SCP-993

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SCP-993 - (2016/11/07 (月) 01:38:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/11/06 Sun 16:24:15
更新日:2024/01/31 Wed 15:08:49
所要時間:約 8 分で読めます




やあ、みんな、ハロー。

おっと、起き上がらないで! でも、その銃は下ろしてね、そんなもの無意味だからさ。
ボクは実在してないんだよ、どうやって撃ち殺すつもりなのさ?
さあ。わかるかい、そんなことをするよりよっぽどいいだろう?
テレビの前のお友達にあいさつするんだ。そう……笑顔でね。はい、よく出来ました。



SCP-993はシェアード・ワールドThe SCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は「Bobble the Clown」で日本語訳は「ピエロのボブル」。
オブジェクトクラスはSafe。



概要


驚いているようだね、博士。きみはボクの大騒ぎにいただろう?
きみのやり方は好きだったんだ。きみは倒れて、いま起きたところだ!
でも、本当に恥ずかしいのは、ボクを入れてしまったことだよ。いいカウチだね。
起きちゃダメだよ。ボクは家にいるみたいにくつろぐからさ。どんなお話しをしようか、博士?
ああ、いや、ボクは別に復讐に燃えて仕返しに来たってわけじゃないんだ。
ボクは怒ってるわけじゃないんだけど……テレビの前のみんなもそうだといいね。
だって、きみはすっごく身勝手で、ボクを子どもたちの前から連れ去ってしまったんだから。

SCP-993は『Bobble the Clown(ピエロのボブル)』という名前で19██年の██月██日*1に放映がはじまった子供向け番組である。

どう子供向けなのかというと、「10歳未満の子供は見られるが、10歳以上になると頭痛がして気絶する」という意味で。
そのためマジで子供しか見れない。大きなお友達のことは全く考慮されていませんあしからず。
…だがその内容を子供たちにインタビューすると、しばしば吐き気がするような内容であることがわかる。

というのも、このピエロのボブルが子供たちに教えてくれるのは挨拶とかマナーとか新しい歌とか、そういうのではない。
彼が教えてくれるのは「人喰い」「殺人」「拷問」、そして…もうひとつ報告書に書いてあるのだが削除されている。
前3つよりも恐ろしい何かだったんだろうか。すでに前3つの時点でマジキチなのだが。

当然こんなもの見て子供が平静でいられるわけもなく、子供たちは精神病や統合失調症を患ってしまう。
そのため財団は『プロトコル・ユプシロン・ベータ3』というもので全ての放送を傍受し、
キチピエロのボブルさんが子供たちのお友達にならないように放送を妨害している。
この妨害に成功していることから、オブジェクトクラス自体はSafe。
エピソードを確認する際はどうしても子供を使わなければならないが、その場合でも内容を教えてもらった後は
ちゃんとしっかり記憶処理を受ける。Dクラスならともかく無垢な少年少女の成長に悪影響がでては困るし当たり前である。

しかし収容できているとはいえ、実は全く被害が出ていないわけではない。
その被害にあう対象がコントロールできているだけ…だったりする。

放映エピソード


あのころ、ちょっと怒りんぼになっちゃったことは、ボクも認めざるを得ないかな。
ご心配なく、新しい視聴者と一緒に戻ってきたからね。
きみはボクを何度も子どもたちの前に連れて行ったよね。
きみを化け物と呼ぶ人もいる! ボクじゃないよ。ボクは裁かない。ボクはフェアだ。

'ボブルのキッチンサプライズ'
内容:場所はステレオタイプなアメリカの小さな町です。ボブルは町の市民を誘拐し、彼の自宅へと連れて行きます。ボブルはそこで一度人肉調理方法を見せたのち、市民の皮を剥いで調理を始めます。
のっけから子供が泣くような内容である。というか大人でも泣くぞこんなもん。

'都会でボブル'
内容:場所はアメリカの大都会、おそらくニューヨークです。ボブルは蚊取り線香のような物を使って発見されない放火の方法を教えてくれます。番組の最後は、ボブルが大きな建物に火を放って立ち去ります。番組が終わる3分間燃えている建物が映されています。この間悲鳴が聞こえてきます。
悲鳴が聞こえる:つまり普通に燃やしている。
ただし財団が「おそらく」と書いているということはボブルの出現した位置を正確に特定できていないことを示しているようだ。

'ボブルの卑劣土曜日'
内容:場所はロンドン、ビッグベンが見える場所です。番組の大部分でボブルは静かに女性に忍び寄ります。彼女が家に着くと、ボブルは大きな肉切り包丁で彼女を殺害します。番組の最後は、ボブルが群集に紛れ見つからないようにする方法を教えてくれます。
道理で見つからないわけである。しかしエピソードタイトルからして不穏でしかないのはなんなんだ。

'ボブルの真相解明'
内容:場所は捕虜収容所。このエピソードではボブルは、捕虜に無意味な質問を繰り返し拷問します。兵士は最終的に拷問による負傷で死んだように見えます。ボブルは視聴者へ致命傷にはならない痛めつけ方を教えてくれます。
お 前 が 実 践 し て か ら 言 え

'ボブルはあなたが嫌い'
内容:場所は何も無い部屋。30分間、ボブルは椅子に座りながら怒って視聴者を睨みつけています。
おそらくプロトコル実行後の番組ではないだろうかと推察される。
どうやら財団の存在を感知した様子。

'[罵倒] 野郎 [罵倒] 野郎 [罵倒] 野郎' 
内容:場所はSCP-993の記録が保存されている██の記録室のように見えます。このエピソードでは、ボブルはいくつかのSCPの解放の方法を怒りながら説明します。それからボブルは封じ込めた研究者の殺害方法と、日課や習慣についても教えてくれます。エピソードの最中に、アニメ化された████博士がボブルの後を横切る点は特筆に値します。壁の時計は、午後██:██を示しています。そのとき、████博士はSCP-993の記録室を歩いていたことを確認しています。



…ん?




20██年██月██日時点で、SCP-993は放送をやめたものと見られる。

余談

ボブルの元ネタは『道化恐怖症/コルロフォビア』であると思われる。
メーキャップしたピエロを見ると恐怖を覚えるという恐怖症の一種で、日本では馴染みが薄いが、
海外ではあのジョニー・デップもこの道化恐怖症らしい。

どうも海の向こうではピエロというのは恐怖の対象として普通に市民権を得ているようで、
それゆえに若者がピエロの格好をして子供たちを怖がらせるという悪質なイタズラが敢行されたり、
バットマンの敵役のジョーカーがピエロのメーキャップをしているのも「道化は恐怖の対象」だからということのようだ。
ジョン・ゲイシーという連続殺人犯も、しばしばピエロの姿に扮することがあったという(その姿で流石に殺しはやってないようだが)。




ハハ、何を書いてるんだい? 悪いけどこれはインタビュー番組じゃないんだよ博士。
そんなものはゴミ箱にポイだ。そう、結局、すべてはゴミ箱行きなのさ。
きみの貴重なインタビューも、子供たちの小さな心も。ボクのトリックさえもいくつかポイしなけりゃならなかった。
うん、そう。ぼくはここしばらくひどいことをしてなかったよね。銃を下ろしなって。

小さなことから始めようと思ったんだ。
おバカな原始人がまず火の使い方から覚えたようにね。
あのころから子どもたちには時間がなかったから、ボクのほうが進んだ。
スキンウォーカーの十八番だけど、いいアイディアだった。
子どもたちは夜になるとボクの噂話をして、大人たちだってボクについて話したんだ。
ボクはなにもしなくてよかったんだよ!

でも、きみはもっと賢くやらなくちゃならなかった。そうだろう?
突然、色んな迷信が広まり始めて、ボクには助ける子どもたちがいなかったし、両親も……うん、きみはすぐに見つけちゃうだろう。
でも、ボクが残した小さいなにかがある。子どもたちの頭の中に入って、ゆがませちゃう人気のキャラクター。
ボクがいってるのは、もちろん、ピエロのボブルのこと。ああ、そんな不機嫌にならないで。




笑って、笑って。きみはテレビに出てるんだからさ!








20██年██月██日時点で、SCP-993は通常の放送を再開した。Euclidへの指定変更が検討されている。

'おかえりボブル!'
内容:舞台は█████博士のオフィスのように見えます。ボブルが部屋に現れると、█████博士は驚いた表情を見せ、それから視聴者に向かって笑いかけます。それからボブルと█████博士は15分程度会話しているように見えますが、内容は聞き取れません。15分後、█████博士は拳銃をボブルに向けて、発砲したが何の効果もありませんでした。それからボブルは、大きな肉切り包丁で█████博士の手足を順番に切り刻み、鼻や耳をそぎ落としました。█████博士は三分間に渡ってうごめいていたのですが、その後、スタッフロールが始まりました。遺憾ながら、█████博士はこのエピソードが放送される前日に消息を絶っています。



SCP-993 - Bobble the Clown
by Tanhony
www.scp-wiki.net/scp-993
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-993(翻訳)

Behind the Scenes
by Tanhony
www.scp-wiki.net/behind-the-scenes
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/ボブルの舞台裏(翻訳)
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