&font(#6495ED){登録日}:2012/01/09 (月) 18:10:14 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 2002年にドリームキャスト、2003年にプレイステーション2でKIDから発売された恋愛アドベンチャーゲーム。 本作と続編、「[[My Merry Maybe]]」がセットになった「My Merry May with be」が2005年にプレイステーション2、2010年にPSPで発売されている。 【あらすじ】 全寮制の津久見高校に通う渡良瀬恭介は、平凡な毎日に退屈しながら高校生活を送っていた。 ところがゴールデンウイークのある日、アメリカにいる父親から大きな荷物が送られてくる。 それは父親と兄、恭平が中心となって開発していた人工生命体「レプリス」だった。 喜々としながら起動させる恭介であったが、落雷による停電で処理は中断。 その後復旧するも、目覚めたレプリスは大声で泣き叫び… こうして恭介とレプリス、レゥをめぐる物語がはじまるのであった……… 【登場人物】 渡良瀬恭介(わたらせ きょうすけ) 主人公。高校二年生。「何か面白いことない?」が口癖。 日本ではレプリスの存在は禁忌とされているが、兄が関係している事で仕方なくレゥとの生活を(他人に隠しながら)続ける。 最初はそんな消極的なスタンスだったがやがてなし崩し的に彼の生活は変化を遂げていき、思いもよらないエンディングを迎えることも。 基本的に斜に構えているのだが驚いたり精神的な衝撃を受けると意識を失う癖がある。 実は本作きっての謎の人物であり、いくつか伏線はあるものの本作中では明言はされない。[[しかし……>My Merry Maybe]] レゥ CV:[[松岡由貴]] 正式名称「Pmfh-000001」 恭介のもとに送られてきた女性型レプリス。[[外見年齢は15歳前後>てんたま]]だが初期起動時のバグにより精神年齢は非常に幼い。 自分を起動した恭介を「おにいちゃん」と呼んで慕う。 最初は恭介以外の誰にもその存在を知られていなかったが泣き虫な性格が災いして阿見寮の生徒達に存在を知られていく。 本来レプリス特有の赤い瞳をしているがそれを隠すために普段は銀色の目に見えるようにカラーコンタクトをしている。 一応メインヒロインではあるのだが……。 榛名ひとえ(はるな ひとえ) CV:木村まどか 恭介、恭平との古くからの仲でありお互い軽口を言い合える仲。 幼なじみキャラでありながらそのおばちゃん声から通称ゴッドボイスとよばれる。 同い年の恭介には時折お姉さんぶった言動をとる。 実は恭介の兄である恭兵の事が好きであり彼女のルートでは軽い三角関係になる。 萩本亮(はぎもと りょう) CV:粟津貴嗣(現在は小泉一郎太) 恭介の悪友。女性に軽々しく声をかけることも多く、レゥに対してもちょっかいを出す。 KID特有の黙っていればイケメンな親友ポジションである。 吾妻もとみ(あがつま もとみ) CV:大前茜 おとなしめで大きい眼鏡が特徴的な恭介の同級生。亮の彼女でもある。 杵築たえ(きづき たえ) CV:黒河奈美 ぎっくり腰で入院中の母に代わり阿見寮の寮母代理を務めている大学生。 酒豪。酔っ払い。実は幼い頃に恭兵とその母親には会ったことがある。 結城みさお(ゆうき みさお) CV:前田ゆきえ 杵築たえの実家の近所に住む中学生。 引っ込み思案な性格で感情表現もやや乏しいが、彼女のルートに入ると実は空手をやっていたり今まで知らない一面が出てくる。 恭介曰く自分と同じ目をしている寂しい雰囲気の少女。それはみさおの方も同じ感想だった。 レゥ及びリースを除けばヒロイン中最年少だが実は本作のキーパーソンでもある(後述)。 渡良瀬恭平(わたらせ きょうへい) CV:大水忠相 恭介のアニキ。小さい頃から恭介の面倒を見てきたが、現在は父とともにアメリカでレプリスの研究を行っている。 本作一番の漢。一部ルートで明らかになるが両目は真紅。つまり……。 リース CV:松岡由貴 正式名称「Pmfh-000002」 恭平が一時帰国した際一緒に連れてきたレゥと同型のレプリス。レゥとは対照的に落ち着いた言動を見せる。 彼女のルートに進む事も出来るがそれはレゥの存在の完全否定となるバッドエンドである。 &bold(){以下みさおルートにおける重大なネタバレ注意} レゥと友達になったみさお。しかし遊んでいる最中にレゥのカラコンが外れてしまい、レプリスだと言うことがばれてしまう。 それまで外見年齢こそ差があれど仲良しな友達としか見ていなかったみさおは豹変してレゥを拒絶してしまう。 後日、恭介が会いに行くとみさおの家にもレプリスがいた。 実はみさおの父親もレプリスの研究、開発をしている科学者だった。しかしみさおが幼い頃に母親が死んでしまう。 悲しんだ父親は妻そっくりのレプリスを作る。だが当時はまだレプリスの技術が未熟だったために幼いみさおの前で肉体を保てずに融解して死亡してしまう。 それがトラウマとなってみさおはレプリスの事を拒絶し続けていたのだ。 さらにそれ以降も本物の妻をレプリスで再現すると言う狂気に取りつかれた父は何体もレプリスを作り続け、みさおは魂のない母親の姿をした人形と暮らす日々を続けていた。 「レプリスに心なんてありません。マスターが命令さえすれば全部演技の偽物です」 「レゥは本当に心から君と友達だと思っていたんだ……」 その後、再会したレゥとみさお。レゥの心からの言葉を聞いてみさおの心も揺れる。しかし、すぐには受け入れられずにその場から逃げてしまった。 みさおには再び拒絶され、みさおを追いかけるためにその場で立ち尽くすレゥからも走り去る恭介。 みさおはレゥが嫌いなのではない。仲良くなってもまたいつか目の前で無残に死んでしまうのではないかと、それが怖いのだ。 だが恭介は自分がずっと傍にいるからと事実上のプロポーズ。そして二人でレゥを迎えに行くのだが、レゥの姿はない。 急いで探す二人は以前散歩していた時に見つけた廃屋にたどり着く。そこでは直接的な描写はないが手足が胴体から外れた姿のレゥが横たわっていた。 マスターへの依存由来の存在理由……レーゾンデートルを物理的な支えにしているレプリスであるレゥにとってみさおからの再びの拒絶とマスターである恭介に走り去られたことは 取り返しのつかない致命傷だったのだ。みさおから仲直りの言葉を聞いたレゥだったが 「……でも、もういいや……」 そうすべてを諦めてレゥは目を閉じるのだった。 やがて月日は流れ、みさおは恭介の部屋に入り浸るようになった。 気持ちを通じ合わせた男女が一緒にいると言えば聞こえはいいが実際にはレゥを失った現実の逃避から来る共依存の関係だった。 しかし初夏の頃。恭平からのメールが来た。彼曰くギリギリだったがレゥの修理に成功した。今からレゥを連れていくと。 思わぬ内容に喜ぶ恭介だったがみさおに表情の変化はない。 やがてアメリカからの飛行機からやってきたレゥを空港で出迎える恭介とみさお。 相変わらず能天気な言動のレゥに涙するみさおだがしかしその涙が喜びから来るものではないと恭介は気付いた。 そして隠された可能性に気付いてしまう。 今目の前にいるレゥは模倣された偽物なんじゃないか。かつてのレゥの言動をプログラミング的にコピーしただけの3号機に過ぎないんじゃないか。 手足が外れてボロボロに傷ついたレゥの肉体を修理しただけであってもうあの時にレゥは死んでいて今のボディに入っているのは心も魂もないレゥの姿をしただけの人形なんじゃないのか。 答えは出ない。しかし一度抱いた疑念を恭介は突き放せず、途端に心のない人形にしか見えなくなった目の前の少女の頭を仕方がなく撫でてやった。 「えへへ、お兄ちゃん大好き!」 物に罪はない。 これからはこのレゥをあのレゥとして扱っていくしかない。 レプリスの開発者の血をひくものとしてこれは恭介とみさおが享受すべき罰なのだ。 【余談】 本作においては、見た目は人そっくりであるが、頭脳、身体能力は人間を遙かに超える(レゥは奇跡的ともいえるバグを持っていてその限りではないが)、 「レプリス」という人工生命体をめぐる話が中心となる。 その中でも「人とは?」「心とは?」「魂とは?」などといった重厚なテーマを存分に書ききっており、 ただの恋愛アドベンチャーゲームとは一線を画した、名作といえる作品である。 続編「My Merry Maybe」がありこちらを合わせてプレイすることで物語の真相の一端が分かる。 ただし鬱展開も多い。と言うか前述のみさおルートから地続きの物語である。 寄りにもよって最年少であるみさおのルートだけこんな鬱要素全開だがしかし同じ結末は他のどのルートでも辿る可能性がある。 即ちたとえレゥと結ばれるルートを迎えても「いつ」魂のない人形遊びになるかが分からない。 前述通りみさおルートではレプリスに詳しいみさおだからこそレーゾンデートルが崩壊したレゥはもう助からず、 そしてアメリカから来たレゥがかつてのレゥを再現しただけの偽物だと見破れた。 そんなみさおを見て違和感から恭介もまたその隠された可能性に気付けただけであり、他のルートでは気付けない可能性が高い。 本作ではミニゲームとして「インディアンポーカー」が収録されている。 本編中でも軽くプレイする場面があるがルールは簡単ですぐ終わるため問題はない。 間違いなく本作は名作である。 惜しむらくは、製作会社がすでに倒産しているせいか本作の知名度があまりにも低すぎること。 ドリームキャスト版発売当時から売り上げは芳しくなかった模様。 しかし、松岡由貴さんの二役の演技は必聴ものである。 先述したとおり、続編と一緒にプレイしてこそ本当の感動が味わえるので、 今からプレイする際は続編とセットの「My Merry May with be」をプレイすることをお勧めする。 ……Playstation networkからも姿を消してしまったが。 追記・修正は雷に打たれてバグってからお願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() #comment #areaedit(end) }