SCP-3022

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&font(#6495ED){登録日}: 2017/05/19 Fri 12:58:17 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-3022とは、シェアード・ワールド「[[The SCP Foundation]]」において登録された[[オブジェクト>オブジェクト(The SCP Foundation)]]の一つである。 項目名は''「Hooked on a Feeling(気持ち的に引っ掛かる)」''。 *概要 SCP-3022は、フックとスプリングを組み合わせたような変な形をした物体である。鋼鉄製。 長さ13cm、重さは316g。なので片手に持てるサイズだ。 これが特異性を発揮する状況はごく限られたもので、以下の条件を同時に満たす必要がある。 ・人間が一人だけで公衆トイレの個室に入っている ・その個室にコートなどを引っかけるのに適したフックが取り付けられていない ・この状態で入っている人がSCP-3022を手に持つ これらの条件が満たされると、SCP-3022は自分を持った人間に対して、コートを掛けるのに適したフックを提供してくれるのである。 …のだが、その提供手段が問題。 こいつ、手に持った人間を''並行世界に転送する''のである。 そしてその並行世界には''フックのついたトイレの空き個室がある。'' 人間はその中に転送され、晴れてフックを使うことができる、という寸法である。 ……たかがフックのためだけにパラレルワールドに行くってどういうことやねん。 なお''用が済んでも元の世界には帰れません。'' 一応移転先のパラレルワールドはある程度規則性を持って選択されている。 具体的には、元の世界となるべく差が少ない世界を選んで転送される。 使いたかったトイレにフックがないこととあることを除く、他の差異ができる限り出ないように配慮しているのだ。 これは、「両者の世界が分岐した瞬間」が問題のトイレの建設より後になるためらしい。 確かにこれなら違いが作られる期間は数年〜数十年くらいで、さほど多くの変異は生まれないだろう。 SCP-3022自体の起源は不明なのだが、財団はすでに多数のSCP-3022を収容することに成功している。 なぜかと言うと、''並行世界でフックのないトイレに入った人が、基底世界のフックがあるトイレに転送される事案が多発しているため。'' 財団は飛ばされてきた人からこのオブジェクトを回収しているのだ。 SCP-3022が最初に発見されたのは、SCP-984「公衆トイレ」の中に民間人が突然出現したのがきっかけ。 このSCiPは「一人だけで利用すると狂犬病を発症した猛獣が出てきて襲われる」というもので、残念ながらこの民間人も襲われてしまった。 この民間人が死ぬまでに行われたインタビューにより、「自分が元いた世界ではSCP-984は特に異常はなかった」「SCP-3022は友人から貰った」ことまでは判明した。 死んだ民間人は並行世界の住人だったので、基底世界でも捜索したところ同じ民間人が見つかった。 ただし、特にSCP-3022のことは知らないようだった。まああくまで別人だし。 以上がSCP-3022に関する性質の全てである。 最近になって発見されたオブジェクトとしてはシンプルで、短い説明になった。 特別収容プロトコル内でも、「余分なSCP-3022は保管ロッカーに入れる。飛んできた所持者は拘留した上で、可能なら''所持者がいた並行世界の財団に連絡する''」と、Safeオブジェクトレベルの対応がなされている。 …並行世界の財団に連絡しなきゃならないのにSafeと言っていいのか微妙だが。 ''O5評議会「閃いた」'' *想定外の活用法 さて、確かにSCP-3022の性質は上記で全てである。 しかしながら、上記では意図的に一つ情報を抜いていた。 SCP-3022のオブジェクトクラスは、''なんと「Thaumiel」。'' Thaumiel。SCP財団の最高機密、最終兵器に相当するオブジェクト群。 [[滅びた文明と人間を再構築するもの>SCP-1422/SCP-2000]]、[[数多くの未来を予測して最善の世界を決定するもの>SCP-2003]]、[[記憶処理薬の作成に欠かすことのできないもの>SCP-3000]]… いずれも極めて大規模、かつ危険性の高いオブジェクトで、それに触れることの可能な人物は非常に限られたものである。 そんな空前絶後の化け物たちと、このよくわからん小さなフックが同格扱いなのである。 一体全体なんでそんなことになったのか? それは、O5評議会がSCP-3022を活用するために出した指令、「&font(u){モノミス・プロトコル}」の存在が関係している。 >サイト-19の全ての洗面所には、電磁石で個室内部に取り付けられたフックが備えられています。サイト-19でのタイプ5+収容違反、またはあらゆる種類のK-クラスシナリオが発生した場合、これらの電磁石は自動的に無効化され、VIP-576はできる限り早くSCP-3022を活性化するように指示されます。基底宇宙の財団と接触を持っている並行宇宙の全ての財団は、VIP-576のコピーがそちらに存在するか否かに関わらず、このプロトコルに従わなければいけません。 基底世界の財団は、他のパラレルワールドに存在する財団に向けてこのような指令を出したのだ。 サイト-19のトイレには電磁石で取り付けられたフックがあり、有事の際はこのフックが取り外される。 このトイレの中でSCP-3022を起動するとどうなるか? 転送前後の世界の差異をなるべく小さくする性質のために、使用者はパラレルワールドの、''「有事が発生しておらずフックがついたままのサイト-19のトイレ」に転送されることが可能''なのである。 つまり、使用者はSCP-3022によって''崩壊する基底世界を脱出し、崩壊していないパラレルワールドに確実に移動できる''という計算になるのだ。 これこそが、この変なフックがThaumielに認定された理由なのである。 現在SCP-3022を所持することが認められているのは、財団トップクラスの要人であるVIP-576、ただ一人だけ。 彼はあるK-クラスシナリオに関して予後影響を受け続けると予測されているらしく、それゆえにいつでも世界を脱出できる状態になければならないとされている。 いったい誰なんだろうか? *余談 このオブジェクトの報告書、全てのThaumiel記事の中でも''トップクラスに短い。'' どれくらい短いかというと、500英単語以内で記事を完成させる「ショートコンテスト」出身のSCP-2140「過去改変画像」よりさらに短い。 そりゃ、あくまで手乗りサイズのフックもどきで性質も単純だから、まあ多くのことは書けないわな…。 ついでに言うと、このオブジェクトの写真は、元々はギターの弦を押さえて出る音を高くする「カポタスト」という楽器用品のものである。 ''トイレとは全く関係ない。'' 追記・修正はトイレの個室に入ってお願いします。 ---- #right(){ SCP-3022 - Hooked on a Feeling by Communism will win www.scp-wiki.net/scp-3022 ja.scp-wiki.net/scp-3022(翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,7) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - とんでもなく馬鹿馬鹿しいのに有用性が半端ないのはすごいなこれw -- 名無しさん (2017-05-19 14:03:10) - トイレで瞬間移動……サンサーラナーガ? -- 名無しさん (2017-05-19 14:43:55) - 異世界への片道切符って書くと昨今氾濫してるラノベっぽいのに・・・なんだこの・・・なんだw -- 名無しさん (2017-05-19 15:20:07) - 3000コンテストのガチホラーかと思ったら全然違ったw -- 名無しさん (2017-05-19 15:35:11) - ダサい、しかし最終兵器 -- 名無しさん (2017-05-19 15:42:24) - 割とどうでもいい、そこそこくだらない、しかも量産品らしい物体が財団の最後の切り札ってのは逆説的にホラーなんだろうか(哲学 -- 名無しさん (2017-05-19 17:03:19) - 原著者曰く「なんでトイレにハンガーがねえんだ!たかだか2ドルの金属じゃねえかクソが!…という気持ちで書きました。あと戻れません」とのこと -- 名無しさん (2017-05-19 19:00:03) - ↑ 一言言わせてくれ……その感情から産まれたSCPがThaumielなるんだ!? -- 名無しさん (2017-05-19 19:38:16) - O5のメンバーにのび太がいるとしか思えないw -- 名無しさん (2017-05-19 20:30:26) - 確実に安全な異世界に脱出できる、って確かにThaumiel級の切り札なんだろうけど…なんなんだろうなこのもやっと感は… -- 名無しさん (2017-05-19 20:37:56) - そっち!  モノミス・プロトコルの方をもっと詳しく!? という気持ちになる。面白い作品だよねえ -- 名無しさん (2017-05-19 20:54:52) - VIP-576と聞いてSCP-576を見てみたけど関係なさそうだな…本当に何者だこの人 -- 名無しさん (2017-05-19 23:28:11) - 有名なtale「多元宇宙とたんぽぽのお酒について」の異世界間の移動手段ってまさか… -- 名無しさん (2017-05-19 23:55:03) - 非常時に「ちょっとトイレ行ってくる」って言って帰ってこない人がVIP-576ってことか -- 名無しさん (2017-05-20 08:08:50) - でもこれ「発動条件が限りなく限定的(=暴発の危険性はない)」かつ「発動条件が緩い(=任意に発動可能)」かつ「確実な効果を発揮する」とThaumielの中でもトップクラスの使い勝手の良さがある強力な武器だよな。トイレハンガーなのに -- 名無しさん (2017-05-20 09:57:37) - 「気持ち的に引っ掛かる」←この渾名よ -- 名無しさん (2017-05-20 13:00:44) - でもこれ『運命レベルで100%起こりうる危機的事象』が発生したらどうなるんだ? 例えばFGOの人理焼却みたいな並行世界全てを飲み込む大災害とか -- 名無しさん (2017-05-20 20:25:44) - ↑世界の終末をトイレで迎えるハメになる -- 名無しさん (2017-05-22 00:02:40) - 確かにハンガーがないトイレだと置く場所に苦労するんだよなぁ・・・ -- 名無しさん (2017-05-22 23:14:45) - ↑2 ひっでぇw -- 名無しさん (2017-05-22 23:17:35) - Ooga -Chaka Ooga-Ooga -- 名無しさん (2017-05-23 09:07:42) - 他のThaumielが故障してたり副作用デカかったりするなかほぼ無害かつ有効かつ現役 -- 名無しさん (2017-07-26 21:29:25) - でも、移動したその世界で、転移した直後にKクラスが発生する可能性がないわけじゃないよね? -- 名無しさん (2017-08-04 15:36:52) - 「VIP-576個体は全員がSCP-3022実例を1つ常に所持していなければいけません。全てのVIP-576個体は常時サイト-19に留まるものとします」と特別収容プロトコルにあるから、VIP-576は複数いる(あるいは現状1人だけど財団は2人目以降の出現に備えている)みたいだな。 -- 名無しさん (2017-09-14 17:31:23) - ↑最初の一個以外のSCP-3022実体は避難してきたVIP-576個体によって持ち込まれた可能性。Kクラスシナリオ発生しすぎでしょ… -- 名無しさん (2017-09-15 09:44:35) - 例の円環より安全な平行世界に逃げる方法www -- 名無しさん (2017-09-15 14:02:47) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}: 2017/05/19 Fri 12:58:17 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-3022とは、シェアード・ワールド「[[SCP Foundation]]」において登録された[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。 項目名は''「Hooked on a Feeling(気持ち的に引っ掛かる)」''。 *概要 SCP-3022は、フックとスプリングを組み合わせたような変な形をした物体である。鋼鉄製。 長さ13cm、重さは316g。なので片手に持てるサイズだ。 これが特異性を発揮する状況はごく限られたもので、以下の条件を同時に満たす必要がある。 ・人間が一人だけで公衆トイレの個室に入っている ・その個室にコートなどを引っかけるのに適したフックが取り付けられていない ・この状態で入っている人がSCP-3022を手に持つ これらの条件が満たされると、SCP-3022は自分を持った人間に対して、コートを掛けるのに適したフックを提供してくれるのである。 …のだが、その提供手段が問題。 こいつ、手に持った人間を''並行世界に転送する''のである。 そしてその並行世界には''フックのついたトイレの空き個室がある。'' 人間はその中に転送され、晴れてフックを使うことができる、という寸法である。 ……たかがフックのためだけにパラレルワールドに行くってどういうことやねん。 なお''用が済んでも元の世界には帰れません。'' 一応移転先のパラレルワールドはある程度規則性を持って選択されている。 具体的には、元の世界となるべく差が少ない世界を選んで転送される。 使いたかったトイレにフックがないこととあることを除く、他の差異ができる限り出ないように配慮しているのだ。 これは、「両者の世界が分岐した瞬間」が問題のトイレの建設より後になるためらしい。 確かにこれなら違いが作られる期間は数年〜数十年くらいで、さほど多くの変異は生まれないだろう。 SCP-3022自体の起源は不明なのだが、財団はすでに多数のSCP-3022を収容することに成功している。 なぜかと言うと、''並行世界でフックのないトイレに入った人が、基底世界のフックがあるトイレに転送される事案が多発しているため。'' 財団は飛ばされてきた人からこのオブジェクトを回収しているのだ。 SCP-3022が最初に発見されたのは、SCP-984「公衆トイレ」の中に民間人が突然出現したのがきっかけ。 このSCiPは「一人だけで利用すると狂犬病を発症した猛獣が出てきて襲われる」というもので、残念ながらこの民間人も襲われてしまった。 この民間人が死ぬまでに行われたインタビューにより、「自分が元いた世界ではSCP-984は特に異常はなかった」「SCP-3022は友人から貰った」ことまでは判明した。 死んだ民間人は並行世界の住人だったので、基底世界でも捜索したところ同じ民間人が見つかった。 ただし、特にSCP-3022のことは知らないようだった。まああくまで別人だし。 以上がSCP-3022に関する性質の全てである。 最近になって発見されたオブジェクトとしてはシンプルで、短い説明になった。 特別収容プロトコル内でも、「余分なSCP-3022は保管ロッカーに入れる。飛んできた所持者は拘留した上で、可能なら''所持者がいた並行世界の財団に連絡する''」と、Safeオブジェクトレベルの対応がなされている。 …並行世界の財団に連絡しなきゃならないのにSafeと言っていいのか微妙だが。 ''O5評議会「閃いた」'' *想定外の活用法 さて、確かにSCP-3022の性質は上記で全てである。 しかしながら、上記では意図的に一つ情報を抜いていた。 SCP-3022のオブジェクトクラスは、''なんと「Thaumiel」。'' Thaumiel。SCP財団の最高機密、最終兵器に相当するオブジェクト群。 [[滅びた文明と人間を再構築するもの>SCP-1422/SCP-2000]]、[[数多くの未来を予測して最善の世界を決定するもの>SCP-2003]]、[[記憶処理薬の作成に欠かすことのできないもの>SCP-3000]]… いずれも極めて大規模、かつ危険性の高いオブジェクトで、それに触れることの可能な人物は非常に限られたものである。 そんな空前絶後の化け物たちと、このよくわからん小さなフックが同格扱いなのである。 一体全体なんでそんなことになったのか? それは、O5評議会がSCP-3022を活用するために出した指令、「&font(u){モノミス・プロトコル}」の存在が関係している。 >サイト-19の全ての洗面所には、電磁石で個室内部に取り付けられたフックが備えられています。サイト-19でのタイプ5+収容違反、またはあらゆる種類のK-クラスシナリオが発生した場合、これらの電磁石は自動的に無効化され、VIP-576はできる限り早くSCP-3022を活性化するように指示されます。基底宇宙の財団と接触を持っている並行宇宙の全ての財団は、VIP-576のコピーがそちらに存在するか否かに関わらず、このプロトコルに従わなければいけません。 基底世界の財団は、他のパラレルワールドに存在する財団に向けてこのような指令を出したのだ。 サイト-19のトイレには電磁石で取り付けられたフックがあり、有事の際はこのフックが取り外される。 このトイレの中でSCP-3022を起動するとどうなるか? 転送前後の世界の差異をなるべく小さくする性質のために、使用者はパラレルワールドの、''「有事が発生しておらずフックがついたままのサイト-19のトイレ」に転送されることが可能''なのである。 つまり、使用者はSCP-3022によって''崩壊する基底世界を脱出し、崩壊していないパラレルワールドに確実に移動できる''という計算になるのだ。 これこそが、この変なフックがThaumielに認定された理由なのである。 現在SCP-3022を所持することが認められているのは、財団トップクラスの要人であるVIP-576、ただ一人だけ。 彼はあるK-クラスシナリオに関して予後影響を受け続けると予測されているらしく、それゆえにいつでも世界を脱出できる状態になければならないとされている。 いったい誰なんだろうか? *余談 このオブジェクトの報告書、全てのThaumiel記事の中でも''トップクラスに短い。'' どれくらい短いかというと、500英単語以内で記事を完成させる「ショートコンテスト」出身のSCP-2140「過去改変画像」よりさらに短い。 そりゃ、あくまで手乗りサイズのフックもどきで性質も単純だから、まあ多くのことは書けないわな…。 ついでに言うと、このオブジェクトの写真は、元々はギターの弦を押さえて出る音を高くする「カポタスト」という楽器用品のものである。 ''トイレとは全く関係ない。'' 追記・修正はトイレの個室に入ってお願いします。 ---- #right(){ SCP-3022 - Hooked on a Feeling by Communism will win http://www.scp-wiki.net/scp-3022 http://ja.scp-wiki.net/scp-3022(翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,26) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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