SCP-743

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SCP-743 - (2018/10/16 (火) 20:09:34) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2018/10/16 (火曜日) 19:00:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約6分で読めます

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#center(){&font(b,i,brown){ムシは出来ない。甘くはない。収容の手間も「チョコっと面倒」どころじゃない。}}



SCP-743は、海外のシェアワールド「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]](SCiP)の一つ。
項目名は『A Chocolate Fountain(チョコレート・ファウンテン)』
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は&bold(){Keter}。


*概要
SCP-743は項目名の通り、ステンレス製のチョコレートファウンテンである。高さは約1m、結構でかい。
土台には「Sephra(実在する会社名。チョコレートファウンテンを専門に制作している。)」という文字がエッチングされているが、この会社との関連性は不明。
常に新品のようにピカピカで、傷一つ付いていない。

バイキングとかに行ったことがある人ならチョコレートファウンテンを知ってるだろうが、念のため説明すると、
溶けたチョコレートを噴水みたいに流す装置である。流れるチョコに果物とかを付けてチョコレートフォンデュにして食べる。美味い。
まあこいつはオブジェクトだし、普通に使うなんて当然無理。まさか食べたら死ぬなんて甘い理由でKeterになってる訳がないだろう。&font(l){チョコだけn[[□≡>SCP-504]]}

こいつは完全に組み立てられたとき、以下のような異常性を段階的に示す。「じゃあ組み立てなきゃ良いんだからSafeじゃん」というツッコミはちょっと待って。
なお、本記事では段階ごとに数字が割り振られているが、常にその順番で進行するとは限らないのでここでは書かない。

-&font(#994c00){休止状態}
普段はこの状態。見かけには異常は見られない。

-&font(#994c00){流動状態}
こいつの頂上部から茶色のチョコレートみたいな液体が流れ出す。この液体は高品質のダークチョコレートにそっくりで、化学組成もほとんど同じ。
特に香りがものすごく良いらしく、たくさん食べた人は幸福感を感じる。ちなみに液体がどこから来ているのかは不明。

-&font(#994c00){摂食状態}
743の近くに何らかの有機物がある場合、この状態に移行する。&bold(){ここからがこいつの本領発揮である。}
こいつの上部から&bold(){茶色いアリみたいな節足動物がおびただしい勢いで流れ出てくる。}食品衛生法もクソもあったもんじゃねぇ。
アリたちは周囲の有機物に片っ端から群がり、普通のアリと同様にそれらを噛み取って743の中に戻っていく。
獲物は動物、植物、菌類、綿、紙や布製品など非常に多岐に渡るが、なかでも&bold(){生きた人間を最も好む。}&font(l){やっぱりな。}
更には、さっきのチョコレートみたいな液体を食べた奴を優先的に狙うというおまけ付き。
「つってもたかがアリだろ?大して運べないんじゃないの?」と思うかもしれないが、こいつらは毎回数百万単位で現れる上、実に&bold(){100km以上もの距離を往復するため、}
放っとけば辺り一帯ぺんぺん草も生えない荒れ地と化す。こんな禍々しいアリの行列はおそらく他にないだろう。

-&font(#994c00){狩猟状態}
&bold(){たぶん一番危険度の高い状態。}有機物をすぐに手に入れられない時に発現する。
さっきのアリとは異なるいろんな種類の節足動物が湧き出してくる。出てくる虫どもの一部は既知の種類と似ているが、それ以外は見たこともない謎の姿をしている。
虫どもは種類ごとに異なる役割を持っており、大体下記の三つに分けることができる。
-羽を持ち空を飛ぶハエみたいな虫。直接攻撃してくることはないが、周囲の観察と調査、斥候としての役割を持っている。いわば743の目である。
-ほとんどの物質に穴を開けられるカミキリムシみたいな虫。集団で押し寄せることで厚い壁でも容易にぶち抜く。
-獲物を狩ることに特化した昆虫と蜘蛛の集団。一番厄介なのがこいつ。逃げようとする動物を追い詰め、一斉に襲いかかることでぶち殺す。
&bold(){743がKeterなのはだいたいこの状態のせいである。}特に二番目と三番目の虫が収容の大きな障害となっている。


「こんなのどうやって収容すんだよ。ていうかもう破壊した方が良くない?」とGOC的な考えを持ってる人もいるかもしれない。実際743には破壊計画が存在する。
所詮ただのステンレスだし、破壊する方法なんていくらでも・・・とはいかない。こいつにはもう一つ、面倒極まりない状態があるからだ。
-&font(#994c00){維持状態}
743を傷つけたり、分解したりすると発現する状態。
分解されているにも関わらず743は液体を出し始め、上記の連中とも更に異なる、新たな節足動物を放出する。
こいつらは743のへこみや傷、欠けを修復したり、分解されたときはそれを組み立て直すことまでできる。
おまけに743を守るために戦うため、こいつらが出てきた時点で743に近づくことすら難しくなる。
加えて743は、自身の位置を自由に変えることができる。

まとめるとSCP-743は&bold(){「チョコレートファウンテンの見た目をした移動性のアリ塚」}である。ここまでくるとむしろ移動要塞と言って良いかもしれない。
一応、虫どもの耐久性は普通の虫に毛が生えた程度であり、単体なら割と簡単に殺すことができる。
まあ743はこれらの虫を&bold(){数十億単位}で生み出せる上、こいつらと単独で遭遇することなんてまずあり得ないが。
ちなみにそれぞれの状態が重複するのかは不明である。Keterだし多分重複するだろうけど。

**ある博士の提案
さて、ではこのクソ面倒なオブジェクトをどうやって収容するかだが、もちろん普通に封じ込めるのは不可能である。
それならこいつが狩猟状態にならないよう、定期的に餌を与えておとなしくさせるのが一番適切だろう。
ところがこいつは報告書には書かれていないが、どうやら動物とか植物とかを与えても満足しないらしい。
じゃあ何を与えようか・・・・・・&bold(){ん?}

#blockquote(){その性質のため、SCP-743の能力の源を探る調査はまるで芳しくない。誰も食べられること無くそれに近づくことはできず、我々の装置は現れる虫ケラによって2、3分かそこらでみじん切りにされるし、中身を見たとしても褐色しか見えないからだ。加えて、我々の知る限り最速の気相分析装置よりも素早く、液体は蒸発してしまう。我々が知っている唯一の事と言ったら、743がとても危険ということだけだ。我々は743の虫どもの流れが際限なく押し寄せることを知っている。本気を出したなら、我々の収容方法を破ることが可能だと、私は思っている。743は見たところ生きた人間を食わせることでおとなしくなるようだ。&bold(){どうせ解雇されるD-クラスの一部を与えるべきだと、私は提案する。一石二鳥だ} - ランバート博士}

#blockquote(){提案「チョコレートによる死刑」O5-■■承認}

そんなわけで現在の収容プロトコルがこちら。
-150cm×75cm×75cmの容器に収容するよ。
-センサを使って容器内部を監視してね。何かあったらすぐ報告してね。
-24人のDクラス専用の住居を収容区域に建てるよ。
-いつも住居に24人ぴったりいるようにしてね。減ったら補充してね。
-2日おきにDクラスを743の収容室に入れるよ。容器は遠隔操作で開けてね。
-もし収容違反が起きたら24人全員を743と接触させてね。
・・・まさしく最後の晩餐、もとい最期の晩餐である。
いくら何でも一年で180人以上Dクラスを消費するのはどうかとも思うが、逆に言えばこれくらいしないと743を収容することはできないということなのだろう。
実際このプロトコルを続けるのは無理があるらしく、O5の許可が出次第こいつは破壊される予定である。
[[&color(whitesmoke){メタ的に言えば、このSCPが執筆された頃はまだ「解雇=終了」というカノンが主流だったからというのもあるかもしれない。}>ネタバレ]]




#center(){&font(b,i,brown){この甘ったるい幸福感が自らの労働に対する褒美ではないと気付くまで、そう時間は要らなかった。}}



#region(ちなみに)
皆大好きクソトカゲこと、[[SCP-682]]「不死身の爬虫類」の終了実験記録にもこいつは登場している。内容は以下の通り。
+743の入った箱が682の試験室へ入れられる。箱は遠隔操作で開けられる。
+682は特に興味を示さず。数分後、743が流動状態へ移行。
+682が743へ近づき、液体を味見する。その後、&bold(){743を前足でつかんでがぶ飲みし始める。}しばらくして682の体に何かすごいことが起きたらしい。
+743が摂食状態へ移行し、アリの群れが湧き出す。682はそれと戦おうとするが、数の暴力で押し切られ、体を削られ始める。
+肉体が元の8割ほどになったところで、682は突如&bold(){アリクイみたいな長い舌}を出し、群がるアリを絡め取って食べ始める。
+その後数時間にわたって682と743は互いを捕食しようとし続けた。これ以上はヤバいと言うことで実験終了。
実験終了後、682は数日間再生能力が上昇したが、しばらくして元に戻った。&font(l){682が甘党だったのかはともかく、}743の液体には回復力を上昇させる効果もあるのではという仮説が立てられた。
後、743が682を有機物と見なすことが判明した。&font(l){生物であることすら疑われる辺りさすがクソトカゲである。}
#endregion




追記、修正はチョコレートフォンデュを食べながらお願いします。
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#right(){
CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-743 - A Chocolate Fountain
by Quikngruvn
http://www.scp-wiki.net/scp-743
http://ja.scp-wiki.net/scp-743

Experiment Log T-98816-OC108/682
by Dr Gears
http://www.scp-wiki.net/experiment-log-t-98816-oc108-682
http://ja.scp-wiki.net/experiment-log-t-98816-oc108-682

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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 結局、何故組み立てないでおく事ができんの? 「維持状態」のせいでもはや分解不可能という事?  -- 名無しさん  (2018-10-16 19:05:40)
- ↑分解しようとすると例の虫が出てくるからってことでしょ  -- 名無しさん  (2018-10-16 19:07:05)
- あれ、これの記事今まで出来てなかったのか?前にも見たことあるような気がするんだが……  -- 名無しさん  (2018-10-16 19:56:43)
- ↑景気のいいケーキとごっちゃになってない?  -- 名無しさん  (2018-10-16 20:04:24)
- ↑いや、多分それはないと思う。「虫湧いてくるチョコレートファウンテンとか……しかもエグい」みたいなこと思いながら見てた記憶ある。もしかしたら似たようなサイトで見た解説をここで見たと勘違いしてるだけかもしれんが  -- 名無しさん  (2018-10-16 20:09:34)
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