概要

修羅の門に登場するキャラクター。
かつてはブラジルのヴァーリ・トゥードと呼ばれる試合で戦うグラシエーロ柔術の使い手だったが、試合中に対戦相手の首を折って殺害してしまったことをきっかけに戦士を引退し、その後ファベェーラと呼ばれる貧民街で神父となって身寄りのない子供に柔術を教えながら静かに暮らしていた。
そんな折にレオンのもとを主人公 陸奥九十九が訪れ、九十九から唐突に試合を申し込まれる。レオンは格闘者としての気持ちの高ぶりを感じつつも九十九との対戦を拒むが、グラシエーロ柔術が陸奥を上回っていることを証明したいと考えたレオンの祖父からも九十九が参戦するヴァーリ・トゥードへの出場を促される。これもレオンは拒否したものの、祖父が優勝者には高額な賞金が出るということを伝えると、(表向きは)「貧しい子供たちのため」という名目であっさりと出場を決意した。
非常に心優しい性格をしているが、その一方で「悪魔(ディアーボ)」と呼ばれる、自らの技で相手を殺害したいという裏の顔を持っており、彼が一度は戦士を引退したのは彼自身がこの衝動を抑えるためであった。
また、面倒を見ている子供たちには非常に優しい反面、戦いの場に立つ相手に対しては容赦がなく、本気で立ち向かってきている相手を「戦いの勘を取り戻すための練習相手」とみなして関節技をわざと外すなどの舐めプをおこなった。

最期

ヴァーリ・トゥードの決勝戦にて陸奥九十九と対戦。
レオンが殺人衝動を持っていることを見抜いていた九十九はそれを引き出すためにあれこれと挑発を繰り返し、貧民街の子供たちが観戦に来ているため平静を装っていたレオンも九十九という特上の相手に心に火が付き、心の中の「悪魔」を解放する。
九十九を上回る組み技の技術によって九十九を追い詰め、かつて対戦相手を殺害した「首折り」を仕掛けるが、死の淵に追い込まれた九十九が繰り出した「四門・玄武」を食らってしまう。
頸椎に致命傷を負って「悪魔」を九十九に倒されたレオンは、それでも「貧民街の子供たちのために戦う神父」として立ち上がって戦い、最後は九十九に頭部を蹴られて死亡した。

その後

保護者代わりだった神父を失ってしまった貧民街の子供たちのもとへヴァーリ・トゥードの賞金を持った九十九が訪れ、「レオンが命を賭けて得ようとした金だ。欲しければ戦って勝ち取ってみろ」と挑発する。
レオンを最も慕っていたリーダー格の少女が九十九に戦いを挑み九十九に顔面を蹴り飛ばされるが、それでも泣きながら立ち向かおうとする姿を見た九十九は「戦うということは恐怖から逃げないということだ」と伝え、賞金を置いて立ち去った。

反応

この一連のエピソードは第一門の最終巻に収録されており、この巻には作者のあとがきがある。
曰く、一部の読者から「レオンをなぜ死なせる必要があったのだ」という批判の意見があったとのこと。
端的に言えばレオンが死んだ理由(すなわち、瀕死の重傷を負っているにも関わらず立ち上がって戦った理由)は「自分の命よりも勝利(=貧民街の子供たち)が大事だったから」であり、仮にレオンが生存して病院のベッドで目を覚まし自分が敗北したことを知った場合、どれだけ後悔するか知れなかったためにレオンは死ぬまで戦った…ということである。
修羅の門のページにも記した「活人拳へのアンチテーゼ」という本作のコンセプトは、このあとがきにて記されている。
この批判を受けて作者のモチベーションがかなり低下したらしく、他の理由もあるだろうが「第弐門」の執筆には約14年もの長い間が空くこととなる。

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最終更新:2025年05月13日 16:52