- 第二章 「交錯」
第1節 「声の知らせ」 -
- 永世中立の里へと続く道。
カイム達は連合軍の護衛兵と共に野営していた。
だが、まもなくドラゴンが不吉な”声”を聴く……
森林地帯 カイム達のキャンプ
連合軍1 - 目をつぶると血みどろの首が……
うぅぅぅ、これが戦なのか…… - 連合軍1
- うぅ……
母さんは無事なんだろうか…… - 連合軍1
- エルフの里に着いたら除隊させて下さい。
僕はカイム様のようにはなれません。 - 連合軍2
- いつのまに帝国軍はあれほどの力を……?
- 連合軍2
- カイム様の連隊で生き残っている者は
我々だけです…… - 連合軍2
- 女神のお姿を拝めるなんて……ありがたいな。
- 連合軍3
- 先代から仕えてきたこの身、
カイム様にお預けします。 - 連合軍3
- 坊ちゃん……いえ、カイム様、
私はどこまでもお供しますぞ。 - 連合軍3
- 世が世ならカイム様は王家を担うお方……
不憫ですぞ。 - フリアエ
- 私は生き抜かなければならないのでしょう?
封印として…… - フリアエ
- エルフ達に迷惑を掛けなければ
良いのですが…… - フリアエ
- 兄さんやイウヴァルトと行動を共にするのは
久しぶりね…… - イウヴァルト
- どうかしたのか?
- レッドドラゴン
- 「エルフの里が襲われた。
おそらく……全滅だな」 - イウヴァルト
- なっ……
- レッドドラゴン
- 「”声”を感じるのだ……
我らは……」 - イウヴァルト
- まさか!
契約者のちからだかなんだか知らないが……
この目で見ないことを……信じられるか! - イウヴァルト
- 出発だ! 出発!! エルフの里へ向かうぞ!
- フリアエ
- ……!
- イウヴァルト
- フリアエ!
- フリアエ
- 平気です。すみません。
- イウヴァルト
- 平気なものか!
彼女の身体は封印の負荷により
限界に来ている。 - イウヴァルト
- 一刻も早く休めてやりたいんだ。
- カイム
- ……
- 永世中立の里へと続く道。
- 第2節 「エルフの里へ」
-
- 不穏な空気が漂う中、カイムはエルフの里に空から向か
う。だが、そこが中立地帯にも関わらず上空には帝国の
軍勢が待ち構えていた。
エルフの里の方向から帝国軍が向かってきている……。
奴らを一掃してエルフの里に向かい、その目で真実を確かめろ!
レッドドラゴン - とにかく、このうるさい蝿どもを一掃するぞ!
- イウヴァルト
- ドラゴンが人間との契約に応じるとはな……
神話のような奇跡だ。 - イウヴァルト
- 永世中立の里を破壊するなんて行動が許されたら……
世界の秩序はなくなるぞ。 - イウヴァルト
- フリアエ……女神である君がいなくなれば世界は
滅ぶといわれているらしいな。 - イウヴァルト
- フリアエが女神として幽閉されている現在、
俺はすでに世界の終わりって気分だ。 - レッドドラゴン
- ここに帝国軍がいるということは……覚悟しておけ。
- イウヴァルト
- この辺りがエルフの集落のはずなのに……
まさか!まさか! - レッドドラゴン
- よし!このまま集落まで下降するぞ!
掴まれ!
- 不穏な空気が漂う中、カイムはエルフの里に空から向か
第3節 「道なき道を」-
- イウヴァルト
- この先の橋を渡った森にエルフの集落があるはずだ…
きっとあるさ! - 帝国軍強化兵部隊が森へと通じる道を渡ろうとしている。
奴らが橋を渡る前に絶望と後悔の悲鳴をあげさせろ! - イウヴァルト
- こんなところにも帝国軍がいるなんて……
集落はどうなっているんだ? - イウヴァルト
- まさかこんな奥地まで侵攻してきているはずがない……
そうだろう、カイム? - 連合軍
- 伝令! 東の方向にエルフの里を発見しました!
- イウヴァルト
- カイム……おまえ、本当はフリアエと……?
いや、何でもない。 - フリアエ
- 私の身体はもう私ひとりのものではないけれど……
もし兄さんが…… - フリアエ
- 私はどちらでもかまいません。
進むも退くも、御心のままに。 - フリアエ
- 兄さん、イウヴァルト……
私のためにムリをしないで下さい…… - イウヴァルト
- エルフの里をこの目で見るまでは信じないぞ!
俺は信じない!
第4節 「絶望の風景」-
- エルフの里に到着したカイム達。
だがそこは、既に帝国軍によって無残にも襲われた後
だった。
どこにも行く場所が無くなり、絶望するイウヴァルト。
そこへカイムの元に、ある”声”が届く。
レッドドラゴン - エルフの里はもうすぐだが……油断するな。
- レッドドラゴン
- もうじきエルフの里に着くぞ。
- イウヴァルト
- 地獄だ……地獄だよ……
- イウヴァルト
- 僕、どうすれば……
- レッドドラゴン
- 「神官長ヴェルドレから”声”がきたぞ」
- イウヴァルト
- ”声”? 神官長も契約者なのか?
- レッドドラゴン
- 「うむ。相手のドラゴンは、すでに
石化しておるがな……」 - フリアエ
- 彼は今どこに?
- レッドドラゴン
- 「神殿巡礼中で砂漠にいる……
異常事態を危惧し、女神の保護を申し出てきた。
早急に向かうが良い」 - イウヴァルト
- ……すまない、フリアエ。
俺ごときではやはり……おまえを守れないな。 - フリアエ
- あなたの歌に、私は癒されます。
- イウヴァルト
- 歌など!
……俺は……ちからが欲しい…… - イウヴァルト
- 行かないのか?
- レッドドラゴン
- 「我々はもう少しここを調査して向かう。
……フリアエはおまえに任せるそうだ。
しっかりやれ」
- エルフの里に到着したカイム達。
第5節 「不吉な詞」-
- ”声”の主は神官長ヴェルドレであった。
ヴェルドレは封印を預かると同時に連合軍の最高司令官
でもある。
海の神殿、砂漠の神殿、森の神殿、そして女神フリアエ
この4つの封印を帝国の真の手から守る事がヴェルドレ
の使命であった。
ヴェルドレにフリアエ達を託し、エルフの里を調査して
いたカイムは、帝国兵の死体のそばに、ある血文字が刻
まれているのを発見する……
カイム - ……?
- レッドドラゴン
- 「……天使を語ってはならない。
天使を描いてはならない。
天使を書いてはならない。
天使を彫ってはならない。
天使を歌ってはならない。
天使の名を呼んではならない。
……なんだ、これは!?」
- ”声”の主は神官長ヴェルドレであった。
第五節「遠くの音」-
- ”声”の主は神官長ヴェルドレであった。
ヴェルドレは封印を預かると同時に連合軍の最高司令官
でもある。
海の神殿、砂漠の神殿、森の神殿、そして女神フリアエ
この4つの封印を帝国の魔の手から守る事がヴェルドレ
の使命であった。
ヴェルドレにフリアエ達を託し、エルフの里を調査して
いたカイムは、帝国兵の死体のそばに、ある血文字が刻
まれているのを発見する……
カイム - ……?
- レッドドラゴン
- 「……天使を語ってはならない。
天使を描いてはならない。
天使を書いてはならない。
天使を彫ってはならない。
天使を歌ってはならない。
天使の名を呼んではならない。
……なんだ、これは!?」 - レオナール
- ……
- レオナール
- 視えます。
森が……燃えている。 - レッドドラゴン
- 「何処を視ておるのだ?」
- レオナール
- これは……封印されし森?
帝国軍が侵攻しているようです。 - レオナール
- ……どうしますか?
- カイム
- ……。
- ”声”の主は神官長ヴェルドレであった。
第6節 「遺言」-
- エルフ
- この近くの渓谷に……
”天使の教会”の宮殿があります。
そこにみんな捕らえられて…… - レッドドラゴン
- 「また天使か……いったい何なのだ?」
- カイム
- ……。
第7節 「隠された宮殿」-
- エルフから聞き出した「天使の教会」の宮殿の情報。
カイム達は、次々と出てくる「天使の教会」という名前
と「帝国軍」に何か繋がりがあるのでは、と疑問を抱き
始めていた。
その疑問に答えるべく、カイム達はエルフ救助のために
空から宮殿を目指す。
「天使の教会」の宮殿は強力な結界によって護られているという。
付近を飛び回る雑魚どもを殲滅させ結界を破壊し、宮殿に向かえ!
レッドドラゴン - エルフ達は封印を司る神殿の番人。
彼らが無事ならよいのだが…… - レッドドラゴン
- もうやめておけ!
やつらも生き者だ、死して横たわる権利はあろう。 - レッドドラゴン
- こんな山奥に帝国軍の拠点が作られているとはな……
虚勢と気合だけでは崩せぬ。 - レッドドラゴン
- 宮殿だと?
帝国軍も所詮は偶像を崇める愚かな人間か。 - レッドドラゴン
- よし、宮殿までの道は開かれた!
- レッドドラゴン
- 憎しみで血潮は作れど、涙には勝てぬ……
- エルフから聞き出した「天使の教会」の宮殿の情報。
第8節 「隠された計画」-
- レッドドラゴン
- この付近に宮殿があるはずだ。気をつけろ!
人間以外の気配を感じる…… - 宮殿に向かう道に帝国軍投石部隊が配備されている。
行く手を阻む大型兵器を沈黙させろ!
連合軍 - カイム様! 帝国軍の赤い兵士は封魔術用に
強化されているようです! - 連合軍
- 「天使の教会」の宮殿は森の奥に位置するはずです。
しかし、なぜこんなところにまで帝国軍が……? - 宮殿付近に帝国軍が集結している。
中立地帯を侵すものどもを斬り刻め!
レッドドラゴン - この廃墟が”宮殿”だとすれば、奴らは何をもってして
”帝国”と呼ぶつもりだ? - 帝国軍
- コノ場所ニ入ルモノは全テ死ネ! 死ぬがヨイ!
- 帝国軍
- 感情ナラヌ全てのモノが我らの血!
- レッドドラゴン
- これが”宮殿”なら、あばら屋は”城”と呼べるな。
- 連合軍
- 新たな帝国兵です! カイム様お気をつけを!
- 宮殿の傍に指揮官である司祭が現れた!
奴らの思念は、この地に帝国軍を呼び寄せているようだ。
この地から生きて返すな!
レッドドラゴン - 倒しても倒してもやってくる…… 奴らに怖れは
ないのか? - 連合軍
- くそッ、帝国は魔術まで使いこなすのか!
- 司祭の分身が宮殿を取り囲んだ!
邪悪な敵を根絶やしにしろ!
連合軍 - 宮殿には敵の気配はあまりないようですが……
くれぐれもお気をつけください。 - 司祭の本体が
- 「天使の教会」に逃げ込んだ。
追って息の根を止めろ! - レッドドラゴン
- もう敵はいないようだな。
囚われたエルフの姿も見えぬが……?
第9節 「偽りの国」-
- レッドドラゴン
- 「エルフ達はどこか別の場所に
運ばれてしまったか」 - カイム
- ……
- レッドドラゴン
- 「帝国軍の目的?
我が知るはずなかろう。人間の考えは
あまりに卑小すぎて、想像もつかぬわ」 - カイム
- ……
- レッドドラゴン
- 「赤い眼がどうかしたか?」
- レッドドラゴン
- 「ヴェルドレ!?
……”声”が……途切れたぞ」 - レッドドラゴン
- 「砂漠へ急ぐがよい。
女神にも危険が迫っておるかも知れぬ」
-
第九節 「救済と殺戮」 -
- レッドドラゴン
- 「エルフ達はどこか別の場所に
運ばれてしまったか」 - カイム
- ……
- レッドドラゴン
- 「帝国軍の目的?
我が知るはずなかろう。人間の考えは
あまりに卑小すぎて、我には想像もつかぬわ。」 - カイム
- ……
- レッドドラゴン
- 「赤い眼がどうかしたか?」
- レッドドラゴン
- 「ヴェルドレ!?
……”声”が……途切れたぞ」 - レッドドラゴン
- 「砂漠へ急ぐがよい。
女神にも危険が迫っておるかも知れぬ」 - 村人
- た、助けてください!
我々の村が、帝国軍に…… - レッドドラゴン
- 「おぬし、何処の者だ?」
- 村人
- この先の……妖精の谷です。
どうなっていることやら……うぅ。 - レッドドラゴン
- 「おぬし、助けにゆくのか?
殺しにゆくのか?」
第十節 「孤独な戦い」-
- 村人からの情報で帝国軍の存在をかぎつけ、妖精の谷へ
向かうカイム達。ドラゴンの忠告虚しく、憎しみに我を
忘れたカイムは、全ての帝国兵を抹殺するつもりでした。
妖精の谷を襲った帝国軍が上空で旋回している。
一掃して、妖精の谷へ進め!
レッドドラゴン - フェアリー……あの性悪どもの巣か……
- レッドドラゴン
- こやつら、妖精の谷に向かっておったようだな。
- レッドドラゴン
- 我はフェアリーは好かぬ。
人間はもっと好かぬがな…… - レッドドラゴン
- 森のどこかにフェアリーの棲む谷がある。
そこも無事ではあるまいが……
- 村人からの情報で帝国軍の存在をかぎつけ、妖精の谷へ
第十一節 「レオナールの侮恨」-
- レオナール
- ラウム、リベサル、ルーキフルゲ、
こんな情けない兄を許しておくれ。
第十二節 「なぶり」-
- レオナール
- ……私は汚らわしい人間なのです。
弟達が殺され、家が焼き払われていることも知らず
裏の林で…… - フェアリー
- ん? おいおい、それからどうした? アレか?
おまえ、弟達を見捨てちまったか?
おお、哀れでみじめな弟達よ、 - フェアリー
- キャハハハハハッ! お気の毒っと!
ますますおもれぇ! 一等賞! - フェアリー
- うげえ! こりゃまた派手にやられたなァ。
おいおい、見ろよ。この可哀相な目!
最期に何見て死んだんだろうな? - レオナール
- 見たくありません。……私には見られないっ!
- フェアリー
- キャハハハハ! 気持ち悪いってかァ?
人間なんてダメだね。ぜんぜんダメ!
汚いし、臭いし、……死ねばぁ? - フェアリー
- そーだ! 死ねよぉ!
いのち捨ててちょうだい!
ダメダメダメダメ。最低。はい、決定! - レオナール
- 私は……
- フェアリー
- キャハハハハ! 怖いんだろ?
死ぬのがよっ!
死にたくねぇんだろ? 本当はよっ! - フェアリー
- ワアチャー!!
うざってぇ!! マジで!
さっさと死ねよ!! - フェアリー
- …………待てよ? な・ん・な・ら!
ちょっと“契約”してみっか? - レオナール
- それは……どういう……?
- フェアリー
- あ? わかんねーかなァ? もしもーし!
その頭は飾りデスカー? キャハ! - フェアリー
- これからおまえと俺は手を組むのヨ。
一生離れられないのヨ。 - フェアリー
- キャハハハハーハ! ダッサー!
ウソ、ウソ、お願いしマース。
契約してくだサーイ!
第十三節 「焼き討ちのあと」-
- 村を救うためではなく、帝国兵を殺すため。
憎悪に燃えるカイムは村があるという霧深い妖精の森へ。
その森には契約者が居た。
自らの意志の弱さにつけ込まれ、悪意あるフェアリーと
の契約を行い光を失った悲しい男、レオナール。
レッドドラゴン - みにくく下等な生き物め。
我が炎でその臭いを断ち切ってくれるわ! - 中央地帯にのさばる帝国兵ども。
ここが奴らの居場所でないことを思い知らせろ!
レッドドラゴン - なんて濃い霧だ。まったく先が見えぬ。
気をつけて進まぬと敵の格好の的となるぞ。 - レッドドラゴン
- 何もかも寓話のようだな。ばかばかしい……
- レオナール
- おぉ……地獄の炎が……
- 東の方向から”声”を感じる。
付近では帝国のゴブリンどもが暴れまわっているようだ。
ゴブリンどもを皆殺しにして”声”の出を探れ!
レッドドラゴン - ”声”が聞こえた。契約者か!?
- レオナール
- 待て! 話し合え!
その者達にもう戦う意志はない! - 帝国軍は付近の集落を襲ったらしい。
消失した家から”声”を感じる。
”声”の出の元へ迎え!
レッドドラゴン - 荒波に浮かぶ者が助けを求めるとは限らぬ。
- レオナール
- あなた達! わたしの”声”が聞こえているのか?
- 村を救うためではなく、帝国兵を殺すため。
第十四節「闇の手触り」-
- ”声”は近いぞ!森の奥に進め!
レオナール - そちらは、連合軍の兵士さんですね?
剣さばきの音でわります。 - レオナール
- 初めまして。私……レオナールと申します。
- レオナール
- あぁ、私は目が見えません。
そう、君と同じく契約の代償です。 - レッドドラゴン
- 「闇より明るい希望はなし……
人間の愚かさを見ずに済むとは幸運よ」 - レオナール
- 見ずとも……感じますから。
- レオナール
- ……死者はもはや土塊と同じ。
悼むべき存在です。 - レオナール
- ……わかりました。
- レオナール
- 君に従いましょう、カイム。
死体はこのままにして砂漠へ急ぐ事にします。 - レオナール
- 私とて、女神達のことは心配ですから……。
- レオナール
- ……誰にでも……
赦される権利はあると信じたい……。
- ”声”は近いぞ!森の奥に進め!
最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!
atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!
最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!