ノロイ(映画)

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ノロイ(映画) - (2016/06/01 (水) 19:05:03) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2016/05/31 (火) 21:12:46 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(24px,b){すべては本当にあったこと。}} #center(){&font(24px,b,red){みんな、死んだ。}} 『ノロイ』とは、杉書房より2004年に発売予定だった怪奇ドキュメンタリービデオを基にした映画。 怪奇実話作家の小林雅文が演出・編集を手掛け、完成後発売を予定していたが、完成直後の2004年4月12日に小林の自宅が全焼し、 妻が焼死、小林本人も謎の失踪を遂げ、急遽発売が中止された。 その後、完成されたビデオ本編の映像と、その後杉書房に直接送り届けられた未公開映像を編集し、2005年に一本の映画として公開された。 映画版を監督したのは白石晃士。 既に本編内で語られているように、ビデオ制作に関わった多くの人間が死亡、あるいは行方不明になっていることでかなりいわくつきの映画。 また、実在の事件に関しては本編を見ても不明瞭な点が多く、「この映画自体が呪われているのではないか」という声も高い。 小林が執筆した取材ノートも小説として刊行されている。 *ストーリー 2003年、怪奇実話作家の小林雅文は、夜中に赤ちゃんの泣き声がすると悪評が高い一軒家に取材に行く。 その家の女主人には無下に追い返されたが、取材の三日後、取材に協力してくれた隣人の親子が事故死を遂げた。 …その後、小林の周囲で不可解な事象が続発し始める。 髪の毛を出現させた超能力少女・矢野加奈の失踪。 TVの心霊番組撮影中、突如謎の奇行を起こしたアイドル女優・松本まりか。 そして、「霊体ミミズ」なる謎の存在に怯える怪しい霊能力者・堀光男。 一見バラバラに見える事件を追っていくうちに、小林はそれらの出来事が、ある存在に収束していくことを見出す。 それは、長野の廃村に代々伝わる「&font(b,red){鬼}」―――「&font(b,red){禍具魂(かぐたば)}」。 真実を知りたい。その一心で、関係者が謎の死を遂げる中、無我夢中で禍具魂の謎を追求し、カメラを回し続ける小林。 しかし、彼は知らなかった。やがて自分の身にも、とてつもなく大きな「&font(b,red){ノロイ}」が降りかかるということを―――。 *登場人物 (原則として、全員実名。実際の芸能人も登場する) ・小林雅文(こばやしまさふみ) 数々の心霊ビデオや書籍を手掛けた怪奇実話作家。 軽い気持ちで引き受けた、赤ちゃんの泣き声のする心霊現象の依頼をきっかけに、各地で勃発する禍具魂絡みの事件の調査を始める。 基本的に凄い能力もないため、調査と現場レポートしか出来ないのだが、努めて冷静に怪奇現象をレポートし、 危険を顧みず、真実の追求に没頭していく。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…2004年4月12日、『ノロイ』完成直後に自宅が全焼し、失踪。現在もなお、行方は分かっていない。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){失踪2か月後の6月、杉書房宛てに彼の名前でビデオカメラとテープが送付される。テープには、火災直前の映像が映っていた…。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){一説によると、都内のホームレスとして生活しているところを目撃されているらしいが、真偽は不明。}} ・宮島久志(みやじまひさし) ビデオ『ノロイ』の撮影カメラマン。 小林の取材に同行し、数々の怪奇現象をカメラに収める。 撮影中、ほとんど撮影者の存在を意識させないほど冷静に撮影しており、そのカメラマンとしての高い腕が見受けられる。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林と同様、数々の修羅場を潜ったにも関わらず、呪いの被害をほとんど被らなかった。}} ・松本まりか(まつもとまりか) アイドル出身の女優。霊感が強い。 アニヲタ的には『[[蒼穹のファフナー]]』の[[真矢>遠見真矢]]でお馴染み。 10月、TVの心霊特集で、とある神社にロケに行ったところ、突然「何か」に取り憑かれ錯乱する。 その後、夢遊病(眠ったまま紐を輪飾りに結ぶ)や奇声を上げるといった、自身の不審な行動に悩まされ、イベントで共演した小林に助けを求める。 長野のダムにて禍具魂の払いの儀式を執り行い、一時は様態を回復するが…。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…現在も、『蒼穹のファフナー EXODUS』の声優業をはじめとして、女優として活動中。}} ・堀光男(ほりみつお) 都内のボロ屋敷に在住中の、自称霊能力者。 しかし、全身アルミホイルで身を包み(魔除けらしい)、普段情緒不安定な上に突然奇声を上げて暴れ出すため、一見キ◯ガイにしか見えない。 松本まりかを見るなり、取り憑かれたことを見抜いたり、失踪した矢野加奈の行方を(気配だけだが)察知したりと、霊感は確かなようだ。 小林、松本とは心霊トークショーで共演し、知り合う。 「霊体ミミズ」なる謎の存在に恐怖し、その気配を察知すると発狂し出す。 映画版監督の白石氏の作品には、よく「奇天烈な霊能力者」が登場するが、生憎彼は除霊の類は全く出来ない。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…長野のロケ後、精神を病み精神病院に入院するが、小林家全焼前夜病院を抜け出し、その後ダクト内で折れ曲がった死体として発見される。}} ・矢野加奈(やのかな) TV番組に出演した、桁外れの超能力を有する少女。 千里眼に近い透視能力や、遠く離れた所にあるものを出現させる能力を持つ。 番組内で、彼女は「不気味な面」を透視し、ダムに沈んだ赤ん坊の髪の毛を出現させた。 小林が彼女の自宅に取材に行った直後、謎の失踪を遂げる。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…失踪後、錯乱した父が母を刺殺し、その後彼女の遺体が石井家にて発見される。そして神社の跡地にて…。}} ・石井潤子(いしいじゅんこ) 小林が最初に取材に行った家の女主人。9歳くらいの男の子と暮らしている。 根暗で陰気な上に、取材に対して逆ギレする、見るからに危ない女。 庭はゴミだらけで、郵便すらろくに受け取っておらず、きちんと生活しているのかすら怪しい。 夜な夜な赤ちゃんの泣き声がすると近所から苦情を受けているが、取材直後三日石集落の実家に帰省。 実は禍具魂の由来の村である下鹿毛村の神官の一家に生まれ、鬼祭の最後の巫女の役を務めるが、祭の舞台で錯乱し、周囲を避けるようになる。 東京では産婦人科に勤め、そこで堕胎した赤ちゃんを攫っていると噂になっていた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…自宅にて鳩や犬の死骸、加奈の遺体がいる中で首吊り死体で発見される。}} ・君野みどり(きみのみどり) 松本まりかのマンションの、彼女の真上の部屋に住んでいる後輩。 松本に夜、部屋で音を立てたか聞かれたが、心当たりはなかった。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…公園にて集団首吊り自殺する。}} ・大沢真一(おおさわしんいち) 堀の霊視で、加奈の居場所とされたアパートの一室の住人。 ゴミ溜まりの部屋に住み、周囲とはある時を境に接点を断った。 奇しくもそれは、隣人の石井潤子に苦情に行った後だったという。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…君野と同様、公園にて集団首吊り自殺する。}} ・奥井涼子(おくいりょうこ) 小林が石井潤子の家へ取材に行くきっかけとなった依頼人の主婦。 幼い娘を持つ。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林の取材の五日後、交通事故死する。}} ・小林景子(こばやしけいこ) 小林雅文の妻。 霊現象に悩む松本の面倒を見たり、身元不明の少年を育てたりと気配りの高い女性。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…自宅の火事で、焼死体で発見される。}} ・??? 石井潤子と暮らしていたとされる9歳くらいの男の子。 作中でも、石井の家から小林を覗く影が見受けられていた。 石井と戸籍上血縁関係はなく、彼女との生活を一切小林には語らない。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林家の火事で焼死体が発見されていないが、彼が本当にいた痕跡すら曖昧である。}} ・アンガールズ 心霊番組の神社のロケで松本まりかと共演。 ・荒俣宏 ・飯島愛 矢野加奈が出演した超能力番組に出演。 ・高樹マリア 堀光男の取材のレポーター。 *キーワード ・下鹿毛村(しもかげむら) 長野県の山奥にかつてあった村。 現在はダムの建造のために沈没し、かつての住人は三日石集落に移住している。 代々呪術師の一団が移り住んだとされており、敵対する村に呪いをかける風習があったという。 ・禍具魂(かぐたば) 下鹿毛村で崇められていた「唯一鬼」。その正体は不明。 かつて村では、鬼を召喚して呪いとして敵へと送り付けるのに使われたという。 しかし、あまりに現世で悪行を重ねたために、独自の儀式で、地中深くに封印された。 村では、禍具魂を鎮めるための「鬼祭」が開かれていたが、廃村と共に風習もなくなった。 ……召喚には、大量の猿の赤ん坊と犬の死体が必要で、巫女に取り憑かせていたとされる。 禍具魂の真実を、それでも知りたい方は、追記修正お願いします。 ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #include(テンプレ3) #center(){&font(24px,b){お前も霊体ミミズにやられたのかァッ!?}} ……勿論、この映画は&color(red){フィクション}です。 『[[カルト>カルト(映画)]]』、『[[戦慄怪奇ファイル コワすぎ!]]』の白石晃士監督の出世作となった、彼の得意分野である&bold(){フェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)}映画。 白石監督作品特有の、奇行やアクの強い霊能力者&ゲストキャラクターは今作でも健在だが、後年の作品のような超展開やバトル展開、 ギャグ要素はほとんどなく、その分心霊特集番組のようなリアルな空気や不気味な映像が顕著に表れており、本格ホラーとしても評価が高い。 また第二作『カルト』同様、和製[[クトゥルー神話]]作品としての雰囲気が強い。 フェイク・ドキュメンタリーとしての雰囲気を高めるために、プロデューサーと監督以外のスタッフ、キャストのクレジットは一切なし。 だが、登場しているキャラクターは比較的身元が割れている。 【キャスト】 小林雅文 村木仁 石井潤子 久我朋乃 堀光男 寺十吾 矢野加奈 菅野莉緒 小林景子 花井美代子 少年 神林隆太 なお本作と『カルト』『オカルト』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』は世界観を共有している。 これら二作において「異界に存在する邪神的存在は、現世の怪談や都市伝説(人々の認識)を媒介に実体化、此方へ侵略しようとしている」事が断片的に語られ、 『カルト』に登場する邪教の紋章と禍具魂の紋様が酷似していることから、禍具魂も同種の存在である事が伺える。 これに対抗するには霊能力をもった人物が、宗教などを通して同種の上位存在の力を行使する他ない。 (なお例外的に、危険な呪具を「なんかしらんけど怪異に効く」と認識してぶん殴って倒すのに使っている人物や、邪神を「ただの化物じゃん」と霊力でねじ伏せてる霊能者も存在する) 禍具魂を制御するためには「盾」としての犬、「力」をつける為に喰わせる猿(人)の子、「依代」になる巫女、呪いを「伝播」させる鳩が必要となる。 そして帰還させる時は、&bold(){犬によって巫女を追い込んだ上で、注連縄を神主が鎌で切らねばならない}。 本作で何が起こったかを時系列順に書くと、 -下鹿毛村に移り住んだ呪術師たちが禍具魂の力で敵対する村を呪い殺していた。 -やがて強大になった禍具魂の制御が困難になり、呪術師たちはこれを封印。神主となって代々禍具魂を鎮めるようになる。 -ダム開発を阻止するべく、最後の神主が自分の娘=石井潤子を巫女として禍具魂の儀式を実行。しかし儀式は失敗し、下鹿毛村はダム湖に沈む。神主も死亡。 -不完全な禍具魂を宿した石井潤子、東京で産婦人科に看護婦として就職。堕胎嬰児を手に入れて、どんどん力を強化していく。 -2003年 石井潤子の周辺で暴走した禍具魂による怪奇現象が次々に発生。小林雅文、取材を始める。(『ノロイ』本編開始) -石井潤子、新たなる巫女としてより霊能力の強い矢野加奈、松本まりかに目をつける。堀光男、禍具魂を「霊体ミミズ」と認識して防御行動を開始。 -石井潤子に接触した人々、矢野加奈、松本まりかの関係者が禍具魂に取り込まれ次々と死亡。 -石井潤子、三日石落へ帰還。誘拐した矢野加奈を禍具魂へ捧げようとする。旧下鹿毛村住人、禍具魂から身を守るために犬を解き放つ。石井潤子、禍具魂に取り込まれて死亡。 -小林雅文、矢野加奈の救助と松本まりかの除霊を目的に、堀光男とともに三日石集落へ突入。石井潤子の死を目撃し、辿り着いた神社で禍具魂と接触する。 -小林雅文、ダム湖上にて堀光男の静止を無視して&bold(){「犬もなく、自分=神主が張った注連縄を、松本まりか=巫女に切らせる」}という誤った儀式を実行、禍具魂を解き放ってしまう。 -2004年4月12日 石井家から救助した少年=禍具魂を自宅で保護していた小林雅文の妻・小林景子、禍具魂を殺害しようと小林家へ乗り込んできた堀光男、禍具魂に取り込まれて死亡。小林雅文、失踪。 -2004年6月 小林雅文から『ノロイ』のビデオが竹書房に送られてくる。 -2005年 『ノロイ』公開 といった流れになる。 最後の最後まで禍具魂と戦い続けた堀氏は、まさに最強霊能力者であったと言えよう。 加奈ちゃんが霊体となって彼を導こうとしたのも納得である。 &del(){ネオ(仮)か、せめて工藤Dがいれば……と悔やまれてならない。} 儀式の方法を間違えて禍具魂を解き放ってしまったこと、 不完全な状態の禍具魂を自宅に招いてしまったことは小林氏の失態だが、 もはや術者である石井潤子ですら制御できずに呪殺されてしまっていることを思えば、儀式を成功させたとして効果があったかどうかは疑問である。 また10年後の2015年頃、『コワすぎ!』のカメラマン田代が小林氏と思われるホームレスと接触している。 怪異たちは自らの存在を広く認識させようとしている傾向があるため、小林氏が見逃されたのはそのためだろうか。 だとすれば『ノロイ』の映像を見て、禍具魂の存在を認識してしまった我々もまた……。 「すみません、この辺追記修正しに来たんですけど」 「あん?なんでそんな言い方出来るんだよ!」 「あのーすみません…」 「なんでそんな言い方出来るって聞いてんだ!」 「あ」 「言い方ァ!!」 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - これ大好き -- 七氏 (2016-05-31 21:23:40) - 2015年、コワすぎの田代は小林と似たホームレスと接触。まさか・・・? -- 名無しさん (2016-05-31 21:25:59) - もし工藤やネオがいたらどうなっていたかは不明。実は鬼神兵とカルトのメンバーと繋がっているかもしれない。 -- 名無しさん (2016-05-31 21:34:17) - なんでそんな言い方ができるのかって……聞いてんだァ!!! -- 名無しさん (2016-05-31 21:41:07) - 地味だけど印象的。最後、ミミズ霊能者が訪ねてくるシーンが特に -- 名無しさん (2016-05-31 22:04:38) - 例のカルト集団は呪術師の集団の系譜だったりするのかな? -- 名無しさん (2016-05-31 22:26:20) - ラストはかつてのモンド映画を思わせる凄惨なシーンの連続。 -- 名無しさん (2016-05-31 22:33:19) - なかなかに面白いアイディア。ホラーなんてどう撮ってもチープになりかねないのを逆手にとって見せてる。素直に感心。 -- 名無しさん (2016-05-31 22:53:25) - 白石監督のモキュメンタリーは海外のそれよりレベル高い -- 名無しさん (2016-05-31 23:40:35) - 所々のCGのチープさは否めないけど全体を通して得体の知れない不気味さがあって好き ラストのアレは普通に怖かった -- 名無しさん (2016-06-01 07:34:51) - 禍具魂は正体考察すればするほど現代怪奇でやれレベルでヤバイ存在なのにそんな相手にSAN値がほとんどない感知系霊能力者だけで戦うという無理ゲー状態という恐ろしく絶望的なシチュなんだよなあ。 -- 名無しさん (2016-06-01 07:55:07) - 美術さんのセンスと役者さんの演技が高い。番組再現やレポート再現のそれっぽさもすごい。リアリティ重視でもいけそうだが、そうしない事でマンガ的なツボも押さえている。有名な役者が演じる気取ったJホラーよりはるかにいいと思う。 -- 名無しさん (2016-06-01 08:40:32) - コワすぎ最終章でまさか小林のその後が描かれるとは -- 名無しさん (2016-06-01 11:45:07) - なんで儀式に失敗したんだろう? テンパってたのかな アレがなければもうちょっとマシだったと思う -- 名無しさん (2016-06-01 14:03:25) - 小林の奥さん可哀想・・・ -- 名無しさん (2016-06-01 17:44:58) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2016/05/31 (火) 21:12:46 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(24px,b){すべては本当にあったこと。}} #center(){&font(24px,b,red){みんな、死んだ。}} 『ノロイ』とは、杉書房より2004年に発売予定だった怪奇ドキュメンタリービデオを基にした映画。 怪奇実話作家の小林雅文が演出・編集を手掛け、完成後発売を予定していたが、完成直後の2004年4月12日に小林の自宅が全焼し、 妻が焼死、小林本人も謎の失踪を遂げ、急遽発売が中止された。 その後、完成されたビデオ本編の映像と、その後杉書房に直接送り届けられた未公開映像を編集し、2005年に一本の映画として公開された。 映画版を監督したのは白石晃士。 既に本編内で語られているように、ビデオ制作に関わった多くの人間が死亡、あるいは行方不明になっていることでかなりいわくつきの映画。 また、実在の事件に関しては本編を見ても不明瞭な点が多く、「この映画自体が呪われているのではないか」という声も高い。 小林が執筆した取材ノートも小説として刊行されている。 *ストーリー 2003年、怪奇実話作家の小林雅文は、夜中に赤ちゃんの泣き声がすると悪評が高い一軒家に取材に行く。 その家の女主人には無下に追い返されたが、取材の三日後、取材に協力してくれた隣人の親子が事故死を遂げた。 …その後、小林の周囲で不可解な事象が続発し始める。 髪の毛を出現させた超能力少女・矢野加奈の失踪。 TVの心霊番組撮影中、突如謎の奇行を起こしたアイドル女優・松本まりか。 そして、「霊体ミミズ」なる謎の存在に怯える怪しい霊能力者・堀光男。 一見バラバラに見える事件を追っていくうちに、小林はそれらの出来事が、ある存在に収束していくことを見出す。 それは、長野の廃村に代々伝わる「&font(b,red){鬼}」―――「&font(b,red){禍具魂(かぐたば)}」。 真実を知りたい。その一心で、関係者が謎の死を遂げる中、無我夢中で禍具魂の謎を追求し、カメラを回し続ける小林。 しかし、彼は知らなかった。やがて自分の身にも、とてつもなく大きな「&font(b,red){ノロイ}」が降りかかるということを―――。 *登場人物 (原則として、全員実名。実際の芸能人も登場する) ・小林雅文(こばやしまさふみ) 数々の心霊ビデオや書籍を手掛けた怪奇実話作家。 軽い気持ちで引き受けた、赤ちゃんの泣き声のする心霊現象の依頼をきっかけに、各地で勃発する禍具魂絡みの事件の調査を始める。 基本的に凄い能力もないため、調査と現場レポートしか出来ないのだが、努めて冷静に怪奇現象をレポートし、 危険を顧みず、真実の追求に没頭していく。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…2004年4月12日、『ノロイ』完成直後に自宅が全焼し、失踪。現在もなお、行方は分かっていない。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){失踪2か月後の6月、杉書房宛てに彼の名前でビデオカメラとテープが送付される。テープには、火災直前の映像が映っていた…。}} &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){一説によると、都内のホームレスとして生活しているところを目撃されているらしいが、真偽は不明。}} ・宮島久志(みやじまひさし) ビデオ『ノロイ』の撮影カメラマン。 小林の取材に同行し、数々の怪奇現象をカメラに収める。 撮影中、ほとんど撮影者の存在を意識させないほど冷静に撮影しており、そのカメラマンとしての高い腕が見受けられる。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林と同様、数々の修羅場を潜ったにも関わらず、呪いの被害をほとんど被らなかった。}} ・松本まりか(まつもとまりか) アイドル出身の女優。霊感が強い。 アニヲタ的には『[[蒼穹のファフナー]]』の[[真矢>遠見真矢]]でお馴染み。 10月、TVの心霊特集で、とある神社にロケに行ったところ、突然「何か」に取り憑かれ錯乱する。 その後、夢遊病(眠ったまま紐を輪飾りに結ぶ)や奇声を上げるといった、自身の不審な行動に悩まされ、イベントで共演した小林に助けを求める。 長野のダムにて禍具魂の払いの儀式を執り行い、一時は様態を回復するが…。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…現在も、『蒼穹のファフナー EXODUS』の声優業をはじめとして、女優として活動中。}} ・堀光男(ほりみつお) 都内のボロ屋敷に在住中の、自称霊能力者。 しかし、全身アルミホイルで身を包み(魔除けらしい)、普段情緒不安定な上に突然奇声を上げて暴れ出すため、一見キ◯ガイにしか見えない。 松本まりかを見るなり、取り憑かれたことを見抜いたり、失踪した矢野加奈の行方を(気配だけだが)察知したりと、霊感は確かなようだ。 小林、松本とは心霊トークショーで共演し、知り合う。 「霊体ミミズ」なる謎の存在に恐怖し、その気配を察知すると発狂し出す。 映画版監督の白石氏の作品には、よく「奇天烈な霊能力者」が登場するが、生憎彼は除霊の類は全く出来ない。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…長野のロケ後、精神を病み精神病院に入院するが、小林家全焼前夜病院を抜け出し、その後ダクト内で折れ曲がった死体として発見される。}} ・矢野加奈(やのかな) TV番組に出演した、桁外れの超能力を有する少女。 千里眼に近い透視能力や、遠く離れた所にあるものを出現させる能力を持つ。 番組内で、彼女は「不気味な面」を透視し、ダムに沈んだ赤ん坊の髪の毛を出現させた。 小林が彼女の自宅に取材に行った直後、謎の失踪を遂げる。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…失踪後、錯乱した父が母を刺殺し、その後彼女の遺体が石井家にて発見される。そして神社の跡地にて…。}} ・石井潤子(いしいじゅんこ) 小林が最初に取材に行った家の女主人。9歳くらいの男の子と暮らしている。 根暗で陰気な上に、取材に対して逆ギレする、見るからに危ない女。 庭はゴミだらけで、郵便すらろくに受け取っておらず、きちんと生活しているのかすら怪しい。 夜な夜な赤ちゃんの泣き声がすると近所から苦情を受けているが、取材直後三日石集落の実家に帰省。 実は禍具魂の由来の村である下鹿毛村の神官の一家に生まれ、鬼祭の最後の巫女の役を務めるが、祭の舞台で錯乱し、周囲を避けるようになる。 東京では産婦人科に勤め、そこで堕胎した赤ちゃんを攫っていると噂になっていた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…自宅にて鳩や犬の死骸、加奈の遺体がいる中で首吊り死体で発見される。}} ・君野みどり(きみのみどり) 松本まりかのマンションの、彼女の真上の部屋に住んでいる後輩。 松本に夜、部屋で音を立てたか聞かれたが、心当たりはなかった。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…公園にて集団首吊り自殺する。}} ・大沢真一(おおさわしんいち) 堀の霊視で、加奈の居場所とされたアパートの一室の住人。 ゴミ溜まりの部屋に住み、周囲とはある時を境に接点を断った。 奇しくもそれは、隣人の石井潤子に苦情に行った後だったという。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…君野と同様、公園にて集団首吊り自殺する。}} ・奥井涼子(おくいりょうこ) 小林が石井潤子の家へ取材に行くきっかけとなった依頼人の主婦。 幼い娘を持つ。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林の取材の五日後、交通事故死する。}} ・小林景子(こばやしけいこ) 小林雅文の妻。 霊現象に悩む松本の面倒を見たり、身元不明の少年を育てたりと気配りの高い女性。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…自宅の火事で、焼死体で発見される。}} ・??? 石井潤子と暮らしていたとされる9歳くらいの男の子。 作中でも、石井の家から小林を覗く影が見受けられていた。 石井と戸籍上血縁関係はなく、彼女との生活を一切小林には語らない。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){…小林家の火事で焼死体が発見されていないが、彼が本当にいた痕跡すら曖昧である。}} ・アンガールズ 心霊番組の神社のロケで松本まりかと共演。 ・荒俣宏 ・飯島愛 矢野加奈が出演した超能力番組に出演。 ・高樹マリア 堀光男の取材のレポーター。 *キーワード ・下鹿毛村(しもかげむら) 長野県の山奥にかつてあった村。 現在はダムの建造のために沈没し、かつての住人は三日石集落に移住している。 代々呪術師の一団が移り住んだとされており、敵対する村に呪いをかける風習があったという。 ・禍具魂(かぐたば) 下鹿毛村で崇められていた「唯一鬼」。その正体は不明。 かつて村では、鬼を召喚して呪いとして敵へと送り付けるのに使われたという。 しかし、あまりに現世で悪行を重ねたために、独自の儀式で、地中深くに封印された。 村では、禍具魂を鎮めるための「鬼祭」が開かれていたが、廃村と共に風習もなくなった。 ……召喚には、大量の猿の赤ん坊と犬の死体が必要で、巫女に取り憑かせていたとされる。 禍具魂の真実を、それでも知りたい方は、追記修正お願いします。 ---- &link_up(△)メニュー &link_edit(text=項目変更)&link_copy(text=項目コピー) &link_diff(text=項目変更点)&link_backup()&link_upload(text=アップロードページ) ---- #include(テンプレ3) #center(){&font(24px,b){お前も霊体ミミズにやられたのかァッ!?}} ……勿論、この映画は&color(red){フィクション}です。 『[[カルト>カルト(映画)]]』、『[[戦慄怪奇ファイル コワすぎ!]]』の白石晃士監督の出世作となった、彼の得意分野である&bold(){フェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリー)}映画。 白石監督作品特有の、奇行やアクの強い霊能力者&ゲストキャラクターは今作でも健在だが、後年の作品のような超展開やバトル展開、 ギャグ要素はほとんどなく、その分心霊特集番組のようなリアルな空気や不気味な映像が顕著に表れており、本格ホラーとしても評価が高い。 また第二作『カルト』同様、和製[[クトゥルー神話]]作品としての雰囲気が強い。 フェイク・ドキュメンタリーとしての雰囲気を高めるために、プロデューサーと監督以外のスタッフ、キャストのクレジットは一切なし。 だが、登場しているキャラクターは比較的身元が割れている。 【キャスト】 小林雅文 村木仁 石井潤子 久我朋乃 堀光男 寺十吾 矢野加奈 菅野莉緒 小林景子 花井美代子 少年 神林隆太 なお本作と『カルト』『オカルト』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』は世界観を共有している。 これら二作において「異界に存在する邪神的存在は、現世の怪談や都市伝説(人々の認識)を媒介に実体化、此方へ侵略しようとしている」事が断片的に語られ、 『カルト』に登場する邪教の紋章と禍具魂の紋様が酷似していることから、禍具魂も同種の存在である事が伺える。 これに対抗するには霊能力をもった人物が、宗教などを通して同種の上位存在の力を行使する他ない。 (なお例外的に、危険な呪具を「なんかしらんけど怪異に効く」と認識してぶん殴って倒すのに使っている人物や、邪神を「ただの化物じゃん」と霊力でねじ伏せてる霊能者も存在する) 禍具魂を制御するためには「盾」としての犬、「力」をつける為に喰わせる猿(人)の子、「依代」になる巫女、呪いを「伝播」させる鳩が必要となる。 そして帰還させる時は、&bold(){犬によって巫女を追い込んだ上で、注連縄を神主が鎌で切らねばならない}。 本作で何が起こったかを時系列順に書くと、 -下鹿毛村に移り住んだ呪術師たちが禍具魂の力で敵対する村を呪い殺していた。 -やがて強大になった禍具魂の制御が困難になり、呪術師たちはこれを封印。神主となって代々禍具魂を鎮めるようになる。 -ダム開発を阻止するべく、最後の神主が自分の娘=石井潤子を巫女として禍具魂の儀式を実行。しかし儀式は失敗し、下鹿毛村はダム湖に沈む。神主も死亡。 -不完全な禍具魂を宿した石井潤子、東京で産婦人科に看護婦として就職。堕胎嬰児を手に入れて、どんどん力を強化していく。 -2003年 石井潤子の周辺で暴走した禍具魂による怪奇現象が次々に発生。小林雅文、取材を始める。(『ノロイ』本編開始) -石井潤子、新たなる巫女としてより霊能力の強い矢野加奈、松本まりかに目をつける。堀光男、禍具魂を「霊体ミミズ」と認識して防御行動を開始。 -石井潤子に接触した人々、矢野加奈、松本まりかの関係者が禍具魂に取り込まれ次々と死亡。 -石井潤子、三日石落へ帰還。誘拐した矢野加奈を禍具魂へ捧げようとする。旧下鹿毛村住人、禍具魂から身を守るために犬を解き放つ。石井潤子、禍具魂に取り込まれて死亡。 -小林雅文、矢野加奈の救助と松本まりかの除霊を目的に、堀光男とともに三日石集落へ突入。石井潤子の死を目撃し、辿り着いた神社で禍具魂と接触する。 -小林雅文、ダム湖上にて堀光男の静止を無視して&bold(){「犬もなく、自分=神主が張った注連縄を、松本まりか=巫女に切らせる」}という誤った儀式を実行、禍具魂を解き放ってしまう。 -2004年4月12日 石井家から救助した少年=禍具魂を自宅で保護していた小林雅文の妻・小林景子、禍具魂を殺害しようと小林家へ乗り込んできた堀光男、禍具魂に取り込まれて死亡。小林雅文、失踪。 -2004年6月 小林雅文から『ノロイ』のビデオが竹書房に送られてくる。 -2005年 『ノロイ』公開 といった流れになる。 最後の最後まで禍具魂と戦い続けた堀氏は、まさに最強霊能力者であったと言えよう。 加奈ちゃんが霊体となって彼を導こうとしたのも納得である。 &del(){ネオ(仮)か、せめて工藤Dがいれば……と悔やまれてならない。} 儀式の方法を間違えて禍具魂を解き放ってしまったこと、 不完全な状態の禍具魂を自宅に招いてしまったことは小林氏の失態だが、 もはや術者である石井潤子ですら制御できずに呪殺されてしまっていることを思えば、儀式を成功させたとして効果があったかどうかは疑問である。 また10年後の2015年頃、『コワすぎ!』のカメラマン田代が小林氏と思われるホームレスと接触している。 怪異たちは自らの存在を広く認識させようとしている傾向があるため、小林氏が見逃されたのはそのためだろうか。 だとすれば『ノロイ』の映像を見て、禍具魂の存在を認識してしまった我々もまた……。 「すみません、この辺追記修正しに来たんですけど」 「あん?なんでそんな言い方出来るんだよ!」 「あのーすみません…」 「なんでそんな言い方出来るって聞いてんだ!」 「あ」 「言い方ァ!!」 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - これ大好き -- 七氏 (2016-05-31 21:23:40) - 2015年、コワすぎの田代は小林と似たホームレスと接触。まさか・・・? -- 名無しさん (2016-05-31 21:25:59) - もし工藤やネオがいたらどうなっていたかは不明。実は鬼神兵とカルトのメンバーと繋がっているかもしれない。 -- 名無しさん (2016-05-31 21:34:17) - なんでそんな言い方ができるのかって……聞いてんだァ!!! -- 名無しさん (2016-05-31 21:41:07) - 地味だけど印象的。最後、ミミズ霊能者が訪ねてくるシーンが特に -- 名無しさん (2016-05-31 22:04:38) - 例のカルト集団は呪術師の集団の系譜だったりするのかな? -- 名無しさん (2016-05-31 22:26:20) - ラストはかつてのモンド映画を思わせる凄惨なシーンの連続。 -- 名無しさん (2016-05-31 22:33:19) - なかなかに面白いアイディア。ホラーなんてどう撮ってもチープになりかねないのを逆手にとって見せてる。素直に感心。 -- 名無しさん (2016-05-31 22:53:25) - 白石監督のモキュメンタリーは海外のそれよりレベル高い -- 名無しさん (2016-05-31 23:40:35) - 所々のCGのチープさは否めないけど全体を通して得体の知れない不気味さがあって好き ラストのアレは普通に怖かった -- 名無しさん (2016-06-01 07:34:51) - 禍具魂は正体考察すればするほど現代怪奇でやれレベルでヤバイ存在なのにそんな相手にSAN値がほとんどない感知系霊能力者だけで戦うという無理ゲー状態という恐ろしく絶望的なシチュなんだよなあ。 -- 名無しさん (2016-06-01 07:55:07) - 美術さんのセンスと役者さんの演技が高い。番組再現やレポート再現のそれっぽさもすごい。リアリティ重視でもいけそうだが、そうしない事でマンガ的なツボも押さえている。有名な役者が演じる気取ったJホラーよりはるかにいいと思う。 -- 名無しさん (2016-06-01 08:40:32) - コワすぎ最終章でまさか小林のその後が描かれるとは -- 名無しさん (2016-06-01 11:45:07) - なんで儀式に失敗したんだろう? テンパってたのかな アレがなければもうちょっとマシだったと思う -- 名無しさん (2016-06-01 14:03:25) - 小林の奥さん可哀想・・・ -- 名無しさん (2016-06-01 17:44:58) - コワすぎでの小林って、田代が最初に人形奪った時のおっさん? -- 名無しさん (2016-06-01 19:05:03) #comment #areaedit(end) }

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