EXF-10/32 グライフェン

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EXF-10/32 グライフェン - (2021/04/17 (土) 22:25:53) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/12/13 Tue 18:31:46
更新日:2024/02/21 Wed 23:09:28
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概要

EXF-10/32 グライフェン」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。

本項目では系列機種も取り扱う。フレームアームズ・ガールにおける擬人化されたグライフェンについては こちら を参照。



目次





EXF-10/32 グライフェン


海底作業用の重機「EXF-10」をベースとするFA。
元々「EXF-10」はプロジェクト・Re スフィア計画実行の為の作業重機を建造するにあたって、「究極の汎用性」を求めたフレームアーキテクトに対し、「要求性能をすべて満たした機体」というアプローチの「EXF プラン」で建造された別系統の重機。
四肢に内蔵したサブアームを利用し最大8本の作業肢による優れた作業効率性を発揮したが、アーキテクトと比較して必要なユニット数が多い事による生産性の悪さが問題視され、Re スフィアを邁進する「世界科学技術推進機構」はアーキテクトを正式採用する事を決める。
これに反発した開発メンバーは当初掲げたコンセプトの優位性を証明するために推進機構を離反し独自に開発を続行、最終的に完成した「EXF-10」は極限環境下での運用も可能な耐圧性能と推進器の取捨選択による高い環境適応能力を備えていたが、根本的な生産性の悪さは改善されず、海洋開発の為少数が運用されるに留まった。

そんな高性能ながらも性能を十全に発揮する機会に恵まれなかったEXF-10だが、月面との戦争が始まったころに転機が訪れる。
当時防衛機構は陸上、ないし空中での戦闘行為に追われっぱなしで海上戦力の確保は滞っており、海上防衛用FAを即座に確保するべく本機を改修して投入する事が決まったのである。
かくして「EXF-10/32 グライフェン」として生まれ変わったEXF-10は湾岸地域でのアント迎撃迎撃において目覚ましい活躍を見せ、さらに陸戦、空戦に特化した派生機が造られる事になる。
戦後の武力衝突においても輸送艦の護衛に使用されている描写があり、戦中を通して活躍していたようである。

FAとして分類されているのは改修するにあたってフレームアーキテクトを組み込んでいる為で、このことにより整備性、拡張性が向上している。
また開発メンバーはこの頃から推進機構、ひいては防衛機構に対する不信感を募らせていたと思われ、後述の事件に繋がる事となる。逆恨みじゃねえか


◇武装
  • エクステンション・システム
正確には武装ではなく、本機のフレームに備わった補助腕「サブ・アーム」による四肢の展開・延長機能。
補助腕に大量の火器を搭載できるのはもちろんのこと、格闘戦にも使用できる頑強さと馬力を持つ。
これらを活かし各作動肢を「指」に見立て、全身を使って巨大な物体を掴むような運用も可能となっており、特に馬力についてはFAを丸ごと握りつぶしてしまう程とされる。
後に輝鎚のサブアーム機構の参考にされた。

  • SP-05 スピア・ガン
胸部にある武装。
詳細不明だが、水中銃の類と思われる。

  • Fa/MPR-23 マルチパーパス・ランチャー
その名の通り、大型の多目的ランチャー。
グライフェンは水上から陸地への砲撃支援にも用いられた。


◇キット
2011年7月発売。定価4200円。デザイナーは木下ともたけ氏。

成型色はライトグリーン、グレー。
二重逆関節の海戦型という異色のFAで、補助腕などのギミックもあいまって良い意味での異形さが際立つ。
フレームの配置がかなり特殊かつ補助腕などの構造が複雑なので組み立てには手間がかかる。
重量機の宿命か関節が負けがちなので補強してやりたい。現在は:RE版になっているのである程度改善されている。
色分けは良好でクリアパーツは緑色のため、塗らなくても大部分は再現可能。
手持ち武器のマルチパーパス・ランチャーは後にM.S.Gウェポンユニット「MW23 大型ミサイルランチャー」(定価700円)として単体販売された。




EXF-10/52 アーマーグライフェン


前線において高く評価されたグライフェンを陸戦または空間戦闘用に改修した機体。汎用性は維持しているが、完全に戦闘用として生まれ変わった。

全身にわたって変更が施されており、4本のサブアームとスピアガンが外され、頭部のセンサーも収納式になり、各部に推進機とオプション用マウントが追加されている。
同時に開発された武器類は全て外装式で任務や状況に合わせて選択可能、かつそれぞれが他のFAにも容易に流用できるなど、高い完成度を誇る「EXF-10/52 アーマーグライフェン」だったが、その活躍を阻んだのは皮肉にもグライフェンを開発したスタッフ達自身だった。

彼らはEXF-10/52を各地の独立自衛組織にこっそり売り捌いていたばかりか、メインの顧客であるはずの防衛機構への納品を態とドタキャンしたのである*1おかげでトルースさんが疲労困憊することになった。
この暴挙に防衛機構側も黙ってはおらず、最終的にグライフェンの開発スタッフは全員職を解かれ、製造ラインも凍結された。

ただ、後に従来機拡張計画(EX計画)が発動した際、武器類は強化ユニット「EXU-03」として量産されEXF-10/52本体と共に前線に送られた。
製造ラインを再稼働したことでEX計画で供給されたパーツ類としては異例の大量供給を実現できたと思われる。

バーゼラルドの投入当初「宇宙ではアーマーグライフェン4機の随伴が前提」とされるなど、宇宙用FAとしては主力級の扱いを受けている。


◇武装
  • ミサイルコンテナ ×10
各部にオプション装着される。
肩部の「MB-A01(13発)」、胸部の「MB-C02(10発)」、大腿の「MB-L03(16発)」、脛の「MB-L04(20発)」、大腿裏の「MB-L05(14発)」の5種類で、それぞれ左右合わせて合計146発となる。
全て同時に装備することも可能だが重力下でフル装備することは少なかったとされる。
ミサイルのサイズがバラバラなので弾薬補給が煩雑そう。

  • 20mm連装リボルバーカノン ×2
前腕部の連装機関砲。故障しにくく取り回しが良い。ミサイルコンテナとの同時装備ももちろん可能。

  • フットクロー
サブアームの代わりに脚部が簡易マニピュレータになっている。陸上では使用できない。


◇キット
「エクステンドアームズ03〈EXF-10/32 グライフェン拡張パーツセット〉」(2013年8月発売。定価2800円。)をグライフェンに組み込むことでアーマーグライフェンを再現できる。デザイナーは本体に引き続き木下ともたけ氏。

重機っぽさがなくなり、フル装備時の迫力はかなりのもの。ミサイルコンテナのハッチもしっかり開き、全開すると正面がほぼミサイルで埋め尽くされる。誘爆が怖い
パーツ単位でも優秀で、癖のないコンテナや機関砲はどの機体にも流用しやすい。

しかし実際に作るにはグライフェンの頭、肩を交換、胴体、前腕、脛を分解して組み替え…とほぼ全身を弄らねばならず、そのまま使うのは上腕、股関節、腿だけ。
組み立て済みのグライフェンに組み込んだり頻繁に組み替えて遊ぶのは難しいため、グライフェンとアーマーグライフェンを選択して組めると考えたほうがいい。
色分けは概ね良好だが、頭部装甲の白など細かい部分が足りない他、センサー用クリアパーツが無色透明なので留意のこと。
塗装するとき厄介なのがミサイルで、ミサイルと底板が一体なので塗り分けには非常に手間がかかる。




余談
  • スティレット、クファンジャルと同様:RE発売に伴って細かい設定が変更されており、旧版では「アーキテクトと同時期にドイツを中心とする数ヵ国の協力のもと開発された特殊重機「エクステンション・フレーム:グライフェン/EXF-10」」という設定。
    多くのFAの駆動骨格が「フレームアーキテクト タイプ001」であるのに対しこのグライフェン系のみ「エクステンション・フレーム・10」となっているのはその名残であるが、設定変更される前はこれをどう解釈するかについてファンの間でも活発に議論が行われていた*2

  • 「コスト高で大量採用を逃す→改良型開発→供給先で揉める→開発スタッフ粛清→製造ラインを接収して量産化」という波乱万丈の道を辿ったグライフェンだが、某重戦闘バーチャロイドとよく似た顛末となる。

  • 職を解かれた開発スタッフたちのその後は明らかになっていない。また防衛機構の目を盗んで流通したアーマーグライフェンの個体数もはっきりしておらず、急進派のような組織の手に渡った可能性を疑うファンもいる*3

  • ドイツ系の重逆関節機体という点で「SOLDNER-G9」と共通している。



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