいかもしれない。

弱点としては、分身系能力の宿命として本体をたたかれた場合、生み出した分身もすべて消えてしまうであろうということ。
上述した通り完璧な分身体なので見た目や戦闘スタイルで見分けることはほぼ不可能に近いのだが、劇中でユーベルに第一次試験開始から分身を使っていることを看破されていたりするので、自分の立ち回り次第では他者に分身か否かを見分けられてしまうことにつながってしまう。
また、劇中ではゼーリエが一目見た際に分身であることを見破っているが、これは全知全能に限りなく近い魔法使いの才覚によるものであると考えられるため、他の人物が同じことをできる確率は限りなく低いだろう。
また詳細は不明だが、帝国編でのユーベルとのやり取りから分身と本体とでは触れたときの感触や体温に差がある可能性も示唆されており、この考察が正しければ触れることでも判別が可能なのかもしれない。*5
また、三級魔法使いの時には今ほどの精度で分身を生み出すことはできず、その後の鍛錬で今の精度になったことが示唆されているので、仮に他人が使ったとしても力量が足りなければ本体と誤認させるレベルには届かないこともあると思われる。

また帝国編で自身が語ったことによると、高精度の分身を生み出すにはそれなりの時間が必要となるらしく、連発が聞かないのも無視できない弱点といえる。
まあ血まで流せるレベルで精密な自身の分身なんてそう短時間でホイホイ生み出せてたまるかという話になるので、ここら辺は弱点というより魔法理論的な限界といえるかもしれない。
これに関連するかどうかは不明だが、第二次試験で魔法使いエーデルが語ったところによると「無から物質を作り出すよりも、その場にある物質を操ったり変化させたりするほうが魔力の消費は少ない」とのことなので、ほかの物質に頼らず完全な無から人ひとりの質量を持つ分身を生み出すラントの魔法は魔力の消費も他の魔法と比べて高コストの可能性があるので、そういった面でも乱発はできないのかもしれない。

上記の情報をまとめると「攻防補助、あらゆる役割をこなせる万能性」「本体を悟られないような立ち回りを求められる慎重性」を併せ持つ、多少もろい面はあるもののきわめて汎用性に富んだ魔法であるといえる。


…上記の情報だけでも相当強力な魔法であるといえるが…?


  • 触れた相手を一定時間しびれさせる魔法(仮称)

第一次試験でシャルフに使用した魔法。正式名称は不明。
触れた相手にスタンガンの要領で魔力を放ち、相手を気絶、その後もしばらくの間体の自由が利かないレベルに麻痺させる。
シンプルで強力な効果を持つ反面、触れなければ発動できないという射程距離の短さが最大のネックとなる魔法だが、
ラントは自身の魔力隠匿と上述した分身魔法を併用することで隙を作り出し、難なく相手を気絶させた。


劇中の活躍

  • 一級魔法使い試験編

第一次試験ではフェルンユーベルと第4パーティーを組み、彼女らと共に隕鉄鳥(シュティレ)の捕獲に臨む。
フェルンの魔法により隕鉄鳥(シュティレ)を捕獲した後は無用な戦闘を避けるために潜伏してやり過ごす策を進言。
ほかの魔法使いと戦闘したいユーベルとは意見が食い違うものの、パーティーの方針としてはラントの案が採用され隠れようとしていた最中にヴィアベル率いる第8パーティの襲撃を受ける。

互いにばらけて戦闘を行い、自身はシャルフと戦闘を開始する。
彼の花弁を鋼鉄に変える魔法(ジュベラード)により、防御魔法でも防ぎきれないほど大量の鋼鉄と卓越したコントロールにより利き腕が動かなくなるほどの深手を負い窮地に陥ったかのように見えたが、
実は第一次試験の開始時からメインで動いているように見せかけていたのは彼の分身であり、本体は離れた場所で持ち前の魔力隠匿によって様子をうかがっていたため彼自身は全くの無傷で相手の手札を観察していた。
結局は分身による陽動とシャルフ自身の魔力探知の粗さという隙を突いたことでシャルフの背後から魔法を撃ち込みあっけなく勝利。

それからは試験会場内の岩窟に身を隠し、試験終了までチームで時間をつぶす。
自身の手の内をあまり躊躇なくさらすフェルンに「第二次試験からは敵同士なんだから手の内はあまりさらさない方がいい」と忠告。
ユーベルからは「もう少し打ち解けてもよかったと思うよ。」と言われるも、結局は自分のことをほとんど語らないまま第一次試験は終了。

第二次試験までの自由時間の際にはオイサーストの町中でユーベルに遭遇。
半ば脅すような物言いの彼女に全く動じず、逆にユーベルの人となりを探るような質問をする。
彼女は自身が「共感」した魔法を扱えるようになることを彼に明かし、ヴィアベルからコピーした見たものを拘束する魔法(ソルガニール)により彼を捕獲。
完璧な複製を作れるほどの魔法を作り出したラントの人生を聞きだそうとするが、当のラントは完全に拒否。
ユーベルは彼のその態度に全く怒りを見せることなく、逆にラントという人間の理解が深まったと感じ、以後はレストランで勝手に相席したりと彼に執拗に付きまとうようになる

第二次試験となる未踏破遺跡「零落の王墓」の攻略では引き続きユーベルと共に…、というより彼女が一方的に彼に付きまとう形で終始行動を共にする。
しばらく進んだところで遺跡の主である水鏡の悪魔(シュピーゲル)が作成したユーベルの複製体に襲われ胸を切り裂かれるという深手を負っただけでなく、緊急脱出用のゴーレムの入った瓶まで奪われてしまうという窮地に陥る。
ユーベルの協力もあり逃走するものの、行き止まりに追いつめられてしまい彼女からその傷では長く保たないと指摘され、同時に「今のメガネ君って本物?」と自身が分身か否かを質問されるもはぐらかす。
その後ユーベルから代わりに脱出用のゴーレムを譲渡されるも「それは君が生き残るためのものだ。」と受け取りを拒否。
それを受けたユーベルはなんと自身の脱出用ゴーレムをラントのそばに置き、「瓶を取り返してくる。」と彼女との複製体との戦いを開始。
思わずラントも制止するものの聞かず、完全に自分と同一の実力を持つ複製体と命がけの戦いを演じるユーベルであったが、一瞬のスキを突かれ複製体の見たものを拘束する魔法(ソルガニール)により動きを封じられる。
そのままとどめを刺される直前、背後から現れたもう一人のラントに複製体が気を取られたスキを突きユーベルが勝利。

戦闘後、ラントがユーベルに「なぜ死に急ぐような真似をしたのか」と尋ねると、ユーベルは彼が自分のせいで誰かが死ぬのが嫌だという性格を持っていると推測し、自分がラントのせいで死んでしまう状況を作ったと語る。
ラントはユーベルの「自分の命も他人の命もどうでもいい」という性質を、
ユーベルはラントの「自分のために誰かが傷つくのは避けたい」という性質をそれぞれ知り、
お互いがお互いのことをすこしだけ理解できたようなやり取りを交わして探索を再開する。

その後もユーベルと共に行動し、試験官ゼンゼの複製体とユーベルとの戦いを見守ったり、復活した自分たちの複製体の群れを相手に消耗戦を演じ、フリーレンが水鏡の悪魔(シュピーゲル)を倒したことで複製体がすべて消え、その時点で遺跡に残っていたことで第二次試験に合格する。


そして次に第三次試験であるゼーリエの面接に臨むと、開始早々彼女からは怒り半分、呆れ半分の言葉を投げかけられる。


面接が終わった後も引き続きユーベルに付きまとわれていたようで、「もう付いてくるなよ。」とうんざりした様子で話していた。
その後、第二次試験まで残っていた他の受験者たちはオイサーストから旅立つ場面が描かれていたが、彼のみ旅立ちの姿が描かれていなかった。
というより彼の場合、そもそも帰る必要がないというか最初から家に居るも同然なので当然ではあるのだが…。

その後は特に出番はなかったが…。



  • 帝国編

やあ、メガネ君。

帰れ。


最後の登場から66話経った126話にて何かと因縁のあるユーベルともども再登場。
再登場早々、自身が危険視しているユーベルに自分の家がバレるという彼にとっては割と最悪な事態に陥る。
こんな異常で危険な相手を家に入たくないが故に立てこもり作戦を敢行するラントだったが、
「あけてくれないと暴れちゃうかも。」と言って故郷の村を実質人質に取られるわ「開けてよ」と言いつつ家の扉に粘着されるわなど彼女の迷惑ストーカー行為押しの強さに根負けしたのか家に上げる。

その後はユーベルから一級魔法使い試験のことや自身の魔法のことから「自分以外の優秀な魔法使いを恐れている」「君は臆病者か、ただの悪趣味な人、あるいはその両方だ。」と分析をされたり、彼女から半分脅し交じりの言葉を投げかけられるもさらりと流し、コーヒーを出して彼女をもてなす。
その後、昼に焼いたクッキーを持ってくるといって席を外すラントだったが…。

逃げないでよ。

逃げるわけないでしょ。




よし。逃げるか。

クッキーを取りに行くと見せかけて即、家の窓から逃げの一手を敢行。
まあ彼からしてみれば用事が何であれ「あんなヤバい奴と一緒に居たくない。」というのが本音なので当たり前であるが。
しかし故郷を離れる前に祖母の墓参りに行ったところ、逃げたことに感づいていたユーベルに捕捉される。
そしてユーベルから改めて自分の人となりを質問され、少し自分の身の上話をする。

その後は逆にラントから彼女の目的について質問され、「自分を殺しに来たなら全力で逃げないといけなくなる。」内心身構える。
そしてユーベルから大陸魔法協会の任務にタッグを組んで臨むよう指令が出たことを伝えられ、うんざりした様子を見せつつも結局は彼女ともに任務に臨むこととなる。

任務ではユーベルと共に情報収集の役割にあたり、帝都アイスベルグの帝国重臣のパーティーに貴族の夫婦として身分を偽り潜入し、一級魔法使いのリネアールが隠した文書の回収任務に臨む。
パーティー会場に潜入し文書を隠した部屋まで移動するまではよかったが、屋敷の警備にあたっていた魔導特務隊に感づかれる。
戦闘しようとしていたユーベルだったが、実力差がありすぎることを悟ったラントは機転を利かせてユーベルを壁ドン。
事前に部屋前に落としてあった帝国魔法学校の校章と合わせて「パーティーからしばし離れて逢瀬を行う貴族の子弟」を演出し、窮地を脱する。
そのままユーベルから蹴りを入れられつつ回収任務は滞りなく進むと思われたが、魔導特務隊が校章のわずかな違和感*6に気づき突入されるも、直前にユーベルと共に屋敷を抜け出して逃走する。

ユーベルと共に魔導特務隊から逃走するも、結局は捕捉され魔導特務隊のノイから奇襲を受け分身を潰される。
その後は魔力を隠匿して姿を隠した状態でユーベルとノイの戦闘を観察するが、彼女が謎の魔法で視力と魔法探知能力を無効化されたことで窮地に陥る。
目が見えない中、ノイの動きを相打ち覚悟で封じ彼の頭を撃ち抜くようラントに言うユーベルであったが、ノイが本気でユーベルを殺そうとしていたことを悟っていたラントがユーベルの犠牲を良しとしなかったため投降し、魔導特務隊に捕縛される。


関連人物

劇中で一番かかわりを持っている人物。
彼のことは終始名前で呼ばず、「メガネ君」と呼ぶ
第一次試験で同じチームになった時、彼女だけは彼が開始時から分身で様子見をしていることに感づいていた。
さすがに本体フルリモートで試験を受けているということまでは感づけなかったようだが。

出会った当初は「魔法の原理もわからないまま感覚で魔法を使うような頭の足りない子は嫌い」「気にくわないから教えてやんない」と完全に拒絶しているほか、「人を殺すことをなんとも思っていないでしょ。」とヴィアベルと同様彼女の異常性を危険視している。
だがその態度が逆に彼女の興味を引いたのか、彼に「共感」して彼の魔法を習得するため付きまとうようになる。

ユーベルは前述した通り「自分の命も他人の命もどうでもいい」というラントとはある意味真逆の性格を持っている*7うえ、自身が使うために彼の魔法を狙っているといういろんな意味で仲良くなれそうもない関係ではあるが、
ともに過ごす中で少しずつであるが奇妙な信頼関係をお互いの間に築き上げていく。
また彼女の実力自体は高く買っており、ゼーリエに自身の分身を看破された際には「ユーベルにもバレなかったのに。」と一級魔法使いの試験官より彼女にバレることを危惧していたことからもそれはうかがえる。
あと第一次試験の際には自分の本体は故郷で茶をしばいているのに、現地で試験をしているユーベルがのどが渇いたと訴えた際には「水は我慢しなさい。」というなど地味にひどいことをしている。

上記の通り、パーソナリティ的にはほぼ真逆かつ彼にとっては危険人物と言える彼女であるが、それにもかかわらずラントは作中で何度か彼女の命を救っており、
特に帝国編では自分の幼少期に襲撃を受け、恐怖を刻まれている相手である魔導特務隊に襲われたときであっても彼女を見捨てることなく戦場に残って様子をうかがい、結果的に彼女の命を優先して特務隊に投降している。
危険な戦場には必ず事前に分身で挑むという臆病とも取れる用心深さと、危険を冒してまで誰かの危機を助けようとする矛盾した様はユーベルから、
「…歪んでるなー、メガネ君は。気持ち悪い。」と評されるも、言葉と裏腹にその表情は嬉しそうな笑顔を浮かべていた。


試験編ではユーベルがほぼ一方的に絡んでいたが、帝国編で再登場した際はラントも「この村から連れ出してくれるような誰かを探していたのかも。」と彼女に歩み寄る姿勢を見せており、彼の中ではただ毛嫌いするだけの対象から少しずつ変化を見せている。
また帝国編ではユーベルからの絡みも割と遠慮がない感じになってきており、上記の壁ドンをされた際は珍しく照れたような様子を見せたほか、ラントから「そんな顔しないでよ。機転を利かせたんだから。」とあくまで作戦でとった行動だと伝えられた際には一瞬真顔に戻って彼の背中をゲシッと蹴ったり
特務隊に捕縛された馬車の中で感触の違いで分身と本体を見分けられるとあたりをつけ、今一緒にいるラントが本体だと理解した際には安心したかのように目を閉じて彼に寄りかったりその後その後照れ隠し気味に頭突きしたりと順調に心と体の距離は縮まりつつある。

いろんな意味で常人とはかけ離れた精神性と技量を宿しているこの二人の関係は、どのような道行きをたどるのだろうか。

第一次試験で同じチームになった魔法使い。
と言っても絡みはほとんどなく、潜伏中に二、三言言葉を交わしたくらい。
あと彼女から「服が透けて見える魔法」について伝えられた時、原作だと地味に股間を隠していた。まあ男の子だもんね。
帝国編では護衛と情報収集という役割は違うものの、同じ任務に臨む。
また、第一次試験で組まれたチームのうち、全員合格したのはこのチームのみであったりする。

  • ラントの祖母

両親のいない彼をずっと世話していた実の祖母。現在は故人。
自身の死期を悟り、せめて最後は看取ってほしいといわれたことがラントが分身魔法を習得するきっかけとなった。
彼は「正直言ってめんどくさかったよ。」と言っていたものの、回想の場面ではぴったりと寄り添ってたほか、
幼い彼の顔には今では珍しい笑顔が浮かんでいたので、相当大切に思われていたことがうかがえる。
上記の情報だけだと単に孫思いのおばあちゃんという感じだが、帝国編の回想ではおびえる幼きラントを守るため、
自ら杖を持って魔導特務隊と思しき女性と戦闘を行っている(そしてのちの展開から見るに無事二人で逃げおおせた)ため、かなりの実力者だったのでは?という見解がある。
またラント自身が使っている杖は彼女の杖と同じ形であるため、死後に杖を受け継いだ可能性が高い。

全知全能の女神に最も近い魔法使い。
劇中でラントが分身であることを見切れたのは現状彼女だけであり、彼女の力量の高さを物語ると同時にラントの分身の精巧さを示すこととなった。
帝国編で自身の護衛に彼とユーベルを組ませるが、その際に彼の住所をユーベルに教えた可能性が高い
ラント「お前ふざけるなよ…。」
まあフリーレン曰く「ゼーリエの直感はいつも正しい。」ので、何かしらの意図か直感があるのだろう。実際なんだかんだ良いコンビになりつつある印象を受けるし。
おかげで仲人おばあちゃんと言われているとかいないとか。


余談

名前の由来はドイツ語で「土地、国、田舎」を意味する『Land』から。
一級魔法使いの試験に故郷から一歩も動かず合格した彼にはふさわしいだろう。


追記、修正は実技試験をフルリモートで合格してからお願いします。

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最終更新:2025年04月19日 00:45
添付ファイル

*1 人殺しに躊躇がない上、彼女自身の「共感」によって他者の魔法をコピーするという特性によって自身の魔法をコピーすべく付け狙っていた。

*2 アニメ版ではユーベルが戦いに赴く際に言葉だけでなく思わず手を伸ばして制止する描写が追加されているほか、声色にも明らかに焦りが感じられるものになっている。

*3 もっとも、彼の魔法のカラクリを鑑みるにあの場で姿を現すこと自体は自身にとってそこまで危険でなかったのだが。

*4 自身の魔法を駆使したりシャルフが我流の魔法使いゆえの基礎の疎かさを突いたこともあるが。

*5 だが後述の魔法を使用する際にシャルフに触れた際には特段違和感を持たれていなかったのでブラフの可能性がある。もっとも、彼は分身と本体の感触の違いなど知る由もなかったので、どっちみち違和感を感じることは不可能であったろうが。

*6 この違和感というのは「ピンが曲がっているので抜けたのではなく抜き取ったものだ」という違和感というにはあまりにも小さなものだったが、ラントは魔導特務隊のカンの良さと好戦的な性格を知っていたため対応できた。

*7 実際に帝国編での戦闘後にユーベルは「自分が死のうと相手を殺せるなら勝ち」という見解に対し、ラントは「二人一緒に逃げ切ることが勝ち」という、お互いの生存が勝利条件という見解の相違を見せている。