登録日:2024/04/26 Fri 08:00:15
更新日:2025/03/15 Sat 20:02:52
所要時間:5分ぐらいで読みなさい!
この地球、この世界こそが、巨大な"ゆうえんち"なのだ。
葛城無門は
バキシリーズの外伝
夢枕獏:著の外伝小説「ゆうえんち-バキ外伝 -」の主人公。
○人物
作中最高峰の空手団体「神心会」に所属する空手家
愚地克巳の
実兄であり、年齢は4歳上。
克巳と同じくサーカス団「ミズノサーカス」で暮らしていたが幼少期に失踪。
そこからは音信不通であり、弟の克巳でも行方を知らないと言われている。
劇中初登場時(大体17歳頃)は身長182㎝、体重90㎏ほどの堂々とした体躯の持ち主に成長しているが
男前の弟と比べると中性的で女めいた風貌をしているのが特徴で地の文でも度々「美麗の少年」であることが強調されている。
その筋肉は力を入れていない時は十六歳の少女の乳房のごとき弾力、
力を込めた時は、岩よりは柔らかいが生ゴムよりは硬いという一つの理想とも言われる形質を持ち、
普段は菩薩像を思わせる滑らかな輪郭だが血流によってパンプアップさせることで
いかにもバキシリーズらしいエッジの入ったボディにも変化する。
またそれこそ立って歩けるようになってすぐの段階で身体操作の非凡な資質を開花させており
格闘技に関しては空手を終わらせた男と称される才を持った弟の克己から見ても正真正銘の天才と言わしめ
技を一目見ただけで術理を解析し自分の技として使いこなせる程。
「〇〇だよね」「〇〇だもん」といった子供っぽさの残る挑発的な口調や
美貌から醸し出される謎めいた雰囲気から精神性は飄々とした風に見えるが芯の部分は真面目な常識人で
若さゆえの青臭さや良くも悪くも思い詰めやすいところがある。
そのため一旦打ち解けると割とコミュニケーションもとりやすいし子供相手におどけてみせるなど好青年的な顔を見せることもある。
その一方で闘争というジャンルにおいては「相手を倒す」ということの厳しさを師である松本太山から直伝されており
「おれ、ほんとはやれるんです。相手が、どれだけ親しかろうと身内だろうと、ほんとはやれるんです」と
致命的な攻撃をくらわせる事ができる非情さを備えている。
また一般的に卑劣としか言いようのない手口もそうと決めつけると
その手にはまってしまう側にしか立てないという理由から努めて冷徹に対応している。
優れた資質ゆえに平凡な生活を「ぬるま湯」に感じてしまう側面があり
相手の技を見たがり、やらなくてもいいのに危険な状況に踏み込みたがるスリルジャンキーでもある。
「ゆうえんち」における目標達成の後も闘争を日常とする者たちが潜る引き返せない一線
…「獅子の門」を超えていくことになった。
全編通しての明確な弱点として舌戦・心理戦の経験の浅さがあり
言わなくても良い事を言って情報を持ってない事を相手に知られたり
そうして生じた隙を衝かれて窮地に陥ることが多かった。
また頭の回転の早さゆえに「余計な事に考えを巡らしすぎる」「頭を空にして目の前の事態に対処できない」という苦手分野があり
この理屈っぽさからくる雑念の多さも何度となく無門の首を絞めることになった。
○活躍
ミズノ大サーカスを9歳の頃に失踪して、風来坊として各地を転々としていたが松本太山の養子となる。
そこから5年の生活と修行を経た卒業試験で松本太山に致命の傷を与えた柳龍光の存在を知り敵討ちのために松本家からまた失踪。
3年をかけて、柳龍光の居場所を突き止めてゆうえんちという裏格闘技が開催される場所を知り参加する。
プロレスラーの
ゴブリン春日、ニンジャの羽鳥、叔父の神奈村狂太との連戦を重ね、ついに柳龍光と戦いを開始する。
序盤は押されながらも、天才である事に加え稽古を欠かさなかった努力家という二点で柳龍光を倒す事に成功し、師匠の敵討ちに成功する。
なお柳龍光はトドメを刺されなかったので敗北じゃなかったと言い張っている
そして主催者である蘭陵王との戦いをも制して数年後。
独歩に呼ばれて神心会本部から帰る途中に謎の男と遭遇。
生死を期わずして頓に争力せむ。
相手の事を何一つ知らない状態ながら、敵が強者という一点だけで、始まる謎の男との死闘に無門は高揚をするのだった。
○主な技
【コピー能力】
一度見ただけで術理をほぼ看破して自分の技として使えるようになる洞察力。
本人の肉体の特異性によらない技ならば実戦で使うのみならず発展させた技をも使用可能。
【サーカス技】
サーカスに所属していた経験から戦闘で応用可能。
落下中に鉄骨を引っ掛け落下方向を変える事や、木の枝を掴んで空中落下速度を遅らせつつの蹴りや、上から降ってくる相手を寝転がりつつ両足の上に着地させ移動を制限させたりできる。
【無寸雷神】
相手の体を両手で挟み込み、ほんの少しタイミングをズラして衝撃を与える事で内部に浸透させる。
脳に使えば一撃で脳震盪を起こし、心臓にやれば一撃で心臓を止める威力。
寝た状態でも両足が地面に接触していればいいので、寝技の対策にも使える。
拳で殴るよりもワンテンポ遅れるのが最大の弱点であるが、後に地面や壁に挟む事で殴る速度で使える応用技を編み出す。
どう見ても菩薩掌
【無寸止め】
足や背中の関節を伸ばしておいて、打撃が当たった瞬間に関節を次々に縮めて威力を殺す。
バットで殴られる事はおろか、ビル20階分から地面に落下しても完全に無傷ですませる事ができる。
松本太山の友人である磯村露風の得意技であり、彼の実演を見た後、訓練によって修得した。
【蝉丸】
飛びつき三角絞め。
応用として、相手が耐えつつ背中から地面に叩きつけようとした時はその勢いを使って投げ飛ばす事が可能。
闇の空手家・久我重明が極東プロレスのレスラーたちと闘った時に使用したのを見て学習した。
【鞭打】
脱力から関節をしならせて腕を振るう技。
応用として両手と、肩口で破った両袖を使った四連撃を行う連続攻撃を披露している。
基は柳龍光の修める殺人術「空道」の技だが、柳の師にあたるマスター国松との立ち合いで
無門はこの技及び「袖を振って武器にする」やり方を学習した
【御式内】
読みは「おしきうち」元は会津藩に伝わる門外不出の武術で
殿中における攻防に適応するため片膝を地面について低く構えるのが特徴
姿勢を低くする事で、相手が狙ってくる攻撃場所を制限させるなどの意味を持つ。
この状態では自身の動きも制限されるので相手の仕掛けを迎撃するカウンターが基本。
一般には具体的にどういう動きをするのかまでは知られていない技術なのだが
神奈村狂太が身に着けていたのを学習し使えるようになった
【変則蹴り】
相手の両足首を掴みつつ、逆立ちしながら顎を蹴り上げる。
上体をそらして避けられると金的が入れ放題な関係になるので、左右それぞれの脚での連続攻撃にてカバーする使い方をした。
【無我の境地】
何も考えず、何を意識せずとも稽古の通りに技を出して戦える境地。
相手の動きを計算してほぼ100%の精度で計算できる神奈村狂太の認識を狂わせ、完全に無門の動きを読み切ったと判断した柳龍光をも驚愕させる。
○人物関係
グラップラー刃牙ではサーカス中にライオンに殺されたとの回想が出ただけの人物だが、外伝において中々尖ったキャラ付けをされたキャラ。
旧姓は神奈村正介であり、ライオンを素手で締め落として調教する猛獣使い。
極めて粗暴かつ自己中心的な男で、欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れないと気が済まない危険人物。
無門と克巳の母である津葉沙に横恋慕して無門の実父である葛城渡流をサーカス中の空中ブランコの事故として謀殺した犯人。
この後子供たちを標的にすることをちらつかせてまんまと津葉沙の再婚相手に収まるが
その後も無門達の親子三人に暴力を揮っており、「飽きたから」という理由で今度は妻を殺そうとするという人間のド屑。
実父の死の真相を知った無門を口封じに闇討ちしに来たのだが、数年の歳月をかけて準備をしてきた無門に逆に手玉に取られてしまい左膝の靭帯を半分切られる事となる。
無門の挑発に乗せられて、深いケガを負った状態でライオンの調教をしようとしたが、弱った獲物の匂いを嗅ぎつけたライオンの手により回想と同様に嬲り殺しにされる羽目になった。
実父の仇討ちが済み、家族を守れたのだがそれは無門の心に深い影を落とす事となる。
神奈村正介の実弟であり、兄の死の真相を知るためにゆうえんちで無門と戦った。
ハーバード大学を首席で卒業した数学者で普段はハイスクールで数学を教える非常勤講師をしていたと思えば
本部道場にふらっと現れることもあり自由気ままな生き方をしている。
仕立てのいいスーツに丸眼鏡が特徴の温厚な雰囲気の偉丈夫で、人間計算機と例えられる程の明晰な頭脳と
世界のあらゆる事象を数式に見立て「解」を求めるかの如く合理的な身体操作で闘う非凡な武術家。
先天的に足の指が人よりかなり長く、それを駆使して足で物を掴むことで脱出困難な投げ技を遣える。
基本スタイルは柔道だが門外不出の古武術である「御式内」をマスターしており、
銃器の知識も豊富なため過去に
学校に押し入った武装強盗集団を単独で片づけてしまったことも。
兄の死の真相を知りたがった理由はただ単純な知的好奇心なだけであり
無門に悪印象は欠片も抱いておらず、闘いの後もことの真相を静かに受け容れていた。
自分より強い奴が周囲に居るのは気に食わない破綻者の兄との仲は冷え切っており、肉親の情は抱いておらず
距離を取った人生を送っていたのも兄と一緒にいれば殺し合いは避けられないという予感からである。
戦闘後は遠回しに再戦を約束して去っていった。
放浪していた無門を引き取った養父であり無門の三人目の父。無門は「太山先生」と呼び、父親同然に慕っている。
天才である無門のその才能性を危ぶみ努力を教え込んだ男であり、無門が作中でピンチになった時は精神世界で助言をしてくれたりする。
拾われて5年の歳月を経た無門の14歳の卒業においては、瀕死の体を推して戦いお互いに泣きながら殴り合う凄絶な戦いをした。
その瀕死の傷を与えた柳龍光と無門の因縁が始まる事となる。
刃牙本編ヒロイン松本梢の父であり、本業(?)であるラーメン屋の屋台には「ラーメンこずえ」という屋号が書かれている。
無敗の地下闘技場戦士であり、その道の者には名を知られている実力者。もしも生きていれば
愚地独歩との戦いが決まっていたという。
養父である松本太山に致命の傷を与えた宿敵。
ゆうえんちでの連戦や、無門の弱点である心理戦において上を行っていた事もあり多大な苦戦をさせた。
ちなみに舌戦で松本太山に隙を作って致命傷を与えたり卑怯な面を無門はビデオで見たが、卑怯な技ほど強いという哲学を教えられているのでそこら辺に嫌悪感は無かったりする。
弟・克巳の養親であり、四人目の父と言えるかもしれない立場であるハゲ。
ゆうえんちにおいては連戦で消耗していた無門の次の相手を引き受けて、柳龍光との対戦に集中できるように計らい。
柳との心理戦に負けて体がガチガチになっていた無門の心を解したり、最後の戦いにおいては無門に喝を入れて心身に活を入れたり、ハンデとして最初の一手を蘭陵王に入れるなど手厚い手助けをした。
その上にエピローグにおいても無門と道場で再会して会話をするなどキーパーソンとなる。
実弟であり兄弟関係は悪くなかったようだが、克巳が5歳の頃に無門が失踪してそれ以降は一度も会っていない。
エピローグにおいて独歩と再会した時も、顔を会わせなかった模様。
克巳は無門の人格よりも才能の方が印象に残ってるようで愚地流を学んだ今は、勝てるかは分からないが負ける気はしないと評している。
地下闘技場トーナメントの主催者のジジイ。太山「日本一の金持ちで格闘オタクの変態だ」
原作小説では無門とはそこまで絡みがなかったが、漫画版では太山の頼みで家出当初の無門の援助を行っており、面識もある。
そのため出番が増えており、特に太山の死後は「太山がどちらを望んでいるのかよく考えろッ」と無門が格闘技の闇へ向かうことを止めようとしていたが、無門がそれを聞き入れるわけもなく…。
この地球、この世界こそが、巨大な"追記・修正"なのだ。
- 身内に手を上げた奴には容赦しないリベンジャーでもある。 -- 名無しさん (2024-04-26 09:41:28)
- 岩浪混沌や蹴速と肩を並べる雄 -- 名無しさん (2024-04-26 12:31:43)
- 連戦の必要あるから獏作品にしては自身の怪我は少なく、板垣作品にしては敵の損傷も少ない(ゴブリン春日除く)ので、全体的にクリーンなイメージが強いキャラ -- 名無しさん (2024-04-26 12:48:11)
- これ以上危害加えられなくて負けた克己の兄ってのが本当いい立ち位置 -- 名無しさん (2024-04-26 13:20:43)
- 外伝作品の主人公として最高に好き。無寸雷神がカッコよすぎる。 -- 名無しさん (2024-04-26 13:24:50)
- 強さ的には覚醒克己や烈海王辺りと同格かなぁ いやでも柳に苦戦してたから一つ下がるか? -- 名無しさん (2024-04-26 14:42:32)
- ↑ あの時の無門って、肉体や技術はともかく精神面や実戦経験的には未熟だったからね。柳の方も「妖怪」といっていいくらいの全盛期だったし -- 名無しさん (2024-04-26 15:50:08)
- 無門は克己の兄で、無門は梢江の兄みたいなもので、刃牙は梢江の彼氏で、つまり刃牙は克己の兄弟みたいなもんってことだな -- 名無しさん (2024-04-27 03:58:51)
- ↑ピクル戦後の克巳には「親父どもが偉大だと、俺ら息子もしんどいわな」ってシンパシー感じてましたね。(春成には感じてなかったけど) -- 名無しさん (2024-04-27 05:07:34)
- 子供時代からだが、大柄で筋肉質なのに顔だけ女の子みたいって全体バランスで見ると結構な異形だよな -- 名無しさん (2024-04-27 11:00:22)
- ↑4確かにゆうえんちにおける柳は「技が曇って」なかったので、それに勝った無門は公園本部くらいはあってもおかしくなさそう -- 名無しさん (2024-04-29 23:40:44)
- 外伝の主人公はクソ強いけど本編のキャラの株を落とさないように立ち回ってくれると嬉しい。 -- 名無しさん (2024-04-30 02:25:13)
- どう見ても菩薩掌っつーか、むしろ無寸雷神が菩薩掌の元ネタなんやけど -- 名無しさん (2024-04-30 02:26:34)
- ↑ 菩薩掌の元ネタは闇狩り師の双勁じゃないか? 無寸雷神はそれをまた逆輸入した感じ -- 名無しさん (2024-05-01 12:07:15)
- 双勁をパクったのが菩薩掌なのは間違いない。無寸雷神は菩薩掌を意識してるのか双勁のセルフオマージュなのかは分からん -- 名無しさん (2024-05-12 03:54:24)
- 無寸雷神って初出は須久根流じゃなくて葵流だったはず。しかも「雷神」って肘技をゼロ距離で行うから「無寸雷神」って技名が付けられてて、技の内容も全く違うんだよな -- 名無しさん (2024-05-13 15:12:39)
- 全巻読んだ印象として、柳に対して個人的な恨みは抱いてないように見える。かたき討ち目的ではあるんだけど、動機が怨恨でなく「愛してやまない強く大きな父を殺した男ともなれば乗り越えずにいられない」っていう強いんだ星人特有の使命感からの行動に思える -- 名無しさん (2024-05-19 23:33:45)
- 刃牙シリーズ一億部発行記念で克己が無門と戦いたいって言ってたな。俺も見たいよ -- 名無しさん (2024-06-01 21:25:47)
- 外伝で何故かド外道にされた克己の父よ...そしてそんな義父の死後に泣くほど慕ってたことになった克己ぇ...、太山はあの強さなら本編にも出て刃牙と戦ってほしかった -- 名無しさん (2024-10-28 22:06:37)
- 大山さん死に物狂いで娘助けたのに数年後、シコルに誘拐されてひん剥かれて拘束されたなんて知ってたらシコルさんヤバイ事になってただろうな… -- 名無しさん (2024-12-08 17:34:33)
- ↑その辺の応報は二度の落下にムスコとの分かれに敗北宣言とギャグ墜ちと色々清算されたと思う -- 名無しさん (2024-12-12 02:49:46)
- 梢にとってはいいお義兄ちゃんだったんだけど、別れ際に辛い心境を誤魔化すために放った「強いんだ星人」発言が原因で、梢の中で格闘家との壁を高く厚いものにしてしまった感じが強いのよね… -- 名無しさん (2025-03-15 19:57:42)
- 実弟の克巳より刃牙の方に顔が似てる。 -- 名無しさん (2025-03-15 20:02:52)
最終更新:2025年03月15日 20:02