それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ

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それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ - (2016/07/21 (木) 21:58:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/02(日) 22:15:56
更新日:2024/02/23 Fri 13:31:31
所要時間:約 7 分で読めます




「それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ」は2006年に公開された劇場版アンパンマンの18作目。
また、アンパンマンミュージアム開館10周年記念映画でもある。




◆あらすじ
かつて岩だらけだったアンパンマン・ワールドに水や緑を与え、アンパンマンの生命の源でもある「いのちの星」。
そのいのちの星に感謝するための年に一度のお祭り「星祭り」まであと一週間に迫ったある日、
アンパンマンがいつものようにパトロールをしていると海の上漂う人形を発見する。
アンパンマンは人形を助け出し、パン工場へと連れて行き、人形を綺麗にしてあげるのだった。
その夜、工場へいのちの星が降り注ぎ、人形に命を授ける。
一方その頃ばいきんまんは、アンパンマンを倒すために新たなメカを作ろうと研究を続けていた。


◆ドーリィ(CV.安達祐実)
アンパンマンが拾った人形にいのちの星が宿ったことで生きた人形となった女の子。
同じくいのちの星から命を貰ったアンパンマンとはある意味兄妹のようなものと言えるかも知れない。
生きていること、自在に動き回れることが楽しくてたまらない。
好きなものしか食べない、他人の迷惑を考えない等、非常にワガママな性格。
生きる意味は「自分が楽しむため」と考えており、「困っている人を助けるため」に生きるアンパンマンの考えが理解できない。
人形時代に持ち主の子供に意地悪や乱暴をされ、抵抗もできないまま海に捨てられたという悲しい過去を持つ。
アンパンマンはいのちの星が全身に溶け込んでいるのに対し、
ドーリィの星は何故か溶け込むどころかだんだんと光を失い小さくなっていくため「このままでは元の人形に戻るのでは」と不安を抱えている。某ピンクの悪魔ではない


◆スーパーカビダンダン(CV.西村朋紘)
ばいきんまんがアンパンマンを倒すために作り上げた超巨大ロボ。
ばいきんまんが誕生した際に受けた「ばいきん星の雷」をエネルギーとしており、
自我らしきものもあるためドーリィとは逆にばいきんまんの兄弟とも言える存在(見た目はもろにロボだが)。
口から緑色の光線を吐き、当たると柱状のカビを生やす。
いつものような乗り込み型ではなく、ばいきんまんは別のメカに乗り遠隔操作で動かす。



◆以下クライマックスのネタバレにつき注意












星祭り当日、夜に向けて出店等が開いている町をスーパーカビダンダンで滅茶苦茶にするばいきんまん。

アンパンマン・しょくぱんまん・カレーパンマンがそれぞれのパンチを連続で食らわすが全くダメージを与えられず、
力を合わせたトリプルパンチすら一瞬怯ませる程度。
メロンパンナとクリームパンダも加わり、総力戦となるもののやはりスーパーカビダンダンを止めることは出来ず、
家は破壊され町はカビだらけ、人々もカビの柱に取り込まれ身動きがとれなくなる。

操縦してるばいきんまんを捉えようとしょくぱんまん・カレーパンマンが立ち向かうが、ばいきんまんが放った球に当たりかびるんるんとなってしまう。
更にメロンパンナ・クリームパンダ・チーズもがかびるんるんとなり、町の人々は絶望。
しかし孤軍奮闘するアンパンマンやかびるんるんの姿となってなお戦うしょくぱんまん達の姿を見て勇気づけられ、カビからの脱出を試みる。

非常に順調に進んでいたばいきんまんの計画だが、ここに来てドキンちゃんが暴走。
ドーリィを手に入れようと勝手にスーパーカビダンダンを操り始め、挙げ句のはてに操縦桿を壊してしまう。

コントロールが聞かなくなったスーパーカビダンダンはばいきんまん達が乗るメカを踏み潰してしまい、完全に暴走。
ドーリィを投げ飛ばし、口からこれまでの緑の光線とは別の炎のようなものを吐き出す。

ドーリィを守るために自らの身体を盾にするアンパンマン。
炎の直撃を何度もくらい、マントは燃え尽き、身体はだんだんと石のようになっていく。

「どうして!?どうして…私なんかのために…やめて!もう頑張るのはやめて!逃げて!逃げてー!」

しかしアンパンマンは優しく微笑むばかり。
そして遂にアンパンマンは完全に石化。身体から光が抜け出ていく。

ジャムおじさん「ま、まさか…!」
バタコさんが新しい顔を投げるものの顔は入れ替わらず、それどころか新しい顔までもが石化し砕けてしまう。

「いのちの星が…!アンパンマンからいのちの星が抜けてしまったんだ!いくら新しい顔を焼いても、もうアンパンマンは元には戻れないんだ!」

完全なる死を迎えたアンパンマン。
ドーリィは泣きながらアンパンマンが言っていたことを思い出す。

『困っている人を助けた時に、心が温かくなって、その時わかったんだ。
 僕が何のために生まれてきたのか、何をして生きていくか、何が僕の幸せなのかってことも。』


なんのために生まれて…
何をして生きるのか――

答えられないなんて

そんなのは


…嫌だ!


ドーリィは自らのいのちの星を取り出し、アンパンマンへと与える。

アンパンマン、私やっとわかった。
自分のことしか考えなかったから、人の事なんてどうでもいいって思ってたから、いのちの星は私に溶け込んでくれなかったんだわ。
私のいのちの星は、私の心は…アンパンマンの中で一緒に困っている人を助けていくの。ずっと…いつまでもずっと!

いのちの星がなくなったドーリィはただの人形に戻り、崖の下に落ちてしまう。

この時アンパンマンのマーチが流れ出すのだが、いつもの明るいものではなくクラシック調でどこか物悲しく荘厳、
それでいて熱さを感じるアレンジがされた「カンタータ“アンパンマンのマーチ”~悲壮な戦い~」となっている。

ドーリィによって復活を果たしたアンパンマンの力は凄まじく、スーパーカビダンダンのパンチを受け止めそのまま投げ飛ばしてしまう。
炎を避けつつアンパンチを放つアンパンマンだが、スーパーカビダンダンの頭部が分離し回避。逆に捕まってしまう。

なんとか振り解き頭部との空中戦を繰り広げた後、身体と挟み撃ちにされるものの、タイミングを合わせてかわし自分で自分の頭を殴り潰させ、頭部は破壊された。
その際、炎が四方に撒き散らされ胴体に命中。石となったところをいのちの星の光を纏わせたアンパンチを喰らわせ消滅。
拡散した光は町のカビを浄化していくのだった。



そして夜。ついに星祭りが開催される。
しかし人々の顔には涙が浮かんでいた。
人形を抱え歩くアンパンマン達。

「ドーリィちゃん…君は僕の中で生きているんだ…ずっと、ずぅっと。一緒に…」


その時、空に大量のいのちの星が現れ、その一部が人形の中へ入り込む。


そして人形、いや少女は目を開け――







このようにこの映画のテーマは「命」であり、子供向けとは思えないほど重いものになっている。
また、度々アンパンマンのマーチの歌詞が台詞として使われており、それもテーマの1つと言えるだろう。
アンパンマンだと思って油断して見ると涙腺をやられるので注意。

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