空域。
生身の人間では決して到達しうることのできない領域。
もし飛べるとするならば、そこは安全圏と多くの者が思うだろう。
あくまで、空中と言う領域が何かを知らぬ者からすればの意見だが。
生身の人間では決して到達しうることのできない領域。
もし飛べるとするならば、そこは安全圏と多くの者が思うだろう。
あくまで、空中と言う領域が何かを知らぬ者からすればの意見だが。
「ABC-ドラゴン・バスターで攻撃!」
「チィ!」
「XYZ-ドラゴン・キャノンで攻撃!」
「フン!」
「XYZ-ハイパー・ドラゴン・キャノンで攻撃!」
「おのれぇ!!」
「ABCードラゴン・バスターの効果発動!
手札を一枚コストに、貴様の戦車を除外する!」
手札を一枚コストに、貴様の戦車を除外する!」
「させんぞぉ!!」
それはもう戦いと言っていいのだろうか。
牛車、基神威の車輪に乗ったDIOが死に物狂いで避けていた。
砲撃、ビームを筆頭とした圧倒的なまでの弾幕は一個人を相手にするには過剰すぎる火力だ
まさに殺意の塊。一撃でも受ければDIOでなくても大概の参加者は昇天が確定する。
何故、このような展開になっていると言うと時は少々遡る。
牛車、基神威の車輪に乗ったDIOが死に物狂いで避けていた。
砲撃、ビームを筆頭とした圧倒的なまでの弾幕は一個人を相手にするには過剰すぎる火力だ
まさに殺意の塊。一撃でも受ければDIOでなくても大概の参加者は昇天が確定する。
何故、このような展開になっていると言うと時は少々遡る。
空中を飛び交う赤き機竜、Y-ドラゴン・ヘッド。
口から雷光を放ち、空を飛び交うモンスターを撃墜していく。
難なくしのいでいる海馬ではあるものの、空も安全圏ではないのが分かる。
もっとも、この程度は予想済みだ。ゲームと称しているのであれば、一方的なゲームバランスは避ける。
無論、最初に憤った通りお世辞にもバランスがいいとは言えないのがこの舞台の特徴でもあるのだが。
口から雷光を放ち、空を飛び交うモンスターを撃墜していく。
難なくしのいでいる海馬ではあるものの、空も安全圏ではないのが分かる。
もっとも、この程度は予想済みだ。ゲームと称しているのであれば、一方的なゲームバランスは避ける。
無論、最初に憤った通りお世辞にもバランスがいいとは言えないのがこの舞台の特徴でもあるのだが。
(空を飛ぶのは余りあてにするべきではないな。)
カイトの時のように大型モンスターや、
何かしらのアクションがあればそこを目指しやすい。
だが空高くではいかに参加者が大人数だとしてもフィールドの広大さでは余りにも小さい。
もう少し高度を下げていれば、近くのエリアに里見灯花の姿も確認できたかもしれないが、所詮は結果論である。
どうにもほかの参加者との接触がないまま時間がただ流れていく中、事態は急変していく。
何かしらのアクションがあればそこを目指しやすい。
だが空高くではいかに参加者が大人数だとしてもフィールドの広大さでは余りにも小さい。
もう少し高度を下げていれば、近くのエリアに里見灯花の姿も確認できたかもしれないが、所詮は結果論である。
どうにもほかの参加者との接触がないまま時間がただ流れていく中、事態は急変していく。
「!」
ドラゴン、鳥獣、機械、いずれの飛行型のモンスターにあらず。
迫るは獣族と言うべき牛。雷光を轟かせて迫るそれは並のモンスターとは別格。
迎撃など考えず、旋回しながら上空よりその牛の引く戦車を海馬は見やる。
傲岸不遜な態度で座る、漆黒のスーツと鎧に包まれた人物。何者か知る由もない。
だが言葉は不要。海馬にとって蹴散らすべき敵。その認識だけで十分だ。
迫るは獣族と言うべき牛。雷光を轟かせて迫るそれは並のモンスターとは別格。
迎撃など考えず、旋回しながら上空よりその牛の引く戦車を海馬は見やる。
傲岸不遜な態度で座る、漆黒のスーツと鎧に包まれた人物。何者か知る由もない。
だが言葉は不要。海馬にとって蹴散らすべき敵。その認識だけで十分だ。
DIOは予めメタルビルドへと変身していた。
元より太陽の遮断が目的だったわけだ。地上全体に太陽が行き届く前に、
空中は諸に太陽光を浴びるのだからあらかじめ変身しておくのが当然ではある。
元より太陽の遮断が目的だったわけだ。地上全体に太陽が行き届く前に、
空中は諸に太陽光を浴びるのだからあらかじめ変身しておくのが当然ではある。
「無駄だと分かっているが貴様、何者だ?」
スーツ越しでは相手の容姿は一切分からない。
太陽の光を浴びる漆黒の鎧は、地上の黒点のような存在感を放つ。
太陽の光を浴びる漆黒の鎧は、地上の黒点のような存在感を放つ。
「突然の無法な行動に挨拶はすまないな。
何分牛車……いや戦車の扱いには不慣れなものでな。
私はDIO。今は仮面ライダーの姿をしていることについては、
太陽光アレルギーなものでね……顔を見せられないことは理解してもらおう。」
何分牛車……いや戦車の扱いには不慣れなものでな。
私はDIO。今は仮面ライダーの姿をしていることについては、
太陽光アレルギーなものでね……顔を見せられないことは理解してもらおう。」
「……海馬瀬人だ。二人いるが、名簿上のどちらが俺を指してるかは知らん。」
機械竜と戦車。
二つの存在が並走しながら空中で語らう姿は、
いささかシュールと言わざるを得ない光景だった。
語らうと言っても簡潔な情報交換……と言いたいところだが、
海馬が出会ったのはもう一人の自分以外はカイト達だけなので情報は乏しく、
そしてDIOはその三人とも出会ってるため殆どDIOからの提供ばかりになる。
なお、何故DIOの情報を得ながら冷静な面持ちのままで海馬はDIOと話しているのかと言うと、
『カイトと出会ったことを全て鵜呑みにしているわけではない』と、先に忠告したからだ。
もっとも、最初に敵ではないと予想してる海馬にとってそれは彼の出方を伺ってるのもあるが。
二つの存在が並走しながら空中で語らう姿は、
いささかシュールと言わざるを得ない光景だった。
語らうと言っても簡潔な情報交換……と言いたいところだが、
海馬が出会ったのはもう一人の自分以外はカイト達だけなので情報は乏しく、
そしてDIOはその三人とも出会ってるため殆どDIOからの提供ばかりになる。
なお、何故DIOの情報を得ながら冷静な面持ちのままで海馬はDIOと話しているのかと言うと、
『カイトと出会ったことを全て鵜呑みにしているわけではない』と、先に忠告したからだ。
もっとも、最初に敵ではないと予想してる海馬にとってそれは彼の出方を伺ってるのもあるが。
「誰も彼も殺し合いには懐疑的な存在だった。
ただ或人は少し気を付けた方がいいだろうな。
奴は滅と言う男への復讐を望んでいる……ああ、
言っておくが善悪の概念で言えば滅の方が悪らしい。
私にとって復讐の議論などするつもりは毛頭ないのだが、
彼の場合は復讐のためであれば手段を選ぶか怪しくはあるからな。」
ただ或人は少し気を付けた方がいいだろうな。
奴は滅と言う男への復讐を望んでいる……ああ、
言っておくが善悪の概念で言えば滅の方が悪らしい。
私にとって復讐の議論などするつもりは毛頭ないのだが、
彼の場合は復讐のためであれば手段を選ぶか怪しくはあるからな。」
カイトの時と同様に、人物情報について『だけは』真実を語っていく。
とは言え、今回の相手についてはこの策は余り役に立ちそうにないと思っていた。
或人やミカンのように精神が不安定な人物ならば、危険人物である自身からの情報を、
簡単に信じることはなく承太郎が安全な人物と言う言葉にも疑念を持つだろう。
しかし目の前の男は余りにも冷静だ。成功率が低い手術を前にしても冷静に、正確にメスを入れる。
嘗てホル・ホースに撃たれそうになったが、あの時の彼以上だ。一歩間違えれば即死間違いなしで、
命綱も手綱もなく空の世界でモンスターの上で仁王立ちしている彼は、極めて強靭な精神力を持っていることが伺える。
悪意の種を蒔いたところで、果たして本当に芽吹くかどうかについては懐疑的な部分があることは否めない。
とは言え、今回の相手についてはこの策は余り役に立ちそうにないと思っていた。
或人やミカンのように精神が不安定な人物ならば、危険人物である自身からの情報を、
簡単に信じることはなく承太郎が安全な人物と言う言葉にも疑念を持つだろう。
しかし目の前の男は余りにも冷静だ。成功率が低い手術を前にしても冷静に、正確にメスを入れる。
嘗てホル・ホースに撃たれそうになったが、あの時の彼以上だ。一歩間違えれば即死間違いなしで、
命綱も手綱もなく空の世界でモンスターの上で仁王立ちしている彼は、極めて強靭な精神力を持っていることが伺える。
悪意の種を蒔いたところで、果たして本当に芽吹くかどうかについては懐疑的な部分があることは否めない。
「復讐か。誰が何をしようが、勝手ではあるがな。」
此方の海馬はバーチャル世界で海馬剛三郎による復讐にあった。
もっとも、剛三郎が自殺した世界の海馬と違ってこちらの海馬は、
株の争奪戦によって失脚と言う形で勝利を収めている海馬にとって、
海馬剛三郎と言う存在については余り大きな存在ではないのだが。
言葉通り、心底どうでもいい。最後の戦いを見届けなかったことで、
アテムに執着するもう一人の海馬と同様、好き勝手やってくれればいい話で終わる。
もっとも、剛三郎が自殺した世界の海馬と違ってこちらの海馬は、
株の争奪戦によって失脚と言う形で勝利を収めている海馬にとって、
海馬剛三郎と言う存在については余り大きな存在ではないのだが。
言葉通り、心底どうでもいい。最後の戦いを見届けなかったことで、
アテムに執着するもう一人の海馬と同様、好き勝手やってくれればいい話で終わる。
「それでDIO。貴様は……」
互いに移動手段があるわけだ。
こうして並走するのは効率、時間共に無駄になる。
承太郎とやらに合流するのかと尋ねようとしたが、海馬は咄嗟に飛びのく。
弾丸の如く迫るザ・ワールドの右ストレートを無傷で躱すにはそれしかなく、
空中をそのまま落下と言う選択肢を取らざるを得なかった。
敵であることは予想してたので、弾丸をつまめるスター・プラチナと同じステータスの、
ザ・ワールドを相手にしても避ける動作が間に合っているのはそういうことでもある。
こうして並走するのは効率、時間共に無駄になる。
承太郎とやらに合流するのかと尋ねようとしたが、海馬は咄嗟に飛びのく。
弾丸の如く迫るザ・ワールドの右ストレートを無傷で躱すにはそれしかなく、
空中をそのまま落下と言う選択肢を取らざるを得なかった。
敵であることは予想してたので、弾丸をつまめるスター・プラチナと同じステータスの、
ザ・ワールドを相手にしても避ける動作が間に合っているのはそういうことでもある。
海馬と会話しても、取り込むことはまず不可能だろうとDIOは判断した。
そして悪意の種も同様。ザ・ワールドを前に飛び降りるを躊躇せず選択している。
では何故先程万丈や承太郎を善良な参加者と、あえて真実を吹聴する無駄をするのか。
それは、この舞台においてイレギュラーが多すぎることによる慎重さがある。
ジョナサンを超える素晴らしいボディ。ジョースターの血筋でもない連中による時の静止時間への入門。
ザ・ワールドの時間停止の封印。不死身・不老不死・スタンドパワーを兼ね備えても危険視せざるをえないドラゴン。
更には時間停止ができないことも含め、人間どもから撤退を余儀なくされた先の出来事と多くの出来事が舞い込んでいる。
今ここで海馬を突き落としたことには成功した。しかし海馬は地面にそのまま落ちてくれるとは到底思えない。
DIOにとってデュエルディスク、ひいてはデュエルモンスターズは何があるのか全くの未知数の存在である。
デュエリストに恐怖しているのではない。デュエリストはジョースターの血統同様に侮ってはならぬと言うこと。
そして悪意の種も同様。ザ・ワールドを前に飛び降りるを躊躇せず選択している。
では何故先程万丈や承太郎を善良な参加者と、あえて真実を吹聴する無駄をするのか。
それは、この舞台においてイレギュラーが多すぎることによる慎重さがある。
ジョナサンを超える素晴らしいボディ。ジョースターの血筋でもない連中による時の静止時間への入門。
ザ・ワールドの時間停止の封印。不死身・不老不死・スタンドパワーを兼ね備えても危険視せざるをえないドラゴン。
更には時間停止ができないことも含め、人間どもから撤退を余儀なくされた先の出来事と多くの出来事が舞い込んでいる。
今ここで海馬を突き落としたことには成功した。しかし海馬は地面にそのまま落ちてくれるとは到底思えない。
DIOにとってデュエルディスク、ひいてはデュエルモンスターズは何があるのか全くの未知数の存在である。
デュエリストに恐怖しているのではない。デュエリストはジョースターの血統同様に侮ってはならぬと言うこと。
「来い! 漆黒の闘龍(ドラゴン)!」
DIOの予見通り、海馬は漆黒の龍を空中で召喚し、
身を翻しながらドラゴンに着地、上空のDIOの戦車を見据える。
此処は地上より遥か上空。バトルシティの決勝戦の対戦を決める戦いや、
ダーツとの最終決戦の時のようにモンスターが空中に浮いてくれるかどうか。
部の悪い賭けなど城之内のやることであり、Y-ドラゴン・ヘッドと共に退却するように逃げる。
無論、逃がすつもりなどない。追走するように戦車が迫りくるも、二体のモンスターは更に上空へと旋回していく。
身を翻しながらドラゴンに着地、上空のDIOの戦車を見据える。
此処は地上より遥か上空。バトルシティの決勝戦の対戦を決める戦いや、
ダーツとの最終決戦の時のようにモンスターが空中に浮いてくれるかどうか。
部の悪い賭けなど城之内のやることであり、Y-ドラゴン・ヘッドと共に退却するように逃げる。
無論、逃がすつもりなどない。追走するように戦車が迫りくるも、二体のモンスターは更に上空へと旋回していく。
そうして始まることとなった、海馬VSDIOのデュエル。
しかし海馬はもう一人の海馬と違ってブルーアイズこそを切り札にしてるが、
どちらかと言えばXYZのユニオンモンスターを筆頭としたものを駆使していく。
そして、その展開力はでたらめなものだ。空中でのカーチェイスは決して優劣はないが、
移動しながら海馬は短いターンでユニオンモンスターを次々と展開しそれらを融合、
もとい合体させて強力なモンスターを召喚すると言うのが海馬のデッキのセオリーの一つ。
砲台を背負ったモンスターを上部に、赤い機械龍を腹に、黄色いキャタピラーを脚部にしたモンスターである、
XYZ-ドラゴン・キャノン、更にそれ酷似したモンスターであるXYZ-ドラゴン・ハイパー・キャノン、
紫と緑の双頭の機械竜、ABC-ドラゴン・バスターと一切の呵責も良心もないモンスターを展開し続け今に至った。
だがこれでも仕留めきれないのは流石DIO、もといイスカンダルの宝具とでも言うべきだろう。
一発の被弾すらすれば撃墜し、そのまま総攻撃で死に直結するのは間違いないのだから、
これをなんとか回避に至れている戦車もだがDIOの精神力も相当なものになる。
しかし海馬はもう一人の海馬と違ってブルーアイズこそを切り札にしてるが、
どちらかと言えばXYZのユニオンモンスターを筆頭としたものを駆使していく。
そして、その展開力はでたらめなものだ。空中でのカーチェイスは決して優劣はないが、
移動しながら海馬は短いターンでユニオンモンスターを次々と展開しそれらを融合、
もとい合体させて強力なモンスターを召喚すると言うのが海馬のデッキのセオリーの一つ。
砲台を背負ったモンスターを上部に、赤い機械龍を腹に、黄色いキャタピラーを脚部にしたモンスターである、
XYZ-ドラゴン・キャノン、更にそれ酷似したモンスターであるXYZ-ドラゴン・ハイパー・キャノン、
紫と緑の双頭の機械竜、ABC-ドラゴン・バスターと一切の呵責も良心もないモンスターを展開し続け今に至った。
だがこれでも仕留めきれないのは流石DIO、もといイスカンダルの宝具とでも言うべきだろう。
一発の被弾すらすれば撃墜し、そのまま総攻撃で死に直結するのは間違いないのだから、
これをなんとか回避に至れている戦車もだがDIOの精神力も相当なものになる。
(チィ!! カイトと違って物量なのが腹立たしい!!)
先の戦いでは銀河眼の時空竜には少しばかりだが手を焼かされてはいた。
しかしあれは一体だけだ。だから一体を注視していればそれほど脅威ではない。
……時間を止める能力を無効にする、などと言う無法の効果があったのは想定外の出来事だが。
しかし海馬はデュエリストの弱点を理解している。だから逃げと言う道を躊躇せず選んだ。
逃げるなど海馬らしくないように見えるが、無謀な行為をするようなどこぞの凡骨とは考えが違う。
此方はモンスターと言う壁がなければ銃やナイフと言ったものですら致命傷になりえるものだ。
海馬は銃を相手にもカードで叩き伏せたりしているが、それが此処でうまくいくとは限らない。
だから慎重に、漆黒の闘龍に乗りながら着実に勝利への布石を準備してモンスターを揃えていた。
お陰で攻撃力2800のXYZ、3000のABCとXYZの三体を短時間で揃えることに成功する。
カイトのタクティクスは決して低いものではない。アストラルつきの遊馬に勝利するだけの実力を持つ。
しかし、あの時は精神的なコンディションや状況も相まって僅かばかりにタクティクスは劣っていたことは否めない上に、
何より海馬と言う男はあの武藤遊戯に数少ない食らいつくことのできる、文字通り指折りのデュエリストの一人だ。
そんな彼が冷静に物事を見据えてデュエルを行えば、カイトとの差が開いてしまうと言うのも無理からぬことである。
しかもDIOには遠距離攻撃の手段がザ・ワールドのみと言うのも手痛いところだった。
この弾幕の嵐の中、フィードバックするスタンドを向かわせるなど自殺行為に等しい。
しかしあれは一体だけだ。だから一体を注視していればそれほど脅威ではない。
……時間を止める能力を無効にする、などと言う無法の効果があったのは想定外の出来事だが。
しかし海馬はデュエリストの弱点を理解している。だから逃げと言う道を躊躇せず選んだ。
逃げるなど海馬らしくないように見えるが、無謀な行為をするようなどこぞの凡骨とは考えが違う。
此方はモンスターと言う壁がなければ銃やナイフと言ったものですら致命傷になりえるものだ。
海馬は銃を相手にもカードで叩き伏せたりしているが、それが此処でうまくいくとは限らない。
だから慎重に、漆黒の闘龍に乗りながら着実に勝利への布石を準備してモンスターを揃えていた。
お陰で攻撃力2800のXYZ、3000のABCとXYZの三体を短時間で揃えることに成功する。
カイトのタクティクスは決して低いものではない。アストラルつきの遊馬に勝利するだけの実力を持つ。
しかし、あの時は精神的なコンディションや状況も相まって僅かばかりにタクティクスは劣っていたことは否めない上に、
何より海馬と言う男はあの武藤遊戯に数少ない食らいつくことのできる、文字通り指折りのデュエリストの一人だ。
そんな彼が冷静に物事を見据えてデュエルを行えば、カイトとの差が開いてしまうと言うのも無理からぬことである。
しかもDIOには遠距離攻撃の手段がザ・ワールドのみと言うのも手痛いところだった。
この弾幕の嵐の中、フィードバックするスタンドを向かわせるなど自殺行為に等しい。
(戦車を落としたいが中々うまくいかんな。)
戦況は圧倒的なまでに海馬が有利だ。
DIOはメタルビルドに変身して宝具もあるものの、
肝心の飛び道具を持ち合わせていないと言うのが大きい。
いや、持ち合わせているのかもしれないがこの弾幕の嵐だ。
とても支給品を漁るような暇がない、とでも言うべきだろう。
しかし海馬は油断しない。さっきから足を奪おうとしているのに、
未だ戦車にはかすり傷すら与えられずにいるというこの状況がその証左である。
加えて余り攻撃を過剰にすれば地上に砲撃が、もとい余計な被害が出てしまう。
だから全弾発射と言うわけではない弾幕がDIOを生かしてる部分はあるか。
DIOはメタルビルドに変身して宝具もあるものの、
肝心の飛び道具を持ち合わせていないと言うのが大きい。
いや、持ち合わせているのかもしれないがこの弾幕の嵐だ。
とても支給品を漁るような暇がない、とでも言うべきだろう。
しかし海馬は油断しない。さっきから足を奪おうとしているのに、
未だ戦車にはかすり傷すら与えられずにいるというこの状況がその証左である。
加えて余り攻撃を過剰にすれば地上に砲撃が、もとい余計な被害が出てしまう。
だから全弾発射と言うわけではない弾幕がDIOを生かしてる部分はあるか。
「X・Y・Zハイパーキャノンの効果でY-ドラゴン・ヘッドを戻しドロー。」
海馬のデッキは基本的に攻撃的なデッキになる。
ウイルスによるデッキ破壊、ブルーアイズによるパワーカードの制圧。
だが小技も十分にあり、発動している罠の効果で手札を増強していく。
ウイルスによるデッキ破壊、ブルーアイズによるパワーカードの制圧。
だが小技も十分にあり、発動している罠の効果で手札を増強していく。
「俺のターン、ドロー。」
一斉掃射ではなく継続的に攻撃をすることで反撃の暇を与えさせない。
その間に手札を補充して、この勝負を早期に決着をつけることを考える。
その間に手札を補充して、この勝負を早期に決着をつけることを考える。
「光線と言った方法で除去効果を行うABCやXYZでは、
必然的に攻撃を回避される可能性があるか。テキスト通りの効果は発揮できない。
ならば、これならばどうだ? 手札を一枚捨てることでブラック・コアを発動する!」
必然的に攻撃を回避される可能性があるか。テキスト通りの効果は発揮できない。
ならば、これならばどうだ? 手札を一枚捨てることでブラック・コアを発動する!」
「!?」
目の前に現れるブラックホールのような黒い球体。
ブラック・コア。手札を犠牲にすることでカードを除外できる魔法カード。
言ってしまえばABCの除去効果と同じ。寧ろブラック・コアの消費の分も合わせればマイナスだ。
しかもABCの除去が当たらないのだ。ブラック・コアも当てられるものだとは思っていなかった。
なので、デュエルと言う基本概念を海馬は捨てた。
ブラック・コア。手札を犠牲にすることでカードを除外できる魔法カード。
言ってしまえばABCの除去効果と同じ。寧ろブラック・コアの消費の分も合わせればマイナスだ。
しかもABCの除去が当たらないのだ。ブラック・コアも当てられるものだとは思っていなかった。
なので、デュエルと言う基本概念を海馬は捨てた。
(回避すれば間に合う! だが確実に、
その方角に攻撃が狙うように砲口が狙っている!
この男……デュエルを殺し合いとして理解している!!)
その方角に攻撃が狙うように砲口が狙っている!
この男……デュエルを殺し合いとして理解している!!)
カイトの時の戦いでは全体的にモンスター効果を使ったり、
カードの効果の範疇に収まった、いわば型にはまった戦いをしていた。
しかしこれは別だ。避ければ攻撃が待っている。普通の戦いと同じ形式だ。
数メートル先に点在するブラック・コアは確実に戦車を飲み込み、除外するだろう。
そうなればDIOの敗北は確実。仮に回避できても軽く数十メートルの落下だ。
間違いなく落下の隙を狙ってくるのは目に見えている。だからDIOのとった判断は───蹴った。
戦車を思いきり蹴り飛ばし、強引に軌道を変えてブラック・コアに飲み込まれるのを回避したのだ。
無論それだけではとどまらない。仮面ライダーの力で跳躍した勢いで豪速でABCへと迫る様に蹴りを、
カードの効果の範疇に収まった、いわば型にはまった戦いをしていた。
しかしこれは別だ。避ければ攻撃が待っている。普通の戦いと同じ形式だ。
数メートル先に点在するブラック・コアは確実に戦車を飲み込み、除外するだろう。
そうなればDIOの敗北は確実。仮に回避できても軽く数十メートルの落下だ。
間違いなく落下の隙を狙ってくるのは目に見えている。だからDIOのとった判断は───蹴った。
戦車を思いきり蹴り飛ばし、強引に軌道を変えてブラック・コアに飲み込まれるのを回避したのだ。
無論それだけではとどまらない。仮面ライダーの力で跳躍した勢いで豪速でABCへと迫る様に蹴りを、
「ABCの効果は発動! このカードリリースし、
除外されてるアサルト・コア、バスター・ドレイク、クラッシュ・ワイバーンに分解する!」
除外されてるアサルト・コア、バスター・ドレイク、クラッシュ・ワイバーンに分解する!」
叩き込めず、合体していたモンスターがそれぞれの形へと戻り完全に空振りに終わる。
このままでは完全な隙だらけだ。XYZの二体の攻撃を避けれる状態ではなかった。
このままでは完全な隙だらけだ。XYZの二体の攻撃を避けれる状態ではなかった。
「ザ・ワールド!!」
だから、殴った。
ザ・ワールドを顕現させたDIOは、
何と自分のスタンドで自分自身を殴りぬけたのだ。
パワーAのスタンドは、迫りくる自動車ですら一撃で鎮める。
いかに仮面ライダーで防護してると言えども胃液が逆流しそうな威力に顔をしかめざるを得ない。
だがそうするしかなかった。確かに承太郎との戦いではスタンドもなしに飛行していた気がするが、
少なくともこの舞台ではそのようなことが容易にできるわけではないことは今ここに明記しておく。
ザ・ワールドに殴り飛ばされたDIOは承太郎に殴り飛ばされたときのように勢いよく飛んでいき、
海馬が登場していた漆黒の闘龍に乗り込むことに成功し、そのままスタンドの拳を叩き込む。
既にその手は見ているので飛び降りると同時に、A-アサルトコアへと着地し仁王立ちする。
ザ・ワールドを顕現させたDIOは、
何と自分のスタンドで自分自身を殴りぬけたのだ。
パワーAのスタンドは、迫りくる自動車ですら一撃で鎮める。
いかに仮面ライダーで防護してると言えども胃液が逆流しそうな威力に顔をしかめざるを得ない。
だがそうするしかなかった。確かに承太郎との戦いではスタンドもなしに飛行していた気がするが、
少なくともこの舞台ではそのようなことが容易にできるわけではないことは今ここに明記しておく。
ザ・ワールドに殴り飛ばされたDIOは承太郎に殴り飛ばされたときのように勢いよく飛んでいき、
海馬が登場していた漆黒の闘龍に乗り込むことに成功し、そのままスタンドの拳を叩き込む。
既にその手は見ているので飛び降りると同時に、A-アサルトコアへと着地し仁王立ちする。
「デュエルモンスターズ……此処まで面倒なものだとはな。」
言うなれば無数のスタンド、スタンド能力を内包してるようなものだ。
何が飛んでくるか分かったものではないのは、スタンドバトルにおけるセオリーでもある。
だが一個人にそこまでの思考を割くと言うのはまずない。チェスやトランプの比ではない。
主催が主軸に捉え、制限するというのは十分に納得できるものだと言うことがハイな思考でもよくわかる。
何が飛んでくるか分かったものではないのは、スタンドバトルにおけるセオリーでもある。
だが一個人にそこまでの思考を割くと言うのはまずない。チェスやトランプの比ではない。
主催が主軸に捉え、制限するというのは十分に納得できるものだと言うことがハイな思考でもよくわかる。
「このままでは千日手だ。いい加減終わりにする。」
「ほう。未だこのDIOを仕留めきれずにいる貴様がいったい何をする?」
「ABC、再度合体するがいい!!」
海馬がXYZ-ハイパー・ドラゴン・キャノンへ飛び移り、
ばらばらになったアサルト・コア達がドラゴン・バスターの姿へと戻っていく。
ばらばらになったアサルト・コア達がドラゴン・バスターの姿へと戻っていく。
「更に、ABCドラゴン・バスターとXYZードラゴン・キャノンを除外!」
「何!?」
少なくとも数の利は圧倒的だ。
デュエルモンスターズに浅いDIOでも理解できる。
それを捨ててまで出すモンスターに警戒しつつ、
漆黒の闘龍を殴り倒し、戻ってきた戦車に飛び乗りながら様子をうかがう。
デュエルモンスターズに浅いDIOでも理解できる。
それを捨ててまで出すモンスターに警戒しつつ、
漆黒の闘龍を殴り倒し、戻ってきた戦車に飛び乗りながら様子をうかがう。
「合体せよ! これぞユニオンモンスターの頂点!
AtoZドラゴン・バスター・キャノン!」
AtoZドラゴン・バスター・キャノン!」
元々が三体で構成されていたモンスターが分離していき、
Zーメタル・キャタピラーを中心に姿形を変形させていく。
三つ首の龍のように突き出た顔、何者も逃がさないであろう無数の砲。
もはや決戦兵器。そう例えるしかないような超巨大兵器が空中に漂う。
ユニオンモンスター三体を二種類融合させ、更にその二体を融合させると言う、
圧倒的な高難易度の召喚条件を以って出されたモンスター。当然DIOは警戒するが、
今までと同じか、それ以上の迫る弾幕を避ける以外に全く対抗策と言うものが取れない。
Zーメタル・キャタピラーを中心に姿形を変形させていく。
三つ首の龍のように突き出た顔、何者も逃がさないであろう無数の砲。
もはや決戦兵器。そう例えるしかないような超巨大兵器が空中に漂う。
ユニオンモンスター三体を二種類融合させ、更にその二体を融合させると言う、
圧倒的な高難易度の召喚条件を以って出されたモンスター。当然DIOは警戒するが、
今までと同じか、それ以上の迫る弾幕を避ける以外に全く対抗策と言うものが取れない。
(下手に近づけば残ってるXYZとやらが邪魔をしてくる! このDIOにできるのは……)
先ほど漆黒の闘龍に乗ったり降りたりした際に支給品をぎりぎり確認を終えた。
これならば対処できる。デュエルモンスターズに二度も辛酸をなめさせられている。
いい加減、カードの重要性も覚えると言うものであり、
これならば対処できる。デュエルモンスターズに二度も辛酸をなめさせられている。
いい加減、カードの重要性も覚えると言うものであり、
「魔法カード『サンダー・ボルト』発動!!」
緑のカードを翳し、歯をぎらつかせながらDIOは宣言する。
サンダー・ボルト。相手フィールドの全てのモンスターを破壊する、
余りにも単純にして強力なカード。素人でもその強みは十分理解できるものだ。
これならばAtoZだけではない。海馬の足場となるモンスターも消し去ることが可能。
海馬は攻撃を常に避け続けていた。落下に耐えられるような体はしてないことは伺える。
全てのモンスターを破壊すれば、海馬はただ死ぬだけの存在となる。確実な勝利を掴める。
───はずだった。
サンダー・ボルト。相手フィールドの全てのモンスターを破壊する、
余りにも単純にして強力なカード。素人でもその強みは十分理解できるものだ。
これならばAtoZだけではない。海馬の足場となるモンスターも消し去ることが可能。
海馬は攻撃を常に避け続けていた。落下に耐えられるような体はしてないことは伺える。
全てのモンスターを破壊すれば、海馬はただ死ぬだけの存在となる。確実な勝利を掴める。
───はずだった。
「甘いわぁ!! AtoZのモンスター効果発動!
相手が効果を発動したとき手札を一枚捨てることでその効果を無効にし破壊する!」
相手が効果を発動したとき手札を一枚捨てることでその効果を無効にし破壊する!」
「何ィ!?」
だがDIOは敵を知らない。勉強不足だ。
いや、一万種類を超えるデュエルモンスターズを把握しろ、
などいかに名探偵でデュエルの知識も蓄えたLであっても把握はまず不可能だ。
逆転の一手となる雷光は、AtoZが跳ねのけて消し飛ばす。
いや、一万種類を超えるデュエルモンスターズを把握しろ、
などいかに名探偵でデュエルの知識も蓄えたLであっても把握はまず不可能だ。
逆転の一手となる雷光は、AtoZが跳ねのけて消し飛ばす。
「それが貴様の逆転の一手か……フゥン。なるほど、
バトルシティで禁止カードに指定したカードならば逆転は可能か。
だがカードプールは増えた。今となっては完全な脅威とはなりえん。」
バトルシティで禁止カードに指定したカードならば逆転は可能か。
だがカードプールは増えた。今となっては完全な脅威とはなりえん。」
『御機嫌ようプレイヤー諸君。』
檀黎斗の放送が始まる。
だがそんな暇などどこにもない。
ABCが消失したことで数自体は減っている。
しかしAtoZの攻撃力はABCを超え、オベリスクに匹敵する力だ。
迫りくる弾幕を死に物狂いで戦車を走らせることで躱していくが、
弾幕の量は尋常じゃなく、いずれ被弾するのは時間の問題だった。
だがそんな暇などどこにもない。
ABCが消失したことで数自体は減っている。
しかしAtoZの攻撃力はABCを超え、オベリスクに匹敵する力だ。
迫りくる弾幕を死に物狂いで戦車を走らせることで躱していくが、
弾幕の量は尋常じゃなく、いずれ被弾するのは時間の問題だった。
(おのれ、おのれおのれぇ!! このDIOが、
たかが札遊びの、小僧如きにこのDIOが負けるだと!?)
たかが札遊びの、小僧如きにこのDIOが負けるだと!?)
次々と苛立つことばかりが続く。
優れたボディ、次々と時の世界に入門する矮小な人間ども、
百年前に不老不死を手に入れ、四年前にスタンドを手に入れ、
これだけの力を以てして、人間に負けるなどあってたまるか。
人間を超越した存在が、このDIOが敗北するなどあってたまるか。
そう苛立つものの現実は覆ることはない。
優れたボディ、次々と時の世界に入門する矮小な人間ども、
百年前に不老不死を手に入れ、四年前にスタンドを手に入れ、
これだけの力を以てして、人間に負けるなどあってたまるか。
人間を超越した存在が、このDIOが敗北するなどあってたまるか。
そう苛立つものの現実は覆ることはない。
(畜生、あの太陽が最後に見るものなんて、おのれぇ海馬ぁーーーーー!!)
百年ぶりに見ることのできる太陽。
それに大した感慨はない。あくまで装甲をまとってごまかしてるだけだ。
ダイバースーツを着て深海へ潜っても『まあそういうものだろう』となるのと同じである。
できて当然、その程度のことだ。故に感動も感涙も、何も感情は湧くことなどない。
しかし、しかしだ。百年前の死を悟ったあの時のように。死の間際に見るのがあの太陽。
自身を焼き滅ぼす太陽を眺めながら死にゆくなど、納得できるわけがなかった。
それに大した感慨はない。あくまで装甲をまとってごまかしてるだけだ。
ダイバースーツを着て深海へ潜っても『まあそういうものだろう』となるのと同じである。
できて当然、その程度のことだ。故に感動も感涙も、何も感情は湧くことなどない。
しかし、しかしだ。百年前の死を悟ったあの時のように。死の間際に見るのがあの太陽。
自身を焼き滅ぼす太陽を眺めながら死にゆくなど、納得できるわけがなかった。
「……何?」
静寂。
何が起きたか、一瞬だけ戸惑った。
すべてがスロウ───否。止まって見えるのだと。
いや、見えるのではない───間違いなく時が止まっている。
まるで、かつてスタンドを試すためにヌケサクにショットガンを撃たせたときのような。
あの、静寂の中を静かに動き、弾丸を摘まんだ時のような、新しい感覚を。
何が起きたか、一瞬だけ戸惑った。
すべてがスロウ───否。止まって見えるのだと。
いや、見えるのではない───間違いなく時が止まっている。
まるで、かつてスタンドを試すためにヌケサクにショットガンを撃たせたときのような。
あの、静寂の中を静かに動き、弾丸を摘まんだ時のような、新しい感覚を。
時空竜のモンスター効果の無効。
それが、放送を迎えたことでタイミングよく切れた。
効果時間があったのか、或いは強く願った結果なのか。
DIOにとってはそれは定かではないが、行動は迅速だった。
短い時間だ。八秒にまで伸びたはずの時間は僅か五秒にまで縮んでいる。
だがDIOにとって短い時間を駆け抜けることは、余りにも慣れた行為だ。
戦車を蹴り、AtoZの上に仁王立ちで構える海馬へと拳を叩き込む。
メタルビルドとなったことでその動きは更に素早いものになっており、
頭部を殴りぬける。花京院の時とは違うが、破壊力Aの右ストレートを受けた。
頭蓋が砕けて、まず死ぬだろう。即座に戦車へと戻り、静かに呟く。
それが、放送を迎えたことでタイミングよく切れた。
効果時間があったのか、或いは強く願った結果なのか。
DIOにとってはそれは定かではないが、行動は迅速だった。
短い時間だ。八秒にまで伸びたはずの時間は僅か五秒にまで縮んでいる。
だがDIOにとって短い時間を駆け抜けることは、余りにも慣れた行為だ。
戦車を蹴り、AtoZの上に仁王立ちで構える海馬へと拳を叩き込む。
メタルビルドとなったことでその動きは更に素早いものになっており、
頭部を殴りぬける。花京院の時とは違うが、破壊力Aの右ストレートを受けた。
頭蓋が砕けて、まず死ぬだろう。即座に戦車へと戻り、静かに呟く。
「時は動き出す。」
「!?」
衝撃により頭部から血を噴き出し、宙を舞う海馬。
当然理解できるはずがない。時間を止める、
それを知る者などこの世界には余りにも少ないのだから。
当然理解できるはずがない。時間を止める、
それを知る者などこの世界には余りにも少ないのだから。
「ようやく、ザ・ワールドの力を取り戻したか。」
放送を軽く聞き流しながら、墜落していく海馬を見届ける。
理解できない、そんな風な顔をしておりこれで勝利したと確信を持てた。
いくらデュエルモンスターズが何でもありなものだったとしてもだ。
頭蓋を砕きまともな思考ができない中、それができるとは到底思えない。
何にせよ時を止める力を取り戻せた。これでいい。これでこそDIOだと。
後は時を支配する主催を倒し、時の支配者は一人だけになればいい。
理解できない、そんな風な顔をしておりこれで勝利したと確信を持てた。
いくらデュエルモンスターズが何でもありなものだったとしてもだ。
頭蓋を砕きまともな思考ができない中、それができるとは到底思えない。
何にせよ時を止める力を取り戻せた。これでいい。これでこそDIOだと。
後は時を支配する主催を倒し、時の支配者は一人だけになればいい。
「まったく、デュエルモンスターズにはちと手を焼かされたが───」
「X・Y・Zハイパー・ドラゴン・キャノンの、効果、発動……」
だが、海馬は普通のデュエリストではなかった。
尋常じゃない精神力を持つ。もう一人の海馬の方ではあるが、
攻撃力が精神力に左右される超次元領域のフィールドにおいても、
一切攻撃力を下げることなく高い攻撃力を維持できるだけの精神力を持つ。
ならば、もう一人の海馬とてそれができない道理はないだろう。
いや、海馬ならば自分には負けられないと躍起になるはずだ。
手札をコストに、相手のカードを一枚破壊するのが新たなXYZの効果。
最後の手札を消費し、XYZが輝き一斉掃射を放った。
尋常じゃない精神力を持つ。もう一人の海馬の方ではあるが、
攻撃力が精神力に左右される超次元領域のフィールドにおいても、
一切攻撃力を下げることなく高い攻撃力を維持できるだけの精神力を持つ。
ならば、もう一人の海馬とてそれができない道理はないだろう。
いや、海馬ならば自分には負けられないと躍起になるはずだ。
手札をコストに、相手のカードを一枚破壊するのが新たなXYZの効果。
最後の手札を消費し、XYZが輝き一斉掃射を放った。
「こいつ! まだこんな力を───!!」
回避に徹するが間に合わない。
掃射の何発かが戦車の牛を突き貫く。
空中を走る能力を失ったことで、DIOも海馬と同様に墜落する。
掃射の何発かが戦車の牛を突き貫く。
空中を走る能力を失ったことで、DIOも海馬と同様に墜落する。
(今の能力は、あの男と同じ……か。
原理は分からんが、瞬間移動のようなものを使ってきた。
グッ……思考が纏まらん。完全に頭をやられているか……!)
原理は分からんが、瞬間移動のようなものを使ってきた。
グッ……思考が纏まらん。完全に頭をやられているか……!)
頭蓋を砕かれ、地上と言う名の死に場所が待っている中。
海馬は何が起こったのかを薄れる意識の中で考え込むも満足に働かない。
寧ろ、そんなになってもなお意識を保ててることの方が奇跡とも呼べるだろう。
海馬は何が起こったのかを薄れる意識の中で考え込むも満足に働かない。
寧ろ、そんなになってもなお意識を保ててることの方が奇跡とも呼べるだろう。
(凡骨め、逝ったか……まさか、貴様の後を追うことにあるとはな。)
落下しながら聞き届ける、死者の名前。
その中で聞き覚えがあるのはミカンやカイトから聞いた人物もいるが、
彼にとってはいつも見下していた、城之内ぐらいしかいなかった。
御伽も知った名前だが、ほぼほぼ縁がないので想起することはない。
デュエリストとしては認めたが、どうやらここではダメだったようだ。
まあ、凡骨なら仕方あるまいとも思ってる節があるといえばあるのだが。
その中で聞き覚えがあるのはミカンやカイトから聞いた人物もいるが、
彼にとってはいつも見下していた、城之内ぐらいしかいなかった。
御伽も知った名前だが、ほぼほぼ縁がないので想起することはない。
デュエリストとしては認めたが、どうやらここではダメだったようだ。
まあ、凡骨なら仕方あるまいとも思ってる節があるといえばあるのだが。
(腹立たしいが……このゲーム終わらせるのは、俺ではなかったらしいな。)
こんな形で中途脱落することになるとは。
乃亜の時のように、結果的に遊戯に託すことになるとは。
やはり、頼れる……と言うよりは信頼できるのはドーマの時に肩を並べ、
三千年前から続く、自分が認めるライバルの遊戯だけである。
乃亜の時のように、結果的に遊戯に託すことになるとは。
やはり、頼れる……と言うよりは信頼できるのはドーマの時に肩を並べ、
三千年前から続く、自分が認めるライバルの遊戯だけである。
「……すまんな、モクバ。」
最期に思うは弟のモクバ。
しっかりした弟ではあるから問題ないが、
こんな兄を慕い続けてきた弟を一人残すのは心残りだ。
しっかりした弟ではあるから問題ないが、
こんな兄を慕い続けてきた弟を一人残すのは心残りだ。
それは、奇しくも家族を思い出した城之内と同じ、最後の胸中だった。
【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 死亡】
「ザ・ワールド!!」
エンパイアステートビル、
とまではいかずとも高所からの落下。
いくらDIOが不死身の吸血鬼でも。
いくら仮面ライダーに変身していようとも。
余りの高所からの落下では最悪足を砕くことになる。
戦いの場において足を喪うのは余りにも致命的であり、
ザ・ワールドの拳のラッシュを地面にたたきつけることで、
落下のダメージを大幅に軽減することで五体満足……とまではいかず、
ザ・ワールドに添えていた右腕がスーツの中でつぶれ、血飛沫を上げている。
とまではいかずとも高所からの落下。
いくらDIOが不死身の吸血鬼でも。
いくら仮面ライダーに変身していようとも。
余りの高所からの落下では最悪足を砕くことになる。
戦いの場において足を喪うのは余りにも致命的であり、
ザ・ワールドの拳のラッシュを地面にたたきつけることで、
落下のダメージを大幅に軽減することで五体満足……とまではいかず、
ザ・ワールドに添えていた右腕がスーツの中でつぶれ、血飛沫を上げている。
「おのれデュエリストめぇ……!!
このDIOに何度も辛酸を舐めさせよって!!」
このDIOに何度も辛酸を舐めさせよって!!」
いずれ再生はするだろうが、
此処までデュエリストにこけにされるとは。
いかに反省をしないことに定評のあるDIOでも、
今回ばかりは認めざるをえない。デュエリストは厄介だと。
運よくか運悪くか、戦車が消滅するだけで済んだのが救いだと。
此処までデュエリストにこけにされるとは。
いかに反省をしないことに定評のあるDIOでも、
今回ばかりは認めざるをえない。デュエリストは厄介だと。
運よくか運悪くか、戦車が消滅するだけで済んだのが救いだと。
「……しかし、此処はどこだ?」
激しい空中戦の末に、DIOは自分の位置が分からない。
とりあえずと、現在位置を照らし合わせるように地図を確認した。
とりあえずと、現在位置を照らし合わせるように地図を確認した。
※F-6を中心として9エリアのどこかに海馬瀬人(アニメ版)の死体があります
落ちてるものは基本支給品、海馬瀬人のデッキ&デュエルディスク@遊☆戯☆王デュエルモンスターズです
※神威の車輪の死体と残骸がどこかに墜落しました。
落ちてるものは基本支給品、海馬瀬人のデッキ&デュエルディスク@遊☆戯☆王デュエルモンスターズです
※神威の車輪の死体と残骸がどこかに墜落しました。
【?????/一日目/朝】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:右腕が潰れてる(再生中)、疲労(小)、苛立ち(大)、精神的動揺
[装備]:特殊名簿@オリジナル、
[道具]:基本支給品(食料・水・ルールブック・筆記用具無し)、ビルドドライバー+メタルタンクタンクフルボトル+ハザードトリガー@仮面ライダービルド、右手が潰れている、デュエリストに対する苛立ち、腹部に痛み
[思考・状況]基本方針:「神」を追い落とし、すべてを手に入れる「王」となる。
1:東洋人(鬼舞辻無惨、名前は知らない)の弱点を見つけ出し、ボディを奪う。
2:次から次へとこのDIOの静止時間に入り込むか。同じ能力を持つものは必ず仕留める。
3:ザ・ワールドの効果を戻さなければならぬ。
4:肉の芽を植え付けられればいいのだが。
5:仮面ライダーとやらの道具は手に入れた。日光を防げるだろう。
6:承太郎はあえて味方と言い張る。取るに足らぬ人間は混乱させておく。
7:おのれデュエリストめぇ……!!
[備考]
※承太郎との最終決戦最終盤からの参戦。
※時間停止の時間は少なくとも5秒未満です。
具体的な時間は後続にお任せします。
[状態]:右腕が潰れてる(再生中)、疲労(小)、苛立ち(大)、精神的動揺
[装備]:特殊名簿@オリジナル、
[道具]:基本支給品(食料・水・ルールブック・筆記用具無し)、ビルドドライバー+メタルタンクタンクフルボトル+ハザードトリガー@仮面ライダービルド、右手が潰れている、デュエリストに対する苛立ち、腹部に痛み
[思考・状況]基本方針:「神」を追い落とし、すべてを手に入れる「王」となる。
1:東洋人(鬼舞辻無惨、名前は知らない)の弱点を見つけ出し、ボディを奪う。
2:次から次へとこのDIOの静止時間に入り込むか。同じ能力を持つものは必ず仕留める。
3:ザ・ワールドの効果を戻さなければならぬ。
4:肉の芽を植え付けられればいいのだが。
5:仮面ライダーとやらの道具は手に入れた。日光を防げるだろう。
6:承太郎はあえて味方と言い張る。取るに足らぬ人間は混乱させておく。
7:おのれデュエリストめぇ……!!
[備考]
※承太郎との最終決戦最終盤からの参戦。
※時間停止の時間は少なくとも5秒未満です。
具体的な時間は後続にお任せします。
【サンダー・ボルト(ゴールドシリーズ)@遊戯王OCG】
DIOに支給。ゴールドシリーズは他参照
テキストは以下の通り。本当にこれだけ。
通常魔法
①:相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
DIOに支給。ゴールドシリーズは他参照
テキストは以下の通り。本当にこれだけ。
通常魔法
①:相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
082:Successor Soul | 投下順 | 084:醒めない悪夢 |
時系列順 | ||
076:ソレが正しい選択か? | DIO | |
040:デュエリスト・ランデブー | 海馬瀬人(アニメ版) | GAMEOVER |