宙域統合体とは自由惑星同盟における辺境星系共和国の連合体をさす。
概略
宇宙歴799年12月、
自由惑星同盟では
ジョアン・レベロ政権が徹底した
ハイネセン主義改革を実施した。辺境星系への補助金を徹底的に削減したため、辺境星系経済は壊滅的状況に陥った。苦境に陥った辺境星系は公債を発行して急場をしのごうと足掻いたが、レベロ政権は財政均衡の維持を厳命したためそれすら叶わなかった。その上、銀河帝国からの難民を辺境星系に優先的に移住させた。このきわめて効率的、かつ「人道的」な政策はその悪影響から無縁な
同盟領中央宙域(メインランド)の住民からは高い評価を得た一方で、その負担を押し付けられる辺境星系からの凄まじい怒りを買った。(72話)
もともと、自由惑星同盟ではこの数十年間豊かな同盟領中央宙域と貧しい辺境星系との経済格差が急速に拡大しており、辺境星系では自由惑星同盟からの離脱を訴えるなど
星系ナショナリズムの過激化が進んでいた。それが最も過激なかたちで顕在化したのが宇宙歴796年の
エル・ファシル七月危機である。
辺境星系の間で手を取り合って中央に対抗しようと言う気運が強まり、各地で宙域統合体が誕生した。それらの多くは、かつて自由惑星同盟の軍門に下った国家共同体の勢力範囲と重なる。ただし、自由惑星同盟内部の
星系共和国の連合体という点でかつての国家共同体とは異なる。この国家共同体とは「拡大期」における自由惑星同盟以外の多国間同盟にあたるものと思われる。
多国間同盟の詳細についてはこのページの「銀河帝国との接触以前」を参照。
作中で登場する宙域統合体としては「アラウカニア条約機構」、「スカラ共同体」、「アルティプラーノ協力連合」などが挙げられる。これらの宙域統合体は同盟政府に対して地方補助金の復活・移民分配の中止・経済財政協定の廃止を突きつけた。そして受け入れられないならば、同盟を離脱を辞さないとまで宣言した。(72話)
同盟憎しの感情だけで集まっていた連中だ。最初から足並みは揃っていないし、軍資金も持っていない。経済制裁だけで追い込める相手だった。だから、レベロは強気一辺倒だったのだ。(73話)
その後の動向については記載がないが、同盟政府は
トリューニヒト政権のもとで宙域統合体の要望した方針へと政策変更を行っており、活動は沈静化したものと思われる。
最終更新:2017年10月13日 16:34