不快、苛立ち、嫌悪、憤怒。
言葉では到底言い表せぬ負の感情が綯い交ぜとなった顔で、無惨は宙を睨み上げる。
言葉では到底言い表せぬ負の感情が綯い交ぜとなった顔で、無惨は宙を睨み上げる。
数十分前、地下空間から地上へと出た無惨は急ぎ行動に移った。
時間は有限、今こうしている間にも珠世に打たれた薬に肉体が蝕まれている。
鬼にしてやった恩を忘れ、産屋敷なんぞに協力した憎たらしい売女。
罵りの言葉は無数に浮かぶが、口に出しても状況は一つとして好転せず。
放って置けば老化は取り返しの付かない所まで進行し、待ち受けるのは末期の患者の如き弱々しく惨めな最期。
人間という脆弱な殻を脱ぎ捨て、完璧な肉体を手に入れた自分がそのような末路を迎えるなど認めない。
故に一刻も早く手に入れねばならない、時を止める力を。
月が昇る今の時間帯は、余計な制限も無く動き回れる絶好の機会。
一時撤退を選んだとはいえ、あの金髪の男はまだそう遠くへは行っていない筈。
ならば急ぎ追い、その道程で誰が来ようと殺して進む。
力の差も理解出来ない愚図に掛ける情けは皆無、むしろ自分に余計な手を煩わせた罪を噛み締め死ねば良い。
時間は有限、今こうしている間にも珠世に打たれた薬に肉体が蝕まれている。
鬼にしてやった恩を忘れ、産屋敷なんぞに協力した憎たらしい売女。
罵りの言葉は無数に浮かぶが、口に出しても状況は一つとして好転せず。
放って置けば老化は取り返しの付かない所まで進行し、待ち受けるのは末期の患者の如き弱々しく惨めな最期。
人間という脆弱な殻を脱ぎ捨て、完璧な肉体を手に入れた自分がそのような末路を迎えるなど認めない。
故に一刻も早く手に入れねばならない、時を止める力を。
月が昇る今の時間帯は、余計な制限も無く動き回れる絶好の機会。
一時撤退を選んだとはいえ、あの金髪の男はまだそう遠くへは行っていない筈。
ならば急ぎ追い、その道程で誰が来ようと殺して進む。
力の差も理解出来ない愚図に掛ける情けは皆無、むしろ自分に余計な手を煩わせた罪を噛み締め死ねば良い。
生存欲求を脚力に乗せ駆け出し、数分と経たない内に出鼻を挫かれる羽目となった。
突如空中に浮かび上がった男の姿。
巨大モニターを通じた主催陣営の放送、無惨の知識には無い数百年以上先の技術。
未来の科学を目の当たりにしても動揺は無く、されど何も感じないという事にはならない。
突如空中に浮かび上がった男の姿。
巨大モニターを通じた主催陣営の放送、無惨の知識には無い数百年以上先の技術。
未来の科学を目の当たりにしても動揺は無く、されど何も感じないという事にはならない。
檀黎斗。
冥界の魔王や、どこからともなく乱入した鎧武者にそう呼ばれた男。
どうやら話を聞くに黎斗こそが殺し合いの元凶らしい。
顰めっ面で見上げる無惨の内心は激しく荒れ狂い、下手をすれば憤死しかねない程。
冥界の魔王や、どこからともなく乱入した鎧武者にそう呼ばれた男。
どうやら話を聞くに黎斗こそが殺し合いの元凶らしい。
顰めっ面で見上げる無惨の内心は激しく荒れ狂い、下手をすれば憤死しかねない程。
あの男の一挙一動が癪に障る。
口から吐き出す糞のような言葉が鼓膜を刺激する度に、自分の耳を引き千切りたい衝動に駆られる。
何らかの力を手にし付け上がった屑が神を自称し、不愉快極まりない。
我こそが絶対だと信じて疑わない態度、ふざけているのか。
何の権利があってこちらに命令している、身の程を知る知能すら無い塵が。
口から吐き出す糞のような言葉が鼓膜を刺激する度に、自分の耳を引き千切りたい衝動に駆られる。
何らかの力を手にし付け上がった屑が神を自称し、不愉快極まりない。
我こそが絶対だと信じて疑わない態度、ふざけているのか。
何の権利があってこちらに命令している、身の程を知る知能すら無い塵が。
黎斗が何を考え無惨を参加させたのかは安易に見当が付く。
この地にいるかもしれない鬼狩りどもや、その他大勢の人間を殺す狩人としての役目。
殺し合いと言う名の遊戯を効率良く進める、手頃な駒。
怒りで顔に赤みが増す。
無惨は他者を殺すのに一切の躊躇を抱かない男だが、不要な殺しを積極的に行う性質でもない。
殺すのは絶望的に低い沸点により癇癪を引き起こした時か、食事や口封じなど必要に迫れた時のみだ。
平時においても見境なしに殺して回るような、快楽殺人者ではないのである。
無惨からしたら無駄な労力を割いてまで、有象無象を手に掛けねばならない状況へ追いやった黎斗に怒りを抱くのは当然のこと。
そんなもの鬼狩りの連中でも呼んで、異常者同士勝手にやっていれば良いだろうに。
この地にいるかもしれない鬼狩りどもや、その他大勢の人間を殺す狩人としての役目。
殺し合いと言う名の遊戯を効率良く進める、手頃な駒。
怒りで顔に赤みが増す。
無惨は他者を殺すのに一切の躊躇を抱かない男だが、不要な殺しを積極的に行う性質でもない。
殺すのは絶望的に低い沸点により癇癪を引き起こした時か、食事や口封じなど必要に迫れた時のみだ。
平時においても見境なしに殺して回るような、快楽殺人者ではないのである。
無惨からしたら無駄な労力を割いてまで、有象無象を手に掛けねばならない状況へ追いやった黎斗に怒りを抱くのは当然のこと。
そんなもの鬼狩りの連中でも呼んで、異常者同士勝手にやっていれば良いだろうに。
それ以前に黎斗ら主催者は無惨へ首輪を着けた、殺し合えと命令をした。
無惨は己を縛る存在を決して認めない。
余程の理由でも無い限り、無惨の中で黎斗達を生かす選択は存在しない。
無惨は己を縛る存在を決して認めない。
余程の理由でも無い限り、無惨の中で黎斗達を生かす選択は存在しない。
だが怒りに身を任せる事が余りに多い無惨でも、それのみに囚われる愚は犯さなかった。
上空に浮かぶ主催者達のやり取りから、重要と思わしき情報を見極める。
特に注視したのは銀の鎧武者が返り討ちに遭った光景。
黒い鎧らしきものを纏った黎斗に斬り掛かったかと思えば、瞬きの間に地へ伏していたのだ。
黎斗の攻撃を受けたのだとしても、肝心の攻撃を加えた瞬間が確認できない。
まるでその部分だけ綺麗さっぱり削られたかのよう。
上空に浮かぶ主催者達のやり取りから、重要と思わしき情報を見極める。
特に注視したのは銀の鎧武者が返り討ちに遭った光景。
黒い鎧らしきものを纏った黎斗に斬り掛かったかと思えば、瞬きの間に地へ伏していたのだ。
黎斗の攻撃を受けたのだとしても、肝心の攻撃を加えた瞬間が確認できない。
まるでその部分だけ綺麗さっぱり削られたかのよう。
この奇怪な現象の正体に、心当たりが一つある。
つい先ほど自分も味わった未知の能力、時間停止。
黎斗が攻撃した瞬間が確認できないのは当たり前だ、時を止めた世界を認識出来るのは止めた本人だけなのだろう。
となれば納得はいく。
金髪の男のような能力の持ち主ですら、何故一参加者へと落とし込めるのか。
答えは主催者も同じ能力を持っているから、それだけだ。
つい先ほど自分も味わった未知の能力、時間停止。
黎斗が攻撃した瞬間が確認できないのは当たり前だ、時を止めた世界を認識出来るのは止めた本人だけなのだろう。
となれば納得はいく。
金髪の男のような能力の持ち主ですら、何故一参加者へと落とし込めるのか。
答えは主催者も同じ能力を持っているから、それだけだ。
尤も、金髪の男と黎斗では時を止める方法そのものが恐らく違う。
金髪の男は傍らに出現させた人形の力で、男自身の能力で時を止める。
一方黎斗は銀の鎧武者を返り討ちにする直前、奇妙な腰巻きに触れていた。
つまり黎斗本人の能力ではなく、あの腰巻きに時を止める仕掛けが施されている可能性が高い。
違いはあれど時を止める力の持ち主二人の存在を確認できた訳だが、今優先するのは金髪の男の方。
何らかの術により大々的に存在を知らしめているとはいえ、黎斗の現在地は不明。
更に全く持って忌々しい限りだが、仮に今すぐ黎斗達の居場所が判明しても首輪がある以上即座には殺せない。
無惨が鬼であると知って尚も首輪を装着したのなら、無惨の生命力であろうと死に追いやる仕掛けが施されていると考えるのが自然。
何より今の無惨は薬の効果で生命力が衰退の一途を辿っている。
このままでは、太陽の光以外で死ぬのも有り得ないでは済まされない。
金髪の男は傍らに出現させた人形の力で、男自身の能力で時を止める。
一方黎斗は銀の鎧武者を返り討ちにする直前、奇妙な腰巻きに触れていた。
つまり黎斗本人の能力ではなく、あの腰巻きに時を止める仕掛けが施されている可能性が高い。
違いはあれど時を止める力の持ち主二人の存在を確認できた訳だが、今優先するのは金髪の男の方。
何らかの術により大々的に存在を知らしめているとはいえ、黎斗の現在地は不明。
更に全く持って忌々しい限りだが、仮に今すぐ黎斗達の居場所が判明しても首輪がある以上即座には殺せない。
無惨が鬼であると知って尚も首輪を装着したのなら、無惨の生命力であろうと死に追いやる仕掛けが施されていると考えるのが自然。
何より今の無惨は薬の効果で生命力が衰退の一途を辿っている。
このままでは、太陽の光以外で死ぬのも有り得ないでは済まされない。
主催者への怒りを宿しつつも、自らの生還の為に必要となる情報を一つでも読み取ろうと視線は外さない。
そんな姿勢は、一瞬で崩される事となった。
そんな姿勢は、一瞬で崩される事となった。
『最後に敵キャラを紹介しよう』
鬼舞辻無惨は他の鬼を凌駕する驚異的な力を持つ。
本来辿る筈だった正史において、鬼殺隊が勝利を収められたのは珠世としのぶが共同で開発した薬があってこそ。
それが無ければ柱複数人、痣が発現した隊士複数掛かりであっても全滅という末路を迎えていた可能性は大いにあった。
十二鬼月最強の戦力である黒死牟ですら、無惨には及ばない。
本来辿る筈だった正史において、鬼殺隊が勝利を収められたのは珠世としのぶが共同で開発した薬があってこそ。
それが無ければ柱複数人、痣が発現した隊士複数掛かりであっても全滅という末路を迎えていた可能性は大いにあった。
十二鬼月最強の戦力である黒死牟ですら、無惨には及ばない。
『このゲームは基本的に対人戦でNPCは出来る限りプレイヤーの命を奪わないように調整してあるが―――』
そんな無惨でも長きに渡り生にしがみついた中で、一度だけ圧倒的な恐怖を味わった事があった。
ただの一撃を入れる事も叶わず、そればかりか逃走に集中するしかなかった相手。
決して忘れはさせぬとばかりに付けられた傷痕は、今でも覆い隠した肉の奥で焼けるような痛みを訴えている。
だがその男は数百年前に死に、この世のどこにも存在しない。
鬼の無惨をして化け物と戦慄させる存在も、寿命と言う人間の限界からは逃れられなかった。
だからもう二度と、あの時の恐怖を味わう事は無い。
ただの一撃を入れる事も叶わず、そればかりか逃走に集中するしかなかった相手。
決して忘れはさせぬとばかりに付けられた傷痕は、今でも覆い隠した肉の奥で焼けるような痛みを訴えている。
だがその男は数百年前に死に、この世のどこにも存在しない。
鬼の無惨をして化け物と戦慄させる存在も、寿命と言う人間の限界からは逃れられなかった。
だからもう二度と、あの時の恐怖を味わう事は無い。
その筈だというのに。
『彼だけは別だ』
「――――――――」
数百年振りに蝕む、焦燥と恐怖。
札のような耳飾りが特徴的な男を見た今この時だけ、黎斗への怒りも忘れる衝撃に襲われた。
心臓が悲鳴にも似た鼓動を響かせ、細胞全てが異様に張り詰める。
札のような耳飾りが特徴的な男を見た今この時だけ、黎斗への怒りも忘れる衝撃に襲われた。
心臓が悲鳴にも似た鼓動を響かせ、細胞全てが異様に張り詰める。
黎斗が何か言っていたが耳に入らない。
ゲームに反抗的な参加者の戦意を煽り、とある二人へ揺さぶりを掛ける為に紹介した少女の存在すら意識の外だ。
磯野と呼ばれた男の喧しい宣言と同時に映像が消え、会場には静寂が戻る。
ゲームに反抗的な参加者の戦意を煽り、とある二人へ揺さぶりを掛ける為に紹介した少女の存在すら意識の外だ。
磯野と呼ばれた男の喧しい宣言と同時に映像が消え、会場には静寂が戻る。
「――――っ!!!!!」
轟音。
アスファルトが砕け散り、地面に大きな破壊痕が生まれた。
衝動のままに腕を振るった無惨から、余裕は完全に消え失せている。
直接目の前に現れたのではない、されど数百年前に直接対峙したからこそ分かる。
アレは本物、この身に消えぬ恐怖(いたみ)を刻み付けた化け物本人であると。
アスファルトが砕け散り、地面に大きな破壊痕が生まれた。
衝動のままに腕を振るった無惨から、余裕は完全に消え失せている。
直接目の前に現れたのではない、されど数百年前に直接対峙したからこそ分かる。
アレは本物、この身に消えぬ恐怖(いたみ)を刻み付けた化け物本人であると。
ふざけるなふざけるなふざけるな。
何故貴様はこの期に及んで私の前に現れる。
何故大人しく地の底で腐り果てない。
化け物が、貴様が存在するだけで世の理が狂う。
何故貴様はこの期に及んで私の前に現れる。
何故大人しく地の底で腐り果てない。
化け物が、貴様が存在するだけで世の理が狂う。
常に全身を移動し続ける脳が、今後どうすべきかを模索し続ける。
あの化け物と同じ地にいながら、生き延びる為の方法を。
だが考えれば考える程、出て来る答えに自分の詰みを突き付けられるばかり。
まず、この手で始末するという選択肢は真っ先に外す。
肉体に問題の無い時でさえ抵抗すら許されずに斬られたのだ、薬の効果で弱体化を余儀なくされた今の自分では目も当てられない結果となるに違いない。
仮に薬を打たれてなかったとしても、相手は分裂による逃走を間違いなく警戒している。
同じ手を二度も食らうような馬鹿なら、こうも焦ってなどいない。
あの化け物と同じ地にいながら、生き延びる為の方法を。
だが考えれば考える程、出て来る答えに自分の詰みを突き付けられるばかり。
まず、この手で始末するという選択肢は真っ先に外す。
肉体に問題の無い時でさえ抵抗すら許されずに斬られたのだ、薬の効果で弱体化を余儀なくされた今の自分では目も当てられない結果となるに違いない。
仮に薬を打たれてなかったとしても、相手は分裂による逃走を間違いなく警戒している。
同じ手を二度も食らうような馬鹿なら、こうも焦ってなどいない。
潜伏し寿命で事切れるのを待ち続ける、これも不可能。
無惨がいるのは元いた日本ではなく、黎斗が用意した閉鎖空間。
数歩歩けば遭遇する程の狭さとは言わないが、数十年も隠れ続けられる場所でもない。
何より、そのような動きを主催者達が容認するとも思えない。
さっきの態度からして、黎斗は殺し合いを一種の遊戯と捉えているように見受けられた。
であれば他者との戦闘に発展せず隠れてやり過ごす真似は、盛り上がりに欠けるとして歓迎しないはず。
期待外れと首輪を遠隔で爆破されるか、潜伏場所をあの男に伝えられる可能性は非常に高い。
無惨がいるのは元いた日本ではなく、黎斗が用意した閉鎖空間。
数歩歩けば遭遇する程の狭さとは言わないが、数十年も隠れ続けられる場所でもない。
何より、そのような動きを主催者達が容認するとも思えない。
さっきの態度からして、黎斗は殺し合いを一種の遊戯と捉えているように見受けられた。
であれば他者との戦闘に発展せず隠れてやり過ごす真似は、盛り上がりに欠けるとして歓迎しないはず。
期待外れと首輪を遠隔で爆破されるか、潜伏場所をあの男に伝えられる可能性は非常に高い。
何故自分の命が異常者の都合で左右されなければならない。
怒りなど異様に低い沸点のせいで数えきれないくらいに抱いて来たが、これ程までに屈辱と不快感を味わったのは初めてに思えた。
歯が全て砕けんばかりに噛み締め、されど諦観にだけは至らない。
考え続ける、どうすれば生きられるかを。
僅かな可能性を手繰り寄せ、ちっぽけな情報を組み立てていく。
怒りなど異様に低い沸点のせいで数えきれないくらいに抱いて来たが、これ程までに屈辱と不快感を味わったのは初めてに思えた。
歯が全て砕けんばかりに噛み締め、されど諦観にだけは至らない。
考え続ける、どうすれば生きられるかを。
僅かな可能性を手繰り寄せ、ちっぽけな情報を組み立てていく。
「…………やはり、あの男の力が必要不可欠となるか」
出した結論は放送前と同じ、金髪の男を喰らい時を止める力を我が物とする。
耳飾りの男と同じ切羽詰まった問題として、無惨の肉体は現在進行形で急速に衰えているのだ。
例え数日間あの男との遭遇を免れても、解毒が完了しなければ寿命で消滅は避けられない。
加えて時を止める力さえ手に入れば、あの男を殺す事も現実味を帯びて来るだろう。
アレが無惨にすら反応を許さない速さで剣を振ろうと、時間そのものを止められては無意味。
尤も、それで確実に仕留められると絶対の自信を持って言える訳ではない。
時を止める間すら無く殺される、あの男相手ならそうなっても不思議は無いのだから。
耳飾りの男と同じ切羽詰まった問題として、無惨の肉体は現在進行形で急速に衰えているのだ。
例え数日間あの男との遭遇を免れても、解毒が完了しなければ寿命で消滅は避けられない。
加えて時を止める力さえ手に入れば、あの男を殺す事も現実味を帯びて来るだろう。
アレが無惨にすら反応を許さない速さで剣を振ろうと、時間そのものを止められては無意味。
尤も、それで確実に仕留められると絶対の自信を持って言える訳ではない。
時を止める間すら無く殺される、あの男相手ならそうなっても不思議は無いのだから。
もう一つ、微々たるものだが無惨にとって有利な事実があった。
耳飾りの男は姿こそ数百年前と同じ、しかし行動まであの頃とそっくりそのままではない。
聞き慣れない言葉を並べていたが分かる、あの男は黎斗の傀儡と化している。
つまり鬼狩りとして人間どもの命を守る為にではなく、無差別に牙を剥く剣鬼として存在する。
あの男は無惨のみならず、全参加者にとっての敵であるのだ。
ならばあの男が無惨の元へ辿り着く前に、他の参加者達が足止め役となる。
当然有象無象が束になった所でアレを相手に勝利を奪えるとは思っていないが、それでも幾分かの時間稼ぎにはなるだろう。
耳飾りの男は姿こそ数百年前と同じ、しかし行動まであの頃とそっくりそのままではない。
聞き慣れない言葉を並べていたが分かる、あの男は黎斗の傀儡と化している。
つまり鬼狩りとして人間どもの命を守る為にではなく、無差別に牙を剥く剣鬼として存在する。
あの男は無惨のみならず、全参加者にとっての敵であるのだ。
ならばあの男が無惨の元へ辿り着く前に、他の参加者達が足止め役となる。
当然有象無象が束になった所でアレを相手に勝利を奪えるとは思っていないが、それでも幾分かの時間稼ぎにはなるだろう。
その他の邪魔となる者は鬼狩りも含めて全て薙ぎ払う。
今後の方針を纏め終えるとすぐに金髪の男の追跡を再開する。
今は一分一秒が惜しい。
時を止める力を手に入れ、このふざけた茶番を生き延びた後は檀黎斗を殺す。
愚かにも自分に向けて神を名乗り屈辱を味合わせた罪、あの男自身の命で代償を支払わせねば気は済まなかった。
今は一分一秒が惜しい。
時を止める力を手に入れ、このふざけた茶番を生き延びた後は檀黎斗を殺す。
愚かにも自分に向けて神を名乗り屈辱を味合わせた罪、あの男自身の命で代償を支払わせねば気は済まなかった。
鬼舞辻無惨は己の生を投げ出さない。
その為に、何を犠牲にしようとも。
その為に、何を犠牲にしようとも。
【F-3 市街地/一日目/深夜】
【鬼舞辻無惨@鬼滅の刃】
[状態]:健康、主催者への不快感(極大)、恐怖と焦燥感(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:誰であろうと殺す。
1:金髪の男(DIO、名前は知らない)を喰い殺し、時を止める力を手に入れる。
2:1が完了するまで耳飾りの剣士(縁壱)との接触は絶対に避ける。何時まで私に付き纏う気だ貴様は。
3:全てが終わったら檀黎斗を殺す。二度と私の前に姿を見せるな異常者が。
[備考]
※無限城決戦終盤からの参戦(寿命残り数日)。分裂不可。再生能力は今のところ健在。
[状態]:健康、主催者への不快感(極大)、恐怖と焦燥感(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:誰であろうと殺す。
1:金髪の男(DIO、名前は知らない)を喰い殺し、時を止める力を手に入れる。
2:1が完了するまで耳飾りの剣士(縁壱)との接触は絶対に避ける。何時まで私に付き纏う気だ貴様は。
3:全てが終わったら檀黎斗を殺す。二度と私の前に姿を見せるな異常者が。
[備考]
※無限城決戦終盤からの参戦(寿命残り数日)。分裂不可。再生能力は今のところ健在。
024:未来への第一歩 | 投下順 | 026:Moving fast 心の時計、走らせ |
時系列順 | ||
04:夜に駆ける | 鬼舞辻無惨 | 055:鬼械戦線 |