- 第十二章「混沌」
第1節 小さきもの -
- 帝都
(※赤ん坊が空から降ってくるシーンのみで台詞はありません)
- 帝都
第2節 堕胎-
- 神の使いである司教マナの死と共に、この世界の理(こ
とわり)の全てが音を立てて崩れ落ちようとしていた。
空からは異形の”敵”が舞い降り破壊の宴を開始する。
そして”敵”で埋め尽くされた帝都の空にカイムは舞い
上がった。血を吐き、最後まで足掻き続けるために。
レッドドラゴン - この異常な光景! いったいどうなっているのだ!?
- ヴェルドレ
- 司教を倒せば終わり……ではなかったのか?
- ヴェルドレ
- あの赤子は何者? ……まるで天使のようだ……
- レッドドラゴン
- 退くな! 理由はわからぬ。
我の本能がそう告げている。 - ヴェルドレ
- 世界はどうなってしまうのだ?
誰か! 誰か教えてくれっ! - セエレ
- ……僕達……許されないのかな……。
- レッドドラゴン
- もはや神の理を越えた世界。どうなっているのか
誰にもわからぬ。
- 神の使いである司教マナの死と共に、この世界の理(こ
第3節 真実の行方-
- レッドドラゴン
- もうおぬしを引き止めるものは何もない。
すべてを焼く尽くしてやろうぞ! - 謎の「敵」と共に死んだ帝国兵どもが冥界から蘇った。
敵を殲滅し血路を切り開け!
レッドドラゴン - 殺すことで生きる意味を見出すおぬしこそ、この世界
にふさわしい男かも知れぬな。 - レッドドラゴン
- 防御だけではどうにもならぬ。あの異形のものを
倒してここを突破しなくては……。 - さらに謎の「敵」が舞い降りた。
混沌を呼び寄せる奴らを全て葬り去れ!
レオナール - どうせ一度死んだ身……
いつ何処で朽ち果てようとも悔いはありません。 - ヴェルドレ
- ク・アボーイル・レヴェ・ヴォーレー・セレ・ヴェー
イーレー - ヴェルドレ
- ク・アボーイル・レヴェ・ヴォーレー・セレ・ヴェー
イーレー - レッドドラゴン
- 待ち受けるは異様な光景か……心してかかれ。
- 増殖する謎の「敵」。
今はただ、ひたすら斬れ!
アリオーシュ - 焼ける匂いがするわ。くっっくくくくく……
あっははははははははは! - 謎の「敵」は減る気配がない……。
奴らから生き延びろ!
レオナール - 世界が悲鳴に包まれています……早くあの忌まわしき臭いの怪物を殺さなくては!
第4節 聖母の微笑み-
- アリオーシュ
- 来て!
- アリオーシュ
- ひとつに……なりましょう。
私の赤ちゃん。
第5節 それぞれの終わり-
- レオナール
- アリオーシュ、いったい何を?
- アリオーシュ
- ごちそう、いっぱい
- セエレ
- アリオーシュが食べられちゃうよう!
- ヴェルドレ
- 何もかも狂ってる……、ここは地獄だ……
- レッドドラゴン
- 「壊れるのはあとにしろ。
女の開いてくれた道を進まねば命はないぞ!」 - ヴェルドレ
- ま、待ってくれ~っ!
- レオナール
- 道をひらくにはやるしかありません。
- レオナール
- さあ! 行ってください!ここは私が……
- セエレ
- やだよ!
- セエレ
- 一緒に行けないの? どうして行けないの?
僕、イヤだ。もう人が死ぬのはイヤだよ! - レオナール
- ……セエレ。君はとてもいい匂いだ……
- レオナール
- だいじょうぶ。私は死にません。
さあ、行って! 行くのです! - フェアリー
- ”おい、バカ。あさましい真似するなよ。
俺まで死んじゃうよ?” - フェアリー
- ”死んだら、あのセエレちゃんとも遊べないよ?”
- フェアリー
- ”……お願いしますよ。生きてください、
レオナールさん。ねっお願い、お願い!” - フェアリー
- ”ぎゃっ! どうせ怖くて死ねねぇんだろうがっ!?
なっ? そうだろっ?おい? やめろって!” - フェアリー
- ”やめろおおおおおおっ!やめろおおおおおおっ!
やめろおおおおおおっ!” - レオナール
- ……希望の最期は死にあらず!
第6節 異種の存在-
- 圧倒的な数の”敵”の前にアリオーシュが倒され、レオ
ナールもまたカイム達に道を作るべく爆死した。
もはや帰るべき場所はどこにも無い。
ただ、この世界の破壊を食い止めるために、残された契
約者達は”敵”の巨大な本体を目指した。
セエレ - ねえ……レオナールは死んじゃったの?僕のせい?
僕のせいかな? - 「敵」を破壊しながら本体を目指せ!
アリオーシュとレオナールの死を無駄にするな!
レッドドラゴン - すまぬ、カイム。我が翼ではこの先に進めぬようだ。
- セエレ
- あの大きくてコワイやつは……”時間”を操るんだよ。
- ヴェルドレ
- セエレの言っている”時間”とはもしや……
”おおいなる時間”のことか? - ヴェルドレ
- ”おおいなる時間”とは世界を成り立たせている
時のことだ。神話の中での話だが…… - レッドドラゴン
- 倒せたか……?いや……
あの様子ではまだかかりそうだ。 - レッドドラゴン
- 大丈夫か、カイム!? あとはあの大物を倒せば……
- 圧倒的な数の”敵”の前にアリオーシュが倒され、レオ
第7節 おおいなる時間-
- ヴェルドレ
- 世界の……何もかもが飲み込まれていく……
アレは……何だ?
なぜ、”おおいなる時間”を歪める!? - セエレ
- 熱い! からだが熱いよ!
- ゴーレム
- 「ハンノウ、シテル?」
- ヴェルドレ
- 反応? 何と?
……まさか、アイツと!? - レッドドラゴン
- 「幼子が失ったものは”時間”。
ありえぬ話ではない」 - ゴーレム
- 「ゴオオオオオー!
セエレ、ケイヤク、キレル」 - レッドドラゴン
- 「……”おおいなる時間”か……?
ならば……最期の希望は………」
第8節 ちいさい勇者さま-
- 巨大化し、今にも世界を飲み込もうとする”敵”
終わりゆく世界を前に、セエレが最期の提案をする。
それは自らの身体に封じられた”おおいなる時間”を解
き放ち”敵”の本体もろとも永遠の時間の中に自分を凍
結する、というものだった。
全てを覚悟するセエレにカイム達は最期の希望を託す。
苛烈な運命を生きた小さな勇者の願いと共に、ドラゴン
が”敵”に向けて飛び立った。
ヴェルドレ - 助けて! 神よ!! 助けたまえ!
- カイム
- ………
- ヴェルドレ
- 死ぬ! 死ぬ! 死ぬのはイヤだ!!
- ヴェルドレ
- イヤだっっっっ!
- ゴーレム
- 「セエレ、アブ……ナイ」
- セエレ
- バイバイ。
- レッドドラゴン
- 「……本気か?」
- セエレ
- 僕……わかるんだ。
アレは”時間”を操るモノでしょ?
放っておけば、怖いことがたくさん起こるよ。 - ヴェルドレ
- セエレ! 何をするつもりだ?
- セエレ
- 僕しか……いないんだ。
同じモノを持ってるのは、僕しか…… - レッドドラゴン
- 「ヤツと戦えば、自分がどうなるかわかっておる
な?」 - セエレ
- 昔々あるところにひとりの勇敢な兵士がおりました。
兵士は時の滴を飲み干し、世界の穴で眠っており
ました。 - セエレ
- ずっとずっと、若くて強い、そのままの姿で……。
- セエレ
- レッドドラゴン
- 「?」
- けれども、世界が血で染まった時、兵士は目覚め
ました。
「今こそ、我が命を使う時!」 - セエレ
- 兵士は時の滴にひたった体で、世界の果てを目指し
ました。 - セエレ
- 兵士は老い、劣り、やがては死にましたが、兵士の永
遠の時は、世界に新たな命を作りましたとさ。
おしまい。 - セエレ
- ……”ちいさい勇者さま”の話だよ。
母さんがお話してくれた。 - レッドドラゴン
- 「神話において勇者はいつも”希望”だ。
……おぬしにも……その血は流れておる」 - セエレ
- うれしいな……。
飛んでよ。あそこまで連れてって! - レッドドラゴン
- 「……辿り着けるか?」
- ヴェルドレ
- 無駄だ! 無駄だ!!
幼子のいのちひとつで何が変わろう!? - ゴーレム
- 「セ……エ、レ」
- 巨大化し、今にも世界を飲み込もうとする”敵”
第9節 覚醒-
- セエレ
- 出来るさ!僕は・・・・
”ちいさい勇者さま”なんだ - 「敵」の猛攻をくぐり抜け、セエレと共に敵中心部に辿り着け!
レッドドラゴン - ”時間”が……壊れる???
第10節 セエレの安堵-
- 「ごめんね……」
永遠の時間の中でセエレはマナに許しを乞う。
そして、全てを封じる力が時間を止めた。
セエレ - これで……許してくれる? マナ……
-
the Deffy child's wildest dreams
A weakling in an eternal solitude will eventually halt
a jumping minute hand.
(永遠の孤独を持つ弱き者は最後に跳ね飛ぶ長針を止めるだろう)
- 「ごめんね……」
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