BLEACH
概要
週刊少年ジャンプ』(集英社)にて2001年36・37合併号から2016年38号まで連載された久保帯人による漫画作品。現時点で全世界累計発行部数は1億3000万部を突破している。主人公は、
悦次郎中谷一角(卍解)。
作風と死概念
「死神代行者」になった主人公「黒崎一護」が仲間と共に人間界と尸魂界を守るべく、『虚(ホロウ)』『滅却師(クインシー)』などの敵と戦っていくオカルトアクション漫画。
本作は『赤マルジャンプ』2001 WINTERに掲載された久保の読切漫画が読者アンケートにおいて1位を獲得し、満場一致で『週刊少年ジャンプ』の連載会議を通過した事で再構築された物である。久保曰く、「先にキャラクター設定を練ってから、漫画を描きながらその場のノリで話作るんだ」との事であり、主に作画の迫力、演出や台詞回しの巧みさ及びオシャレ要素でスタイリッシュである。しかし、作者公言で展開構成が苦手な事もあり、杜撰な展開が茶飯事、味方の切り札が通じず余裕綽々敗北、強者感漂う難敵があっけなく敗死等、ジャンプ漫画の悪癖たるパワーインフレを指摘されがち。好き嫌いが分かれる芸術系作品だが、物語面を除けば、どんでん返しのギミック、敵味方問わず愛嬌深いキャラの人格、作者自身の「デザイン性あふれる世界観や画面構成、卓越した画力によるアクションの見せ方」という特技を最大限魅力として引き出し、読者に慣れと展開に期待感を与え、独特の中毒性を発揮させる。まさに一流品の芸術作品としてはジャンプ王道の先を征く名作漫画だ。
上記の作風による影響なのか、後述する千年血戦篇以前の味方陣営の死者が出ず、寧ろ敵陣営の死者が組織壊滅レベルで偏る。その大半が物語の舞台装置として呆気なく敗死したり、味方陣営の人気キャラの引き立て役として敗死したり、不人気キャラは死亡過程を描かずに画面外でいつの間にか敗死する。作者のキャラ扱いが露骨に出ており、破面(アランカル)の十刃(エスパーダ)が主人公の一護及び護廷十三隊の隊長達に完敗し、ドラマも描かれず雑処理された際には破面(アランカル)のボスである藍染惣右介(以下:藍染)による引き立て役の印象が強く、流石の読者も痺れを切らし、主人公と護廷十三隊にヘイトが向き、界隈抗争と炎上を招いた。尚、常に死亡フラグが漂う藍染は敗北しながらも作者の寵愛で何度も生き延びており、やはり敵陣営は作者の待遇で生死が決まってしまうのだ。抗議の声が目立った事なのか、千年血戦篇で
雀部副隊長の殉死を境に、味方陣営も死傷者続出の急展開を迎えた。が、味方陣営の人気キャラすらも必要性とドラマを絡めずに退場する事例すら出た為、芸術性の破綻及びスタイリッシュを打ち消した矛盾と後付けで違和感を招き、人気低迷。晩年、考察界隈を盛り上げた重要な伏線の大半すら回収されず、ひっそりと幕引きした。急転直下の路線変更に死概念が追い付けず、山々の違和感を引き起こし、肝心の芸術性を失い終えた事はとても残念な気持ちだが、アニメ版「千年血戦篇」のアニオリ補完を通して、優秀の美を飾る事を心よりお祈りする。
死亡キャラ一覧
死神代行篇(1巻 - 8巻)
破面篇(21巻 - 48巻)
死神代行消失篇(49巻 - 54巻)
千年血戦篇(55巻 - 74巻)
最終更新:2025年04月23日 13:46