用語集





登場人物


飴好リカ


飴好(あめずき)リカ

国際生徒会より派遣された生徒会長。
200ヶ国以上もの言語を自在に操るほど語学に優れるが,それが彼女の能力でもある。
容姿に優れるだけでなく,頭脳明晰でスポーツ万能。
しかし偏った啓蒙思想を持つ。
希望崎学園の生徒のことを,「黄色猿1号」とか「イエローモンキー2号」と呼びつける癖がある。
ちなみに,彼女にも10分の1だけ日本人の血が流れている。

「そこの黄色猿,暇だからおまえら二人でにらめっこしろ」

和野小五郎


和野(わの)小五郎(こごろう)

畳職人の家の跡取り。
彼が一たび「和」と口にすれば,誰もがたちまち互いに手と手を繋ぎあって「マイムマイム」を歌って踊りだす。

番長不在の状況の中,リーダーシップを見せ,大派閥を作り上げる。

好きな偉人は聖徳太子。
彼の一派は監査部を担当。

「和を以て貴しとなし――」


人里ハジメ


人里(ひとざと)ハジメ

教師によって、異界から召喚された転校生。
生徒組合の圧倒的な能力を目の前にしても、ひるまずに立ち向かう。
しかし、いくら『転校生』の彼でも、強化魔人たちの前に、なすすべなく返り討ちとなる。
その後は要未来とその友人等に捕らえられ『転校生』の力を奪いとられる。
スズハラ機関に存在する仮面システムを使用する転校生の1人。


名深井 命


名深井(なぶかい)(さだめ)
番長グループ内の派閥のメンバーの一人。諜報部を担う。

彼女の能力「ヘリング・イヤー」は半径1キロ圏内で行われた会話の内容を全て記録し,また正確に聞ききけ,その内容を把握して必要な情報だけを取捨選択することができる。

ただし,能力は常時発動しているわけではないので,一度に知れる情報には限りがある。

それでも能力の影響で,周りの音が気になって仕方がなくなっている。

和野とは幼なじみであり,昔は仲良くしていたが,最近の彼の敵意向きだしの態度には辟易している。

この能力ゆえ周囲からは太子と呼ばれているが,本人はその呼び方を気に入っていない。

「あ゛ぁ゛ぁ゛!! 今耳栓してるから話しかけないでって言ったでしょ!」


十節 平野

十節(じせつ)平野(へいや)


ひきこもり少女。
入学から現在まで一度も登校してきていない上に,授業料も未払い。
そのため,退学処分になっていたが,彼女の能力に目を付けた希苑組が理事長を脅して復学させた。
しかし,現在も登校してきていない。
ヨガにハマっており,体は柔らかく,予言者めいた発言をする。
自宅で教え子にヨガを教える傍ら,ネットアイドルとして生計を立てている。

玄葉 杏


玄葉(くろは)(あん)

未来の友人の一人で、一般生徒。
容姿は中性。いつも笑顔を崩さないため、ある意味ではポーカーフェイス。
未来に魔人の友人が増えたことで,戦力外扱いされてしまっていることが最近の悩みの種。

「明楽とか,死ねばいいのに……」

九郎可 明楽


九郎可(くろべし)明楽(あきら)

未来の友人の一人であり、初期のメンバーにおいて唯一の魔人。
死者の残留思念を読み取る能力『零視』を持つ。この能力で花組の正体を見破り,花組を乗っ取ろうと彼らに接近するが,逆に脅され,「どんなこともする」という条件で命だけは助けてもらう。

生徒会に入ろうとするがハブられ,拗ねて番長グループに入ろうとしたが除け者にされている。
生徒組合設立後の混乱の中でも,最前線に立つよう常に命じられ,戦力外通告を毎回未来に強く望んでいるが,いつも未来に「死ね」と笑って拒否されている。

「オレ独りであんなヤバいやまこなせると思ってんの!?」

「もちろん☆死んできてね」

という,やりとりが繰り返される中,仲間が全滅しても,自分だけはちゃっかり生存している。

「オレじゃなかったら死んでたぞ!」


用務員さん


備品などを破壊しくつされ,使い物にならなくなった教室も,彼らの手にかかれば,瞬く間に美しく機能的な授業環境へと変わる。
どんなに生徒たちが,学園を破壊しようが,彼らの存在がある限り授業は普通どおり行われる。


組織(学園)


希苑組/生徒組合


希苑組(まれぞのくみ)生徒組合(せいとくみあい)

番長グループにより構成される現行の自治組織。
正式名称「希望崎学園生徒組合
通称「生徒組合」または「希苑組」
生徒会掌握後に国際生徒会の影響下から脱却するために番長グループが,立ち上げた。
表向きは生徒会に変わり学園の治安を守るための「治安維持」ということになってはいる。
しかし,現状は「治安維持」を理由に暴力を正当化するためだけの組織でしかない。
生徒組合は強化魔人によって構成されており,その能力は一騎当千とも言われる。
主に,番長グループの魔人で構成されているが,中には旧生徒会から離反したものや,強大な能力に憧れた一般生徒なども存在している。利害がそれぞれ異なるため,また足並みがそろっているとは言いづらい。
生徒たちからは怖れと皮肉を込めて「希『苑』組」と呼ばれている。

学園の表舞台から追いやられた旧生徒会は,番長グループのあまりに横暴な振る舞いを前に,心を入れ替え,立ち向うが,その圧倒的な実力差を前に,裏切りや逃亡など,不測の事態が次々と発生――その後戦線が乱れ,為す術なく敗れてしまう。

さらには,この緊急事態を収めるべく召喚された『転校生』の人里ハジメまでも返り討ちにする。
最大の対抗勢力を下した彼らは,圧倒的な兵力を背景に,彼らに与した一般生徒の家族や友人らを学園に呼び出し「処刑」と称して128名を虐殺。

また教師らによって召喚された『転校生』までも排除したことで,生徒組合の力は,教務室をはじめとした,学園の機能中枢の全てに及び,事実上,希望崎学園全体が生徒組合によって掌握された。


番長グループ


第五次の後に台頭してきた魔人のグループ。
番長グループと呼ばれているが,番長の席は不在。
有力な魔人数名が寄り集まっての合議制をとる。
無数の派閥が存在しており,それぞれが互いに互いを牽制しあっている。
そのため,ささいなことでグループ内で争いを繰り返す,まとまりのない集団でしかない。

生徒会掌握後もそれは変わらず,誰が主導権を握るかで,熾烈な睨みあいを続けていく中で,ある小さな派閥が『転校生』を拾ったことで,睨み合いに火がつき,内ゲバにより多数の被害を出した。

仲間意識が非常に薄いため,巨大勢力であるが,その実態はあまりにも脆い。


旧生徒会


第五次からの流れを汲む魔人のグループ。
国際生徒会の影響下から脱却できず,生徒たちからの信頼を失う。

選挙に大敗した後は,番長グループの指揮下に甘んじていたが,番長グループが生徒会を解散して新たに発足させた自治組織「生徒組合」のあまりにも横暴な振る舞いを前に,かつての自分たちを恥じ,今一度学園の安寧を守るために立ち上がる。

旧生徒会のあまりにも正々堂々とした宣戦布告もあって,番長グループ内の利害の異なる各派閥も,静観の立場から一転,結果,番長グループVS旧生徒会の全面戦争にまで発展した。
当初,旧生徒会は多くの生徒たちの支持を得て,数において勝り,やや圧されながらも旧生徒会は互角の戦いを繰り広げることができていた。
しかし中盤になり,味方の精鋭が次々に戦死すると,裏切りや逃亡が続発,それに波及した戦線の乱れから,戦局は一転,旧生徒会は絶体絶命に追いやられる。

この状況に危機感を抱いた風紀委員会は教師らに『転校生』召喚を要請,要請を聞き入れた教師らは,旧生徒会の援軍として『転校生』を召喚するが,時すでに遅く,旧生徒会の本拠地が設置された地下シェルターにまで生徒組合の手が伸びており,旧生徒会勢力はこれにより完全に根絶やしにされた。

青空の会


生徒組合を下し,新たな生徒会を発足すべく活動しているレジスタンス組織。
旧生徒会のメンバーの中でも,戦闘力がなく当時戦いに参加できなかった者たちが中心となって結成した。
そのため生徒たちからの信頼も厚く,魔人だけでなく,一般生徒も混在している。


風紀委員会


生徒組合の度が過ぎた行為に対して,教師に『転校生』召喚を依頼した治安維持組織。
旧生徒会壊滅後,生徒組合により,委員とその友人や家族など128名が処刑される。


花組


要未来が立ち上げた演劇兼ミステリー研究同好会の名称。

要未来ら一年生数名で構成される。

言葉巧みに飴好リカを仲間に引き入れ,活動費として生徒会予算の20%を吸い上げる。

その予算で演劇を行い,生徒たちの心をつかみ,ファンの魔人を「あなたのためだけに演劇を行う」と呼び出して拉致,その後あちゃこちゃと,非人道的な実験を行い,魔人の能力の秘密について日夜研究している。

しかし,リカを完全には引き入れることができず,このことが露顕されそうになる。
そのため番長グループを利用して,生徒会を黙らせることを画策。
その企みは見事に成功するが,予想外の事態の数々により,逆に番長グループに目を付けられ,今は青空の会に協力している。


『ヴァルギリエンス』関連

左利き(ノルン)


左利き(ノルン)

化物となった魔人たちの呼び名。
彼らの飼育は主に一般生徒に丸投げ。
燃費が悪く敵味方の区別なく襲いかかるため戦力にならない。


強化魔人


『転校生』SRRの特殊能力『ヴァルギリエンス』の契約によって,全能力を強化された特殊な魔人たち。生徒組合のメンバーは全員SRRと契約を結んでいる。
強化に失敗した魔人は,強大な能力と引きかえに,醜い化け物へと変貌する。


その他人物


杉崎ルミネ


杉崎(すぎさき)ルミネ

旧名,彪神(あやがみ)ルミネ
生徒名簿から抹消された謎の転校生。
学園の創立期には,確かに在籍していたらしいが,学園内に残るデータからは彼女に関する記録は,すべて抹消されており,当時のことを知るはずのわずかな卒業生たちも,固く口を閉ざし誰も何も語ろうとしない。

24年前,学園に中途入学し,数か月もしないうちに,そのまま学園内で行方をくらませた。
その正体は転校生次元から追放された罪人。赤子の状態にされて,この世界に流された。
無間の地獄を強いらせるために,老いることも死ぬこともできず,永遠に苦痛のみを感じる体にされている。
どのような罪を犯したのかは不明。
ほかの転校生らの手によって,五体をばらされ,学園内に封じられる。
また,当時の生徒たちに圧力をかけているのも,その転校生らである。







寺門 修司



寺門(てらかど)修司(しゅうじ)


希望崎学園に入学した最初の魔人の一人。
概念を「開」かせる『金剛門』と,
物体を「開」かせる『胎藏門』という能力を持つ。
『金剛門』は,移動ポータルを作り出し,
『胎藏門』は,肉体(物体)を切り開き,その中身を飛散させる。

卒業後まもなくして警官となり,能力を悪用する魔人たちを自ら取締っていた。
しかし,2000年冬頃から同僚の一般警官らを仲間に引き入れ,大規模なテロを画策。
そして,2003年の8月――真昼の渋谷にて,その計画を実行に移し,その場に居合わせた一般人全員を一人残らず殺害,渋谷の街や建物内部を血の海へと変える。

このテロの最中,寺門の仲間全員が,何らかの要因で仲違いし,それが殺し合いに発展し,寺門を除き全員が死亡。

結果生き証人は寺門のみとなり,捜査本部は彼らが残したメモなどをたよりに捜査せざるを得なくなった。

捜査本部は,一般警官もテロに携わっていたという事実による影響を苦慮し,寺門修司単独による犯行と,公式に発表。
すぐさま,全国に指名手配しようとするが,その発表直後に寺門は出頭。
以降,黙秘を続けている。


金雀児 カナデ



金雀児(えにしだ)(かなで)


希望崎学園に初めて入学した魔人の一人。
子宮のような形をした琵琶湖程の巨大な物体を天空に召喚し,そこから大量の天使(のような生きもの)を何百も生み出す。
天使たちの声も姿も,魔人たちにはほとんど認識できないが,一般人がこれを見聞きすると,錯乱症状を起こし,見境なく目の前の人間を殺そうとし始める。
制約として,規模が大きくなればなるほど,発動から効果発揮まで時間がかかる。
一応,自らも天使たちと同じ能力を使える。


入学した年の秋,学園内にて何者かに巨大な刃物のようなもので腹部を切開され,失血により死亡している。


組織(学区外)


八部衆


魔人のみで構成される過激な組織。
その歴史は古く,鎌倉時代の終わりにはその原型ができていたとも言われる。


磔家


磔家(たっけ)

八部衆の下位組織に数えられる一族。

苗字は杉崎。

磔家の長子は,生後すぐに両親と切り離され、地下深くの「拷問部屋」にて,幼少期を過ごす。

血筋よりも,才能を重視し「過酷な拷問を耐え抜ける能力」こそ至高としている。
そのため,たとえ我が子でも,「過酷な拷問に耐え抜ける能力」を持てなかった場合は,分家として養子に出される。
多くの場合,能力を発現できずに長子は死亡し,また我が子を直接拷問にかけるのは,さすがに彼らもしのびなく,身寄りのない子どもを養子にし,養子らに対して能力開発を行っている。
たいていの場合,養子は死亡するが,わずかながらに能力を発現し生き残った場合,宗家に婿入りまたは嫁入りさせ,家督を継がせるということを行っている。

とある事件により,宗家は途絶えてしまったため,現在は分家のものが,これを引き継いでいるが,衰亡の兆しは疑いようがない。

家柄としてはそこそこ名門。







最終更新:2009年07月24日 10:35
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