あたご型護衛艦

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あたご型護衛艦 - (2015/11/08 (日) 22:29:46) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2012/05/04(金) 00:46:27 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 諸元 基準排水量 約7700t 満載排水量 約10000t(推定) 全長 165m 全幅 21m 深さ 12m 喫水 6.2m 速力 30ノット+ 航続距離 不明 (こんごう型は20ノットにて6000海里) 乗員 300人 兵装 Mk.45Mod4 62口径5インチ単装砲 1基 Mk.41VLS 前64セル 後32セル 計96セル 高性能20mm機関砲 2基([[CIWS]]) 4連装艦対艦誘導弾発射管 2基 3連装魚雷発射管 2基 レーダー及び電子機器類 AN/SPY-1D(v)フェーズド・アレイ・レーダー(対空) OPS-28Eレーダー(対水上) OPS-20レーダー(航海) AN/SQS-53-C艦首対潜ソーナー OQR-2-1曳航式ソーナー Mk.99FCS(ミサイル) 3基 Mk.160FCS(砲) Mk.116FCS(対潜) NOQ-2電子戦装置 Mk.137電波欺瞞紙([[チャフ]])発射管 4基 機関 IHI LM2500ガスタービンエンジン 4基2軸 艦載機 SH-60J/Kヘリコプター 1機(格納庫だけで現在固定の艦載機はない。) 前級 [[こんごう型護衛艦]]   【概要】 あたご型護衛艦は中期防衛力整備計画に基づき[[たちかぜ型護衛艦]]1番艦たちかぜと2番艦あさかぜの代艦として建造された[[海上自衛隊]]の護衛艦で、[[こんごう型護衛艦]]に次いで[[イージス・システム]]を搭載した[[イージス艦]]である。 なお、たちかぜ型護衛艦は3番艦さわかぜまで存在するが、さわかぜは予算等の都合や自衛艦隊司令部の陸上化。そして同時期に重複した航空機開発、潜水艦建造などにより代艦は計画されていなかったが、2013年度に新たに同型艦2隻が追加建造されることとなった。ヤッタネ。 それと同時に、あたごとあしがらのイージスシステムをBMD5.0に改修しBMD能力の付与が決定している。  &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){基盤防衛力を削ってまで捻出した予算による}}} 海上自衛隊が保有する艦艇としては[[ましゅう型補給艦]]、[[ひゅうが型護衛艦]]などに続く排水量を誇っている。 同型艦は2隻。 イージス・システムは最新のベースライン7.1Jを搭載するものの、こんごう型と同じくアメリカからの輸入品で日本は一切ノータッチのブラック・ボックスである。 但し技術的に全く開示されていないわけではなく、民生電子部品を多用したネットワーク構造はひゅうがやあきづきといった新型艦のACDS開発に大いに参考にされた。 ベースライン7以降のイージスシステムはミルスペックコンピュータを排除、民生電子部品でほぼ完全に構成されている。 各部モジュールもホットスワップ方式でネットワークに接続されており、処理速度向上だけではなくCOTSリフレッシュという名前の近代化が極めて容易な長所を持つ。   艦体はアメリカ海軍のイージス艦[[アーレイ・バーグ級駆逐艦]]フライトⅡAを基に、こんごう型以上の指揮、通信機能と&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ステルス性}}}を海上自衛隊が要求したためこんごう型と同じく原型のアーレイ・バーグフライトⅡAに比べ艦橋が一層大きくなっている。 あたご型の指揮、通信能力はかなり凄いことになっており、CIC(戦闘指揮所)の充実だけに留まらずFIC(司令部作戦室)まで搭載している。 さらに、こんごう型と異なり建造当初から弾道ミサイル迎撃(BMD)の任務を視野に入れているため、BMDに対応出来るよう設計されている。 ただしそれは船体・VLS等艤装だけであり、あたご型のイージス・システムにはBMDシステムは連接されておらず、今後の改修により迎撃能力を付与される予定である。 なお余談だが、あたご型護衛艦の排水量はイージス艦としては最大で、アメリカの[[タイコンデロガ級巡洋艦]]を上回り、あの韓国海軍のイージス艦[[世宗大王級駆逐艦]]と同等の排水量となっている。 元々こんごう型の段階でタイコンデロガ級と同容積のCICを有し、その上であたご型はFICさえ有しているので最早巡洋艦と呼んで差し支えない規模である。 【こんごう型との相違点】 似通った容姿のこんごう型とあたご型の二隻だがよく見ると &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ぶっちゃけぱっと見でも・・・うわっ何すr・・・。}}}幾つかの相違点がある。 以下大まかな相違点を挙げていく。 ①主砲 こんごう型ではイタリアの54口径OTO・メララ127mm単装砲を採用していたが、あたご型ではアメリカのMk.45Mod4 62口径5インチ単装砲を採用している(後述)。 ②AN/SPY-1フェーズド・アレイレーダーの位置 4枚存在するAN/SPY-1。こんごう型では4枚ともだいたい同じ高さにあるが、あたご型では艦尾側の2枚が艦首の2枚より一段高い位置に設置されている。 SPY-1レーダ自身も天頂方向、沿岸部探知能力を向上させたSPY-1D(v)に置き換わっている。 ③マスト こんごう型では強度や技術的な信頼性から鉄骨を組み上げたようなラティストマストを採用しているが、あたご型ではステルス性を優先したため傾斜マストを採用している。 ④格納庫の有無 こんごう型はヘリコプター発着の甲板は存在するも格納庫は無かったが、あたご型はヘリコプター格納庫も装備している。 ⑤対潜システム こんごう型ではイージスシステムの一環であるSQQ-89対潜システムが供与されず、同等品を国産せざるを得なかった。 しかしその技術が認められたためか、あたご型では本来のSQQ-89の最新改良型がシステムの一部として供与されている。 但し一部は日本独自仕様で、具体的には米海軍では廃れつつある曳航ソーナーとの連接が挙げられる。 この他にも細々と異なる変更点があるので気になったら調べてみるのも一興だろう。 【どうしてこうなった?】 こんごう型の項目でも説明されているが、こんごう型もあたご型もアメリカのアーレイ・バーグ級駆逐艦を基に設計されているが、何故こうも変更点が多いのか。 それは設計基となったアーレイ・バーグ級に由来する。 アーレイ・バーグ級は1991年に一番艦が就役してから現在まで建造されており、実戦からのフィードバックにより様々な改良が施されており建造時期により艦体がかなり異なっている。 こんごう型は初期のフライトⅠを参考に、あたご型は最新のフライトⅡAを参考にしているため以上のような差異がでたのである。 【武装】 Mk.45Mod4 62口径5インチ単装砲 あたご型の主砲にして武装面からのこんごう型との相違点1。 こんごう型の主砲はイタリアのOTO・メララ社が開発したものだが、こちらはアメリカ製。 こんごう型の砲と比較して砲塔がステルス性を意識しているため小さく、まるでナイフで切り落としたような鋭角なデザインとなっている。 そのほかに砲身長を62口径に延長(こんごう型のOTO・メララ社の砲は54口径)されているため砲弾一発当たりの破壊力が向上している。 また砲自体の重量も軽い。 しかし砲の速射速度はOTO・メララ社45発/分に比べ20発/分と半分以下になっているためOTO・メララ社が対空対艦対地の万能砲だったのに対し、本砲は対艦対地に特化しているといえる。 &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){専守防衛を掲げる自衛隊がこんな砲を装備するなんてけしからんニダ。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){これは我々への侵略の兆候アル。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){テメーらは巡航ミサイルに核まで持ってんだろ。}}} また本砲は最近就役した[[あきづき型護衛艦]]にも採用されており、今後の砲熕兵装搭載護衛艦の標準火砲となる可能性が高い。 Mk.41VLS ご存知イージス艦の主力兵装。武装面での相違点A。 こんごう型に比べ6セル増えたことと、こんごう型は前29セル後61セルに対しあたご型は前64セル後32セルとなっている。 VLSセル数増大は非実用的とされたミサイル再装填クレーン撤去による。 将来のBMD対応に備えてミサイルへ膨大な情報を転送する光ファイバも実装され、SM-3やESSM収納も可能である。 高性能20mm機関砲 アメリカ製のMk.15ファランクス。いわゆるCIWS。 対空ミサイルで撃ち漏らした敵ミサイルや敵軍用機を撃ち落とす最終手段。 あたご型は最新のBlock1Bと呼ばれる物を採用している。銃身が76口径から92口径に延長、FCSも電子光学系が組み込まれた。 4連装艦対艦誘導弾発射器 あたご型最強の武器。中身はこんごう型のハープーンミサイルと異なり国産の90式艦対艦誘導弾を装備している。 無論ハープーンと互換性のある誘導弾であり、既存のハープーン搭載艦でも運用できる。 逆に本来は90式を搭載している護衛艦がハープーンを搭載しているケースも多い。この辺りは弾薬調達の都合に左右される。 【同型艦】 DDG-177 あたご あたご型護衛艦の一番艦。 2004年4月5日起工。2007年3月15日竣工。 第3護衛隊群第3護衛隊所属。母港は舞鶴。 DDG-178 あしがら あたご型護衛艦の二番艦。 2005年4月6日起工。2008年3月13日竣工。 第2護衛隊群第2護衛隊所属。母港は佐世保。余談だが上の画像は艦番号からこの娘である。 【凖同型艦】 海上自衛隊は今後の艦隊防空及びミサイル防衛を踏まえてイージス護衛艦8隻体制を打ち出した。 それにより27/28DDGとして改あたご型護衛艦が既に予算として認められ、イージスシステム2隻分の一括購入なども為されている。 基準排水量は8200トンとあたご型より更に大型化しており、相応の性能向上と新規技術が盛り込まれている。以下に簡単に記述すると ①イージスシステムの新型化 当初よりBMDシステムをイージスに統合化したベースライン9.0以降を搭載。 現行最新の7.1Jに比較しても格段に処理性能が向上している他、当初からBMD能力を持つ初のイージス護衛艦となる。 ②低空警戒能力の強化 従来はOPS-28系列対水上レーダとOPS-20C航海用レーダが低空警戒を担当したが、近年では性能不足が目立ち始めている。 このため米海軍でも採用数の増えているSPQ-9B低空警戒レーダの導入が明記されている。 簡単にいえばF-16C戦闘機のレーダを原型としたフェイズドアレイレーダ2枚を背中合わせとしたもので、対水上警戒能力も非常に高い。 ③推進系の変更 これまでのイージス護衛艦はCOGAG方式のオールガスタービンだったが、27/28DDGでは発電機と組み合わせた複合推進方式となっている。 低速時は発電機をガスタービンで稼働させて静粛性と燃費を確保。高速発揮時にはガスタービンを駆動させて速度を得る方式である。 統合電気推進と異なり推進系の電力を艦内に回すものではないが、曳航ソーナーなどを使う低速域での静粛性向上が期待される。 その他にも就役年次から考慮して現在開発中の陸自の12式を原型とした新艦対艦誘導弾、07式新アスロックへの対応も為されると推察される。 防衛技研船舶技術開発部門はこのクラスに大変な自信を抱いている模様で、盛り込まれる新機軸も概ね堅実妥当なもの故に今後に期待したい。 【衝突事故】 あたご型を語るうえで(無論悪い意味で)、欠かせない話題。事故が起きたのはあたごが就役してまだ1年も経っていない、2008年2月19日。 あたごがアメリカでの訓練を終え日本に帰国する途中、漁船清徳丸と衝突。 漁船に乗っていた船主の58歳の男性と乗組員で船主の息子23歳が行方不明となった。 二人は必死の捜索活動にも関わらず、5月20日に認定死亡となった。 その後、海難審判によりあたごに回避義務があったと断定。見張りを怠ったとして、あたごの当直士官2名が刑事告訴されたが無罪となった。(係争中) しかし、この事故で一番印象に残ったのは[[マスゴミ]]の偏執報道だろうか。 事故が発生直後多くの報道機関は、あまり情報が入っていない状態にも関わらず、あたごに回避の全責任があると断定して報道し、 最終的にあたごのみならず海上自衛隊全体を批判する報道をしている。 これはあたごに限ったことではなく嘗てのなだしお事件以来、海自艦艇との衝突事故に際して往々に起きうる報道傾向である。 なおこれは噂レベルであるが漁船乗りの間では大型船にチキンレースを仕掛け、それに成功すれば大漁というジンクスが存在するという。 仕掛けられる側とすれば迷惑千万であり、漁船以外にも遊覧船が物珍しい自衛隊艦艇に近づき危険な事態に陥ることも度々生じていると言われる。 追記・修正はBMDの改修を受けてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 2隻追加配備やったね!! -- 名無しさん (2013-11-03 15:56:51) - ぱんぱかぱーん &br()冷静に考えると愛宕が巨乳なのって大型艦橋に由来するんでしょ? &br()ならこの娘もアーレイ・バーグ級より大きいものをおもちだから・・・ -- 名無しさん (2014-01-20 12:28:07) - こんごう型が現れた時からずっと高雄型に似てるって言われ続けてるよね -- 名無しさん (2014-01-27 19:14:19) - ジパングでもネタにされてたな -- 名無しさん (2014-03-18 23:02:49) - アメリカからのブラックボックスってことはきっと、日本が巻き込まれた戦いが、アメリカにとって都合の悪いものだったときに、不具合を起こさせるトロイの木馬でも仕込んでいるに違いない・・・ガクブル -- 名無しさん (2014-03-19 11:39:48) - 文字化けの修正と最新の情報を追加しました。 -- 名無し (2014-09-11 18:56:59) - ぱんぱかぱーんの巨乳の子はこれが元か -- 名無しさん (2014-09-11 19:07:00) - なんでもええが、おまいらアーレイ・バー「ク -- 名無しさん (2014-10-07 19:22:00) - だからなw 濁点ないからな -- 名無しさん (2014-10-07 19:22:20) - OTOメララの方が見た目的に好きだったなぁ -- 名無しさん (2015-02-17 02:06:51) - ぱんぱかをネタにするのは止めて差し上げろ -- 名無しさん (2015-02-17 02:41:59) - いっその事、次はDDGじゃなくてCGにしたらどうだろう…。排水量的な意味で -- 名無しさん (2015-07-29 17:58:06) - 高雄型4隻の内、既に鳥海と愛宕がイージス艦に使われてるから次期イージス艦名は高雄と摩耶あたりでしょうかね。 -- 名無しさん (2015-09-17 01:22:16) - ステルス性を意識した外形って聞いたことあるいけど、艦艇のステルス性ってそんなに高く出来るモンなの? -- 名無しさん (2015-11-08 21:22:07) - 「中国が恐れる日本の兵器」の一つに上がってたな。ソース米メディアだけど -- 名無しさん (2015-11-08 21:59:38) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/05/04(金) 00:46:27 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 諸元 基準排水量 約7700t 満載排水量 約10000t(推定) 全長 165m 全幅 21m 深さ 12m 喫水 6.2m 速力 30ノット+ 航続距離 不明 (こんごう型は20ノットにて6000海里) 乗員 300人 兵装 Mk.45Mod4 62口径5インチ単装砲 1基 Mk.41VLS 前64セル 後32セル 計96セル 高性能20mm機関砲 2基([[CIWS]]) 4連装艦対艦誘導弾発射管 2基 3連装魚雷発射管 2基 レーダー及び電子機器類 AN/SPY-1D(v)フェーズド・アレイ・レーダー(対空) OPS-28Eレーダー(対水上) OPS-20レーダー(航海) AN/SQS-53-C艦首対潜ソーナー OQR-2-1曳航式ソーナー Mk.99FCS(ミサイル) 3基 Mk.160FCS(砲) Mk.116FCS(対潜) NOQ-2電子戦装置 Mk.137電波欺瞞紙([[チャフ]])発射管 4基 機関 IHI LM2500ガスタービンエンジン 4基2軸 艦載機 SH-60J/Kヘリコプター 1機(格納庫だけで現在固定の艦載機はない。) 前級 [[こんごう型護衛艦]]   【概要】 あたご型護衛艦は中期防衛力整備計画に基づき[[たちかぜ型護衛艦]]1番艦たちかぜと2番艦あさかぜの代艦として建造された[[海上自衛隊]]の護衛艦で、[[こんごう型護衛艦]]に次いで[[イージス・システム]]を搭載した[[イージス艦]]である。 なお、たちかぜ型護衛艦は3番艦さわかぜまで存在するが、さわかぜは予算等の都合や自衛艦隊司令部の陸上化。そして同時期に重複した航空機開発、潜水艦建造などにより代艦は計画されていなかったが、2013年度に新たに同型艦2隻が追加建造されることとなった。ヤッタネ。 それと同時に、あたごとあしがらのイージスシステムをBMD5.0に改修しBMD能力の付与が決定している。  &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){基盤防衛力を削ってまで捻出した予算による}}} 海上自衛隊が保有する艦艇としては[[ましゅう型補給艦]]、[[ひゅうが型護衛艦]]などに続く排水量を誇っている。 同型艦は2隻。 イージス・システムは最新のベースライン7.1Jを搭載するものの、こんごう型と同じくアメリカからの輸入品で日本は一切ノータッチのブラック・ボックスである。 但し技術的に全く開示されていないわけではなく、民生電子部品を多用したネットワーク構造はひゅうがやあきづきといった新型艦のACDS開発に大いに参考にされた。 ベースライン7以降のイージスシステムはミルスペックコンピュータを排除、民生電子部品でほぼ完全に構成されている。 各部モジュールもホットスワップ方式でネットワークに接続されており、処理速度向上だけではなくCOTSリフレッシュという名前の近代化が極めて容易な長所を持つ。   艦体はアメリカ海軍のイージス艦[[アーレイ・バーグ級駆逐艦]]フライトⅡAを基に、こんごう型以上の指揮、通信機能と&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ステルス性}}}を海上自衛隊が要求したためこんごう型と同じく原型のアーレイ・バーグフライトⅡAに比べ艦橋が一層大きくなっている。 あたご型の指揮、通信能力はかなり凄いことになっており、CIC(戦闘指揮所)の充実だけに留まらずFIC(司令部作戦室)まで搭載している。 さらに、こんごう型と異なり建造当初から弾道ミサイル迎撃(BMD)の任務を視野に入れているため、BMDに対応出来るよう設計されている。 ただしそれは船体・VLS等艤装だけであり、あたご型のイージス・システムにはBMDシステムは連接されておらず、今後の改修により迎撃能力を付与される予定である。 なお余談だが、あたご型護衛艦の排水量はイージス艦としては最大で、アメリカの[[タイコンデロガ級巡洋艦]]を上回り、あの韓国海軍のイージス艦[[世宗大王級駆逐艦]]と同等の排水量となっている。 元々こんごう型の段階でタイコンデロガ級と同容積のCICを有し、その上であたご型はFICさえ有しているので最早巡洋艦と呼んで差し支えない規模である。 【こんごう型との相違点】 似通った容姿のこんごう型とあたご型の二隻だがよく見ると &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ぶっちゃけぱっと見でも・・・うわっ何すr・・・。}}}幾つかの相違点がある。 以下大まかな相違点を挙げていく。 ①主砲 こんごう型ではイタリアの54口径OTO・メララ127mm単装砲を採用していたが、あたご型ではアメリカのMk.45Mod4 62口径5インチ単装砲を採用している(後述)。 ②AN/SPY-1フェーズド・アレイレーダーの位置 4枚存在するAN/SPY-1。こんごう型では4枚ともだいたい同じ高さにあるが、あたご型では艦尾側の2枚が艦首の2枚より一段高い位置に設置されている。 SPY-1レーダ自身も天頂方向、沿岸部探知能力を向上させたSPY-1D(v)に置き換わっている。 ③マスト こんごう型では強度や技術的な信頼性から鉄骨を組み上げたようなラティストマストを採用しているが、あたご型ではステルス性を優先したため傾斜マストを採用している。 ④格納庫の有無 こんごう型はヘリコプター発着の甲板は存在するも格納庫は無かったが、あたご型はヘリコプター格納庫も装備している。 ⑤対潜システム こんごう型ではイージスシステムの一環であるSQQ-89対潜システムが供与されず、同等品を国産せざるを得なかった。 しかしその技術が認められたためか、あたご型では本来のSQQ-89の最新改良型がシステムの一部として供与されている。 但し一部は日本独自仕様で、具体的には米海軍では廃れつつある曳航ソーナーとの連接が挙げられる。 この他にも細々と異なる変更点があるので気になったら調べてみるのも一興だろう。 【どうしてこうなった?】 こんごう型の項目でも説明されているが、こんごう型もあたご型もアメリカのアーレイ・バーグ級駆逐艦を基に設計されているが、何故こうも変更点が多いのか。 それは設計基となったアーレイ・バーグ級に由来する。 アーレイ・バーグ級は1991年に一番艦が就役してから現在まで建造されており、実戦からのフィードバックにより様々な改良が施されており建造時期により艦体がかなり異なっている。 こんごう型は初期のフライトⅠを参考に、あたご型は最新のフライトⅡAを参考にしているため以上のような差異がでたのである。 【武装】 Mk.45Mod4 62口径5インチ単装砲 あたご型の主砲にして武装面からのこんごう型との相違点1。 こんごう型の主砲はイタリアのOTO・メララ社が開発したものだが、こちらはアメリカ製。 こんごう型の砲と比較して砲塔がステルス性を意識しているため小さく、まるでナイフで切り落としたような鋭角なデザインとなっている。 そのほかに砲身長を62口径に延長(こんごう型のOTO・メララ社の砲は54口径)されているため砲弾一発当たりの破壊力が向上している。 また砲自体の重量も軽い。 しかし砲の速射速度はOTO・メララ社45発/分に比べ20発/分と半分以下になっているためOTO・メララ社が対空対艦対地の万能砲だったのに対し、本砲は対艦対地に特化しているといえる。 &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){専守防衛を掲げる自衛隊がこんな砲を装備するなんてけしからんニダ。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){これは我々への侵略の兆候アル。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){テメーらは巡航ミサイルに核まで持ってんだろ。}}} また本砲は最近就役した[[あきづき型護衛艦]]にも採用されており、今後の砲熕兵装搭載護衛艦の標準火砲となる可能性が高い。 Mk.41VLS ご存知イージス艦の主力兵装。武装面での相違点A。 こんごう型に比べ6セル増えたことと、こんごう型は前29セル後61セルに対しあたご型は前64セル後32セルとなっている。 VLSセル数増大は非実用的とされたミサイル再装填クレーン撤去による。 将来のBMD対応に備えてミサイルへ膨大な情報を転送する光ファイバも実装され、SM-3やESSM収納も可能である。 高性能20mm機関砲 アメリカ製のMk.15ファランクス。いわゆるCIWS。 対空ミサイルで撃ち漏らした敵ミサイルや敵軍用機を撃ち落とす最終手段。 あたご型は最新のBlock1Bと呼ばれる物を採用している。銃身が76口径から92口径に延長、FCSも電子光学系が組み込まれた。 4連装艦対艦誘導弾発射器 あたご型最強の武器。中身はこんごう型のハープーンミサイルと異なり国産の90式艦対艦誘導弾を装備している。 無論ハープーンと互換性のある誘導弾であり、既存のハープーン搭載艦でも運用できる。 逆に本来は90式を搭載している護衛艦がハープーンを搭載しているケースも多い。この辺りは弾薬調達の都合に左右される。 【同型艦】 DDG-177 あたご あたご型護衛艦の一番艦。 2004年4月5日起工。2007年3月15日竣工。 第3護衛隊群第3護衛隊所属。母港は舞鶴。 DDG-178 あしがら あたご型護衛艦の二番艦。 2005年4月6日起工。2008年3月13日竣工。 第2護衛隊群第2護衛隊所属。母港は佐世保。余談だが上の画像は艦番号からこの娘である。 【凖同型艦】 海上自衛隊は今後の艦隊防空及びミサイル防衛を踏まえてイージス護衛艦8隻体制を打ち出した。 それにより27/28DDGとして改あたご型護衛艦が既に予算として認められ、イージスシステム2隻分の一括購入なども為されている。 基準排水量は8200トンとあたご型より更に大型化しており、相応の性能向上と新規技術が盛り込まれている。以下に簡単に記述すると ①イージスシステムの新型化 当初よりBMDシステムをイージスに統合化したベースライン9.0以降を搭載。 現行最新の7.1Jに比較しても格段に処理性能が向上している他、当初からBMD能力を持つ初のイージス護衛艦となる。 ②低空警戒能力の強化 従来はOPS-28系列対水上レーダとOPS-20C航海用レーダが低空警戒を担当したが、近年では性能不足が目立ち始めている。 このため米海軍でも採用数の増えているSPQ-9B低空警戒レーダの導入が明記されている。 簡単にいえばF-16C戦闘機のレーダを原型としたフェイズドアレイレーダ2枚を背中合わせとしたもので、対水上警戒能力も非常に高い。 ③推進系の変更 これまでのイージス護衛艦はCOGAG方式のオールガスタービンだったが、27/28DDGでは発電機と組み合わせた複合推進方式となっている。 低速時は発電機をガスタービンで稼働させて静粛性と燃費を確保。高速発揮時にはガスタービンを駆動させて速度を得る方式である。 統合電気推進と異なり推進系の電力を艦内に回すものではないが、曳航ソーナーなどを使う低速域での静粛性向上が期待される。 その他にも就役年次から考慮して現在開発中の陸自の12式を原型とした新艦対艦誘導弾、07式新アスロックへの対応も為されると推察される。 防衛技研船舶技術開発部門はこのクラスに大変な自信を抱いている模様で、盛り込まれる新機軸も概ね堅実妥当なもの故に今後に期待したい。 【衝突事故】 あたご型を語るうえで(無論悪い意味で)、欠かせない話題。事故が起きたのはあたごが就役してまだ1年も経っていない、2008年2月19日。 あたごがアメリカでの訓練を終え日本に帰国する途中、漁船清徳丸と衝突。 漁船に乗っていた船主の58歳の男性と乗組員で船主の息子23歳が行方不明となった。 二人は必死の捜索活動にも関わらず、5月20日に認定死亡となった。 その後、海難審判によりあたごに回避義務があったと断定。見張りを怠ったとして、あたごの当直士官2名が刑事告訴されたが無罪となった。(係争中) しかし、この事故で一番印象に残ったのは[[マスゴミ]]の偏執報道だろうか。 事故が発生直後多くの報道機関は、あまり情報が入っていない状態にも関わらず、あたごに回避の全責任があると断定して報道し、 最終的にあたごのみならず海上自衛隊全体を批判する報道をしている。 これはあたごに限ったことではなく嘗てのなだしお事件以来、海自艦艇との衝突事故に際して往々に起きうる報道傾向である。 なおこれは噂レベルであるが漁船乗りの間では大型船にチキンレースを仕掛け、それに成功すれば大漁というジンクスが存在するという。 仕掛けられる側とすれば迷惑千万であり、漁船以外にも遊覧船が物珍しい自衛隊艦艇に近づき危険な事態に陥ることも度々生じていると言われる。 追記・修正はBMDの改修を受けてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 2隻追加配備やったね!! -- 名無しさん (2013-11-03 15:56:51) - ぱんぱかぱーん &br()冷静に考えると愛宕が巨乳なのって大型艦橋に由来するんでしょ? &br()ならこの娘もアーレイ・バーグ級より大きいものをおもちだから・・・ -- 名無しさん (2014-01-20 12:28:07) - こんごう型が現れた時からずっと高雄型に似てるって言われ続けてるよね -- 名無しさん (2014-01-27 19:14:19) - ジパングでもネタにされてたな -- 名無しさん (2014-03-18 23:02:49) - アメリカからのブラックボックスってことはきっと、日本が巻き込まれた戦いが、アメリカにとって都合の悪いものだったときに、不具合を起こさせるトロイの木馬でも仕込んでいるに違いない・・・ガクブル -- 名無しさん (2014-03-19 11:39:48) - 文字化けの修正と最新の情報を追加しました。 -- 名無し (2014-09-11 18:56:59) - ぱんぱかぱーんの巨乳の子はこれが元か -- 名無しさん (2014-09-11 19:07:00) - なんでもええが、おまいらアーレイ・バー「ク -- 名無しさん (2014-10-07 19:22:00) - だからなw 濁点ないからな -- 名無しさん (2014-10-07 19:22:20) - OTOメララの方が見た目的に好きだったなぁ -- 名無しさん (2015-02-17 02:06:51) - ぱんぱかをネタにするのは止めて差し上げろ -- 名無しさん (2015-02-17 02:41:59) - いっその事、次はDDGじゃなくてCGにしたらどうだろう…。排水量的な意味で -- 名無しさん (2015-07-29 17:58:06) - 高雄型4隻の内、既に鳥海と愛宕がイージス艦に使われてるから次期イージス艦名は高雄と摩耶あたりでしょうかね。 -- 名無しさん (2015-09-17 01:22:16) - ステルス性を意識した外形って聞いたことあるいけど、艦艇のステルス性ってそんなに高く出来るモンなの? -- 名無しさん (2015-11-08 21:22:07) - 「中国が恐れる日本の兵器」の一つに上がってたな。ソース米メディアだけど -- 名無しさん (2015-11-08 21:59:38) #comment #areaedit(end) }

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