第四艦隊とは自由惑星同盟軍の宇宙軍正規艦隊の一つ。

概略

1 経緯

 第一艦隊第二艦隊第三艦隊とともに、同艦隊はダゴン星域会戦以前からの伝統を誇り、他の正規艦隊より格上とされていた。(56話)

 宇宙歴745年第二次ティアマト会戦においてフレデリック・ジャスパー中将が司令官を務め奮戦した。

 宇宙歴792年4月、ドラゴニア=パランティア戦役(「自由の夜明け」作戦)においてエル・ファシル義勇旅団旅団長として功績を挙げたエリヤ・フィリップス中尉に対し、宇宙艦隊副司令長官ラザール・ロボス大将が褒章として提示したポストの中に同艦隊司令部総務部の職が含まれていた。(12話)
 宇宙歴793年12月時点で、ロボス派ヨハネス・ヴィテルマンス中将が司令官を務めている。(15話)ロボス大将がエリヤに同艦隊のポストを用意できたところから、ドラゴニア=パランティア戦役後からヴィテルマンス中将が司令官だったと推測される。
 宇宙歴794年2月、ヴァンフリート戦役第六艦隊第一一艦隊第一二艦隊とともに参加する。(15話)同年3月末、同戦役において帝国軍本体に遭遇し、二〇〇〇隻近い損害を被る。(20話)
 宇宙歴795年4月、同盟軍首脳部は気鋭の新鋭であったウィレム・ホーランド少将をヴィテルマンス司令官の後任に考えていた。(32話)同月の第三次ティアマト会戦における少将の失態でこの構想は立ち消えとなった。(34話)
 同年6月、エル・ファシル海賊専任の任務部隊「第一三任務艦隊」が臨時に編成され、同艦隊のB分艦隊が第一次派遣隊に選ばれた。同B分艦隊所属の第二一駆逐戦隊第一駆逐群司令がエリヤ・フィリップス大佐に提示されている。エリヤは任務艦隊副参謀長の職を選択したため、このポストには就任しなかった。(36話)
 同年12月、司令官ヴィテルマンス中将の後任には内定していたディエゴ・パストーレ中将がエル・ファシル海賊討伐任務部隊「エル・ファシル方面軍」に就任したため(38話)、叩き上げの老将ラムゼイ・ワーツ中将が選ばれた。(46話)
 宇宙歴796年9月、第七次イゼルローン出兵に第二艦隊第六艦隊第一二艦隊とともに参加し、同艦隊は第一陣を務める。(46話)しかし、レグニツァの悲劇において四割を失い、司令官ワーツ中将らが戦死するという大損害を蒙る。(48話)生き残った副司令官チャンドラー少将も二階級降格の上で予備役に編入された。(56話)
 同じく大損害を蒙った第六艦隊とともに第四、第六艦隊再建問題は軍のみならず政界をも二分する大問題となった。同艦隊と第六艦隊には司令官代行が置かれたが、これは残存戦力の管理者に過ぎなかった。(50話)
 宇宙歴797年3月、「ヤン・ウェンリーの春」の訪れによって、同艦隊の再建問題は第六艦隊の残存戦力と合併し、新艦隊「第一三艦隊」を発足させるということで解決された。

 旧第四艦隊の将兵は名将ヤン・ウェンリー提督率いる第一三艦隊としてラグナロック戦役で空前の武勲を立てた。

 宇宙歴802年、トリューニヒト政権の同盟軍再編により、イゼルローン総軍の傘下に再び第四艦隊が編成された。 「レクイエム」ことスカーレット・ジャスパー大将が新司令官に就任した。(92話)司令部はティアマト星系第四惑星ラハム上の都市センナケリブに置かれている。(102話)
 ヤン提督のもとで活躍した精鋭の半数は他の艦隊の基幹要員として引き抜かれ、残る半数も第六艦隊第一三艦隊と分け合っているため練度は大幅に低下している。第六、第一三艦隊同様、旧第一三艦隊隊員が基幹となり、新兵と再招集された予備役がわきを固める編成である。もっとも精鋭を多く配置した第一三艦隊は別にしても、ジャスパー提督の管理能力はムライ提督ほどではないので、新兵と予備役の成長が遅れており、旧第一三艦隊系の三個艦隊の中では最も練度が低い。(103話)その一方で、名高いヤン・ウェンリー一二星将が五名配置されており、勇名高い艦艇部隊指揮官、エース艦長、エースパイロットが集められている。その上、艦艇の過半数は新鋭艦である。これほど強そうに見える部隊はない。(108話)
 同年10月、第九次イゼルローン要塞攻防戦において要塞駐留艦隊第二艦隊第一一艦隊とともに参加している。


2 歴代司令官

氏名 派閥 任期 備考
フレデリック・ジャスパー宇宙軍中将 七三〇年マフィア 宇宙歴745年前後 宇宙艦隊司令長官へ出世
ヨハネス・ヴィテルマンス宇宙軍中将 ロボス派 宇宙歴792年4月 - 宇宙歴795年12月?
ラムゼイ・ワーツ宇宙軍中将 不明 宇宙歴795年12月?-宇宙歴796年9月 レグニツァの悲劇にて戦死
不明(艦隊司令官代行) 残存戦力の管理人に過ぎない
                    第一三艦隊に統合される
                    良識派体制の同盟軍再編によって解体
                    トリューニヒト政権の同盟軍再編によって再編成
スカーレット・ジャスパー宇宙軍大将 ヤン・ファミリー


3 所属人物

ワーツ提督時代

副司令官 チャンドラー宇宙軍少将 レグニツァの悲劇

ジャスパー提督時代

最終更新:2019年10月09日 12:26