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ちっぽけな僕は繰り返す

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「……り、リーゼロッテ……不死身の魔女だって……? 俄かには信じ難いよ……」

「ああ、オレも直接は見てないけど、危険な奴らしいんだ」

中島殺害後、永沢は城ヶ崎と共に南下することとした。その行動に特に理由などなく、ただ何処へでも良く、逃げたかったからだ。
その道中、息を荒げて誰かを探すような素振りをしていた少年、サトシと遭遇した。
身構えた永沢だが、サトシの様子を見るに殺し合いに乗った様子はない。
だが、中島殺害がバレるのを危惧し、避けてやり過ごそうと思ったが、先にサトシに気付かれてしまい、そのまま接触せざるを得なかった。

(何だよそれ……僕の優勝なんて、最初から……不可能じゃないか……)

結果的には、それは正解だったのかもしれない。サトシの話ではこの近辺に、人を爪で引き裂き、不死身のような恐ろしい存在が居るとの事だった。
普段なら笑い飛ばして、皮肉の一つでも言っていたのだろうが、そんな事が出来る精神状態ではない事に加え、乃亜の死者蘇生を目の当たりにしたことで認識を改めざるを得なかった。
むしろ、今までが本当に運が良くて、そんなリーゼロッテ以外にも、人を平気で食らうような化け物とニアミスしていたのかもしれない。
そう考えるだけで、恐ろしくなってくる。

「あと、羽蛾って奴には気を付けてくれ……もし、会ったら信用はしない方が良いと思う。……多分、殺し合いには乗ってないけど」

「……でも、支給品を奪われたんですよね?」

城ヶ崎にしてみれば、サトシの口から語られた羽蛾の印象は最悪だった。内心では、中島を撃った自分も変わらないと思ってもいたが。
その為、羽蛾に対する警戒は呼びかけても、何処かで庇う素振りもサトシに煮え切れないでいた。

「あいつは……」

羽蛾がデュエルモンスターズを語る姿を思い返した。
今にして思えば、あの人当たりの良い態度は全部嘘だったのだろう。でも、デュエルに対する思いだけは真摯で、とても楽しそうだった。
サトシにデュエルの話を聞かせたあの瞬間だけは、絶対嘘ではなかったのだとサトシは信じている。
ただ、その真摯さが時として歪んだ形になってしまうことを、サトシは今までの旅の中で何度か見てきたこともある。
勝つ為に必死で、ポケモンとの絆を蔑ろにしてきたトレーナーだって何人も見てきた。
けど、彼ら全員が最初から非道ではなかった筈だ。きっと最初はポケモンが好きだった筈だ。

羽蛾もきっと同じだ。
負けることの辛さを、サトシは良く知っていた。だから、羽蛾のあの勝利への歪な執念の気持ちも、分からなくはなかった。
ただ違うのは、常にチャレンジャーで在り続けられるサトシと違い、羽蛾は称号に拘り続けてしまう事なのかもしれない。

それに羽蛾の言うように、チャンピオンとしての自覚も薄かったのかもしれない。

「悪い奴だけど……殺しまでは、しないと思う」

サトシも言っていて、自問した。あいつ、必要とあらば手を染めるんじゃないかと。

そもそもの話が、羽蛾がチャンピオンになった後、ファンの少年からレアカードを巻き上げる等の行為や不正行為の連発で、ヘイトを集めたのが落ちぶれた原因の一つだ。
むしろ、エクゾディアのカードを捨てたにしろ、武藤遊戯との王国での一戦はかなりの接戦であり、彼が後のデュエルキングになる事を考えれば、不正さえなければあの遊戯と渡り合った伝説のデュエリストとして名を馳せていたかもしれない。
後に、迷宮兄弟が遊戯とデュエルをして、善戦したというだけでデュエルアカデミアに招かれ、伝説扱いされているのだから、むしろ遊戯との敗戦は恥ではなく、名誉の一戦になった可能性もあるのだ。
もしかしたら十数年後、デュエルキングを目指すE・HERO使いの少年にラッキーカードと称して、ゴキボールを渡す未来も在りえたのかもしれない。

いずれにしろ、羽蛾の顛末はほぼ全て自業自得であるが、サトシはそこまでの事情は知らなかった。
だから、サトシの中で完全な悪人認定するのは、躊躇われた。それに知ってても、やはり人を殺めると断言もしなかっただろう。



「そう、ですか……」

普段の永沢と城ヶ崎なら、間違いなく言及し危険人物だろうと強く主張するだろうが、今の二人にそこまでの大義名分もない。

「二人とも、もう少し歩けるか? 羽蛾の言っていたリーゼロッテとかいうのが、この辺に居るかもしれない。
 ここから出来る限り離れようと思うんだけど、二人ともオレと来ないか?」

「そうだね。僕達もそうさせて貰うよ……」

「う、うん……そう、しましょう」

「よし……そうだ、良ければでいいんだけど、支給品を教えて貰ってもいいか? 万が一の時、それで戦えるかもしれない。
 ……羽蛾の話の後だから、嫌ならいいんだけど……そうだ、オレの支給品はこのカードだ」

ブラック・マジシャン・ガールのカードに関して、召喚して戦わせる事が出来ると二人に説明した。
それを聞いて、少し間を置いた後、城ヶ崎が自分のランドセルに手を入れた。

「あの、このボール……サトシさんの言う、ポケモンに使うモンスターボールかもって思うんですけど……私、上手く分からないから、サトシさんにあげます」

「お……おい、城ヶ崎、何やってるんだきみは!?」

サトシより先に永沢が声を荒げた。

「ああ……それはきみのだし、オレにもカードがあるから……」
「そうだぞ、城ヶ崎……その、君だって自分の身を守った方が良いじゃないか」
「良いの。これ、サトシさんが持ってて下さい」

城ヶ崎は、半ば押し付けるようにボールを、サトシに手渡した。

(何だろう……この娘、なんか……自分の事を蔑ろにしてるような……)

「そうだ、それから……私、あともう一つ……」

「サトシ君、早く行こう!! 僕達、ここに来る前に眼鏡の人が殺されるところを見たんだ! 
 その殺した奴、顔色が悪くて、唇が紫で歳の割に身長が高い奴だった……僕が見たのに気づいて追いかけてくるかも! 
 だから早く逃げよう!!」

「そ、そうね……凄い怖い顔した、女の子だったわ……!」

「……なんか、変な特徴の奴だな……それに……死体を見てたなんて、さっきは聞いてないぜ?」

この二人の焦り方、焦っているのは間違いないが、何かその焦り方に違和感を覚えた。
殺人者に見られて、逃げないといけないと永沢は主張するが、急な話であり、お人好しのサトシからしても、疑わしく見える。
流石に羽蛾の一件もあったことから、サトシも少しは懲りたのだろう。
この事はもっと追求した方が良いかもしれない。
そう考えて、口を開いたその時、手元のボールが滑って落ちる。地面に当たり数回バウンドして、そこからポケモンが一匹飛び出してきた。

「ピカピー!」

「ピカチュウ!?」

普段見慣れた相棒の姿が飛び込んできた。
黄色い体に黒の模様、雷マークのような尻尾に赤い頬、ネズミのようなそのフォルムは紛れもないピカチュウの姿だ。


「ピカチュウまで、こんなとこに……」

「ピカチユピカっ!チユ ピカピッカピカウカァ ピカピッカピカうチユ ピカピッカピカッ!? ピカピッカピカうゥ ピカピッカピカチュッ!
 ピカウピカカーチユ ピカピッカピカウう ピカチユッ!
 チュチユ ピカピッカピカウちゅ ピカピッカピカチュカァ ピカピッカピカウちゅ ピカピッカピカウピッカ ピカピッカピカチユカァ
 ピカピッカピカチユっ! ピカピッカピカチユゥ ピカピッカピカチユカァ ピカピッカピカ?ぴか ピカピッカピカピカピー ピカチュ!!チュピッカ ピカチュ!!ぴかッ!
 ピカピッカピカウう ピカウピッカチユチユ ピカピッカピカゥ!! ピカピッカピカウピッカ ピカピッカピカチユカァ」

ピカチュウは語る。
サトシが急に消えたので慌てて探し回っていたところ、緑髪のいけ好かない少年が現れたと思えば、急にボールを投げられ抵抗できないままゲットされてしまった事を。
殺し合いの状況は既に理解していて、自分は殺し合いの道具である支給品として参加者に配布される為に、ボールごとランドセルに入れられ支給されたのだと。

「……そうか、ごめんなピカチュウ……オレのせいで、きっと巻き込んでしまった」
「ピカピー! ピカ、ピカピカ……ピカチュウ……」
「ああ、分かってる……ピカチュウが居てくれるなら、百人力だぜ」

この時、ピカチュウとの再会に上書きされる形で、サトシは永沢に対する追求を失念してしまった。

「サトシ君、感動の再会は良いけど早く行こうよ!」
「そうだな……行くぜピカチュウ!」
「ピカ!!」

それに気づかないまま、サトシは急かされる形で出発する。

(なんとか、誤魔化せたね)

サトシの背中を見ながら、永沢はほっと溜息を吐いた。

「城ヶ崎……きみ、銃までサトシ君に渡す気だったろ?」

小声で、横に居る城ヶ崎に語り掛ける。
二人とサトシは距離が離れており、サトシが先導する形でピカチュウを肩に乗せ歩いていた。だから、多少話すだけならサトシには聞こえない。

「……私より、サトシさんの方が、持ってた方が良いわ」
「どうやって身を守る気なんだい? サトシ君が僕達に襲い掛かってきたら、こっちは戦えないじゃないか」
「そういう永沢こそ、急に藤木に……私が……殺した……あの人のこと……擦り付けようとして……私が女の子って言わなかったら、サトシさん信じてたわよ?」
「いや……あれは……きみが銃を渡そうとするから、話を逸らさなきゃいけなかったんだ」

あの時、何故、咄嗟に藤木茂の特徴が浮かび、それを口にしたのか永沢本人にも分からなかった。

「やっぱり……本当の事……言って……。
 それに……藤木を巻き込むなんて……それじゃあ、本当に卑怯者じゃない。今更かも、しれないけど」

「……ああ、僕は卑怯者さ……」

クラスメイトに人を殺させた。これ以上の卑怯者はいないと、最早自負すらしていた。

だから、殺し合いに乗りはしない。
ただ、卑怯者らしく生き延び、最後には城ヶ崎を何とか生還させると決意した。その為にはいくらでも卑怯になると。
別に永沢は城ヶ崎に好意はない。これは事実で、永沢の好みではない。本来の未来における、中学生以降の永沢を見れば分かるが、彼は城ヶ崎より、野口笑子に好意を抱く。
なんなら、「H・J」という名前でチョコを渡された時、ヒデじいと勘違いし、満更でもない顔をするような男だ。

そんな彼だが、それでも城ヶ崎に引き金を引かせた責任は取らなければならないと、強い使命感に駆られていた。

悪いのは全て自分だ。あの眼鏡の少年を殺したのも自分なのだ。城ヶ崎姫子は何も悪くなく、乃亜の悪辣な殺し合いと永沢の身勝手な行いの被害者に過ぎない。
だから、自分はどうなってもいいが、城ヶ崎だけは何としてでも生還させなくてはならない。

(精々、守ってくれよ……サトシ君……頼むよ)

自分達よりも場慣れしているであろうサトシを見て、それは懇願にも似た思いを抱きながら、永沢はサトシを見つめた。




【C-5/1日目/深夜】


【永沢君男@ちびまる子ちゃん】
[状態]健康、城ヶ崎に人を殺させた事への罪悪感と後悔(極大)
[装備]ジャイアンのバッド@ドラえもん
[道具]基本支給品、ランダム支給品2~0
[思考・状況]基本方針:手段を択ばず城ヶ崎を生還させる
1:サトシを利用させてもらう。
2:リーゼロッテを始めとする化け物みたいな参加者を警戒する。
[備考]
※アニメ版二期以降の参戦です。


【城ヶ崎姫子@ちびまる子ちゃん】
[状態]健康、中島を殺した事へのショック(極大)
[装備]ベレッタ81@現実
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]基本方針:自分より、他人を優先する。
1:……。
[備考]
※アニメ版二期以降の参戦です。
※中島殺害の罪悪感で、自分の優先順位が下がっています。


【サトシ@アニメポケットモンスター】
[状態]:負傷(中)
[装備]:サトシのピカチュウ@アニメポケットモンスター、ブラック・マジシャン・ガール@ 遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、タブレット@コンペLSロワ
[思考・状況]基本方針:対主催として乃亜をぶん殴る
0:永沢達と一緒にこの場を離れて、安全な場所まで移動する。
1:それでもオレは乃亜の企みを阻止して、ポケモンマスターを目指す!
2:リーゼロッテに注意する
3:羽蛾に対する複雑な感情、人を殺すことはないと思いたい。
4:永沢達、少し変だよな……。
5:ピカチュウが巻き込まれたのは複雑だけど……頼もしいぜ。
[備考]
※アニメ最終話後からの参戦です。
※デュエルモンスターズについて大まかに知りました。
※羽蛾との会話から自分とは違う世界があることを知りました。
※羽蛾からリーゼロッテのオカルト(脅威)について把握しました。
※永沢達から、中島(名前は知らない)の殺害者について、藤木の特徴をした女の子だと聞かされました。

※サトシのピカチュウのZワザ、キョダイマックスはそれぞれ一度の使用で12時間使用不可(どちらにせよ、両方とも必要なアイテムがないので現在は使用不可)。
 それと、殺し合いという状況を理解しています。


【支給品紹介】
【サトシのピカチュウ@アニメポケットモンスター】
日本一有名なネズミ。
現在使える技は以下の通り。

「10まんボルト」「でんこうせっか」「アイアンテール」「エレキネット」

Zワザ、キョダイマックスはそれぞれ一度の使用で12時間使用不可。
更にそれぞれの必要アイテムがなければ発動できないものとする。



014:この素晴らしき魔剣と契約を! 投下順に読む 016:臨時放送の意図を考察せよ
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068:(候補作採用話)「永沢、殺し合いに乗る」の巻 永沢君男 051:「藤木、友達を失くす」の巻
城ヶ崎姫子
007:表裏一体 サトシ

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