名探偵コナン 100万ドルの五稜星

登録日:2024/04/27 Sat 11:00:00
更新日:2025/05/04 Sun 11:17:33NEW!
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意志を継ぐ者がいる……


真実(おたから)”を奪い合え――
天下分け目のお宝争奪戦ミステリー、今その幕が上がる!



名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』とは、劇場版『名探偵コナン』第27作。
2024年4月12日公開。上映時間は111分。
最終興行収入成績は157.1億円で、シリーズ歴代1位、ならびに2024年の邦画興行収入第1位を記録した。

監 督:永岡智佳
脚 本:大倉崇裕
主題歌:aiko『相思相愛』

※以下、ネタバレが多く含まれます。
未鑑賞の方はブラウザバックするか、ネタバレを承知の上でお読みください。


概要

本作のキーキャラクターは、怪盗キッド服部平次
この2人はこれまで劇場版で数度に亘りそれぞれ主役を担ってきたほか、『世紀末の魔術師』『探偵たちの鎮魂歌』『天空の難破船』においては既に同時に登場しているが、顔を合わせることなく終わっている。銀幕で直接対峙して同じ作品でメインを務めるのは今回が初めて
原作では、前出劇場版3作の後に発表されたエピソード『キッドvs高明 狙われた唇』にて初めて相対しており、本作ではその際に生じたとある因縁に基づく対決が繰り広げられることとなる。

今作のテーマは「継承」「意志」。
「ビッグジュエル」と呼ばれる宝石を主に狙うはずのキッドが、今回は日本刀を狙う。その理由は一体?
また、幼なじみである遠山和葉と恋仲になりたい平次の奮闘ぶりや、彼の得意な剣道を活かした超人的なアクションシーンが見どころ。日本刀が関わるだけあって、刀で戦う場面も多い。
――そして、プロモーションで「ついに明かされる、キッドの“真実”」と銘打たれていた通り、江戸川コナンの正体である工藤新一と怪盗キッドの正体である黒羽快斗の容姿や声が何故似ているのかという謎が、とうとう月下へと導かれる……!

時系列では、原作エピソードだと前述の通り『キッドvs高明~』ほか『上野発北斗星3号』『ホームズの黙示録』『恋と推理の剣道大会』『紅の修学旅行』、劇場版だと『銀翼の奇術師』『から紅の恋歌』『紺青の拳』よりも後。

劇場版への登場は、キッドは『紺青の拳』以来4作ぶり。平次、和葉、大岡紅葉、伊織無我は『から紅の恋歌』以来6作ぶりで、工藤優作に至っては『ベイカー街の亡霊』以来実に21作ぶり。彼らが令和時代、及び2020年代公開の作品に登場するのは初めて。年号が!年号が変わっている!
『コナン』から初登場のキャラクターは工藤有希子。その外見を模したキャラは既に『ベイカー街の亡霊』で出ているものの、主人公の母という重要ポジションながら劇場版に出演したことが無かったが、この度彼女本人も満を持してのデビューを果たした。
加えて『まじっく快斗』『YAIBA』の面々も登場しており、さながら「青山剛昌ユニバース」とでも言うべき仕上がりになっている。そのため、『コナン』だけでなく『まじっく快斗』も読んでおいた方がより楽しめるだろう。
また、過去の劇場版ではオリジナルキャラクターを演じるプロ声優は公開まで伏せられていたのに対し、本作では主要なゲストを担当した声優を公開前に解禁する試みがされている。

今回の舞台は、北海道函館市。同市が劇場版に登場するのは『銀翼の奇術師』以来19作ぶり2度目で、同作もキッドがメインだった。
かの土方歳三が一晩だけ用いたという「星稜刀」なる刀にまつわるミステリーや、現地の名士が隠したとされる「お宝」を巡り、様々な者たちの思惑が絡み合う争奪戦が繰り広げられるとともに、「100万ドルの夜景」と名高い夜景や五稜郭を始めとする同市の名物が美しく描写されている。
北海道が舞台の、土方歳三も絡むお宝争奪戦……どこかで聞いたような……。
作中の季節は春。函館市で桜が見ごろを迎えるのが例年4月中旬前後なのでそれくらいの時期と思われる。

監督は永岡智佳氏で、『緋色の弾丸』以来3作ぶり3度目。平次がメインキャラクターとなる作品に携わるのは本作が初めて。
脚本は大倉崇裕氏。こちらは『ハロウィンの花嫁』以来2作ぶり4度目。うち2作において、平次とキッドがそれぞれメインを張る作品を手掛けた経験がある。
この両名がタッグを組むのは『紺青の拳』以来4作ぶり2度目。
音楽は引き続き菅野祐悟氏が担当。

公開翌日の2024年4月13日には、本作と連動するアニメオリジナルエピソード『失われたお宝ミステリー』が放送された。
コナン以外のレギュラーキャラクターは映画だと現地にいない園子だけが登場し、ほとんどのエピソードで彼女と一緒に出てくる蘭さえ名前しか言及されない上にエピローグもキッドが出てくるのみという異色の回である。


プロモーション

前作『黒鉄の魚影』と同じく、今作でも積極的なプロモーションが行われている。

まず、前作終了後の予告は2パターンあった。
当初は、『キッドvs高明〜』での顛末を下敷きにした、函館の夜景をバックにハートのエースのトランプが飛んで来たところで「許さんで、キッドぉ!」という平次の怒声と「え!?何で」と戸惑うキッド、「キスじゃね……?」とツッコむコナンのやり取りが流れてから、刀の音がしてトランプが切り捨てられるというものだった。
9月からは一新され、キッド=黒羽快斗が亡き父・黒羽盗一に向けて「そういうことかよ、親父……!」と呟くセリフや、燃え盛るイメージの中でコナンと平次の掛け合いが聞こえたあと「意志を継ぐ者がいる……」とのセリフとともに、日本刀が関わることを示唆する内容に切り替わった。

2024年に入ってからは、1月5日に総集編として『名探偵コナンvs怪盗キッド』が劇場で公開された。主題歌は同作のために新たに書き下ろされた、WANDSの『大胆』。
3月30日には、本作の前日譚とも言えるエピソード『キッドvs高明~』が1時間スペシャルとして前後編とも放送された。
5月からは、3日に『金曜ロードショー』の枠で冒頭10分がテレビ放送された。
15日には、作中映像を用いた主題歌のスペシャルコラボムービーが公開。
17日からは「愛を叫べ!100万ドルの応援上映」と題して応援上映が始まった。昨年導入された「全自動制御ペンライト」対応回は本作でも開催された。
24日からは英語版字幕付き上映も行われた。

なお「キッドにフィルムが盗まれた」ことを理由に本作の公開前の試写会は行われず、代わりにキャスト陣が登壇してのファンミーティングが開催された。これに関しては公開前にネタバレの拡散を防ぐためという見方が強い。
その後公開を迎えて鑑賞したファンからは、試写会を見送ったのは英断だったとの声も聞かれる。

他作品では『ゴジラxコング 新たなる帝国』、『帰ってきた あぶない刑事』とコラボ。
『あぶ刑事』とのコラボでは、同作の主人公コンビであるタカ&ユージとコナンが互いの決めゼリフを交換して言い合うお遊びが楽しめる。*1
ちなみに『あぶ刑事』が公開されるまでの間、本作は週間動員数ランキング6週連続1位を達成していた。

更に舞台である函館市でもキャラクターのラッピングバスの運行を始め、様々なイベントやキャンペーンが展開されていた。


興行収入成績と動員人数、及びこれらに関する新記録の樹立について

公開後3日間で33.5億円、4月末時点では92.2億円を記録しており、公開月だけで既に歴代作品セールストップ5入りを果たした。

その後、5月4日にはシリーズ歴代最短期間での100億円超え、並びに『名探偵コナン』はもちろん邦画アニメ史上初の同一シリーズ作品2作連続興収100億円台達成を成し遂げ、シリーズ歴代ナンバー2ヒットに浮上した*2なお、この発表があった日はご存知の通りコナン(新一)の誕生日で、ファンには何重にも嬉しい日になったと言える。

公開1ヶ月後には128億円に到達。ナンバーワンヒットとなった前作を超えることはこの時点でほぼ確実視されていたところ、5月27日には歴代シリーズ1位となる140億円に到達し、3年連続の記録更新も実現した。
勢いはとどまるところを知らず、6月24日には邦画史上10本目となる150億円台に到達した。

最終的な興行収入は158億円となり、2024年に劇場公開された邦画で年間1位という初の偉業を達成した。

そして何よりの特筆事項として、本作公開年の4月末で、劇場版『名探偵コナン』の累計動員人数はめでたく1億人を突破したと発表された。
この記録は我が国では既に『ゴジラ』『ドラえもん』の両シリーズが打ち立てているが、しかし27作目での達成は史上最速の快挙にして偉業。名実ともに『名探偵コナン』がもはや前述のような日本を代表するビッグタイトルとも肩を並べるほどの国民的作品へと成長したことの証だろう。
このことを祝して、本作も含む歴代劇場版の名シーンを抜粋した動画が公式から投稿されたほか、青山先生やコナン役の高山みなみ氏も喜びのコメントを寄せている。


ストーリー


こういう謎解(かけひ)きは、得意だろ…?

明治時代初頭、雪の降り積もる夜半の函館。
新選組副長・土方歳三は、知人の家を訪ねていた折新政府軍の襲撃に遭うも、献上されたばかりの刀「星稜刀」を振るい、一人でその場を収めた。

時と季節は巡って現代、春爛漫の函館。
北海道を拠点とする斧江財閥に、キッドから「斧江拓三氏所蔵、東窪榮龍の脇差二本頂戴に参上する」との予告状が届き、果たして彼は予告通りに犯行を成し遂げ逃走を図る。
だが、追跡してきた平次と盗み出したばかりの刀でもって一戦交える中、シルクハットが切られ片眼鏡も外れたせいで素顔を一部とはいえ見られてしまった!
平次は驚愕する――キッドの声、容貌。どちらも工藤新一にそっくりだったからだ。

あくる日、剣道大会に出場するはずの平次の姿が会場に無い。その姿をコナンと共に探していた和葉は、ひょんなことから居合の達人である医学生・福城聖と知り合った。
そんな中、コナンたちは付近の港で刀傷のある遺体が発見されたのをきっかけに、事件に関わり合っていくこととなる。

謎多き刀に秘された暗号が指し示すものとは。
「お宝」を巡る陰謀の結末は。
キッドの思いとは。
そして、平次の恋模様の行く末は……。

キッドと時に手を組み、時に彼を追いかけつつ、コナンと平次は真実への道しるべを探しながら「意志を継ぐ者」との対決に臨む。


ゲストキャラクター及び事件関係者

明治期前後の人々

当然既に全員故人。なお土方以外は架空の人物である。

  • 土方歳三

どうした……何故足を止め、勝機を逃す!

ご存知新選組「鬼の副長」。史実での詳細についてはググられたし。

当作においては、町田のもとを訪れていたところを新政府軍に踏み込まれるも、彼から献上されたばかりの刀「星稜刀」を振るってただ一人だけで連続殺人返り討ちにしてのけたが、件の刀の受取は辞退した、という設定。
名前とCVのお陰でこの作品が頭に過ったという人も。あっちの土方の声はだけど。


  • 町田正徳(しょうとく)
CV:金光宣明
海産物卸商。土方に「星稜刀」を献上した。
筆まめな人物でもあり、件の日の出来事を克明に書き残した日記が手掛かりの一つとなる。ある意味ヒント要員。
しかし命は助かったとはいえ、新政府軍の襲撃で邸中を滅茶苦茶にされたばかりか、せっかく献上したものを「悪いが俺には(元からの愛刀の)兼定があるので受け取るわけにいかない」と返されてしまった、ちょっとお気の毒な人。


  • 東窪榮龍(ひがしくぼえいたつ)
CV:無し
刀鍛冶。イメージシーンのみに登場しセリフは無い。
率直に言えば無名で、打った刀も全く貴重なものではないらしい。


斧江(おのえ)財閥関係者

北海道を拠点とする財閥、及びその一族や関係者。
家紋は丸に九曜紋、及び家名からか斧を意匠化したような文様を配したもの。

  • 斧江圭三郎(けいざぶろう)
CV:無し
故人。斧江財閥の祖で立派な髭を蓄えた紳士。
写真やイメージシーンにのみ登場しセリフは無い。忠之や、当時10歳前後と思われる頃の拓三と収まった写真が映るシーンから、孫がある程度大きくなるまでは存命だったことが判る。

金の鉱脈を掘り当てたり、戦時中は軍需産業にも携わったりして巨万の富を築いた。
その死後に財産の大部分は失われたというが、一部を金に変え、どこかに隠したともされる。また、園子によれば「大の土方歳三マニアで、ゆかりの品を何でも買い漁ってたみたい」とのこと。
ちなみに件の写真の中には、星稜刀を携えて床面がガラス張りの気球に乗り込み、何かを観測している様子が収められたものがあるが、目的は不明。


  • 斧江忠之(ただゆき)
CV:不明(クレジット無し)
故人。斧江財閥の2代目で拓三の父。本作の1年前に75歳で病没しており、回想シーンや写真にのみ登場。
圭三郎ほどの量ではないが髭を生やし眼鏡をかけた、穏やかな印象の人物。アバンでのニュース画像から、生前は道内の重役を歴任してきたようだ。

かつて冬の海辺で良衛と出会い意気投合するとともに、彼に「意志」を託して逝った。
良衛は忠之との邂逅について「曾祖父の導きとしか思えない運命的な出会いだった」とし、また「忠之さんは足の怪我でが手放せなかった」とも振り返っている。
その割に、川添が捜査会議中に誤操作で示した画像には、忠之が様々な場へ足を運んでいたことが窺える光景が写っていて……?


  • 斧江拓三(たくぞう)
CV:中博史
斧江財閥の3代目で現当主。祖父や父同様髭を生やした男。
妻はいるようだが作中ではニュース画像に一瞬登場するだけで、直接は出てこない。

父亡き後事業を引き継ぐも上手くいっておらず、金に困って代々の所蔵の品を競売に掛け、ほとんどのものを鈴木財閥に落札されているありさま。
こんな状況ゆえ「お宝」を欲していたが、中盤で事故に遭ったこと(拓三はカドクラの手の者のせいだと主張している)や久垣のを理由に「宝からはもう手を引くことにする、命を失くしては何にもならない」とながらに言い、入院先の病室で斧江家に伝わる暗号表を警察に渡す。

しかし、その言葉は全くの嘘
おまけに病院で中森と接触した際彼に盗聴器を仕掛けており、暗号が解かれたことを聞き付けてから動き出す狡猾さを見せるほか、結局逮捕されるも「カドクラの情報を持っている、取引しないか」と悪あがきするなど小物ムーブが目立つ。
その後良衛が拉致されてからは取り調べでカドクラ一味の居場所を吐くが、移送のため函館署の庁舎の外に連れ出された際、邪魔者を消そうと目論んだ彼に射殺されそうになる。
そして被弾し意識を失う前、自身を庇った中森に何かを伝えたようだが……。


  • 久垣澄人(ひさがきすみと)
CV:不明(クレジット無し)
斧江財閥顧問弁護士。享年43歳。

拓三の命を受け圭三郎の宝のありかを探していた。しかしドバイから帰国し函館に到着した直後、何者かに斬殺される。
遺体には十文字の切り傷が見られた。遺留品には航空券、空のゴルフバッグがあったほか、遺体の手には破れた銃砲刀剣類登録証の紙片が握り締められていた。
また、斧江財閥の関係者でありながら雇い主を裏切り、カドクラと何度か面会している様子を道警に押さえられていて、その際東窪の刀の情報を流そうとしていたと見られる。

コナンと平次は、登録証が偽造のものだろうことと、ゴルフバッグには戦後の混乱期に海外の好事家のもとへ流出した刀を収めて(かつ、表立ってはこうしたものを持ち込めないはずなので予め手配しておいた裏ルートなどを経由して)帰国したが、その中身を下手人が持ち去ったため空になっていたと推理した。

  • 拓三の部下たち
北海道東照宮から刀を盗み出したキッドや、それをキャッチしたコナンを追いかけようとしたが、彼に加勢してきた聖に全員打倒された。

カドクラ一味

カドクラとその配下。
話の都合上全員日本語は堪能。

  • ブライアン・D・カドクラ

宝は我々のものだ……!

CV:銀河万丈日本語パート)/ジュリアン・マクファーレン(英語パート)
日系アメリカ人投資家の富豪。強面で恰幅の良い「D」の意思を持つ男。喫煙者。
部下たちからは「ボス」と呼ばれる。

表向きはチャリティーに熱心な人物として知られる……が、裏の顔は兵器を売買するいわゆる「死の商人」で、その本性は悪辣にして残忍そのもの。
実際、一般市民のいる市街地でも危険な運転をしたり、観光客や子供であるコナンたちにも躊躇なく発砲したりするなど、目的のためならばどのような手も厭わない。
また、中森に変装して訪ねてきたキッドの正体を、部下を連れずに単独で現れた違和感から即座に見抜くなど洞察力も侮りがたい。
更に拳銃、ライフル、刀剣の扱いに関しても高い腕前を持っており、逃走する平次のバイクのタイヤを車の後部座席から正確に撃ち抜きパンク・横転させている他、コナンの乗るスケボーを一太刀で真っ二つに破壊する場面も。

川添によればアジア一帯で手広く「商売」しており、彼の提言で道警は何年も前からカドクラをマークしてきたという。今回はチャリティーイベントのため来日しているが、久垣殺害の容疑で捜査線上に浮上した。
商売柄やはり「お宝」を手中に収めんとしており、手に入れた暁には北海道近海を航行中の男(後述)に売ろうとしているようだが、相手から時間制限を突き付けられているために焦りを滲ませる場面も。
序盤ではホテルにステイしているが、とある廃屋もアジトとして押さえていて、中盤からはそちらへ移っている。

終盤では、良衛をアジトに拉致監禁した上でコナンたちにコンタクトを取り、良衛の解放の条件として「『お宝』を今から24時間以内に持って来ること」を要求。
更に「示した条件を呑まなければ市内にいくつか仕掛けてある爆弾を爆発させる」と、実際に爆弾を作動させながら脅迫してきて……。揺れる函館警察署 24万人の人質

担当声優は、偶然にもお宝つながりで某お宝鑑定番組で長年ナレーションを担当している大ベテランの銀河万丈氏。
ちなみに同氏の奥方は、『コナン』では妃英理役の高島雅羅氏である。


  • ナチョ・ベルガ
CV:武田幸史
カドクラの最側近と見られる褐色肌の男。スキンヘッドで顎のあたりに線状のタトゥーを入れているのが特徴。本作でキッドが変装した人その1。

太目の体格だが見た目によらず俊敏な動きを見せる。また、良衛の発言に激高したカドクラを制止しようとしたり、終盤では真犯人にビビりつつもボスを守ろうとしたりするなど、なんだかんだ彼には忠実。


  • アフロ
CV:宮本崇弘
カドクラの側近の一人。恐らく通称で本名は不明。
その呼び名通りのヘアスタイルで無精髭を生やしている。


  • カドクラの部下たち
拓三の部下たちに輪をかけてガラの悪そうな面々。
終盤ではコナンと平次の前に立ちはだかるが、そこへ駆け付けた沖田と鬼丸の前には手も足も出なかった。


福城家

代々居合道の師範を務めてきた。
また、東窪の刀のうち2振、及びとある絵(後述)も所有している。

  • 福城良衛(ふくしろりょうえ)
CV:菅生隆之*3
聖の父で元高校教師。変わった形の眉が特徴。前述の通り忠之と親交を結んでおり、自宅にはその形見と思われる杖も確認できる。
キッドによれば「今は病気のため退職し、現在は家にこもっている」とのことで、彼が示した現役時代の写真には笑顔の教え子たちに囲まれて収まっており、当時の慕われぶりが窺える。

訪ねてきた川添らを招き入れ「刀は曽祖父が圭三郎から直接賜った」と話すとともに、刀は川添に、一緒に保管されてきた絵は平次に預けた。
また、居合は筋が悪くすぐに止めてしまったが、その分腕の良い息子のことは「まあまあ」自慢に思っているという(なおもちろんこれは謙遜)。
その他、運気を整えることにこだわりがあるようだ。

その後カドクラ一味に自宅に踏み込まれ、彼らのアジトに拉致監禁されてしまうが、そのことを予見しており、布団の位置を北枕にすることで気が付くよう仕向けるとともに、その下に血で五芒星を書き残していた。
そして、コナンたちにカドクラが連絡を入れてきた際、彼には話そうとしなかった忠之との出会いの経緯と、彼から「宝の破壊」という意志を継いだと明かす。それを聞いて激高したカドクラに銃を向けられるも、動じることなく「撃ちたければ撃て!だが私の意志は止められんよ」と、意味深なことを口にする。その真意は?


  • 福城(ひじり)

さあ、本気を出そうか

CV:松岡禎丞
良衛の息子で八幡坂大学医学部の学生。
茶髪でたれ目のイケメン。変わった形の眉は父譲り。
そして今作きっての夢女子ホイホイである。
一人称は「僕」または「俺」だが、普段は前者で、気が動転した時などは後者になる。
二人称は、父のことは「父さん」、和葉のことは名前に「ちゃん」付け、それ以外の大抵の相手には「君」。

若くして居合の達人。
なお中の人が同じで刀剣に関わりが深いキャラクターという共通点はあるが、獣の呼吸の使い手でも黒の剣士でもない。
その実力は父に「歴代の先人たちをも凌ぐ」と言わしめ、平次も対峙した際は内心「この男やりよる!」と思ったほど。大会で何度も優勝経験があるほどの居合の腕前、それからルックスも相まってか異性のファンも多い模様。
剣道大会には試合の合間に特別演武を披露するため訪れていたが、その開始前に会場の隅で稽古をしていた折、平次と間違えて声をかけた和葉に「樋鳴り」*4が良い音だと褒められたのをきっかけに彼女に好意を抱き、平次と恋の鞘当てを演じることに。

一旦惚れると積極的になるタイプと見え、出会って間もない和葉を(平次との関係を知る前だったとはいえ)その目の前で「ちゃん」付けで呼び、市内の絶景スポットを案内させてほしいと誘う。
更には、拓三の部下たちに追われていたコナンを逃がしてその相手を引き受けるが、そんな緊迫した状況にあっても彼に「僕が(君を)助けたってこと和葉ちゃんにも伝えといて」と抜け目なくアピールしている。
他方、恋敵となる平次が和葉との関係を幼なじみだと言った際には「じゃあ子供の頃からの単なる知り合いか」と挑発て彼の地雷を踏み抜いたり、和葉を巡っての勝負を持ち掛けたりも。

とはいえそうした面を除けば、基本的には正義感が強く優しい好青年。
チェイスを繰り広げるコナンと平次を見かけて(「君たちを追っていけば和葉ちゃんに会えるかもって」とは言いつつも)助けに入ったり、追われる中で負傷した2人に医学生らしく手当てを施したりしている。
その他、移動にはスクーター*5を使うことが多いほか、医学部に進学した動機は「死んだ母が医者だったからその影響かな」と話す。

だが、刀の鞘からどういうわけか久垣の指紋が検出され、殺人容疑で逮捕されてしまう
当然身に覚えが無いため一貫して否認し続け、その後和葉の証言から無実が証明されそうになるも、良衛が書き残した五芒星の画像をコナン経由で提供された西村に見せられてまもなく、釈放を待たずに脱走。
そうまでして急いだ先、その理由とは……!?

担当声優の松岡氏は北海道出身(ただし舞台である函館市ではなく池田町)。

  • 良衛の妻(聖の母)
CV:なし
故人。下の名前は不明。写真にのみ登場しセリフは無い。
聖によれば「医師として赴いた戦場で子供たちを敵の爆撃から守ろうとして亡くなった」という……。


その他の人物

  • 川添善久(かわぞえよしひさ)
CV:大泉洋
今作のゲスト声優枠キャラクター。
北海道警捜査一課巡査部長で西村の部下。丸眼鏡をかけた糸目で団子鼻の男。ちなみに鼻の頭が少し赤い。
一人称は「私」で、二人称は苗字に「さん」「くん」付け。

上司曰く「ドジ」。
実際、車で駆け付けた際には駐車に失敗したり、捜査会議中にはうっかり飲み物を端末の上に置いた拍子の誤操作によって無関係の画像(忠之の写っているもの)を表示してしまったりしている。
また「(ドジだけど)遅刻するような奴じゃない」と言われてもいるのに、初登場シーンでは遅刻してどやされている他、北海道の方言「わや」*6のイントネーションが実際のそれと少し違う。

このようにおっちょこちょいで冴えない印象だが、先述の通りカドクラをマークするように進言したのは川添とのことで、西村も「川添はこの手のこと(武器の違法取引など)に詳しいんだ」と認めているため、決して無能なわけではないようだ。
加えて民間人、それも未成年者であるコナンや平次の意見も撥ね付けずに聞くなど人当たりも悪くはない。

……一方、目を見開き不敵な笑みを浮かべる場面も。果たして敵か味方か?

担当声優は、今や国民的俳優となった大泉洋氏。
よく知られた通り北海道出身であることに加え、名探偵図鑑でも紹介された『レイトン教授シリーズ』などで声優としてのキャリアも積んでおりそちらでの評価も高く、更に公開前年には実兄が函館市長に就任している繋がりもある。様々な点から今作に相応しい人選と言えるだろう。


  • 吉永神子(よしながみこ)
CV:高野麻里佳
北海道東照宮に奉仕する巫女。
ぱっつん前髪に泣きぼくろと切れ長の目が印象的な美人で、ヒント要員の一人でもある。

小五郎に変装して訪ねてきたキッドに、斧江圭三郎ゆかりの刀の所蔵の有無を訊かれた際には真相を伏せるも、その後話しておかなくてはならないと思い立ち川添を訪ねる。
しかし川添がコナンと平次に対応を丸投げしたため、2人に星稜刀の特徴や「戦時中に五稜郭が一晩だけ赤く燃えたらしいこと」などを伝えたほか、神社に保管されていた絵(後述)も託した。

今までの『コナン』にはあまりいないタイプの雰囲気の美人(ついでに言うと中の人も声優界きっての美人)だったため、出番がこれで終わりで終盤には出てこないのが正直惜しまれる。


  • 狐面の男
CV:無し
正体不明の人物。
素性を隠すためか一言も発しないのでCVは無い。
赤茶色のおかっぱ頭で紺色*7軍服を纏い日本刀を携えている。また黒い狐面を被っていることから、平次には「狐野郎」「お面野郎」と呼ばれている。

カドクラのもとから刀を盗み出した直後、漁船の船室に身を潜めていたキッドを急襲。このシーンで黒ひげ危機一発を思い浮かべた人はいるはず。
尋常ならざる身のこなしと「相当なもんやった」と平次にも言わしめるほどの剣の腕前でキッドを追い詰めるも、コナンと平次が立ちはだかったことで撤退していった。エンジン音が聞こえたため逃走には車を使っているようだ。
また、キッドの服の一部を切った際の切り口が久垣の遺体にあったものと同じだったことから、彼を殺害した張本人と目される。
ちなみにキッドの居場所を辿れたのは、刀に発信機が仕込まれていたからだった。


CV:ロバート・スペンサー
本名はじめパーソナルデータは一切不明。カドクラの取引相手で、彼同様武器商人と思われる。
後ろ姿と横顔の一部しか映らず全容も判らないが、サングラスをかけ金色の顎髭を生やした欧米人である模様。

部下を引き連れ軍艦のような船で北海道付近を航行しており、カドクラから「お宝」を買う気のようだが、買い手だからか彼に対しては終始強気に出ている上、「もし我々を裏切るようなことがあれば……」などと穏やかでない発言もしている。

監督のインタビューによれば、この男はカドクラよりも上に立つ者で、またコナンたちはその存在を感知すらできないとのこと。

  • 運転手
CV:山口竜之介
アバンに登場。クレジットでは「運転手」名義だが、入館確認時の入館許可証に加鳥羽郁郎(かとばいくろう)との名前が記されていた。*8

そばかすが特徴のトラックドライバーの青年……だが、正体はキッドの変装した姿。なお、本物は商店街の福引で温泉旅行が当たったためそちらへ行っているという。
補修のための掛軸を取りに来たのを装い、斧江邸にまんまと進入。前もって印を付けていた掛軸の中に入れておいた脇差をそのまま首尾よく頂戴するはずが、そこへ現れた平次に正体を暴かれたキッドは……。
ちなみにキッドが成人に変装して(無免許)運転をするのは『世紀末の魔術師』以来。

担当声優は山口勝平氏の長男。

  • 受付
CV:山口茜
序盤に登場。氏名は不明。

剣道大会の受付スタッフを務める女性。
平次が到着しているか訊ねた和葉に「まだ来ていないみたいね」と答えた。

担当声優は山口勝平氏の長女。


レギュラー陣

今回は複数の青山作品からキャラクターが登場しているため、出典別にまとめた。

『名探偵コナン』から

本編の主人公にして「キッドキラー」。
いつものアイテムを駆使しつつ、時に仲間たちの知恵や手も借りながら真相解明に挑み、終盤ではあるとんでもないところをスケボーで爆走する。

ちなみに今回の新一の登場シーンは、オープニングのいつものシーンと、『ホームズの黙示録』で蘭にビックベンの近くで告白した時の回想の1シーンのみとなっている。なお恒例の「蘭!」「新一!」のやり取りは無かった。
また、兄弟がいるのかと平次に訊かれた際には否定しつつ、キッドに似ていることは「たまたまだよ」ときっぱり答えている。
しかし、その答えにはどこか含みがあるようにも聞こえるが……?

その他、本作の事件に関わり始める前には、平次より一足先に意中の相手と恋人同士になっているという余裕がそうさせるのか、彼の恋路を冷やかし半分で見ている描写がある。
平次がキッドに執念を燃やすのを「キスの恨み怖っ」と引き気味に眺めていたり、聖が和葉と沖田に恋人同士なのかと訊ねた際には「服部に見せてぇ~さっきの光景!」などと思いつつ、若干ゲスい笑みを浮かべて面白がったりしてもいた。

ご存知西の名探偵。今作の主人公その1。
函館市主催の剣道大会出場のため当地を訪れる。
ちなみにメインビジュアルでは袴姿だが、作中でこの姿が見られるのはオープニングのみ。

かつてキッドが和葉に変装しているのを見抜けずにキスをしようとしたことを「オレの純情を汚しよって!」と逆恨み根に持っており、斧江邸の屋根にいるキッドに追い付くため、ノーヘルのまま室内なのに愛車(バイク)で加速しステンドグラスを思い切りブチ破った上、他人の所有物である真剣で躊躇なく斬り掛かるくらいにはキスの借り」を返すことに燃えている。
『怪盗キッドvs京極真』で柱をへし折り梃子の原理で飛んだ京極さんといい、本作での平次といい、青山作品の男子たるもの異性絡みでキッドと対決するならどんな手段を使ってでも建物の上くらい登れなくてはそれこそお話にならないのだ。
キッドと対峙した際は、目撃したその素顔や耳にした声が新一にそっくりだったことに大変驚き、彼(コナン)に兄弟がいるのではないかと訊ねるも否定された。

剣道の腕前は相変わらず凄まじく、あちこちで戦っている。武器が心もとなかろうが腕でカバーする場面も。
また、剣道の大会に出るだけなのに何故かバイク*9を持ち込んでもいて、追跡に移動にと大いに活用している。中盤でタイヤがパンクしたのにいつの間に交換したのか。そして終盤で乗り捨てたあと回収できたのだろうか。

同時に、今度こそ和葉に告白しようと意気込んでもいて、「キッドを追い掛けて夜の間中函館を走り回っていた」としつつ、実は告白の下準備のために大会をすっぽかしてまで市内の絶景スポットを巡り目星を付けていた。
だが、事件の発生や恋敵の出現に翻弄されることとなり……?
そして、終盤ではある(飛んでいるけど)とんでもない場所で剣戟を繰り広げる。


平次の幼なじみの合気道娘。今作のヒロイン。

剣道大会応援のため現地入りし、ひょんなことから知り合った聖にアプローチされるようになる。
事件には関わらず蘭と函館観光を楽しんでいた折、終盤で平次に夜の函館山へ呼び出され彼女と2人で向かうが、そこでは恐るべき企みが実行に移されようとしていて……!

ちなみに中盤では少しの間髪を下ろした状態が見られる。かわいい。

ご存知本編ヒロインにして、本作最大のネタキャラ
かねがね平次と和葉に「ラヴの予感♡」を感じているが、本作でもその仲を後押しすることに徹しており、そのためならとある人物に手刀をお見舞いすることも辞さない。
人呼んで平和ガチ勢。本編は直前までシリアスだったのだがこれにより一気にコメディとなった。

平次が告白のためにムードある市内の名所を探しているのを察すると、函館山から見る夜景は「100万ドルの夜景」として知られることを彼に教えた。
また「100万ドルの夜景っちゅうんは(新一が蘭に告白した場所の)ビッグベンよりも上か?」と平次に問われた際には、その背中を押すことを優先して「断然、上よ!」と力を込めて返している(なお、その後内心で新一に謝っていた)。
終盤では、とある経緯から平次がパラシュートで降下してきた際には「すごい、すごいよ服部君、天から舞い降りた王子様みたいだよ~っ!」とギャグチックな泣き顔を浮かべながら思っている
このように総じてバトル・シリアス全振りだった前作の反動かシリアス成分は控え目な上に戦闘シーンといえる場面は無し。

蘭の父親の迷探偵。
本作でキッドが変装した人その2。

久垣殺害事件の捜査に協力することになるも、二転三転する状況に少々お疲れ気味。
しかも、五稜郭タワーで居合わせた子供に「下を見て」と言われ思わずその言葉通りにしてしまうが、その床面は運の悪いことにガラス張り。高所恐怖症*10なのにそんなことをしたせいで驚いて腰を打ってしまうなど、あまり見せ場らしい見せ場は無く、また娘同様シリアス成分は控え目。

鈴木財閥令嬢で皆勤賞要員。
加えて今作ではヒント要員でもある。

鈴木財閥が落札した斧江財閥の所蔵品目録の点検を担っているが、本1冊が足りないという。また、この作業があるため都内に留まったことから今作での出番はビデオ通話越しのみとなり、函館でキッドに会うことは叶わなかった。
中盤では、アフタヌーンティーを楽しんでいたところに、拓三の口にした町田正徳の日記こそが件の「足りない本」だと知ったコナンに頼まれ、それをデータ化したものを彼に送っている。財閥の仕事を愚痴りながらもきちんとこなしているのだった。

なお、ボーイフレンドである京極真についてのセリフは無かった。

和葉の恋のライバルであるお嬢様。
やはりヒント要員の一人にして、北海道名所PR大使

伊織から平次が函館で剣道大会に出場すると聞き、キャビンが姫系仕様の自家用ヘリでまさしく飛んで来るも、「旦那様♡」には会えずご機嫌斜め。
また、その折に平次が和葉に告白しようとしている可能性に思い至り「それだけは絶対に阻止せなあかん!」と、彼が向かいそうな「告白絶景スポット」を伊織の提案のもと札幌、小樽、網走と巡って妨害を目論むも空振り続きだった。

その後稚内で連絡がようやく付いた際には、平次が土方歳三と月にまつわる可能性がある暗号に苦戦しているのをビデオ通話で知り、彼の句集『豊玉発句集』が関わるのではないかと伝えて解読に貢献する。句集の名前ばかりか、月を詠んだ句が何句目なのかということまで諳んじられるほど詳しい理由は判らない(多分話の都合だろう)が、かるたクイーンとなるための修行の一環として勉強していたのだろうか。
ちなみにお嬢様ゆえか、100万ドルを「意外と安いけど」と言っていた。
終盤で函館に戻ってきた際には、スケボーでカドクラの車を追うもその配下の車による妨害に遭っていたコナンを見かけ、伊織に援護を命じる。

なお、剣道大会の出場者名簿を閲覧しているので、そこに載っているはずのクラスメイトである沖田の名前は見かけたかもしれないが、そもそも眼中に無いからか作中では彼に一言も言及していない。*11
その他、本作での紅葉のテーマ曲はフレンチ・ポップがコンセプトで、「可愛いくてワガママなフランスのお嬢様」のイメージで製作されたとのこと。

  • 伊織無我
大岡家執事にして、北海道名所PR大使アシスタント
そして公開当時はまだアニメで明かされていないが*12、過去に公安警察に所属していたことも*13

平次の連絡先をまだ把握していないお嬢様のために調べるなどしてその恋路を支えるほか、終盤では彼女の命を受け、告白阻止のため用意していたスタングレネードを投擲。カドクラ一味の車列を足止めすることに成功した。
流石は元・公安、やることがメチャクチャすぎる……というか、そもそもそんなものをただの高校生カップルに投げようとするな!

しかし一件落着後、強風に煽られてスタングレネードを函館山頂上に取り落としてしまう。
しかも、今まさにそこで想いを伝えようとしていた平次と和葉のすぐ近くで炸裂して……!?

の大地にやってきた、少年探偵団とその保護者。またの名を皆勤賞要員ズ、あるいは北海道新幹線PRチーム
前作の大倉脚本の劇場版作品では出番が多かった為か今回の出番は終盤近くの上に控え目。しかし、町田の日記を読んだがヒントを掴みあぐねていたコナンと平次に合流した際に見せたとあるものが二人にとっての「道しるべ」となったほか、「お宝」のありかを指し示す重要な作業を担う。

阿笠はコナンの頼みを受け、やたらと主張の激しい「あるもの」を持参。ちなみにお馴染みダジャレクイズは時短のため(?)今年は2択になり、また第2問を出題しようとしたがその前に灰原に止められた。
元太に関しては、ジンギスカンや海鮮丼などの函館名物を巡ろうとしていた。正直他のメンバーと比べて何かしら貢献したかというと微妙。
歩美に関しては、後半で高い所からオートパラシュート装置が取り付けられたスケボーを地上にいるコナンの方へ投げており、何かとあるパン型ヒーロー仲間みたいな感じになっている*14
そして光彦はコナンの指示で「お宝」のありかを指し示すための「あること」をするが、エンディングでは……。

彼らの終盤の行動は、本作のテーマとも取れる「進歩していく文明」を表しているとも言える。

*15

  • 西村京兵
北海道警警部。
劇場版への出演は『銀翼の奇術師』以来19作ぶり。
フルネームは今回で設定された。
本作でキッドが変装した人その3。

事件現場を訪れた小五郎たちと再会し捜査への協力を要請する。
聖の逮捕後は彼の取り調べを担当していた。

  • 鈴木史郎
  • 鈴木朋子
園子の両親。中盤に一瞬だけ登場しセリフは無い。
夫婦で仲良く庭を散策しており、テラスでビデオ通話中の娘に手を振って通り過ぎて行った。
なお、キッド捕縛に執念を燃やす相談役は1シーンも登場しなかった。


『まじっく快斗』から

ご存知平成のアルセーヌ・ルパン改め、令和の魔術師(ウィザード)(だってもう令和だから)。今作の主人公その2。
何故か日本刀、それも価値が無いものを狙う。そのわけを「簡単に言えば好奇心ってやつさ」と話すが……?

今回はモブも含めると変装した人数は5人以上に上り歴代トップクラス*16で、また予め正体はキッドだと判っている場面が多い。沖田に変装した際には彼が京都府民だからか、語尾にやたらと「どすえ~」と付ける不自然な京都弁を話し、コナンと平次(と、主に関西圏の一部視聴者)をイラつかせている。*17

中盤で中森がカドクラに撃たれた際には、ポーカーフェイスを意識しているいつもの様子からは考えられない程の大激怒とともにカドクラのライフルにトランプ銃を連発。*18
その後も、搬送された中森が目を覚ますまでは警備員に変装し、青子達を見守り続けた。
クライマックスでは『紺青の拳』でも使用した『プロペラ付きハンググライダー』も登場し、コナンや平次をサポートした。

警視庁捜査二課警部。
本作でキッドが変装した人その4。

やはりキッド確保のため機動隊員を引き連れて現地入り。
中盤では拓三を移送する際にカドクラに撃たれたところを庇って自身も2発被弾、一時意識不明の重体に陥ってしまう*19
奇跡的に回復したあとは、拓三の口にしたことを青子を通してコナンらに伝える。

劇場版初登場。
CVは『1412』からM・A・Oが続投。

銀三の娘で快斗の幼なじみ。父が重体になったとの報せを受けて飛んで来て、回復を祈りながらその傍らに寄り添い続けた。
また病院で初めてコナン、小五郎、平次と対面し*20、意識が戻った父からの言伝をコナン達に伝えたほか、彼をじっと見たあと「きみ、青子の幼なじみの男の子の小さいころに似てる」と言った。
エンディングではスマホに快斗の名前を「ば快斗」と登録していることが判明。かわいい。



『YAIBA』から

全員劇場版初登場。

紅葉言うところの「剣道小僧」。
本作でキッドが変装した人その5。
『YAIBA』出身のキャラクターとしては初めて劇場版『コナン』のティザービジュアルやキービジュアルにも登場している。

平次と同じく函館市の剣道大会に出場していて、やはり圧倒的な実力を見せ付けており、聖にも「剣道界の有名人」と称されていた。
ただ、平次が大会をすっぽかしたことについては「服部が居いひん大会で勝っても俺の実力出せへんわ」と物足りなそうにぼやいている。
中盤では一瞬だけ登場。チェイスを繰り広げる平次たちを剣道大会の会場から目撃するが、当然経緯を知らないため「何してるんや?」と困惑していた。
終盤では鬼丸を伴って平次のピンチに文字通り助太刀に入り、モブの一人には得意の五段突きをお見舞いする場面も。そして「決着付けなあかんヤツ」の元へ急ぐ平次から後を託されるのだった。
加えて、カドクラの部下をコテンパンにのした後の鬼丸との会話も本作の見どころの1つでもある。

CVは津田氏が土方歳三と兼任。

ある意味サプライズ枠。何故函館にいるのかは不明だがやはり剣道大会出場のためか。
悪い奴らが大勢いると聞いてやって来た」と、沖田とともにカドクラの部下たちを蹴散らしていく……というかガンガンふっとばしていっている。もはや無双。


用語

  • 星稜刀(せいりょうとう)
町田正徳から土方歳三へ献上され、たった一晩だけ用いられた、星型の鍔の日本刀。
町田の日記にいわく「五稜郭築城の折作られしもの也」とのこと。また神子によれば、正円の目釘穴の周りにはアーモンド型の模様があり、ちょうど人の目のように見えたという。

土方が受取を辞退してからは北海道東照宮に納められたが、本作の数年前に盗まれており、以来所在は不明。
現在では、かつて刀が入っていた空の箱だけが地下に安置されていたが、キッドに盗み出されたあとチェイスの中で路面電車に轢かれ木っ端微塵になってしまった。

なお、土方は鍔に返り血を浴びた状態のまま、背後から切り掛かろうとしてきた刺客を屛風もろとも刺し貫いたため、星形の血痕がそこに染み付き今に至る。

  • 斧江圭三郎直筆の書付
その名の通りのもので、キッドによれば最近見つかったらしい。
内容はといえばただ東窪のフルネーム(と、圭三郎の署名)が書かれているだけだが、これが発見されたことをカドクラや拓三が嗅ぎ付け「お宝」を我が手にと動き出したため、ある意味発端といえる。

  • 豊玉発句集(ほうぎょくほっくしゅう)
土方が詠んだ俳句を収録した実在の句集。「豊玉」とは土方の俳号(俳句を詠んだり発表したりする時に名乗る、いわばペンネーム)。斧江財閥の暗号表解読の鍵を握る。
なお俳句自体の評価についてはあえて本項目では触れないこととする。

  • 東窪の刀
値打ちは無いが暗号のヒントとなる6振*24。なお星稜刀とは違い固有の名前は付いていない模様。
通常目釘穴は正円であるところ星形や半円をしていたり、全ての刀の鍔を合体させると五稜郭のような形になったりする、という不可解な点が見られるが……。

所在は当初分散しており、まず2振が福城家伝来で、良衛が川添にどちらも提出。
もう2振が斧江財閥所蔵だったが、1振は平次が警察へ届け、もう1振をキッドが盗み出した。
残り2振は海外に流出していたのを久垣によって国内に持ち込まれ、一旦は彼を殺した人物が持ち去る。
しかしその後、紆余曲折を経て全てがコナンたちのもとに揃い、これらを前にしながらお宝のありかを推理していくこととなる。

  • 斧江財閥の暗号表
縦方向には1〜5までの、横方向には0~9までの数字が規則的に、そしていろは文字は不規則な順番で並んでいる、いわゆるクロス表。
『豊玉発句集』の句のうち、月が詠まれた6句が鍵を握っており、解読すると「ほくとうおに」、つまり鬼門(北東)の鎮護のため建立された北海道東照宮を指し示していることが判る。

  • 2枚の絵
それぞれ福城家と北海道東照宮に1枚ずつ伝来する絵。
前者は一面真っ黒な中に五稜郭の形だけが赤々と浮かび上がっているもので、後者は函館市の古い地図のようなもの。
一見互いに何の関係も無さそうに思えるが、2枚を重ね合わせると五稜郭の位置がピタリと一致する

  • 北海道東照宮
同名の実在する神社で、道内では唯一徳川家康を祀っている。
当作ではここに星稜刀が納められたという設定。断っておくが、現実の神社には作中のようにスイッチ一つで現れる地下への階段などは無い。

  • お宝
斧江圭三郎が隠したとされるもの。正体も所在も一切不明。
一説には金塊に替えた財産とも、あるいは「太平洋戦争の)戦況を一変させるほどの何か」だとも。
これを巡りカドクラや拓三は争奪戦を繰り広げるが、一方で福城父子は破壊するべく動いている。


余談

  • 本作には前述の通り山口勝平氏の長男・長女も出演しており、キャスト陣にも「意志を継ぐ者がいる」と言える。

  • 公開日である4月12日はキッドの国際犯罪者番号「1412」にちなんだものと思われる。
    • 前回キッドが主役を務めた『紺青の拳』公開日も本作公開の5年前の同日だった。また、公開日が4月第二週に設定されたのは同作以来のことで、令和時代及び2020年代公開の作品としては初めて。
      • ちなみに、『紺青の拳』においてコナンはキッドによってシンガポールに拐われていたが、彼はその所在を本作の舞台である北海道だと誤魔化していた。

  • 今回のオープニングは、ステンドグラスや刀の刃にイメージが投影されるというもの。また場面転換では襖が閉まったり畳敷きの空間に番傘が置かれていたりする上、テーマ曲にも和楽器が用いられていたりなど、前作とは打って変わって和風の演出となっている。
    • なお、オープニングではその作品のキーパーソンたちを紹介するのが恒例だが、今回は平次とキッドのみで終わり、事実上のヒロインである和葉は取り上げられなかった。

  • 数字がサブタイトルに含まれるのは、『ゼロの執行人』以来5作ぶりで通算6作目となり、令和時代及び2020年代公開の作品としては初となり、表記が算用数字であるものに限れば『11人目のストライカー』以来11作ぶりで通算4作目。
    • また、歴代タイトルに含まれる数字の大きさでは、これまで最大だった『沈黙の15分』を抜き本作がトップになった。

  • 『コナン』劇場版でお馴染みの「当て字」が用いられたのは通算18作目で、本作の時点では歴代作品のちょうど3分の2に「当て字」が含まれることとなった。
    • なお、これまでの「当て字」のセオリーは「ルビの振られる語、あるいはそれから連想される語を英訳してその読みをカタカナで表記したもの」だったところ、「ルビに日本語が用いられひらがなで表記されている」という点は初めて

  • コナンと平次が神子と話すのに利用した店「ハッピーピエロ」は、函館市を中心に展開しているレストランチェーン「ラッキーピエロ」がモデルと思われる。

  • 警視庁の管轄外ということもあり、目暮十三ら警視庁捜査一課の面々は一切登場していない。
    • キッドの登場作品なので専任捜査官である中森だけが登場しているが、大倉氏が脚本を担当した劇場版作品では中森の登場回数が捜査一課のそれを上回った*25

  • 『ゼロの執行人』以降、SNSにおいてはその年の劇場版『コナン』を鑑賞することを、作品のテーマやタイトルに関連する語を用いて「△△*26、鑑賞したら「△△済み」と表現するムーブメントが自然発生的に起きるようになっている。
    その種類はこれまで1~2種類程度だったところ、本作では
    • 刀が献上されたことから「献上済み
    • 函館市が舞台であることから「来函済み
    • ゲスト声優である大泉氏の苗字から「おおい済み」(未鑑賞なら「おおいず」とする例も見られる)
    • 作中でキッドが沖田に変装した際口にしていたけったいな京都弁から「どすえ済み
      など、例年以上にバリエーション豊かな表現が生まれているようだ。
      なお、声優陣の中では鈴木園子役の松井菜桜子氏がこの「△△済み」について触れることが多いが、同氏は本作の舞台である函館市の出身。

  • 平次とキッドの共演、彼が本来狙う宝石ではなく歴史に纏わる秘宝をターゲットとしていることなどから、過去作のうち特に『世紀末の魔術師』のオマージュ要素が強いと言える。

  • 小五郎役の声優が神谷明氏から小山力也氏に交代してから本作が14作目の劇場版作品となり、劇場版における小山氏の演じる小五郎が神谷氏の演じる小五郎の登場回数を上回った。

  • イメージシーンに登場する銃砲刀剣類登録証について、登録番号は公開年である2024年と本作の本数である27を組み合わせたもので、登録日は本作の公開日*27が由来と思われる。

  • 本作の影響による函館市への経済効果や来訪者の増加はメディアでも度々取り上げられている。
    • なお、同市は本作の製作協力や観光振興のために2,000万円を拠出した。また、次回作『隻眼の残像』の舞台である長野県の地元メディアの取材に対し「(劇場版『コナン』の舞台に選ばれた影響で)計り知れない効果があった」とするなど、観光振興にも貢献したことがうかがえる。

  • 金曜ロードショー』での字幕の色は、コナン(新一)が黄色、平次が水色、キッドが緑色となっている。



追記・修正は、誰かの意志を継いだらお願いします。







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最終更新:2025年05月04日 11:17

*1 『あぶ刑事』の主人公コンビの片割れを演じる舘ひろし氏は、実写版『ゴールデンカムイ』において本作にも関わる土方歳三役を務めているという繋がりもある。

*2 これに加えて、永岡氏は日本人女性として初めて興収100億円台のアニメ映画作品を監督した人物となった。

*3 青年期の回想シーンでのCVはクレジットが無く不明だが、恐らく息子役の松岡氏と思われる。

*4 刀を振ったときの風切り音。

*5 ナンバーは松岡氏の誕生日にちなんでいる。

*6 「ひどい」「めちゃくちゃだ」といった意味。

*7 公開前のプロモーション映像で着ていた服の色はベージュ色をしている。

*8 ちなみに名前の加鳥羽郁郎(かとばいくろう)をアナグラム方式で入れかえて最後の「う」を外すと、黒羽快斗(くろばかいと)になる。

*9 ちなみに大阪府から北海道までだと片道18時間は掛かる。

*10 『異次元の狙撃手』では終始ビビりっぱなしであったが、『銀翼の奇術師』『ゼロの執行人』『紺青の拳』では平気で高所におり、本作においても五稜郭タワーの高層にいるがガラス張りの床に乗る前までは平気そうな様子だった。『天国へのカウントダウン』でも展望エレベーターに乗っている最中以外は窓の近くにいても冷静だったことを考慮すると、高所の景色でも水平方向に見る場合はなんともないが、垂直方向に見下ろして高い位置にいることを意識してしまうとダメなタイプなのだろうか。

*11 『紅の修学旅行』でもさほど仲が良くなさそうに見える描写があった。

*12 アニメでは、公開から約5ヵ月後のアニメ第1136話『大岡紅葉の甘い罠(後編)』(2024年9月28日放送)で判明。

*13 この設定は、公式サイトの「キーパーソン」のページで明かされている。

*14 大倉氏が前回脚本を担当した『ハロウィンの花嫁』でも今回と似たような展開があった。

*15 なお、今回は前作にも登場した同居はいないが仕事中だろうか?

*16 今回は顔がよく似ている新一には1回も変装しておらず、これは『探偵たちの鎮魂歌』ぶり。

*17 他にも、本物の沖田は「居ない」を「居いひん」と言うが、キッドは「おらん」と言っているなどの違いがある。

*18 その時は雨だと使いにくいハンググライダーを使用したり、片手なら十分のはずのトランプ銃を両手で撃ったりしていた。

*19 大倉氏が前回脚本を担当した『ハロウィンの花嫁』では小五郎が重傷を負った為、大倉脚本では2作連続でヒロインの父親が生死を彷徨う結果となった。

*20 その時、青子と雰囲気が似ている蘭は和葉と函館山へ向かう準備をしていたため、蘭と青子の対面は実現しなかった。一応この二人は、キッドの初登場回である『コナンVS怪盗キッド』にて街中ですれ違ったことならあるが。

*21 CVは役名はノンクレジットだが池田秀一が担当。

*22 テイザービジュアルにて3本の線が入った手袋をキッドが持っている描写から予想はされていたが……。

*23 おかげで「またしても何も知らない大泉 洋さん(23)」が話題になったのは言うまでもなく。

*24 作中での数え方は「本」を用いている。

*25 大倉氏脚本の劇場版で目暮ら警視庁捜査一課が登場したのは『ハロウィンの花嫁』のみで、目暮らの登場回数はキッドや中森だけでなく平次・和葉・紅葉・伊織の登場回数よりも少ない。

*26 2018年以降2023年(公開延期となった2020年は除く)までの作品について、「△△」に入る語は順に「執行」(タイトルから)、「出国」(海外が舞台であることから)、「被(緋)弾」(弾丸がキーアイテムであることから。また、メインキャラクターの赤井秀一を象徴する色である緋色の「緋」を「被」に掛けて)、「参列」(結婚式が関わることから)、「潜航(水)」(潜水艦が関わることから)との表現が主流。

*27 漢数字表記で「四月拾弐日」となっている。

*28 あくまでネタと思われるが、過去のエピソードと比較すると、麻酔耐性は銭形警部(30秒で起きた)以上、ジン(眠りに落ちる前に自分の体を撃ち抜き回避)未満ともいえる。