MiG-21

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MiG-21 - (2014/11/05 (水) 02:55:32) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2014/11/05 (水) 02:55:30
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MiG-21は、ソ連のミグ設計局の手になる戦闘機である。NATOコードは「フィッシュベッド」。
ソ連製デルタ翼機の常として、祖国では「バラライカ」の愛称で呼ばれている。
MiG-15にこそ劣るが異例の生産機数と、何者にも勝る破格の運用実績を誇り、まさに&bold(){「航空界の[[AK>AK-47]]」}と呼ぶにふさわしい機体である。


*性能諸元(MiG-21-93)
翼幅:7.15m
全長:14.10m
全高:4.71m
翼面積:23.00m²
空虚重量:5,460kg
通常離陸重量:8,825kg
最大離陸重量:9,600kg
燃料搭載量:2,390l
発動機:ツマンスキー R-25-300ターボジェット(単発)
推力:69.60kN(アフターバーナー未使用時)ないし97.10kN(アフターバーナー使用時)
最高速度:2,175km/hないし1,300km/h(地表高度)
航続距離:1,210km(機内燃料のみ)ないし2,100km(外部燃料タンク搭載時)
最大上昇率:13,500m/min
実用飛行上限高度:17,300m
最大G:8.5
乗員:1名
武装:23mm連装機関砲GSh-23L(弾数200発)x1(固定武装)
   中距離空対空ミサイル:R-27R1最大2発、またはR-77最大4発
   短距離空対空ミサイル:R-73x4、またはR-60Mx6
   対レーダーミサイル:Kh-25MPx2、またはKh-31Px1
   空対艦ミサイル:Kh-31A x1、またはKh-35
   レーザー誘導爆弾:KAB-500KRx2
   空対地ロケット:S-5、S-8、S-13、S-24
   自由落下型爆弾:100-500kg
   牽引式AFA電波偵察機器機関砲コンテナ その他各種装備


*開発経緯
アメリカの軍用航空機発展に遅れを取るまいと、1953年頃に『高度2万mで最大速度マッハ2』という要求のもとに設計が開始し、55年に初飛行している。
この時設計局では2種類の試作機が製作されていた。蓄積ノウハウの差で先に完成した、[[MiG-15]]からの伝統に則った後退翼機のYe-2と、デルタ翼を採用した新型設計のYe-4である。
最終的にYe-4の発展型、Ye-5がMiG-21のナンバーを勝ち取り、さらなる改良型のYe-6は当時の最高速度の世界記録を塗り替えた。
この機体仕様が21シリーズ初の生産モデル、F型として採用されている。本格的な運用開始は59年から。

当初は射撃照準用レーダーしか積んでいなかったが、技術の発展と全天候戦闘能力を求める時代のニーズに伴い、幾度もの改修を経て未だに現役を張っている。
と言うか運用開始から55年を経てなお本家空軍で使われているという実情が、本気の高い運用性の証左だったり。
ちなみに本機運用開始の55年前というと、ライトフライヤー号(ライト兄弟のアレ)初飛行の翌年である。

#center(){&font(24px,b){こうくうぎじゅつ の はってん って すげー!}}

**特徴
異例の生産機数と運用歴に目が行くことの多い本機であるが、そうまでして運用され続けた最大の要因は2つある。
一つは&font(big,b){高い格闘戦能力}。軽量な機体は軽快な挙動と良好な運動性をもたらし、本機に高い格闘能力を与えた。
それゆえにベトナムの空でも米軍の新型機相手に抗しえたのである(当時のアメさんはミサイル万能論に取り憑かれていた)。
[[F-15]]が開発されるきっかけとまでなっているのだから侮れない。

もう一つは超音速戦闘機としては他に類を見ないタフさ。&font(big,b){呆れるほどに簡素で整備性に優れる}その機体構造から被常識に&font(big,b){安価かつ運用コストも控えめ}であり、耐用年数も長い。
さらにはその&font(big,b){シンプルさゆえに改修が行いやすく}、時代とニーズに従い様々なバージョンアップが施されてきた。
その運用面での気安さから、&font(big,b){後発機であるはずのMiG-23を先に退役させ、本機に運用を統一}してる国さえあるほどだ。
採用国には&bold(){「俺はコイツのパイロット、父ちゃんもコイツのパイロットだったぜ?」}なんて所もあるんだとか。
さすがにアメリカの&bold(){「爺ちゃんから俺までずっと[[コイツ>B-52]]に乗ってるぜ(真偽不明)」}には劣るようだが。

*運用実績
主なものだけを挙げても以下の通り。

・1960年代:[[ベトナム戦争]]
・1960年代以降:アフリカ各地での紛争
・1960年代-1980年代:各次[[中東戦争]]と同地域での各種武力衝突
・1965年:第二次印パ戦争
・1968年:プラハの春
・1969年:珍宝島事件
・1970年代以降:インドシナ方面での紛争
・1971年:第三次印パ戦争
・1978年以降:ベトナムによるカンボジア侵攻
・1979年:中越戦争
・1979年-1989年:ソ連のアフガニスタン侵攻
・1980年-1988年:[[イラン・イラク戦争]]
・1991年:[[湾岸戦争]]
・1990年代:旧ユーゴスラビア地域での内戦や戦争
・1990年代後半:エチオピア・エリトリア国境紛争
・その他、各種の内戦や地域紛争

とまぁ、勝ち戦負け戦を問わず、大小様々な紛争や内戦に投入されている。

*各種改修によるバリエーション(主なもののみ)
&font(big,b){○Ye-4からYe-6}
各種試作機。バージョンアップに従い段階的に改修が施され、実戦投入可能なように性能を高めていった。
Ye-6の2号機は60年頃に主翼端への空対空ミサイル搭載試験機に改装されている。

&font(big,b){○MiG-21F}
30mm機関砲2門とロケット弾投射用ラックを装備する初期型。59年に初飛行し、同年秋から60年半ばまでに99機が生産された。
一部機体はカナード装備試験機に改修された後、新型ミサイル(当時)の搭載試験に用いられた。

&font(big,b){○MiG-21F-13}
本格生産初期型。エンジンを換装されたほか、R-3Sミサイルを運用可能とした代償に機首左舷の機関砲を削減している。
各種試験への改装機を含め、606機が生産された。

&font(big,b){○MiG-21P、PF、PFS}
全天候レーダーを搭載した迎撃戦闘機(ソ連内での全天候戦闘機の分類区分)のナンバリング。
P型は生産されなかったが、PFとPFSは一定期数生産され、一部は東ドイツに輸出され、SPSのナンバーを与えられた。
PFへの改修時点で、重量増の代償として固定武装の機関砲は全撤去されている。
アフターバーナー改良などの高機動化や重量増に対応するための離着陸性能強化などが施されている。

&font(big,b){○Mig-21PFM}
初期MiG-21シリーズの決定版にして主要生産型。外見上は垂直尾翼が大型化した程度だが、レーダーの更新により多くのミサイル搭載能力を与えられている。
また、機関砲も胴体外部装着型のガンポッドとして復活した。
北ベトナム空軍に供与され、ベトナム戦争で米軍相手に暴れまわったのがコイツ。

&font(big,b){○MiG-21R}
PFM型と同時期に開発された戦術偵察機型。胴体内への機材追加できる余裕がなかったため主翼にパイロンを増設、偵察ポッドを懸架する。
ポッドにはいくつか種類があって、通常の写真偵察タイプや電子タイプ、照明弾を備えた夜間偵察タイプなどがある。
他には機体背面(コクピット後方)にある膨らみ(燃料タンク)を尾翼直前まで延長している。
輸出型としてRF型が別途開発されたが、結局R型のほうが輸出機数が多かったりする。

&font(big,b){○MiG-21S、SM、SMT、ST}
R型に準じた仕様の機体にレーダーとエンジンの換装を行った戦闘機型。
シリーズ内で最多生産されたとされるSM型ではガンポッドを廃し、機材更新で再度機関砲が内蔵可能になった。
SMTでは航続距離延長のために背部燃料タンクを拡大したが、重心バランスが後部へ移動して安定性を損ない、失敗作扱いされている。
そこから背部燃料タンクを後述するbis仕様に改修したのがST型。

&font(big,b){○MiG-21M、MF}
SM型の輸出仕様。エンジンとレーダーがダウングレードされたモンキーモデル。
MFでは規制解除にともなってSMと同等の能力となっている。
冷戦終結後に多くは退役したが、bis仕様非採用国では後継機種選定まで長らく主力として運用された。
その他のbis採用国では戦闘爆撃機や偵察機として運用されていた。

&font(big,b){○MiG-21bis}
ソ連における最終生産型。エンジンが強化され、機体設計の見直しと合理化で軽量化されている。
レーダーはSM相当だが、ソフトウェアの更新でルックダウン能力強化を図った。
背部燃料タンクも段階的な後付ではなく、機体設計に融合する形で新設計されている。
武装の新規更新で火力も強化されており、MF型同様に各国で現役空軍機として運用されている。
エースコンバットシリーズで主に自機として使用可能なのはコイツ。

&font(big,b){○MiG-21-93}
ソ連崩壊後にミグが開発した近代化改修機。小型高性能化した新型レーダーへの更新でミサイル運用能力を大幅に向上させている。
また、レーダー警報受信機やより高性能な慣性航法装置搭載など、各所に改良が施されている。
ただしエンジンはbisのまま。
エスコンの最新シリーズでbisの代わりに登場することも。


この他にも試験機や採用国で改修された各種バリエーションがダース規模で存在するため、ぶっちゃけ筆者だけでは書ききれない。
と言うか全部書いたら項目が埋まる。
傾向としては、コクピット改修による操縦性向上や、電子機器更新による戦闘能力向上を目論むものが多いようだ。

*創作への登場
自分で操作したいのであればエスコンシリーズが最も手堅いだろう。あるいはエアロダンシングシリーズという手もないではない。
軍事・戦略タイプのシミュゲーに関して筆者はあまり詳しくないので、その辺は他のアニヲタ諸氏の加筆修正にお任せする。




追記・修正は同志スターリンに忠誠を捧げた同志アニヲタがお願いします。

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