第六章 「宿敵」
- 第1節 「愛の紙魚」
- 空中要塞 祭壇前
- イウヴァルト
- 司教! カイムは、私におまかせを……
- マナ
- 天使を飛ばせてはならない。
- イウヴァルト
- 俺は強い。俺は愛を知っている。天使への愛。
君への愛。……君は……誰? - フリアエ
- イウヴァルト?
第2節 「黒きドラゴン」- 女神フリアエが捕われている空中要塞。
カイム達の届かぬ高みから、愛に溺れし親友イウヴァル
トが舞い降りる。情熱に輝くその眼には、もはやフリア
エの姿すら映ってはいなかった。
要塞より宿敵イウヴァルトが出陣した。
要塞の悪しき力の側では奴らの方が有利だ。
できるだけ早く決着をつけて活路を見出せ!
- イウヴァルト
- カイム、おまえに今の俺を倒すことができるかな?
- イウヴァルト
- 俺は力を手に入れた!だからフリアエも手に入れる!
フリアエ! - イウヴァルト
- 俺は……誰だ?うっ……頭が……フリアエ!
フリ……アエ? - イウヴァルト
- フリアエッフリアエッフリアエッフリアエッフリアエ
フリッアエフリアッエッエフリッアッエッフリフリ - イウヴァルト
- フリブリブリブリブリ
- レッドドラゴン
- 女神の匂いが薄まっておる。急げ!
- イウヴァルト
- 俺は……本当にフリアエを愛しているんだ!
心の底から! - レッドドラゴン
- 黒き竜を駆りしイウヴァルト、侮れぬぞ!
- イウヴァルト
- 天使は飛ばせん!
- レッドドラゴン
- 「今ぞ!」
第3節 「定め」- ブラックドラゴンが入る気流を利用して空中要塞の高度に
足したカイムたち。
要塞内部へ侵入してフリアエの捕われている祭壇に進め!
すべての悪の根源は、この忌まわしき空中要塞に!
要塞の砲台を破壊し侵入路を切り開け!
- レッドドラゴン
- まずは砲台を倒して近づくしかなさそうだな。
- レッドドラゴン
- やみくもに倒しても埒があかぬ。狙いを定めて
攻撃するのだ。 - ヴェルドレ
- その要塞の中に女神が囚われておる。最後の封印だ!
守り抜いてくれ!! - レッドドラゴン
- この程度の攻撃で我が落ちるとでも? 笑止!
- ヴェルドレ
- 何と大きな建物か……どうやって浮いているのだ?
- レッドドラゴン
- 奴らはもう人間ではない。壊れた機械だ。
倒すのも虚しかろう。 - レッドドラゴン
- この貝殻にはどれだけの人間がおるのだ。きりがない!
- ヴェルドレ
- 封印破壊の儀式が始まろうとしている……
もはや帝国の暴挙を止めることはできぬのか!? - レッドドラゴン
- さすがのおぬしも、これだけの命を奪うのは
心苦しいか?そうでもない……か。 - ヴェルドレ
- 私は神に祈ることしかできない。私は無力だ。
女神よ、無事でいてくれ……
第4節 「汚れた祈り」-
- レッドドラゴン
- まよわず突き進め!その手でおのれの妹を連れ帰れ!
- 最終封印である女神フリアエの危機は刻々と迫っている。
急がねば世界が終焉を迎えるのことになるだろう……。
女神の元へ急げ!
ヴェルドレ - 女神をっ! 女神はどこだっっっ!?
- レッドドラゴン
- ここからでは何の手助けもしてやれん。
おぬしが、やるのだ。 - ヴェルドレ
- 女神の危機は最終封印の破壊を意味する。カイム、
どうか女神の身を……世界を……護ってくれ! - この階は結界によって封じられたらしい。
制御している場所は四箇所。
そこにいる操作兵を倒し結界を解け!
フリアエ - 兄……さん……
- 帝国兵
- 天使、女神、天使、メガミ、テンシ、メガミテンシ
メガミ…… - フリアエ
- 兄さん……兄さん……いやぁぁあああああ!
- 結界を解く鍵が出現した。
鍵を使い、早く女神フリアエが囚われている元へ!
レッドドラゴン - フリアエの”声”が聞こえたか? 走れ!
- フリアエ
- ………き……
- ヴェルドレ
- 決壊を破壊せねば先へは進めぬようだな……。
- レッドドラゴン
- 女神の”声”が……弱い。弱いぞ。急げ!
- 鍵により結界を解くことができた。
早く女神フリアエの元へ駆けつけろ!
レッドドラゴン - 女神を……感じるぞ。この要塞のどこかに必ずおる。
第5節 「声にならない」- フリアエの居ると思われる祭壇へと近づく。
あたりは異様な雰囲気で満たされていたが、フリアエの
気配を感じ取ることが出来ない。カイムは嫌な予感を感
じながら、更に空中要塞へと進む。
祭壇では、この悪夢の元凶である「天使の教会」司教が
カイムを待ち受けていた。
- カイム
- ……!!!
- マナ
- 天使を語ってはならない。
天使を描いてはならない。
天使を書いてはならない。
天使を彫ってはならない。
天使を歌ってはならない。
天使の名を呼んではならない。 - レッドドラゴン
- カイム! 最終封印が解かれたのだな?
早く外に出てこい! 卵が生まれるぞ! - カイム
- ………
- レッドドラゴン
- カーイム! しっかりしろ!!
次の手を打たねば世界が滅びるのだぞ? - レッドドラゴン
- おぬしの妹が耐えて守ってきたことが
すべて無駄になるのだぞ? - レッドドラゴン
- カイム!?
- カイム
- ……
カイムの到着は一足遅かった。
最終封印である女神、フリアエの命の灯火は尽き果て
ていた。
幼い司教マナが楽しげに「天使の教会」の教義をつぶや
いていた。
封印解除によりこのままでは人類にとって未知なる
「再生の卵」が出現してしまう。
激情に駆られたカイムは司教マナへの怒りを抑え「再生
の卵」の出現を阻止するために要塞を飛び出した。