G4Uとアイマスと

G4Uは異質である。


自覚の有無を問わず、このように感じるファンは少なからず存在するのではないでしょうか。
かく言う筆者も「??」と違和感を覚えたファンの1人であり、また中には「AVと同等」と断じる手厳しいファンの姿も。(注・AVはアダルトビデオの略称。私以外にも知らなかった人がいるかもなので念の為…)

なぜ違和感を覚えるファンがいるのか。単純に2本編や先入観の問題もあるでしょうが、本会では『アイマス』という面からこれを探っていく事とします。



1. なぜ異質に映るのか

かねてよりアイマスには、L4Uとしておなじみのファンディスク・ライブフォーユーの存在がありました。
応援モードはともかくとしても、やってる事は実質L4UもG4Uもさして変わりがないんですよね。

プレイヤーが特別Pになって、ライブというアイドルのお仕事を撮影・鑑賞・演出する。
プレイヤーがカメラマンになって、グラビア撮影という以下同文。


まあ、グラビア撮影を「アイマスのアイドルのお仕事」として言い切ってしまうのも乱暴ですが、Eランク写真撮影など、本業ではなく副業という扱いながらお仕事の範疇に入ってくる事は確かです。


…さて、違和感を感じなかったというファンの方も、「G4UはL4Uと同じ」と言われると、ちょっと疑念が首をもたげてくるのでは ?

似たような物でありながら、感覚的にイコールで結べない。
それは何故なのか。



さくっと結論から述べてしまうと、


ライブはアイマス。

グラビアはアイマスじゃない。


ファンがそういう認識でいるから。
それだけのお話です。



2. なぜそう感じるのか


『理由の理由』を見て行きましょう。


グラビア撮影もアイドルのお仕事の圏内です。
現にコミュもありました。
L4Uとやってる事自体は変わりません。

にも関わらず、どうしてG4Uにはアイマスを見出せない…、
アイマスらしくない、アイマスじゃない、アイマスという認識が出来ないと感じ得るのか。


考えてみればカンタンな話。

L4Uは「アイマス」の延長線上にあった。
しかし、G4Uにはそのつながりがない。


「アイマス」を「無印」と言い換えてもわかりやすいかもしれません。
G4Uは無印とはおろか、アイマス-2との連続性もないから、突然湧き出た異質なものに見える。そういう寸法でしょう。



3. どこでそう感じるのか


それは、グラビア撮影がアイマスになかったものだから。
ライブとはそこが決定的に違う。

ライブ…、すなわちTV出演シーンの鑑賞は、アーケード版より存在していたアイドルマスターの一部。
これなくしてはアイマスを語れない、つまりはアイマスを形作る本分が一です。
その鑑賞ソフトであるL4Uはゆえに本編と密接な関係を持ち、だからこそ無印の延長……アイマスの本分がそこに存在している、本分と等しいと感じさせるものでした。


そこがG4Uとの差。
システムこそL4Uと似通った部分がありますが、その性質はまるで異なります。
つまり、アイマスの本分がそこに無いと思える事へ繋がり、異物感を生む要因となっていると推測されます。


当たり前かもしれませんが、「アイドルマスター」を「アイドルマスター」と感じさせるのは、「アイドルマスター」という名前ではなく「アイドルマスターの本体・本分がそこにあるかどうか」なんですよね。


良い言い方をすれば、「今までのアイマスになかった新風」とも言えるでしょうが、
ただ無神経・無思慮に新しい物をぶち込んでも、賛否が割れたり難色を示すファンが生じたり、必ずしも良い結果に繋がる訳ではないという事、以前の経験から学べるはずなのですけどね。

しかもタイミングが最悪。
本会みたいなのが今も蠢いている通り、アイマス2本編の内容はマイナス2。
ただでさえ本分が欠落しているというのに、それを更に上塗りする形となってしまい、よりアイマスらしさが希薄に。
更にG4UはPS3専用ソフト。箱マス2とは全くもって一体何だったのかという事で余計な悪印象。

これらの要因は否定的な見方に相乗効果をかける形となっています。
もちろん、本編がしっかりと「アイマス」だったのならば、派生としての位置付けで許容範囲もまだ広かったハズですし、それはそれで楽しめます。
しかし、それがない状態での新たな試みはおこがましい、と言う外ありません(これはアニメと共通の問題)。



4. なにが問題なのか

1つは紛れも無くアイマス2本編本分軽視にありますが、それは今までも口をすっぱくして言ってきたので、今回は最大の問題点であるもう1つの方を。


アイマスのキャラを使うだけの展開。


これはG4U以外にも言えますが、

最近の展開って、「アイマス」じゃないんですよね。
「アイマスのキャラを使っているだけ」なんですよね。


「アイマスの本分」を含んでいたL4Uは「アイマス」とイコールで繋げて認識する事が出来る。
しかし、それが存在しないG4Uは「アイマス」じゃない。そう感じられる。
いわば「看板に偽りあり」単に「アイマスのキャラクターを登場させておけばアイマスになる」なんて考えでいるようなら、大間違いですよ ?


5. まとめ


撮影・鑑賞するだけのシステム。
キャラクターを使うだけの展開。

結局、「だけ」ではアイマスらしくはなりません。
ライブにしたって同じ事であり、単にステージシーンだけがアイマスらしさを出している訳ではなく、
もろもろその他要素と絡み合って、初めてアイマスの本分と結び付くものでしょう。


キャラクターは必要な最低条件であり、そこをクリアしただけで満足してしまうからただのギャルゲーになる。

それまで構築してきた世界観が「アイマスらしさ」という物であるのに、それにそぐわない要素を突然ポンと放り込むから異物に見える。


G4Uと似たようなギャルゲーなら、他にもあるんじゃないの ?
アイドルマスターは、「キャラだけ違ってやってる事同じ」みたいなゲームじゃなかったと我々は記憶していますが。

あとさ、撮影シーンをどうにかしよう。
これじゃあホントにただのギャルゲーだから。もう疑う余地がないくらいに完璧に。



アイドルマスターは、商品としてのアイドルを育成するだけで終わるゲームではありません。

人間としての彼女達を育て、輝かせるゲーム。


グラビア撮影にアイマスのキャラを使うのではなく、
キャラクターそしてアイマスの魅力を高めるためにグラビア撮影を使うべきだったでしょう。



女の子は感情を持たないお仕事のための道具やロボットではありません。
どうして現開発って、アイドルさん達を道具として使役する形の方策ばかりなんでしょうね~…。



6. どうすればいいのか

ではアイマスの魅力をより高めるためのグラビアモードって何よ ?
ついでなので、Howとしてその一例を示しておきましょう。イシマス2 & G4Uより面白いと言えると思われ…。



『アイマスにグラビア撮影モードを入れます !! 』

このような案があった時。
上記理由を考慮した上での最適戦略は、


アイドルマスター2の新要素として組み込む事。


前述のように、グラビア撮影はアイマスとの連続性がない、それ単体ではアイマスの本分を持たないものです。
単純にグラビア撮影モードを作っただけではアイマスらしさの欠如した、キャラを使っているだけの『ただのギャルゲー』になってしまう…。

…だったら、あらかじめその繋がりを作って連続性を生み出しておくまでの事。

そこに本分がないのなら、先に本分と繋ぐ形を取ればいい。
初めからアイマス2に組み込んでおけば堂々の新要素であり、ほら世界観も広げていける。
メインはあくまで「アイマス」であり、グラビアはその中の1つの要素に過ぎない。その主張も明確に出来ますしね。本分を見失う事もアイマスがグラビアに吞まれる事もない。


G4Uモードとして単体で組み込むのも手ですが、それじゃあ「単に使っているだけ」という面は解決出来ず。
よりキャラの魅力を高めるためにどう組み込むべきか。


無印の営業には、営業でありながらステージシーンを伴う「祭典」という特殊な営業がありましたね。
はい、応用。


すなわち、営業の1つとして、例えば「グラビアのお仕事」とか言ってスケジュールに表示。
コミュパート+フォトが撮影・保存出来るという営業にすればいいじゃない(本編に繰り入れるなら、ステージがあるので動画は不要か)。予算不足でプロデューサー兼カメラマンになるとか妥当な理由もおまけで付けてさ。

あるいはレッスンの要素も絡めて、一定のノルマや評価を課した撮影ミニゲームにするか。
その結果次第でファンやマニーの獲得数、フォトの撮影枚数、思い出の獲得量などを変えるなりしてさ。追加レッスン風要素もアリ。


例えば、カメラマンを退散させる程の鋭い視線 & 心の底から嫌そうな顔の如月さんを、直前のコミュパートでなだめすかし、その選択肢次第で撮影難度が変わる、また悪い選択肢でなければ撮れない表情(「くっ…」)やポーズを入れてバリエーション・やり込み要素を作り出すのも良いでしょう。



また、「お仕事」という面だけでなく、通常の営業と同様にそのアイドルさんの女の子としての一面や個性も盛り込むのも大事。
人間としてアイドルさん達の魅力はアイマスの大きな独自性であり魅力、「アイマスらしさ」の1つですよ、石原サン。

アイドルとして「だけ」の魅力を出すのでは不十分。
失礼を承知で極端な言い方をしてしまうと、お仕事のために悩殺ポーズ取るのとかって、それこそAVとも大した違いはないわけであって。


キャラらしさを(性格改変なく)出せれば、
「あからさまに狙いました」みたいないやらしさを軽減するという意味も持たせられるでしょうし、個人個人の性格をより深く描写する事も可能です。
同じ悩殺ポーズを取らせるにしても、例えば星井さんとかあずささんはその性格を生かせば軽減しやすいと思われ。

例 :恥じらいに恥じらう大赤面あずささんを撮れる営業を序盤に、次にDランクくらい、
最後(Aランク相当)は「プロデューサーさん、…どうですか~ ?」と、自身の運命の人と信じてやまない人を軽~く誘惑するかのようなポーズ取ってくれるとか。
一部筆者の妄想が混濁しておりますが、低ランクでしか撮れない表情の写真や、高ランクでしか取ってくれないポーズなどがある、という風にして信頼関係の変動や、前作のようなランクアップ感を表せるだろう、という事。



個別でそれぞれ半端に出すよりは、明らかにこっちの方が販売戦略としても内容としても適切でしょう…。
アイマス2の新要素・グラビアフォーユーモードとしてセールスポイントにもなり、
しかも他の営業にもこれを応用して……なんて出来れば理想(もちろんまずはキャラありきですがねっ)。



やり様も考え様も、少し考えるだけでいくらだって出てくる。

「娘」だ「愛している」だ「輝かせたい」って言うのなら、
悩殺ポーズさせて喜んでる場合じゃなくて、もっと本当に彼女達のためになる行動を取るべきじゃないのか ?

イシハラマスターさん、アナタのお仕事ってゲームを作る事であって、特典を作る事じゃなかったですよね ?



7. ユーザーに媚びない ?

ファンやアニマスの錦織氏などが述べているように、石原ら現アイマス公式は「ユーザーに媚びない」というのが定説……

…とされていますけれど、それは誤りかと。

だって、物凄くユーザーに媚びているし、ユーザーに媚びさせている。
そういう展開がG4UやPS3不完全版で、今まさに行なわれていますもの。


  • 7-1. ユーザーに「媚びている」
ゲームの出来に自信を持たず・持てず、ゲーム以外の特典や不評だった部分の付け焼き刃的対応をメインに打ち出し肝心の内容をおざなりにして、さらには広告や宣伝に頼りなんとかユーザーに買ってもらおうとする。


これをユーザーに媚びていると言わずして、何と言う ?


搦手を使わず、自信を持って芯の確かな内容のゲームを正々堂々と売り出し、売上を出す。
それが媚びないという事。それこそ「おもしろいからついてこい」と言っても大丈夫なくらいのものなら、宣伝が甘くても特典が乏しくても十分に結果は出せる(無印)。ユーザーニーズに則した作品をクリエイトする事は、媚でも何でもない。

媚びなくちゃ売れない作品を作ってしまったのが元凶ですけれど、それにしたってまだ箱マス2の時の方がまだマシだったでしょう。
悪い意味でですが、開発陣はアイマス2の出来に自信を持っている口ぶりでしたし(10月の坂上答弁ですら、ね…)、媚びて売るようなマネは例の店舗別特典商法くらいのもの。今回の不完全版ほど露骨ではありません。なんか箱2の特典釣りがかわいく見えてきた…。


厳しいようですが、事実としてそうも見えるのは確か。
付け焼き刃でも対応ないよりマシって思う方もいらっしゃるかもしれませんが、問題点は道義であり、また対応も改善もないですから。箱マス2…。


  • 7-2. ユーザーに「媚びさせている」
誰が誰を ? などと、今更あえて言う必要もありませんがあえて言うと、
「親を名乗る公式開発陣が、娘として愛しているというアイドル達を。」です。

典型例についても今更あ(中略)、このページで扱ったG4U。及びアイグラ。


アイドルさん達に、悩殺ポーズやらアピールポーズを取らせて、それを見て楽しむソフト。
それを「ゴシップ誌や週刊誌の類を意識しました」的な、低俗極まる文言と構成と共に載せた冊子。


本会のこのページの一番最後のここまで来る方は、G4Uやアイグラとは無縁のP生活中の方が多いと思いますが、
機会があったら(筆者は借りて試しました)、見てびっくりするのも一興かもしれません。

どうしたらアイマスがこんなにも只のギャルゲーになるのか…。どこへ行こうとしているんだ、と空恐ろしい気分にさせられるでしょう。
これはもう、違うゲーム。文字通り世界が違う。


開発が。ユーザーが。

好きなアイドルをカメラに向かって媚びさせる事を楽しむゲーム。


彼女達のプロ意識が逆に泣ける。
そんなに頑張らなくていいから。もっとこう、ガチガチでもいいです。
その方が自然体であり(~Dランク)、媚びているようにも見えませんから。わざわざ頬まで染めないで…。



かくの如き、ユーザーに媚びた販売戦略の上にユーザーに媚びさせる内容・展開のG4U以下数種。

軽率に媚を売るアイドルさんは見ていて痛々しく、人間としての彼女達を好きであればある程、また独占欲が強ければ強い程、
「あれはお仕事であり真の彼女の姿ではない。それのみを目にして全てを知った気で語る連中など目も当てられぬ。我は知っている。そして我の求める姿形はそこに無い。と言うか顔以外同じのロボットだし………ぐふっ」

と、自分を慰める術を用意しておくのが賢明かと思われます(体験者・談)。


いや、グラビア撮影モードをアイマスに入れるのが駄目ってワケじゃなく、ゲーム内に組み込んだ方が良かったじゃない前述のように。って意味なんですけれどね…。
G4Uはやはり、最善を見据えた展開ではないと断じられそうです。
最終更新:2011年11月15日 16:25
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