プロレスの星 アステカイザー

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プロレスの星 アステカイザー - (2017/11/06 (月) 23:01:05) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2017/11/06 (曜日) 23:00:00
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&font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます

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『プロレスの星 アステカイザー』とは、1976年に放送された円谷プロ制作の特撮番組である。

【特徴】
原作:ダイナミックプロ×協力:新日本プロレス×制作:円谷プロという、カオスな組み合わせによって誕生した作品。
タイトルの通りプロレスがテーマとなっており、悪の格闘士軍団ブラック・ミストに兄を殺された若きプロレスラー
鷹羽俊がアステカイザーへと変身し、ブラックミストに立ち向かうストーリーとなっている。
新日本プロレスが全面協力しているだけあって、アントニオ猪木、ジョージ高野、佐山聡、山本小鉄といったレスラーが多数出演しており
プロレスファン必見である。また特撮シーンも、プロレスらしいアクションをふんだんに取り入れられており、なかなか見応えがある。

だが、本作の最大の特徴はなんといっても「カイザー・イン」であろう。

カイザー・インとは、戦闘中アステカイザーが「カイザー・イン!」と叫ぶことにより、戦闘シーンが実写からアニメに切り替わるのだ。
カイザー・イン状態になると、敵のサイボーグ格闘士たちは腕をドリルのように回転させる、上半身と下半身が分離する
丸まって球体になるなど、実写モードではしてこなかった多彩な攻撃を仕掛けてくる。
恐らく、実写では困難なアクションを取り入れることでバトルに迫力を出したかったのだろうが、
あまりにも作画が酷いせいで迫力があるというより、荒唐無稽なだけある。
同じく特撮+アニメのコンセプトで、同時期に制作・放送された恐竜探険隊ボーンフリーは作画が安定してるのに・・・

カイザー・インのインパクトの他、ツッコミ所の多いストーリー、サタン・デモン濃すぎるキャラクター性などから
一部ではカルト的な人気を誇る。廉価版のDVDも発売されているので、一度ご覧になってはいかがだろうか。

【登場人物】
◆東都プロレス

・鷹羽 俊(たかば しゅん)
主人公。将来を有望視されていた東都プロレスの若手レスラーだったが、兄の大二郎が
ブラック・ミストの刺客、鮮血のヘルによってリング上で殺害された事により、ショックで引退。
その後速水博士と出会い、彼の元で1年間の修行を積み、アステカイザーの戦いに身を投じる事となる。
普段は東都プロレスに出入りしているが、当然自分がアステカイザーの正体である事は隠しているため、
先輩たちからは、兄を殺されたにも関わらず、仇を討とうともせずブラブラしている臆病者と思われている。
主人公なのだが、アステカイザーに変身するという事以外個性がなく、空気気味。
まぁ、サタン・デモンのキャラが濃すぎるせいもあるのだが。

・アステカイザー
俊が速水博士の開発したファイティングスーツを装着し、変身した姿。
変身する際には研究所にあるトンネルを通る必要があり、その度に戻る必要がある。面倒くさい。
額には古代アステカ帝国の秘宝であるアステカの星が付けられており、これがアステカイザーのエネルギー源となっている。
エネルギーが残り少なくなると点滅し、ランプが消えるとファイティングスーツが身体に悪影響を及ぼし、死に至る。
アステカイザーは特撮ヒーローで4ありながら、ウルトラマンのスペシウム光線や、仮面ライダーのライダーキックのような
フィニッシュフォールド(必殺技)を持っていない。プロレスラーとしてもどうかと思うぞ、それ。
一応、トドメを刺す際には「カイザー・クラッシュ!」と叫びながら攻撃するが、その際出す技は毎回変わる。

アステカイザーの能力

カイザー・クラッシュ
アステカイザーの(一応)必殺技。毎回繰り出す技は変わる。

カイザー・スペシャル
アステカイザーの最終奥義。のハズなのだが、最終決戦では使われず、25話で一度使われたのみ。
しかもフィニッシュでもなんでもない、ただの攻撃。さんざん最強を強調しておいてこの扱いって・・・

カイザー・イン
本作の目玉。戦闘がアニメに切り替わる。
上記のようにこの状態ではサイボーグ格闘士たちは多彩な攻撃を仕掛けてくるが、アステカイザーの攻撃には特に変化がない。
それってかえって不利になってるんじゃ・・・
ちなみに、カイザー・インするとどういう効果があるのか、何の意味があるのかなどは、&big(){&color(red){劇中一切説明されない。}}

・ジョー神崎(ジョー かんざき)
俊の先輩で東都プロレスのエース。アステカイザーと戦う事を夢見ている。

・山川 五郎(やまかわ ごろう)
俊と同期のレスラーだが、未だに見習いでデビューできていない。
だがサタン・ソルジャー程度ならタイマンで倒すだけの実力はある。

・ストロング・リキ
神崎の先輩レスラー。第1話で鮮血のヘルに敗北し、その怪我が原因で引退。
その後、第8話で顔も見せずに置手紙を残して故郷に帰った。


◆俊の協力者

・速水博士(はやみはかせ)
アステカイザーの開発者。以前からブラック・ミストを危険視しており
彼らに対抗すべく、アステカ文明の遺跡から秘宝・アステカの星を持ち帰り、
それをエネルギー源とするファイティングスーツ、アステカイザーを開発した。
優秀な科学者であると同時に、大のプロレスファンでもある。
第24話はアステカイザーのピンチを救うべく、アステカイザーの専用マシンである
マッハビート号を操縦し、駆けつけたこともある。
白衣でヒゲのおっさんが痛バイクを乗り回す姿は非常にシュール。
それにしても、アステカの星って勝手に遺跡から持ち帰ったんですか?
それならブラック・ミストが怒るのも当然なんじゃ・・・

・ゴリキング
速水博士が開発したロボットで、俊のスパーリング相手。
右腕の武装は取り換え可能であり、敵のサイボーグ格闘士と類似した武装をすることで
戦闘の際のシミュレーションをしている。後半からは人語を話すようになる。

・坂田記者(さかた きしゃ)
毎朝新聞社の記者で、スポーツ記事を担当している。
アステカイザーや東都プロレスを支援すべく、ブラック・ミストの秘密を探っているが
逆にサタン・デモンに脅されてアステカイザーをおびき出すための記事を書かせられるなど、いいようにコキ使われている。
彼とデモンのコントさながらのやりとりは、本作の魅力のひとつとなっている。
主役サイドでありながら、敵の幹部にコキ使われるレギュラーというのも他作品ではなかなか見られない立ち位置である。
演じるのは円谷プロ作品をはじめ、数多くの特撮にゲスト出演している大泉滉氏。

・源さん(げんさん)
東都プロレスの近所にあるラーメン屋「ファイター軒」の店主で、よくジムに出前にやってくる。
元は東都プロレス所属のレスラー「ファイター源」だったが、実力がなかったため引退した。
五郎と絡む事が多い。

◆ブラック・ミスト
プロレスのみならず、全格闘技界制圧を企む悪の格闘集団。
その野望のため、手にした者に伝説の英雄アズテクーザーの力を与える秘宝、アステカの星の入手、
およびその邪魔となるアステカイザーの抹殺が目的。

・サタン・デモン
ブラック・ミストの幹部を務める、やたらテンションが高いおっさん。
アステカイザーの正体は知らないが、俊と速水博士が怪しい事には薄々気づいており、二人の命を執拗に狙う。
悪役でありながら妙に紳士的な一面もあり、自分の親がアステカイザー
だと勘違いしていた少年が事実を知り、泣きじゃくっていた際には、同情するような素振りを見せた事もある。
ある意味、本作の主役とも言えるほどの存在感を放ち、特に最終2話においては完全にラスボス兼主人公である。

以下ネタバレ
#region
最後のサイボーグ格闘士、ギャリソン・スネークが倒され、後がなくなったサタン・デモン。
首領ルアーは彼に対し死刑を宣告するが、サタン・デモンはアステカイザーを倒すまでは死ねないと主張する。
彼にとって、もはやアステカイザーは単なる「障害」としての存在を超えた「宿敵」となっていたのだ。
そんな彼の態度に激怒するルアーに対し、サタン・デモンは

「もはや私は、あんたの家来ではない!」
「こうなれば、あんたも敵だ!」

と宣言し、ルアーの下を離反。
アステカイザーに最後の決戦を挑むべく、速水博士の息子・太助と娘・かおるを襲撃し、正体を聞き出そうとする。
一方、ブラック・ミストのアジトに乗り込み、ルアーを倒したアステカイザー、神崎と合流した速水博士らは
太助とかおるを救出するため、そしてサタン・デモンと決着をつけるため、伊良湖へと向かう。

かくして伊良湖へと到着したアステカイザー。アステカイザーとサタン・デモンの最後の戦いが始まった。
サタン一族に伝わる呪いの剣と盾を装備し、猛然と襲い掛かるサタン・デモン。
かつてない強敵に追い詰められるアステカイザーだったが、一瞬の隙を突き、アステカの星を投げつけるという奇策で
サタン・デモンの額を貫き、辛うじて勝利する。
己の額に手を当て、結果的にとはいえ、一時的にとはいえ、悲願であったアステカの星を手にしたサタン・デモン。
悲願を達成した事で緊張の糸が切れたのか、がっくりと膝をつくサタン・デモン。
その顔色はもはや死人のそれであった。
最後の気力を振り絞り、サタン・デモンはアステカイザー問う。

「アステカイザー・・・お前は・・・お前は・・・」

その問いにアステカイザーは答える。

「サタン・デモン。俺は、お前のためにリングで殺された鷹羽大二郎の弟、鷹羽俊だ!」

その答えを聞き、満足げな高笑いと共に倒れ込み、力尽きるサタン・デモン。
最期にその胸に去来した想いは何だったのか。
自分が殺した男の弟が、一人前の戦士に成長した喜びか。
敗れたとはいえ、宿敵と戦って散ってゆける満足感か。それとも・・・
#endregion

・サイボーグ格闘士
サタン・デモンが率いる本作の怪人枠。全部で13体いる。
人語を話すことはなく、怪獣のような叫び声を上げる。
ほとんどが2話に渡って登場し、1話目で倒され、2話目で強化されて復活する。

・サタン・ソルジャー
ブラック・ミストの戦闘員。サタン・デモンの霊能術で操られる殺人部隊。
アステカイザーや、その正体である俊に勝てないのは仕方ない。
神崎や五郎といったレスラー達に負けるのもまだ分かる。
しかし、まったくの一般人である坂田、さらにはバットを持っただけの小学生にすら負けるのはどういう事か。
戦闘員が弱いのは当たり前だが、ここまで弱いのも珍しい。

・ルアー
ブラック・ミストの首領。その正体は劇中では明言されていないが、言動から察するに古代アステカ文明の一族の末裔と思われる。
壁画のような巨大な顔面の画から声を発し、サタン・デモンに指令を出す。
俊はおろか速水博士ですらその存在を知らず、サタン・デモンが首領だと思い込んでいた。
と、こう書くといかにも大物らしく感じるかも知れないが、実際の扱いはかなり悪い。
最終回、サタン・デモンを探してアステカイザーがアジトに乗り込んできた事で初めて顔を合わせる。
「貴様は何者だ!」というアステカイザーの質問に答えず
「死ねぇ!」と叫びながら剣を投げつけるが、逆に投げ返され顔面に直撃。絶叫と共に爆死した。
一切名乗らなかったため、俊はルアーが首領である事はおろか、彼の名前すら知る事はなかった。
他にここまで扱いが悪い首領は『[[電磁戦隊メガレンジャー]]』のジャビウスⅠ世ぐらいなものだろう。

【漫画版】
原作・永井豪、作画・石川賢の漫画版が存在する。
タイトルは『アステカイザー』。『プロレスの星』は付かない。
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