フレデリック・ジャスパー(宇宙暦710年 - 宇宙歴771年)は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

略歴

 宇宙歴730年に同盟軍士官学校を卒業。「七三〇年マフィア」の一員となる。
 宇宙歴738年のファイアザード星域会戦で勇戦。砲撃と機動攻撃を絶妙に組み合わせて優勢を確立し、ブルース・アッシュビーによる完全勝利のきっかけを作った。
 宇宙歴745年には第四艦隊司令官に就任している。階級は宇宙軍中将。同年の第二次ティアマト会戦でも活躍。中盤にウォリス・ウォーリック率いる第五艦隊との巧妙な連係によって「ナイフでチーズを切るように」帝国軍中央を分断し、カイト艦隊を崩壊せしめた。会戦終盤では、突出した帝国軍部隊をみごとな反転攻勢で叩きカルテンボルン中将を戦死させたものの、アッシュビーの戦力引き抜きと帝国軍の繞回運動のために劣勢に立たされた。しかし、アッシュビー直率の別働隊により戦局は一挙に転換、ジャスパーは再びウォーリックと連係し、帝国軍コーゼル大将を戦死させる功績を挙げる。
 宇宙歴749年に宇宙軍大将に昇進。
 宇宙歴751年のパランティア会戦では宇宙艦隊副司令長官ジョン・ドリンカー・コープ大将の救援に駆けつけるも間に合わず、コープを戦死させる形となった。
 宇宙歴753年にウォリス・ウォーリック大将の退任に伴い、宇宙艦隊司令長官に就任する。
 宇宙歴764年に元帥号を授与される。
 宇宙歴767年のハイネセン六月危機の際、クーデター部隊に拘束されるが、マービン・ブロンズ宇宙軍中尉率いるコマンド部隊によって救出される。勇名高い七三〇年マフィアの元帥を味方につけたことで、首都防衛軍の優位が確立された。(77話)
 宇宙歴769年、第二次イゼルローン要塞攻防戦、同盟軍はコルネリウス一世の親征以来の大敗北を喫し、七六九年の衝撃が起こる。(115話)宇宙艦隊司令官という地位にあったにもかかわらず、失脚を免れる。
 宇宙歴770年に統合作戦本部長に転任した。なお、宇宙艦隊司令長官の在任期間は歴代最長。
 宇宙歴771年に退役。同年に宇宙船事故で死亡。

 彼の孫娘がヤン・ウェンリー一二星将最強と謡われるスカーレット・ジャスパー提督である。(102話)

能力

 勝つときは必ず見事に勝ち、負けるときは必ずとことん負けるというそのダイナミックな用兵ぶりを見せ、このことから”行進曲(マーチ)ジャスパー”の異名を持っていた。また戦闘ごとに勝勝敗勝勝敗を(むろん勝敗どちらも派手に)繰り返すジンクスを持っており、部下は負けの回のたびに慄いたという逸話がある。
 宇宙艦隊司令長官に就任後、一〇〇人以上の退役軍人を議席に座らせ、同盟国防委員会、両院軍事委員会、有力政党の国防部会を押さえることにより、一六年もの長期政権を築き(116話)、超法規的な権力をふるった。(112話)政治能力にも長けていた。特にハイネセン六月危機、七六九年の衝撃における責任追及を乗り切った点は特筆すべきである。
 ただ、作中の設定では麻薬王ルチオ・アルバネーゼが同盟軍内で台頭した時期の同盟軍首脳部ということになり、その管理能力に疑問符が付けられる。
最終更新:2019年10月09日 10:08