- 第十一章 「別離」
第1節 迷路 -
- 海上要塞で祭壇に辿り着いたカイム達だったが、フリア
エは空中要塞に運ばれた後だった。絶望するレオナール
を叱咤し、カイムは空中要塞に空中移転する。
空中要塞 内部
レオナール - カイム。私は別の場所へ飛ばされたようです。
手分けして女神を探しましょう。 - もう一刻の猶予も許されない。
帝国兵を倒し、女神フリアエの元へ急げ!
レッドドラゴン - ここは……空中要塞のようだ……
女神の”声”を感じるぞ。 - ヴェルドレ
- 封印が解かれたら……世界は終わりだ、
……ハハ……ハ。 - ヴェルドレ
- ”再生の卵”……それは封印が解かれた時に出ると
いわれるモノ……善か悪か? - アリオーシュ
- 血の臭いが近いわ。あははあははあはははははっ!
- ヴェルドレ
- 女神はこの要塞の祭壇に囚われているようだ。
- 宝箱が出現した!
ヴェルドレ - 一刻も早く女神の元へ! 封印が……封印がっ!
- レッドドラゴン
- 我の”声”が聞こえていたら、返事をしろ。
無事にたどりついたのか?
- 海上要塞で祭壇に辿り着いたカイム達だったが、フリア
第2節 夢の現実-
- 神殿内部に進むカイム達はフリアエが囚われている祭壇
に近づきつつあった。
だが、その先でカイムとフリアエを待つのは、司教マナ
が仕組んだ最後の儀式だった。
レッドドラゴン - うむ、女神はまだ辛うじて無事なようだ。
だが時間はないぞ。 - 女神が捕らえられている祭壇に辿り着け!
イウヴァルト - ”裏切り者”なんて言わないでくれ、カイム。
俺たちは今、新しい世界を生み出そうと
しているんだぞ。 - イウヴァルト
- フリアエも生きられる、新しい世界だ!
目を覚ませ、カイム。司教様の教えに賛同しろよ。
生き残ろうぜ! - フリアエ
- イウヴァルト!
こんなところにいてはいけない。
自分の場所に戻って。……く! - イウヴァルト
- !?
- イウヴァルト
- ………
- マナ
- 天使は笑わない。天使は起こしてはならない……
- フリアエ
- うっ!
- マナ
- ラララララ、ララ、ララララ……
私は女なのに、普通の女なのに、どうして
こんな……ちぇっ、ちぇっ、クソが! - フリアエ
- やめて……
- マナ
- 封印がなんだってんだよ! 私を助けろよ!
役に立たない男どもめ! 助けてください。
おねがい。助けて。抱きしめて。お兄ちゃん。 - フリアエ
- いや!!
- マナ
- わたし、あなたの心が読めるの。
ふふ、うふふふ…… - フリアエ
- 違うわ、私……そんなこと思ってない。
- マナ
- 憎い、憎いよ、クソ野郎!
こんな世界滅びればいい! - フリアエ
- 違う!
- マナ
- 汚いの。私、汚いの。女神なんかじゃない。
諦めてるだけ。お願い、お兄ちゃん。私に…… - フリアエ
- ごめんなさい!!
- マナ
- はい、女神失格。
……どうする?
- 神殿内部に進むカイム達はフリアエが囚われている祭壇
第3節 落花-
- フリアエ
- 私を……見ないで……
- マナ
- 『天使は、笑う?』
第4節 理性としての自己-
- 閉ざしていた心の全てを暴かれたフリアエは自らの死を
選択した。その傍らで、全ての封印を破壊したマナが楽
しげに笑う。
封印が失われ”再生の卵”が出現してしまった状況で
ドラゴンは絶望するカイムを叱咤する。
レッドドラゴン - 「馬鹿者!!
激情に走るな! 冷静になれ!!」 - カイム
- …!!
- レッドドラゴン
- 「こらえよ、人間! 卵が生まれるのだ。
世界が本当に終わるぞ!
一刻も早く出て来い!!」 - レッドドラゴン
- 「女神の死を無駄にするな!」
- 閉ざしていた心の全てを暴かれたフリアエは自らの死を
- 第二節 かくれんぼ
-
- 要塞内部で司祭マナを発見したカイム達は、逃げるマナ
を追撃する。
歌うようにつぶやきながら、空間移動を続けるマナを要
塞奥地に追い詰めろ!
セエレ - この”声”って……もしかして……そんな!?
- 諸悪の根源マナを探せ!
- マナ
- 天使は笑わない、天使はうつむかない、
天使はやまない……ラララ。 - レッドドラゴン
- この”声”!? そいつが元凶だ! 逃がすな!
- マナ
- 鬼さん、こちら! 鬼さん、こちら!
- マナ
- ララララ、ラララ、ララ、天使、ラ!
- ヴェルドレ
- あんな幼子が司教とは…… 慈悲を……慈愛を……
どうか……。 - マナ
- お母さんといっしょ!
おっかああああさっんーーーーっ!! - マナ 見つかっちゃった! ララララ……
- 要塞内部で司祭マナを発見したカイム達は、逃げるマナ
第三節 裏切り-
- マナ
- 天使、天使、天使は歌うよ。
ララララララ - セエレ
- やめて! 僕の妹をいじめないで!!
- セエレ
- あ! ……うぅ。
- ゴーレム
- 「ゴゴゴーゴ!」
- セエレ
- だめだよ! やめて、ゴーレム!
この子は僕の妹なんだ!!
それに……マナがこんな風になったのは - セエレ
- きっとぜんぶ僕のせいだから!
- マナ
- ……うぅ……オカアサン……
- セエレ
- しっかりして、マナ!
……母さんは……もう死んじゃったんだよ。 - マナ
- ……ララララララララ……
天使を逃がすな。 - マナ
- 静粛になさい!
あんた達にわたしは殺せない。
だって、わたしは愛されているから! - マナ
- あの方に……誰より強く愛されてるの!
いい? 人間は自分達が一番必要なものに
まだ気付いていない! - マナ
- ……バカね。ほんっとバカばっかり!
救いはそこにあるというのに……。
バカはあの方に愛されっこない。 - マナ
- ララ、ララララララ……
愛されないものに残るは……死よ! - ゴーレム
- 「セエレ、シヌ。カナシイ……」
- セエレ
- ごめんね、ごめんね、許して、マナ……
……助けて……ゴーレム……
第四節 愛につつまれて-
- マナ
- 「今こそ、神の愛を知る時です」
- マナ
- 「深い愛、偉大な愛、そして!
慈悲深き鉄槌を愚かな人間にくだすもまた愛……」 - レオナール
- な、なにが始まるのですか!?
この子供は本当に神の……?
第五節 楽園-
- 司祭マナは死んだ。兄セエレの手によって。
神の使いが消え、全てが終わったかに思えたとき、世界
の崩壊が始まる。
そして、崩れゆく空中要塞の中で、イウヴァルトはフリ
アエを妄執の腕に抱きながら閃光の中に消えた。
イウヴァルト - フリアエ! フリアエ!?
- フリアエ
- ……イウヴァルト……
- イウヴァルト
- 神は死んだぞ、フリアエ!
神はもういないんだ! 自由だぞ!
ハハハハハハハハハハハハハッ! - イウヴァルト
- だいじょうぶ、だいじょうぶだからな。
怯えるな。だいじょうぶだから……。
俺達にはやるべきことがあるんだ。 - フリアエ
- あなたは何を?
- イウヴァルト
- フリアエ、俺達は創造主となるんだよ。
エデンがなくなろうとも、俺達が神だ!! - イウヴァルト
- ハハハハハーッハハハ!!
- フリアエ
- ……
- 司祭マナは死んだ。兄セエレの手によって。