「傷は大丈夫か?」
「うん、肩もちゃんと動くし…ちょっと痛むけどさ」
「安静にはしとけよ。さっきよりは、マシになってると思うが……」
「うん、肩もちゃんと動くし…ちょっと痛むけどさ」
「安静にはしとけよ。さっきよりは、マシになってると思うが……」
場所はモチノキデパート。
奈良シカマルは的場梨沙と龍亞を連れて、長い時間を掛けながら禁止エリアから離れるために港近くの民家から移動していた。
他の参加者、特にマーダーに見つからないよう、慎重に気配を消して、戦闘の気配を感じれば迂回した。
元の目的地は病院だったが、聞こえる轟音などから断念し、第二の目的候補地であるモチノキデパートへとようやく到着する。
デパートだけあって、龍亞の傷の治療に使えそうな道具はある程度拝借できたのは幸いだ。
病院でしっかり医者にでも見せるべきなのだろうが、それでも最低限やれる限りの処置は行えただろう。
奈良シカマルは的場梨沙と龍亞を連れて、長い時間を掛けながら禁止エリアから離れるために港近くの民家から移動していた。
他の参加者、特にマーダーに見つからないよう、慎重に気配を消して、戦闘の気配を感じれば迂回した。
元の目的地は病院だったが、聞こえる轟音などから断念し、第二の目的候補地であるモチノキデパートへとようやく到着する。
デパートだけあって、龍亞の傷の治療に使えそうな道具はある程度拝借できたのは幸いだ。
病院でしっかり医者にでも見せるべきなのだろうが、それでも最低限やれる限りの処置は行えただろう。
「生きた心地…しなかったわね」
「まあな……」
「まあな……」
有馬かなを埋葬してから、メリュジーヌが引き返す可能性を考慮し、龍亞の傷の手当ても兼ねて三人の意見は場所の移動へと一致したが。
はっきり言えば、この三人の戦力はこの殺し合いの最低限のラインにすら到達していない。
メリュジーヌはまだしも、支給品の力を借りた藤木茂にすら若干追い込まれてしまうのが現状。
元よりシカマルは直接戦闘を得意としておらず、使用カードによっては瞬間最大戦力は龍亞になるかもしれないほど。梨沙は論外。
ここにいる面々には戦力が不足していた。マーダーに出会えば、例え藤木が相手でも苦戦は必須、龍亞のカードを使って倒せても、その次はない。
とにかく誰とも会わないよう、ゆっくりでも移動して、出来れば強力な対主催と合流したい。
モチノキデパートの様子から、ニアミスはあったようだが良くも悪くも他の参加者と顔を会わせなかったのは僥倖だった。
ただ戦力は依然変わらず、厳しい状況に変わりはないが。
はっきり言えば、この三人の戦力はこの殺し合いの最低限のラインにすら到達していない。
メリュジーヌはまだしも、支給品の力を借りた藤木茂にすら若干追い込まれてしまうのが現状。
元よりシカマルは直接戦闘を得意としておらず、使用カードによっては瞬間最大戦力は龍亞になるかもしれないほど。梨沙は論外。
ここにいる面々には戦力が不足していた。マーダーに出会えば、例え藤木が相手でも苦戦は必須、龍亞のカードを使って倒せても、その次はない。
とにかく誰とも会わないよう、ゆっくりでも移動して、出来れば強力な対主催と合流したい。
モチノキデパートの様子から、ニアミスはあったようだが良くも悪くも他の参加者と顔を会わせなかったのは僥倖だった。
ただ戦力は依然変わらず、厳しい状況に変わりはないが。
(これから、どうする……?)
シカマルにとってやはり優先すべきは戦力の確保だ。
メリュジーヌとブラックの時も、結局は強さがないから犠牲を出した。
首輪の解析も、この島の中を移動することすら命懸けでは、いつ着手出来るかわかったものじゃない。
ブラックに首輪解析の目途が立てば、協力するように約束を取り付けたが、それまでは奴はマーダーであり、信用も出来るとは言い難い。
それに龍亞にも、殺された山本勝次のことをどう説明するべきか。
メリュジーヌとブラックの時も、結局は強さがないから犠牲を出した。
首輪の解析も、この島の中を移動することすら命懸けでは、いつ着手出来るかわかったものじゃない。
ブラックに首輪解析の目途が立てば、協力するように約束を取り付けたが、それまでは奴はマーダーであり、信用も出来るとは言い難い。
それに龍亞にも、殺された山本勝次のことをどう説明するべきか。
(リスクはあるが、海馬コーポレーションまで行くか? 目に付く施設だ。参加者との接触率は上がる。
情報面でも俺らは不利だ。対主催と合流したいとこだが、マーダーと出くわすこともありうる)
情報面でも俺らは不利だ。対主催と合流したいとこだが、マーダーと出くわすこともありうる)
他にも、うずまきナルトとの合流を考えて、火影岩や終末の谷に向かうのもありだが。
砂漠の我愛羅と鉢合わせする可能性もある。
ナルトの安全を考えれば、先回りして我愛羅と鉢合わせる前にナルトを抑えておきたい。
下忍だが実力を付け成長しているナルトなら、正面切っての殴り合いなら、シカマルよりは遥かに強い上に、仲間としても安全を確認し同行したいのもある。
砂漠の我愛羅と鉢合わせする可能性もある。
ナルトの安全を考えれば、先回りして我愛羅と鉢合わせる前にナルトを抑えておきたい。
下忍だが実力を付け成長しているナルトなら、正面切っての殴り合いなら、シカマルよりは遥かに強い上に、仲間としても安全を確認し同行したいのもある。
「シカマル、俺ならもう平気だよ。
早く、何処かに行った方が良いんじゃないの? 俺達、誰とも出会えてないよ」
「私もそう思うわ。
……ここでじっとしていても」
早く、何処かに行った方が良いんじゃないの? 俺達、誰とも出会えてないよ」
「私もそう思うわ。
……ここでじっとしていても」
二人の言う事は最もだ。
じっとしていても、事態は好転しない。誰かが殺し合いを破綻させてくれるなら、それに越した事はないが。
だからといって、自分から何もしないで気付いた時には全てが手遅れになるのだけは避けたい。
じっとしていても、事態は好転しない。誰かが殺し合いを破綻させてくれるなら、それに越した事はないが。
だからといって、自分から何もしないで気付いた時には全てが手遅れになるのだけは避けたい。
「危険すぎる」
それはこの中で一番頭が冴えたシカマルも良く理解している。しているが、だからこそ誰よりも責任を感じ、全員の安全を優先することも考えている。
もう、かなや勝次のような犠牲者を出す訳にはいかない。
うちはサスケの奪還から、ここに来て計三回もシカマルはしくじっている。これ以上、自分の判断ミスで誰も犠牲にしたくない。
もう、かなや勝次のような犠牲者を出す訳にはいかない。
うちはサスケの奪還から、ここに来て計三回もシカマルはしくじっている。これ以上、自分の判断ミスで誰も犠牲にしたくない。
「危険って、アンタ……!」
消極的なシカマルに、梨沙は声を荒げた。
「状況分かってる訳!? もう30人位死んでるのよ! 私達だって、ここでボーとしててもいつ襲われるか分からないのよ!
早く、何とかしないと……」
早く、何とかしないと……」
「……俺達がマーダーに会えば、もう手の打ちようがねえんだよ」
「それは、だけど……」
「乃亜の野郎はゲームバランスをまるで考えてねえ。
マーダーのレベルが高すぎる。何か、最低限の自衛手段がないと───」
マーダーのレベルが高すぎる。何か、最低限の自衛手段がないと───」
「なんだ、まだこんなとこに居たのか」
背筋が凍った。
龍亞はポカンとして、梨沙も同じように唖然とする。だが、シカマルにとってその声は忌々しさすら覚える。
龍亞はポカンとして、梨沙も同じように唖然とする。だが、シカマルにとってその声は忌々しさすら覚える。
「そう離れてないとは思ったが、こんな場所でまだ道草食ってたとはな」
飄々とした態度で、音も気配もなく、青いコートをはためかせて。
馴れ馴れしく不遜で。シカマルに気安く語り掛けてくる。
馴れ馴れしく不遜で。シカマルに気安く語り掛けてくる。
「なんで……」
どうしてこのタイミングで、お前が来る。
「……ブラック」
約束の24時間にはまだ程遠い。
それに、何故灰原が居ない?
それに、何故灰原が居ない?
「アンタ、哀は……」
シカマルより先に梨沙が口を開いた。
「死んだよ」
「ッ……」
「お前……!」
考えていなかった訳ではない。シカマルにしてみれば、ブラックが灰原を生かす理由もない。
灰原当人も生きているのは、ブラックの気紛れだと言っていたぐらいだ。
マルフォイの処遇を巡って、ブラックが殺したことだってありえる。
灰原当人も生きているのは、ブラックの気紛れだと言っていたぐらいだ。
マルフォイの処遇を巡って、ブラックが殺したことだってありえる。
「さて、シカマル弁護士(せんせい)のお手並み拝見といこうか」
「ど、どういう意味よ。ちょっと」
「俺がどれだけ殺そうと、そっちの大先生は弁護してくれる。そういう契約だよ」
「はあ!?」
「ど、どういう意味よ。ちょっと」
「俺がどれだけ殺そうと、そっちの大先生は弁護してくれる。そういう契約だよ」
「はあ!?」
ブラックを仲間にする算段なのは、梨沙もシカマルから聞いていたが。
何人殺そうとシカマルがフォローするなんてことは初耳だ。
何人殺そうとシカマルがフォローするなんてことは初耳だ。
「シカマル、この人と何が……」
龍亞に限っては、そもそも仲間にすることすら聞いていない。
「……安心しろ。アイをやったのは俺じゃない。金髪のガキ、マルフォイとかいうのもな」
三人を一瞥して、小さく笑いながらブラックは話す。
「ただ、この様子じゃ…お前───俺が勝次を殺したこと、話してないだろ?」
口元は吊り上げていたが、目は笑っていない。
退屈そうに、期待外れだと言わんばかりに虚ろな瞳でシカマルを見つめている。
退屈そうに、期待外れだと言わんばかりに虚ろな瞳でシカマルを見つめている。
「勝次は…メリュジーヌに……」
シカマルが語った事と、ブラックの自白がかけ離れている。
龍亞は自分が嘘を吐かれたことに驚嘆していた。
しかも、見れば梨沙はそれには然程驚いていない。つまり、二人はその秘密を共有していた可能性が高い。
龍亞は自分が嘘を吐かれたことに驚嘆していた。
しかも、見れば梨沙はそれには然程驚いていない。つまり、二人はその秘密を共有していた可能性が高い。
「なんで、隠して…どうなってるんだよ! シカマル!!」
「違う。落ち着いて聞いてくれ。
こいつは……」
こいつは……」
最悪だった。
シカマルの当初のプランでは、ブラックを対主催に引き入れたうえで龍亞を説得する。
対主催転向後であれば、ブラックも龍亞を殺害に踏み切る可能性は低いだろう。そうリスクを軽減しての考えだ。
シカマルの当初のプランでは、ブラックを対主催に引き入れたうえで龍亞を説得する。
対主催転向後であれば、ブラックも龍亞を殺害に踏み切る可能性は低いだろう。そうリスクを軽減しての考えだ。
「ちゃんと話すつもりだったんだ。だけど……」
いくら何でも、どうしてブラックがこんな早くに戻ってくる?
考えていた計画が全て崩れた。
考えていた計画が全て崩れた。
「どうして、勝次が死ななきゃいけなかったんだよ!!」
勝次を守れなかった自分への怒りと、なんでそれを見殺しにしてしまったのかというシカマルと、人を殺めながら軽快に笑っているブラックへの問いだった。
「腕の見せ所だな。シカマル、俺を無罪放免にしてくれよ」
「なんで、人を殺してそんなこと平気で言えるんだよ!!
あいつが何か悪いことしたのかよ!」
あいつが何か悪いことしたのかよ!」
「待て、龍亞!」
「そんな奴、どうして庇うんだ!?」
ブラックはまだ対主催ではない。
怒りの矛先を向けた龍亞に寛大な処置などするはずがない。
怒りの矛先を向けた龍亞に寛大な処置などするはずがない。
「アイから頼まれたんだ。シカマル、お前を助けてやれってな?」
ブラックは意地悪く笑みを作ってシカマルを見る。
灰原とどんなやり取りをしたか分からないが、所詮はブラックの受け取り方次第だ。
灰原とどんなやり取りをしたか分からないが、所詮はブラックの受け取り方次第だ。
「首輪の解析も捗ってないようだし。一個サンプルを増やしといてやろうか」
「待ってくれ、ブラック…まだこいつは……」
「待つ? お前さ」
「待ってくれ、ブラック…まだこいつは……」
「待つ? お前さ」
───この数時間、何やってたんだ?
放たれたのは、失望が込められた声。
そうだ。何も解析に踏み切ることはできなくとも、もっと情報を集めるなり、三人でしっかり情報を共有するなりはできた。
それなのに、犠牲者を増やすのを恐れて、シカマルは何も動けなかった。
刻一刻とゲームオーバーが迫る中で、貴重な時間を無駄に費やした。
そうだ。何も解析に踏み切ることはできなくとも、もっと情報を集めるなり、三人でしっかり情報を共有するなりはできた。
それなのに、犠牲者を増やすのを恐れて、シカマルは何も動けなかった。
刻一刻とゲームオーバーが迫る中で、貴重な時間を無駄に費やした。
「くっ……!」
龍亞がカードを握る。
完全にブラックとは決裂し、そして殺されるだろう。そこまで予見しシカマルは身を乗り出してブラックを遮るように飛び出す。
一触即発、いつ誰が死んでもおかしくはない。
完全にブラックとは決裂し、そして殺されるだろう。そこまで予見しシカマルは身を乗り出してブラックを遮るように飛び出す。
一触即発、いつ誰が死んでもおかしくはない。
「全部、悪いのアンタじゃない!!」
梨沙の声がデパート内に響き渡る。
「?」
その瞬間、ブラックの顔面に何かが飛び込んできた。
巨大なカニパンのような頭に、肥満体系の少年の体をくっつけた奇怪な生き物の人形だった。
ハンディ・ハンディ様人形、第三弾。
何でも売っているモチノキ・デパートにハンディ様のグッズが並んでいたのは必然だったのだろう。
大量のハンディ様人形を抱えた梨沙が、それらを野球のピッチャーのようにブラックへと投げつけている。
巨大なカニパンのような頭に、肥満体系の少年の体をくっつけた奇怪な生き物の人形だった。
ハンディ・ハンディ様人形、第三弾。
何でも売っているモチノキ・デパートにハンディ様のグッズが並んでいたのは必然だったのだろう。
大量のハンディ様人形を抱えた梨沙が、それらを野球のピッチャーのようにブラックへと投げつけている。
「勝次殺して、何エラソーにしてるわけ?」
ポコポコとブラックにハンディ様人形が打ち付けられていく。
「ほんっとうにサイテーね! 乃亜に逆らうの怖くて、弱い者いじめしか出来ない癖に!
アンタなんか、藤木かそれ以下のクズよ!!」
アンタなんか、藤木かそれ以下のクズよ!!」
あいつ、何やってんだ!?
梨沙、ヤバいって!
梨沙、ヤバいって!
シカマルと龍亞は冷え上がるように背筋が凍る。
「そもそも何? 回りくどい喋り方して、カッコいいと思ってやってるのそれ?
チョーダサいわよ!! この卑怯者!!」
チョーダサいわよ!! この卑怯者!!」
「……」
何も言わず、ブラックは梨沙を眺めている。
言い過ぎた……私、死んだかも。
見た目だけでは何を考えているか分からなくて。これだけ言われて、何も言い返してこないのが本当に怖い。
梨沙とて、こんなこと言って相手を刺激するべきではない。そんなことは分かる。
でも、シカマルと龍亞が言い争って、ブラックが高みの見物を決め込んで悟ったような顔をするのは腹が立った。
全部悪いのは、こいつのせいなのに。
どうせ、落ち着けと言っても、きっとシカマルと龍亞の耳に入らないのは目に見えてる。それなら、自分が言ってやる。
梨沙とて、こんなこと言って相手を刺激するべきではない。そんなことは分かる。
でも、シカマルと龍亞が言い争って、ブラックが高みの見物を決め込んで悟ったような顔をするのは腹が立った。
全部悪いのは、こいつのせいなのに。
どうせ、落ち着けと言っても、きっとシカマルと龍亞の耳に入らないのは目に見えてる。それなら、自分が言ってやる。
「な、何見てるのよ! このヘンタイ!!」
怖い。今にも震えてしまいそうだ。
きっと、殺されてしまうかもしれないけど。
最後まで睨み付けてやる。
きっと、殺されてしまうかもしれないけど。
最後まで睨み付けてやる。
(ママ、パパ───)
梨沙は覚悟を決めて、逆にガンを飛ばす。
目力だけなら自分だって負ける気はしない。
目力だけなら自分だって負ける気はしない。
「梨沙に手を出すな」
梨沙の視界を龍亞の背中が遮る。
「首輪にするなら、俺だろ」
「別に。俺はどっちでも良いんだけどな。
ま、俺に文句あるなら何でも聞いてやるよ。どうする?」
ま、俺に文句あるなら何でも聞いてやるよ。どうする?」
「……ないよ」
拳を作って、思い切り握り込む。
龍亞は瞳を潤せながら、そう言い切った。
龍亞は瞳を潤せながら、そう言い切った。
「俺は梨沙と……シカマルを信じる」
怒りはある。付き合いは短いが勝次は良い奴だった。
こんな、ふざけた男に殺されて許せるわけがない。
こんな、ふざけた男に殺されて許せるわけがない。
『ただ、お前のデュエルは自分勝手すぎる』
梨沙がブラックに怒声を飛ばしてくれたことで、龍亞は冷静さを取り戻していた。
ここで怒りに任せて、あのブラックに挑むこと。
それは遊星にかつて咎められた、身勝手なデュエルと同じだ。
梨沙やシカマルを危険に晒してしまう。
それに、シカマルがブラックを味方に引き入れようとするのも、交渉の末の為なんじゃないか?
殺人の弁護だって、好きでやっているはずがない。
あの時は頭に血が上ってしまったが、勝次の死を偽ったのもブラックの危険さを知っていて、迂闊な真似が出来なかったからじゃないのか。
それは遊星にかつて咎められた、身勝手なデュエルと同じだ。
梨沙やシカマルを危険に晒してしまう。
それに、シカマルがブラックを味方に引き入れようとするのも、交渉の末の為なんじゃないか?
殺人の弁護だって、好きでやっているはずがない。
あの時は頭に血が上ってしまったが、勝次の死を偽ったのもブラックの危険さを知っていて、迂闊な真似が出来なかったからじゃないのか。
『俺がどう反撃するか読まず、独りよがりのデュエルをやっているようでは、キングへの道は遠いな』
あの時の遊星とのデュエルと同じだ。自分の使いたいカードだけを場に出し、満足するな。
盤面をしっかり見ろ。状況を見極めろ。
自分の事だけじゃなく、味方や相手の事も読むんだ。
シカマルは頭が良い、それに信用だってできる筈だ。本当に自分を裏切るような奴なら、メリュジーヌとの戦いで一緒に戦うなんて、そんなことしない。
一人でなら、シカマルならいくらでも逃げ出せたはずなんだ。
むしろ、シカマルともしかしたら死んだ勝次が説得を重ねて、ようやく掴んだ光明がこのブラックなんじゃないのか?
肩の傷だって、シカマルはしっかり手当してくれた。自分一人が生き延びるだけなら、龍亞も梨沙も見捨てれば良いのに。
そうだ。目に写る事だけに惑わされるな。
盤面をしっかり見ろ。状況を見極めろ。
自分の事だけじゃなく、味方や相手の事も読むんだ。
シカマルは頭が良い、それに信用だってできる筈だ。本当に自分を裏切るような奴なら、メリュジーヌとの戦いで一緒に戦うなんて、そんなことしない。
一人でなら、シカマルならいくらでも逃げ出せたはずなんだ。
むしろ、シカマルともしかしたら死んだ勝次が説得を重ねて、ようやく掴んだ光明がこのブラックなんじゃないのか?
肩の傷だって、シカマルはしっかり手当してくれた。自分一人が生き延びるだけなら、龍亞も梨沙も見捨てれば良いのに。
そうだ。目に写る事だけに惑わされるな。
「シカマルと梨沙がアンタと協力するなら……」
一度ブラックに食って掛かってしまった。だから、ここで殺されるかもしれない。
でも、自分がここで殺されても、その後にシカマル達が首輪の解析をしてブラックを味方に付ければ。
シカマル達が乃亜をきっと倒してくれる。
でも、自分がここで殺されても、その後にシカマル達が首輪の解析をしてブラックを味方に付ければ。
シカマル達が乃亜をきっと倒してくれる。
「俺がここで死んでも、希望は繋がるんだ!」
俺はもう傍観者なんかじゃないんだ!!
絶望の番人を前にして大事な仲間と、最悪の妹を命に代えても守り抜いた。
ここでも同じだ。一寸の希望であろうと、集いし願いが光差す道となることを龍亞は知っていた。
ここでも同じだ。一寸の希望であろうと、集いし願いが光差す道となることを龍亞は知っていた。
「後ろのマセガキの為に命張るのか? お前のコレでもないだろ」
「梨沙は一緒に戦った仲間だ。
それに、乃亜がこの殺し合いを成功させたら、今度は俺の妹だって巻き込まれるかもしれない」
「梨沙は一緒に戦った仲間だ。
それに、乃亜がこの殺し合いを成功させたら、今度は俺の妹だって巻き込まれるかもしれない」
例えこの島に居なくとも、乃亜にとって龍亞の双子の妹の龍可を、参加者の候補としているのは想像に難くない。
この殺し合いが一度で済むとも思えない。
この殺し合いが一度で済むとも思えない。
「龍可を守る為なら、俺は命だって懸ける!!」
「……ここはシスコンしかいねえのか?」
心底呆れた口調で。
(あれ、目の色……)
龍亞にはブラックの感情を現すように。
羨望するような、一瞬だけ瞳の色が変わったように見えた。
梨沙もシカマルも気付いた様子はない。
羨望するような、一瞬だけ瞳の色が変わったように見えた。
梨沙もシカマルも気付いた様子はない。
「……ブラック、そいつらに手を出したら。お前との契約はここまでだ」
「へえ? いいのか。俺を仲間にしたいのは、お前の方だろ」
「調子に乗るんじゃねえぞ」
先程と打って変わった強気な物言いに、ブラックも笑みを崩し些か驚嘆する。
「何なら、ここで俺らを皆殺しにでもして次に行きゃいい。だがな、困るのはお前だぜ?」
あの時は、勝次を殺された時は情報が不足していた。ブラックの次の一手を読み切るのが困難だった。
「お前のマーダーってスタンスを尊重したうえで、弁護までしてやる心の広い対主催が他に居りゃあ良いな?」
だが今は違う。奴は人格破綻者だ。人を殺す事を何とも思わない冷酷な殺人者だ。
しかし、奴にも優先順位はある。譲れない最優先事項が存在する。
しかし、奴にも優先順位はある。譲れない最優先事項が存在する。
『俺も、まだ見たいモンがあるからな。生きて帰らなくちゃいけないが、方法は何でもいい』
『───見てェものって、何だよ?』
『世界の終わり、かな?』
結果として勝次の死に繋がってしまった墓穴を掘る掛け合いではあったが、それは間違いなくブラックの根底にある目的だ。
その目的の為に、ブラックの行動は収束している。
その目的の為に、ブラックの行動は収束している。
「どれだけ本気で守ってたか知らねえが、お前は灰原を死なせた。これはお前も絶対無敵の存在でも何でもないって事の証明だ。
この島には、てめえを出し抜けるほど、強い奴が居るって事のな。
俺らは別に良いんだぜ? 強くて、もっと物分かりの良い別の奴と組めるならお前じゃなくても」
この島には、てめえを出し抜けるほど、強い奴が居るって事のな。
俺らは別に良いんだぜ? 強くて、もっと物分かりの良い別の奴と組めるならお前じゃなくても」
所詮殺人など、そこに至るまでの必要過程か暇潰しでしかない。
そう奴は、飄々としているようでその実、筋は一貫している。
そう奴は、飄々としているようでその実、筋は一貫している。
「断言しても良い。マーダーをやって乃亜に尻尾振りながら、都合がよくなりゃ俺ら側に回って飼い主の手を噛もうなんて蝙蝠。
許してやるのは俺らだけだ。別の対主催なら、確実に爪弾きだよ。土壇場でまた乃亜に尻尾振るような奴を、どうしたって信じられる?」
許してやるのは俺らだけだ。別の対主催なら、確実に爪弾きだよ。土壇場でまた乃亜に尻尾振るような奴を、どうしたって信じられる?」
結局のところ、この殺し合いに従うのは乃亜の言い分を信じることだ。こちらに何の承諾も得ず拉致し殺し合いを強要し、安全地帯で煽り散らす癪に晒す神様気取りの子供をだ。
ブラックも頭から信じてる訳ではないだろう。
だからこそ、シカマル達に可能性を感じれば協力してやると契約を結んだ。
逆に言えば、保険を掛けた。ブラックも選べるのであれば、乃亜の打倒の方を選びたい。
当然だ。他人の甘言より、自分の行動で願いを叶える方がずっと信じられる。
ブラックも頭から信じてる訳ではないだろう。
だからこそ、シカマル達に可能性を感じれば協力してやると契約を結んだ。
逆に言えば、保険を掛けた。ブラックも選べるのであれば、乃亜の打倒の方を選びたい。
当然だ。他人の甘言より、自分の行動で願いを叶える方がずっと信じられる。
「この恵まれた立場を自分からおじゃんにする程度の馬鹿なら、むしろこっちから願い下げだ。
その上で、もう一度良く考えろよ」
その上で、もう一度良く考えろよ」
ここまで言っていて、自分でも眩暈を覚えそうになった。
本当にブラックがこっちを切り捨てるかもしれない。そうなれば、太刀打ちなど出来ない。
だが、守りに入れば奴はこちらを平気で削る事を厭わない。
それなら、いっそ攻めに入る。
攻撃は最大の防御とは誰が言ったか。今だけは、そいつの言ったことを信じて、ブラックにジャブを利かせる。
本当にブラックがこっちを切り捨てるかもしれない。そうなれば、太刀打ちなど出来ない。
だが、守りに入れば奴はこちらを平気で削る事を厭わない。
それなら、いっそ攻めに入る。
攻撃は最大の防御とは誰が言ったか。今だけは、そいつの言ったことを信じて、ブラックにジャブを利かせる。
笑って自分の命をレイズする。
奴好みのやり方だ。
だが、恐らく効果は高い。
これは懇願ではなく、交渉であり取引なのだ。ブラックは客ではない。いくら強かろうが、乃亜に枷を嵌められた参加者だ。
同じゲームプレイヤーである以上、原則として対等でなければならない。
懇願では、ブラックの気紛れに振り回される。だから、対等な取引として奴にメリットとデメリットを叩きつけてやる。
これは懇願ではなく、交渉であり取引なのだ。ブラックは客ではない。いくら強かろうが、乃亜に枷を嵌められた参加者だ。
同じゲームプレイヤーである以上、原則として対等でなければならない。
懇願では、ブラックの気紛れに振り回される。だから、対等な取引として奴にメリットとデメリットを叩きつけてやる。
「それに、灰原が俺を助けろだって? いやあいつなら、奈良君”達”を助けろ。そう言うね。
達には、梨沙も龍亞も含まれてなきゃおかしいんだよ」
達には、梨沙も龍亞も含まれてなきゃおかしいんだよ」
あとは、あの頭脳明晰な灰原哀を信頼して、最後の駄目押しだ。
頼むからこれで納得しろ。
顔に張り付けた大胆不敵な笑顔の下で、全身を強張らせているのを悟られぬよう口調を強く、余裕を含ませるよう演出する。
その仮面の下で、神様仏様、閻魔大王でも何でもいいからこの祈りが届いてくれと、今までに無いくらいに祈りを捧げる。
もし、木の葉隠れの里に生きて帰れたら、きっとシカマルは真っ先に神社に賽銭を投げ込みに向かうことだろう。
頼むからこれで納得しろ。
顔に張り付けた大胆不敵な笑顔の下で、全身を強張らせているのを悟られぬよう口調を強く、余裕を含ませるよう演出する。
その仮面の下で、神様仏様、閻魔大王でも何でもいいからこの祈りが届いてくれと、今までに無いくらいに祈りを捧げる。
もし、木の葉隠れの里に生きて帰れたら、きっとシカマルは真っ先に神社に賽銭を投げ込みに向かうことだろう。
「……マーダーやってるのも、割と苦肉の策でさ。詐欺と分かっても、吊るされた餌に乗るしかない」
シカマルは印を組めるように身構える。龍亞もカードを握り、どんな動きも見逃さないように注視する。
それがかの13王の一人、絶望王に対しどれだけの意味を持つか。力量の差が分かっていない訳ではないが。
やれる限りの抵抗を諦めないのは、相応に修羅場を潜ってきた経験からだろう。
それがかの13王の一人、絶望王に対しどれだけの意味を持つか。力量の差が分かっていない訳ではないが。
やれる限りの抵抗を諦めないのは、相応に修羅場を潜ってきた経験からだろう。
「そうだな……乃亜を殺す算段が付いて、ハブられるのも困るよな。
けど、あいつからご褒美を貰うのも、やぶさかじゃない」
けど、あいつからご褒美を貰うのも、やぶさかじゃない」
どういう意味だ?
シカマルは焦慮に駆られていく。
ブラックの言い方から、その望みである世界の終わりは自分でも引き起こせるものであると判断していた。それだけの力は、多分あるのだろうと。
だが、まさか、乃亜に頼らねばならないような望みだというのか。
ブラックの言い方から、その望みである世界の終わりは自分でも引き起こせるものであると判断していた。それだけの力は、多分あるのだろうと。
だが、まさか、乃亜に頼らねばならないような望みだというのか。
読み違えた?
やはり妙だ。勝次を殺した時、ブラックは生きて帰れればどちらでも良いと言っていた。
飄々とした破綻者だが、頭が狂った馬鹿ではない。今にしてみれば、むしろ、目的には合理性を持って動く男に見えたが。
勝次の殺害もシカマルを試したのであれば、理由はある。本当にマーダーを抱え込む度量があるかどうか、奴の視点からすれば試したくなるのも不思議はない。
そんな奴がここに来て、乃亜の優勝特典に目が眩むだろうか?
人間の尺度で、ブラックを測るのが誤りか?
いや、そもそも……奴の思考に一貫性などないのか?
飄々とした破綻者だが、頭が狂った馬鹿ではない。今にしてみれば、むしろ、目的には合理性を持って動く男に見えたが。
勝次の殺害もシカマルを試したのであれば、理由はある。本当にマーダーを抱え込む度量があるかどうか、奴の視点からすれば試したくなるのも不思議はない。
そんな奴がここに来て、乃亜の優勝特典に目が眩むだろうか?
人間の尺度で、ブラックを測るのが誤りか?
いや、そもそも……奴の思考に一貫性などないのか?
「ま、俺に人望がないのは、よく分かったよ。顔を見せただけでこのバカ騒ぎだ。
他の連中と揉めるのも、手間だしな。ああ、今はお前の言い分に従ってやる。アイの願いもお前のいう通りだ」
他の連中と揉めるのも、手間だしな。ああ、今はお前の言い分に従ってやる。アイの願いもお前のいう通りだ」
「……」
外見とのギャップが大きい北条沙都子とは別の意味で読みづらい。
まるで、別の思考が交えているような、そんな錯覚を覚える。
まるで、別の思考が交えているような、そんな錯覚を覚える。
(多重人格…てなわけじゃないよな……)
ありえなくはない。それが医学的な物かは別としてだが。
人柱力という存在をシカマルは知っている。
尾獣と呼ばれる怪物を封印された人間達で、砂漠の我愛羅もそれに値する。
思えば、我愛羅も精神的に不安定だった。
体内に別の人格があれば、通常のそれより精神に掛かる負担も大きくなるのだろう。
人柱力という存在をシカマルは知っている。
尾獣と呼ばれる怪物を封印された人間達で、砂漠の我愛羅もそれに値する。
思えば、我愛羅も精神的に不安定だった。
体内に別の人格があれば、通常のそれより精神に掛かる負担も大きくなるのだろう。
(思えば、ブラック何て名前は名簿にない。単なる偽名か渾名かと思っていたが、別人格ごとに名前が振られていたってコトか?)
「そう睨むなって。
お前の言う通り、俺も不自由してるんだ。暫くは、大人しくしといてやる」
お前の言う通り、俺も不自由してるんだ。暫くは、大人しくしといてやる」
(こっちはその”暫く”ってのが、一秒後か一時間後かも判断できねえんだよ)
別の人格があったとして、それが急に方針を百八十度変える事も否定しきれない。
想像以上に、とんだ爆弾を抱え込んだのかもしれない。
想像以上に、とんだ爆弾を抱え込んだのかもしれない。
「10分待ってやるから、何処行くか決めとけ。
決められないなら、俺は昼飯を食いに行く」
決められないなら、俺は昼飯を食いに行く」
両手を上げて、何も持ってない事をアピールするように手をひらひらと降る。
「俺の荷物は、全部パクられたんでな。飯も食えやしない」
長距離の瞬間移動が使えず、何度も短距離の瞬間移動を乱用したせいか、腹が減っていた。
モルツォグァッツァ。
絶望王のお友達、フェムトが好きなレストランだったが、乃亜の配った質素な飯よりは美味いものが食えるだろう。
調理済みが置いてあるか分からないが。
どうせなら、ちょっと覗いてみたいところだ。
絶望王のお友達、フェムトが好きなレストランだったが、乃亜の配った質素な飯よりは美味いものが食えるだろう。
調理済みが置いてあるか分からないが。
どうせなら、ちょっと覗いてみたいところだ。
ブラックは背を向けて適当にデパート内をうろつきだした。
───
「梨沙」
シカマルが名前を呼ぶ。
「分かってるわよ……その勝手なことして……」
命を捨てるような無謀な真似をしたのは分かっていた。
シカマルが龍亞に真相を話さず、伏せようとした気持ちも身をもって分かった。
シカマルが龍亞に真相を話さず、伏せようとした気持ちも身をもって分かった。
「やり方は褒められねえが……ありがとな」
「……は?」
「……は?」
憑物が落ちたように、シカマルは安堵した顔を浮かべる。
てっきり、何かしら叱られると思ってた梨沙にとっては逆に気味悪く思えた。
てっきり、何かしら叱られると思ってた梨沙にとっては逆に気味悪く思えた。
「ブラックは俺に失望していた。
お前が、あいつに怒鳴ってくれなかったら……正直、どう転ぶか分からなかった。
俺もパニくってたしな」
お前が、あいつに怒鳴ってくれなかったら……正直、どう転ぶか分からなかった。
俺もパニくってたしな」
任務の失敗から、殺し合いに巻き込まれて、何人も死なせてきて。
背負いすぎたのだろうと、自分でも思う。
龍亞の身を案じていたが、結果として全員の身を危険に晒したのはシカマルだったのかもしれない。
背負いすぎたのだろうと、自分でも思う。
龍亞の身を案じていたが、結果として全員の身を危険に晒したのはシカマルだったのかもしれない。
「ま、まあ……分かれば良いのよ」
「……龍亞、お前にも迷惑かけた」
「良いよ……」
「あ、ああ……」
ポコッ
ポコッ
ポコッ
龍亞とシカマルの顔面にハンディ様が投げ込まれる。
「シカマル、アンタそこは素直にごめんなさいって言うとこよ!」
「お、おう……ご…ごめ……n」
「龍亞、アンタもいつまでも不貞腐れない!」
俺が謝るの遮ってんじゃねーか。
心の中で突っ込みながら、言えばこれ以上ないほどに面倒くさくなりそうなので、決して口にはしない。
心の中で突っ込みながら、言えばこれ以上ないほどに面倒くさくなりそうなので、決して口にはしない。
「……不貞腐れてなんか」
「口答えしない!」
「は、はい……!」
「アンタ達が喧嘩したら、乃亜の思うつぼじゃない!
冷静さを欠いたら負けって……シカマルが言ったんだから、忘れないでよ」
冷静さを欠いたら負けって……シカマルが言ったんだから、忘れないでよ」
そういや、そんなことを言ったかとシカマルは苦笑した。
あの時は梨沙がパニックになって、シカマルが落ち着かせるのに苦労したが、数時間で立場が逆転してしまった。
あの時は梨沙がパニックになって、シカマルが落ち着かせるのに苦労したが、数時間で立場が逆転してしまった。
「……お前が居てくれて、助かる」
「何? 文句あるのシカマル」
呆れながら、シカマルは溜息を吐く。まあ聞こえてないなら、それならそれで構わないが。
「女の小言は母ちゃんだけで、十分だと思ったんだけどよ。
まあ、なんか……悪くないかもなっていっただけだ」
まあ、なんか……悪くないかもなっていっただけだ」
「……小言? 誰がが小言ばっかなのよ!」
「何か分かるな。梨沙って、服装がヒョウ柄だし、五月蠅いおばちゃんみたいじゃん」
「おばちゃん!?」
「げっ……」
こいつ、余計なことを……。
怒り狂って胸倉掴まれた龍亞は涙目になっていた。
完全にいじめっ子といじめられっ子だ。
掠れそうな声で、何度も「ごめんなさい」と繰り返している。
完全にいじめっ子といじめられっ子だ。
掠れそうな声で、何度も「ごめんなさい」と繰り返している。
「もういいや……めんどくせー」
庇って梨沙の矛先がこっちに向くのも怠い。
一通り怒って落ち着かせてから、改めて何処に行くか話し合うとする。
一通り怒って落ち着かせてから、改めて何処に行くか話し合うとする。
【E-3民家/1日目/午前】
【奈良シカマル@NARUTO-少年編-】
[状態]健康、疲労(大)
[装備]シャベル@現地調達
[道具]基本支給品、アスマの煙草、ランダム支給品1~2、勝次の基本支給品とランダム支給品1~3
首輪×6(割戦隊、勝次、かな)
[思考・状況]基本方針:殺し合いから脱出する。
0:何処へ向かうか、ブラックを戦力に数えていいなら大きく移動できそうだが。
1:殺し合いから脱出するための策を練る。そのために対主催と協力する。
2:梨沙については…面倒臭ぇが、見捨てるわけにもいかねーよな。
3:沙都子とメリュジーヌを警戒
4:……夢がテキトーに忍者やること。だけど中忍になっちまった…なんて、下らな過ぎて言えねえ。
5:我愛羅は警戒。ナルトは探して合流する。せめて、頼むから影分身は覚えててくれ……。
6:モクバを探し、話を聞き出したい。
7:ブラックは人柱力みてえなもんか? もし別人格があれば、そっちも警戒する。
[備考]
原作26巻、任務失敗報告直後より参戦です。
[状態]健康、疲労(大)
[装備]シャベル@現地調達
[道具]基本支給品、アスマの煙草、ランダム支給品1~2、勝次の基本支給品とランダム支給品1~3
首輪×6(割戦隊、勝次、かな)
[思考・状況]基本方針:殺し合いから脱出する。
0:何処へ向かうか、ブラックを戦力に数えていいなら大きく移動できそうだが。
1:殺し合いから脱出するための策を練る。そのために対主催と協力する。
2:梨沙については…面倒臭ぇが、見捨てるわけにもいかねーよな。
3:沙都子とメリュジーヌを警戒
4:……夢がテキトーに忍者やること。だけど中忍になっちまった…なんて、下らな過ぎて言えねえ。
5:我愛羅は警戒。ナルトは探して合流する。せめて、頼むから影分身は覚えててくれ……。
6:モクバを探し、話を聞き出したい。
7:ブラックは人柱力みてえなもんか? もし別人格があれば、そっちも警戒する。
[備考]
原作26巻、任務失敗報告直後より参戦です。
【的場梨沙@アイドルマスター シンデレラガールズ U149(アニメ版)】
[状態]健康、不安(小)、有馬かなが死んだショック(極大)、将来への不安(極大)
[装備]シャベル@現地調達
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:ゲームから脱出する。
1:シカマルについていく
2:この場所でも、アイドルの的場梨沙として。
3:でも……有馬かなみたいに、アタシも最期までアイドルでいられるのかな。
4:桃華を探す。
[備考]
※参戦時期は少なくとも六話以降。
[状態]健康、不安(小)、有馬かなが死んだショック(極大)、将来への不安(極大)
[装備]シャベル@現地調達
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:ゲームから脱出する。
1:シカマルについていく
2:この場所でも、アイドルの的場梨沙として。
3:でも……有馬かなみたいに、アタシも最期までアイドルでいられるのかな。
4:桃華を探す。
[備考]
※参戦時期は少なくとも六話以降。
【龍亞@遊戯王5D's】
[状態]疲労(大)、右肩に切り傷と銃傷(シカマルの処置済み)、殺人へのショック(極大)
[装備]パワー・ツール・ドラゴン&スターダスト・ドラゴン&フォーミュラ・シンクロン(日中まで使用不可)
シューティング・スター・ドラゴン&シンクロ・ヘイロー(2日目黎明まで使用不可)@遊戯王5D's
[道具]基本支給品、DMカード3枚@遊戯王、ランダム支給品0~1、割戦隊の首輪×2
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしない。
1:首輪を外せる参加者も探す。
2:沙都子とメリュジーヌを警戒
3:モクバを探す。羽蛾は信用できなさそう。
4:龍可がいなくて良かった……。
5:ブラックの事は許せないが、自分の勝手でこれ以上引っ掻き回さない。
[備考]
少なくともアーククレイドルでアポリアを撃破して以降からの参戦です。
彼岸島、当時のかな目線の【推しの子】世界について、大まかに把握しました。
[状態]疲労(大)、右肩に切り傷と銃傷(シカマルの処置済み)、殺人へのショック(極大)
[装備]パワー・ツール・ドラゴン&スターダスト・ドラゴン&フォーミュラ・シンクロン(日中まで使用不可)
シューティング・スター・ドラゴン&シンクロ・ヘイロー(2日目黎明まで使用不可)@遊戯王5D's
[道具]基本支給品、DMカード3枚@遊戯王、ランダム支給品0~1、割戦隊の首輪×2
[思考・状況]基本方針:殺し合いはしない。
1:首輪を外せる参加者も探す。
2:沙都子とメリュジーヌを警戒
3:モクバを探す。羽蛾は信用できなさそう。
4:龍可がいなくて良かった……。
5:ブラックの事は許せないが、自分の勝手でこれ以上引っ掻き回さない。
[備考]
少なくともアーククレイドルでアポリアを撃破して以降からの参戦です。
彼岸島、当時のかな目線の【推しの子】世界について、大まかに把握しました。
【絶望王(ブラック)@血界戦線(アニメ版)】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、空腹
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗る。
0:腹減ったな……。
1:気ままに殺す。
2:気ままに生かす。つまりは好きにやる。
3:シカマル達が、結果を出せば───、
4:江戸川コナンは出会うまで生き伸びてたら、な。
5:暫くはシカマルに付き合ってやるかね。アイの約束もあるしな。
[備考]
※ゲームが破綻しない程度に制限がかけられています。
※参戦時期はアニメ四話。
※エリアの境界線に認識阻害の結界が展開されているのに気づきました。
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、空腹
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いに乗る。
0:腹減ったな……。
1:気ままに殺す。
2:気ままに生かす。つまりは好きにやる。
3:シカマル達が、結果を出せば───、
4:江戸川コナンは出会うまで生き伸びてたら、な。
5:暫くはシカマルに付き合ってやるかね。アイの約束もあるしな。
[備考]
※ゲームが破綻しない程度に制限がかけられています。
※参戦時期はアニメ四話。
※エリアの境界線に認識阻害の結界が展開されているのに気づきました。
094:A ridiculous farce-お行儀の悪い面も見せてよ- | 投下順に読む | 096:命も無いのに、殺しあう |
時系列順に読む | ||
071:明け方の子供達 | 奈良シカマル | 109:束の間の休息 |
的場梨沙 | ||
龍亞 | ||
081:悪鬼羅刹も手を叩く | 絶望王(ブラック) |