タッチ

概要

『週刊少年サンデー』(小学館)にて、1981年36号から1986年50号まで連載されたあだち充による日本の少年野球漫画作品。作者自身が青春系野球路線に舵を切る転換期でもあり、2004年12月時点でのコミックス総売上は1億部を突破し、あだち充にとって最大のヒット作を保持している。

作風と死概念

甲子園を時間背景にし、高校野球を題材に双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染の浅倉南の三角関係の積み重ねによる淡い青春と苦い悲劇が展開される。こうした経緯には、『週刊少年サンデー』本刊での連載が決まった際に作者が手掛けた『ナイン』や『みゆき』の路線を本作に踏襲した後、今回もタイトルに意味をこじつけで展開構築するが、過去作でも例の無い前代未聞の内容で小学館編集部から強硬反対と足止めが提示された。

本作は上杉兄弟が幼馴染で初恋の浅倉南を巡り、高校野球による兄弟の恋愛勝負...という王道系とは無縁で想像も出来ず、主人公は連載当初から双子の兄・達也である。弟・和也は準主人公ながら舞台装置として主人公を心身を成長させる為に作られたキャラであり、連載前の構想段階で彼は物語序幕で死亡する運命が決まってたのある。弟・和也の初恋・南(恋愛思いは達也のみ)との約束(甲子園で日本一取る夢)を兄・達也(“タッチ”)が引き継ぎ(バトン“タッチ”)し、そこで本格的に野球物語が開幕するのだ。最初から南が達也(主人公)を恋し、最初から達也(兄)に主人公役を奪われ、自分だけ恋心が進展できない事も、最初から死亡前提で作られた運命であり、作者と担当の気分で作られ悲劇的展開で殺される可哀想なキャラだろう。が、彼の序盤退場は読者に衝撃を与え、本作が一躍有名な野球漫画の代表作として大出世する機会を与え、編集部とは真逆の話題性と評判の記録にびっくり仰天。

本作は和也の事故死で主人公・達也が野球少年として立ち上がり、幼馴染兼両片思い・南との交際が進展し、明青学園野球部の野球物語も本格的始動する働きである。唐突すぎる退場に鬱症状を発症するリスクも背負うので、苦手な方向けに続編の『MIX』(現在も連載中)をお勧めする。弟の遺志を投球する『タッチ』、兄弟が明青学園野球部の名門復活に魂を燃やす『MIX』(現在も連載中)のどちらに手を取るかは君次第。

死亡キャラ

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最終更新:2025年02月15日 19:54
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