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  • ソレが正しい選択か?

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

ソレが正しい選択か?

最終更新:2025年06月16日 13:54

zombi2baisoku

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状況は芳しくない。
数秒、数分、1時間と経つにつれてミカンの焦りも加速していく。
海馬と別れて以降、自分達に起きた出来事と言えばNPCの群れとの遭遇だけ。
集団で襲い掛かられたと言っても、所詮は低級モンスター。
魔法少女としての場数を踏んだミカンの相手にはならず、ましてカイトの援護も加われば殲滅は容易い。
数体が小賢しくもクレヨンへ牙を剥いたが、傷を付ける前に撃ち落としてやった。
数だけ増やした所で敵ではない。

ミカンを悩ませるのは、NPCに襲われた以外何も収穫が無いこと。
DIOのような危険な参加者とぶつからなかったと考えれば、運が良いと言えるのだろう。
しかし殺し合いに乗っていない者との接触の機会にも、残念ながら恵まれていない。
何より、カイトの毒とクレヨンの破損すら解決策が見つからずにいるのが現状だ。
ポツポツと建つ民家で休憩を挟みつつ探してみたものの、都合良く便利な道具が転がっている筈もなく。
無駄な努力と嘲笑うように、タイムリミットは着実に近付いている。

(どうしよう……)

海馬から渡されたカードで僅かに体力回復し、布を巻き付け応急の処置はした。
が、解毒を行わない限り根本的な解決にはならない。
本人の気力でどうにか保っているだけで、普通の人間ならとっくに死んで当然。
何も解決策が見付からなければ数時間か、或いは数十分後にはその普通の人間同様の末路を辿る。
こうなった原因が誰かと問われれば、DIOと全員が口を揃えて言うだろう。
実際、カイトから責められる言葉は一つもぶつけられていない。
敵が時を止める能力を持っていると、初見で理解しろと言うのも酷だ。
だがミカン本人がそれで納得するかは別。
故意に狙ったので無くとも、ミカンの放った矢がカイトを射抜いたのは事実。
自分のせいで人が死ぬ、DIOとの戦闘で抱いた恐怖と罪悪感が勢いを増して蝕む。

会場を駆けずり回って虱潰しに探すか?
この中で唯一無傷の自分なら無茶も利く、カイトとクレヨンにはその間どこかに隠れていてもらうか?
いいや駄目だ、負傷が無いということはつまりマトモに戦えるのが自分しかいない。
両腕の損傷が激しいクレヨンはもとより、カイトだっていつ限界が来ても不思議は無い。
二人を置いて、自分が不在の間にDIOのような者の襲撃を受けたら。
起こり得る最悪の結果を、現実の光景にする訳にはいかなかった。

「……っ」

噛み締めた唇の痛みも、湧き上がる自身への怒りの前には気にならない。
呪いでなくとも結局自分のせいで人が傷付く。
カイトの命を奪い、彼が遊馬なる友と再会する機会を消し去る。
クレヨンの腕を奪い、曲芸用HANOIとして致命的な亀裂を生んだ。
あの時別の判断を下せていたらと後悔しても、時が戻る奇跡は起きない。
もしもこのままカイトが助からなければ、呪いの再発と共にどれ程の災厄が引き起こされるのだろうか。
巻き込んでしまう前にクレヨンを引き離すのが正解なのか。
無理だ、戦闘行為が不可能に等しい彼女を放り投げて、運良く善良な者に保護されるとは限らない。
かといってこのままではどっちにしても危険。
考えれば考える程深みに嵌る意識を引き戻したのは、今正に頭を悩ませる道化師だった。

『だれかくる!』

HANOIの動体センサーがこちらへ接近する影を捉えた。
片腕が使えずとも全ての機能がお釈迦になったのではない。
書き殴った文字にそれぞれ警戒を強め、近付く存在へと視線をぶつける。
クロスボウを構えるミカンの隣には、ドローしたフォトン・デルタ・ウィングが並ぶ。
召喚に成功時、同名カードを特殊召喚可能な使い勝手の良いモンスターだ。
加えてもう一体存在する場合、相手の攻撃宣言を封じることが出来る。
正式なデュエルでない以上、どこまで効果があるかは不明だが。
敵か味方か、願うは後者で相手の出方を待ち、

「おーい!さっきの馬鹿デカい竜は…うおっと!?」

姿を見せたのは茶髪の青年。
近付いたは良いが、武器を持った少女と眩しい飛行物体が敵意を向けて来た。
驚き足を止める姿は先程の海馬と違う意味で、悪意を持った参加者に見えない。

「そこで止まれ。先にこちらの質問に答えてもらう」

とはいえ、アッサリと警戒を解く真似をカイトはしない。
第一遭遇者がDIOだったのが後を引き、一見問題無いように見えても慎重に事を運ぶ。
残された時間が少ない身なれど、焦り過ぎれば被害は自分一人に留まらないのだから。
青年の方も状況が状況だけにカイト達の警戒は理解しているようで、少しばかりの不満気な表情となりつつも指示に従う。

「殺し合いに乗っていない、そう捉えて良いのか?」
「当たり前だろ。俺はプロテインの貴公子、万・丈・龍・我だからな」

どこか自慢するように名乗られ、カイトの目が冷ややかになる。

『プロテイン?きこーし?
 きんにく もりもりの おかねいっぱいのひと?』
「…ああ、うん。何となくシャミ子と気が合いそうな人だって分かるわ」

不思議そうに首を傾げるクレヨンを背に庇いつつ、思い浮かべるのは友人であるまぞくの少女。
とりゃーっと微笑ましい雄叫びのまぞくと、目の前の青年が重なる。
相手の詳細な情報はまだ不明だが、ネーミングセンスはシャミ子とどっこいどっこいと見て良さそうだ。
ついでにタンパク質が主成分の栄養補助剤を異名のように言う辺り、桃と意気投合しそうである。

緊張感の薄れる緩い空気が流れ出すも、却って互いに警戒心を下げるのへ繋がった。


○


双方ゲームに乗っていないと理解し、情報交換はスムーズに行われた。
万丈から聞いたのは自分達と会うまでの経緯と、名簿上で知る参加者。
仲間である三人の仮面ライダーはともかく、因縁深い地球外生命体には注意が必要だ。
遊馬やシャミ子達とは会っていないようだが、得られた情報は決して無駄ではない。

『せんとってひと クレヨン なおすできる?』
「偶に無駄に偉そうにもするけどよ、戦兎になら任せて大丈夫だ」

本人がいたら「一言余計だ」と呆れそうな補足を入れつつ、クレヨンを安心させるように言う。
曰く仲間の一人、桐生戦兎ならクレヨンの腕を直せるかもしれないとのこと。
聞けば戦兎は仮面ライダーの変身ツールや専用装備を開発する程の、高い技術力の持ち主。
当然修理に必要な道具や設備が求められるだろうが、そこも一応のアテがある。
nascitaという旧世界で戦兎や万丈が居候していた喫茶店。
G-4のエリアで見付けた施設の地下に嘗てのnascita同様、戦兎専用の研究所が再現されているなら。
クレヨンの修理を行うのには持って来いの場所だ。
中を詳しく調べていない為、本当に地下研究所が設置されてるかはまだ分からないが。

ともかく解決への道が開いたのは朗報だ。
加えて機械に強い戦兎にならば、首輪の解除を任せられる筈。
カイト自身、弱冠12歳でオービタル7を作り上げる程の頭脳を待つが残り数時間を生き延びられるかも怪しい身。
助からなかった場合は戦兎に後を託すしかあるまい。
尤も、毒についても解決策が無い訳ではない。

「クローズドラゴン…だったか?解毒機能があるらしいが」
「でも今は龍我さんじゃなく、或人さんって人が持ってるのよね…」

仮面ライダークローズの変身に必須の自律稼働型ユニットは、現在万丈の手を離れている。
先に出会った青年、飛電或人の支えになればと譲渡したからだ。
自分の判断を間違いだったと言う気は無い。
けれどまさか手放してから時間を置かず、クローズドラゴンが必要な場面に出くわすのは予想外。
カイトの毒を無効化出来ると言っても、手元に無ければ何の意味も無かった。
さしもの万丈も頭を抱えるが、そんな時間も惜しいと切り替える。
ああすればこうすればと考える間にも、死がカイトへ着実に迫っているのだから。

「急いで或人のとこに戻るしかねぇ。モタモタしてたら、本当に手遅れになっちまう」

会ったばかりの相手でも、殺し合いに乗っていない者の死を受け入れる気は無い。
自分が手を伸ばさなかったせいで、助けられたのに命を落とす。
キルバスの襲来時に突き付けられた旧世界での罪は、記憶に新しい。
確実に間に合う保障が無かろうと、何もしない理由にはならない。

「ってことだからよ。そっちが行く筈だった場所から引き返すけど、大丈夫か?」
「構わない。どの道ここで間に合わなければ、もう他に打つ手は無いだろうからな」

一度死んでいるが故に二度目の終わりを恐れてはいない。
が、助かる道を選ばない程投げやりになったつもりもなかった。
ベクターやナッシュ、DIOと言った強敵の対処を遊馬に押し付けて一足先に退場など本当なら御免だ。

『カイト たすかる さんせい!』
「そうね。龍我さん、案内をお願いできるかしら?」
「おう!まだそこまで遠くには行ってねぇ筈だ」

クレヨンに頷き返し、ミカンもカイトを助けるのに賛成する。
このまま無意味に時間が過ぎるのを待つだけという、最悪の展開も頭をよぎったが本当にそうなるとはまだ決まってない。
自分のせいで皆を振り回すのを申し訳なく感じ、せめて道中の露払いはと気を引き締めた。

全員で走るよりも速く動ける足ならある。
フォトン・デルタ・ウィングを召喚したままなのは都合が良い、効果を使いもう一体を特殊召喚。
それぞれに二人ずつ乗り、万丈のナビに従い出発。
別れた時に或人がどの方角へ向かったかは覚えており、とにかく1秒でも早く追い付かねばと空を駆けた。


◆◆◆


「ほう、中々面白い話をしている。私にも聞かせてくれないか?」

聞こえた声が思考を断ち切り、振り向いた或人を黄金が迎えた。
彫像の如き屈強な肉体と、息を呑む妖艶さを兼ね添えた男である。
憎きヒューマギアの情報を得る為に信頼を踏み躙るか否か。
今の今まで或人を悩ませた選択が一瞬吹き飛ぶ程に、異様なまでの存在感が放たれていた。

「アンタは……」
「立ち聞きをするつもりはなかったのだが、どうもそこの虫は私に襲い掛かった鉄屑とは違うらしい。参加者に害では無く益を齎す存在、そう見て良いんだな?」
「へぇ。こっちの旦那にも説明しましたが、あたしは只の商人ですんで」

呆気に取られる或人を尻目に、魔導雑貨商人は乱入者へ先程と同じ説明を行う。
特定の参加者に肩入れはせず、出会った者のスタンスに関係無く取引を持ち掛ける。
そうプログラムされたモンスターの為、男に対する態度は或人と変わらなかった。

「ふぅむ…では試しに利用させてもらおう。こちらが渡すのは参加者共通の道具でもいいのか?」
「勿論それでも取引には応じやす。まあ物が物なので、あんまり高価な物は差し出せませんが」

説明を聞き終えた男は暫し考え込む素振りを見せ、デイパックから複数の物品を差し出す。
水と食料、ルールブックと筆記用具といった全ての参加者に配られた品である。
普通の人間が行う栄養補給を男は必要としておらず、一日分全てを渡しても問題無し。
ルールブックに関しても内容は全て把握済み、筆記用具が後で必要になってもそこいらの施設や民家で安易に手に入るだろう。
手っ取り早く他の参加者から奪うことだって難しくはない。

「はい確かに。今お渡しできるのは…これの内のどれかですね」
「ならこれで構わん」

カタログを眺め、一点を指差せば売買が成立。
複数の物資が消失し、反対に男の手には新たな道具が出現。
魔導雑貨商人が語った内容に嘘は無く、主催者が持つ転送技術で取引が行われるのは確かなようだ。
ということは差し出す物の価値によっては、滅の詳細な現在位置を本当に手に入れられるかもしれない。
彼らのやり取りに口を挟めず眺めていた或人も、ここでようやく我に返った。
その様子に気付いたのか若しくは見越してか、男の目が再び或人を射抜く。
「待たせてしまい済まなかったね。売買は本当に可能だと分かり君も利用したいのは山々だろうが、その前に私と話をしよう」
「え、あ……」
「まずはお互い名乗ろうじゃないか。友人関係構築の第一歩は、相手の名前を知る所にあるだろう?」

心地の良い声だった。
オルゴールを流しリラックスしているかのように、体から力が抜けていく。
警戒心という名の鎧を一枚一枚剥がされていると分かっても、慌てて纏い直す気になれない。
言われるがまま頷き名を告げると、男も微笑み口を開いた。
DIO、男を表す三文字が或人の脳に刻み込まれる。

自己紹介が済めば次は当然の如く、互いの友好関係を伝え合う。
空条承太郎、ゲームに参加している中でDIOが唯一元の世界から知っている男。
それが嘘か真実かは判断できないまま、反対に或人が話す番へ移った。
いっそ気味が悪い程自分の心が安らいでいると感じ、戸惑いながらも伝える。
滅、明確に敵と呼べる存在であり己が倒すべき男。
DIOの不可思議な魅力と言えども復讐心を鎮静化させるのは難しかったらしく、気付けば憎々し気に説明を続けていた。

「成程…察するに君は滅の情報を得る為に、何を差し出すかで悩んでいたんじゃあないかい?」
「…っ、それは……」
「別に責めているのではないんだ。ただ、案山子のように突っ立っているだけでは時間を無駄にするだけだろう?
 君自身の為にも、もっと賢い選択をするべきとは思わないか?」

ポン、と肩に手を置かれた。
幼き頃に喪ったヒューマギアの父を思わせる、そんな手が。
大きく硬い男の手は、それだだけで不安を削ぎ落とす役目を果たす。

「私と友達になろう。滅の件も含めて、君の不安を取り除く手助けをさせて欲しい」

置かれた手が位置を変え、自分の額へ動くのをどこか他人事みたいに見つめる。
そんなことよりもっとDIOの声を聞いていたい。
寝る前に母が子守唄を歌ってくれる子供とは、皆こういう気持ちなんだろうか。
DIOと友になり親密な関係を作れれば、抱く心地よさも更に大きくなるのだろうか。

甘美な誘惑に身を委ね――

「……っ!!」

指へ走った鋭い痛みで正気に戻った。

取引を持ち掛けられ、万丈から託された道具を渡すか否かで迷った時。
無意識の内にデイパックの口を僅かに開けたのが影響したのだろう。
奥底から機械仕掛けの小さな友、クローズドラゴンが飛び出し指先に噛み付いた。
無理やり押し込んだ或人への抗議か、様子のおかしい或人を不審に思ってか。
どちらの意図かはともかく、我に返り慌ててDIOから距離を取る。

「ごめん、助かった…!」

後ろめたさから仕舞っていたが、今はクローズドラゴンの行動に助けられた。
先程までの自分はどう考えてもまともじゃない。
会ったばかりでロクに素性も知らない男へ、ああも強い信頼を抱くなど不自然だろうに。
そんな当たり前のことにすら気付けなかったのだ。

「その玩具が君の支給品の一つかい?はしゃがせるのはもう少し後にしてくれないか?」
「悪いけど、アンタとこれ以上話をする気は無い」

DIOの言葉で奇妙な安心を感じるのは変わらない。
しかし一度我に返れば安堵よりも警戒心が勝り、自力で誘惑を跳ね除ける。
何よりこういった言葉を毒に変え芯を溶かす存在を、或人は既に知っているのだから。
自分にアークの力を与えた悪意の伝道師を名乗る女。
復讐を肯定し善意を否定した辺獄を名乗る陰陽師。
姿形は違えど根底は善から程遠い彼らと同じ側に属するだろうDIOの話に、これ以上耳を貸す気は無かった。

思えば知っている参加者の中で滅以外の名を出さなかったのも、意識せずDIOへの警戒心が働いたのかもしれない。
今では気まずさがあるとはいえ、善意で動く者であり状況が違えばもっと心強い仲間となれた万丈。
ヒューマギアに対する異常なまでの敵愾心で対立し簡単に許せはしないが、殺し合いには乗っていないだろう天津。
彼らの情報まで馬鹿正直に伝えなくて良かったと、内心安堵する。


「俺から言うことはもう無いし、滅の情報だって自分で何とかする。それでも邪魔するって言うなら…」
「…やれやれ、何故東洋人は誰もが揃って言葉より暴力を用いたがるのか。野蛮で敵わんな」

装着したビルドドライバーを意識し言う或人へ、大袈裟なため息をつく。
ゲーム開始直後に暴れ回った男、数時間前に一戦交えた決闘者と小娘。
そして此度の或人と、どうにも上手くいかない。
肉の芽を使えるかのテストも兼ねて或人を懐柔し、必要な道具の確保を行うつもりだった。
嘗てのポルナレフや祖父を殺されプッツンした承太郎同様、復讐などとちっぽけな感情に囚われた人間。
支配下に置くのは容易いと思ったが、まさか機械如きに邪魔をされるとは。

「まあいい、駄犬を躾ける方法はいつの時代も変わらん」

抜群の存在感はそのままに、DIOからの敵意が膨れ上がる。
友好的に接していたのは、やはり見せかけに過ぎなかったらしい。
周囲に蔓延する空気がガラリと変われば、或人も意識を即座に切り替える。
滅以外で体力と時間を使うのは控えたかったが、そうも言ってられない。
DIOを相手にしたせいで、自身の望まない展開になるんじゃないかという懸念に一旦蓋を被せた。
どの道向こうが襲って来る以上、こっちも抵抗する他ない。

ハザードトリガーとボトルを叩き込むように装填。
ゼロワンとは全く異なる変身方法も、三度目となればスムーズに行える。
掴んだレバーの回転数を速め、巨大なプレス機を前後に展開。

『Are Yoy Ready?』

「変身…!」

『UNCONTROLLED SWITCH!BLACK HAZARD ON!』

『ヤベーイ!』

装甲全てが黒く染まり、唯一淡い光を放つ複眼が敵を捉えた。
旧世界での憎悪が新世界で芽吹いた姿、仮面ライダーメタルビルド。
変身者こそ違えど復讐を糧に動く戦士を前に、DIOはほんのちょっぴり目を細める。
形状こそ違えどベルトを使って姿を変える者。
小癪にも神を名乗るゲームマスターと同じ、仮面ライダーという奴か。
未知の力と対峙し、されどDIOは自身が敗北するとは全く考えない。
ふざけた小細工を受け本領発揮できずにいるが、己が扱う力は他の有象無象を凌駕するのだから。

「世界(ザ・ワールド)」

帝王の意思に従い現れる黄金の拳闘士。
その名の通り、世界を支配する者にのみ許されたスタンド。
こちらに楯突く身の程知らずへ、絶対的な力の差を骨の髄まで教えてやるまで。

「無駄ァ!」

突如出現した人型物体への驚愕を抱く余裕は無い。
先手は譲らないとばかりにスタンドを操作、拳の射程内へ敵を閉じ込める。
放つ拳はプロボクサーの一撃を鼻で笑う程に速く、それでいて重い。
常人ならばノックアウトを通り越し、即死しても不思議は無かった。

叩いた感触は当然ながら生身の人間を殴るのとは別。
幾重にも重ねた鉄板の如き硬さだ。
両腕を交差し防ぐ姿が見え、所詮は無駄な抵抗に過ぎないと失笑を漏らす。
ほんの一発凌ぎ何だという、ではこれならばどうだ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

左右の拳を交互に突き出す攻撃も、スピードが桁違い故複数本の腕が一斉に襲ったと錯覚を抱く。
数に物を言わせた単純な、それでいて尋常ならざる勢い。
強固な鎧を着込んでいようとも紙切れ同然、砕かれ丸裸となるのは避けられない。

だが予想に反してメタルビルドは防御態勢のまま、DIOの猛攻に耐えている。
纏った装甲も破壊どころか小さな亀裂一つ見当たらない。
ラッシュの速度は緩めず、スタンド越しに伝わる感触へ眉を顰めた。
思った以上に硬い、数時間前にスクラップへ変えてやったガトリングバギーとは段違いだ。

NPCのスマッシュと戦った承太郎も感じた事だが、スタンド使いを相手にする時とはまるで違う。
特殊な力を持とうとも肉体的にはあくまで普通の人間、だから拳を叩き込めば再起不能へ追い込めた。
しかし仮面ライダーにはスタンドバトルでのセオリーが通じない。
ましてメタルビルドはハザードスマッシュ三体の同時攻撃や、仮面ライダーグリスの技を無傷で耐える非常に高い防御性能を誇る。
数十発の拳を放ったとて破壊は現実的ではない。

「こいつ…!」

尤も現状は決して或人の有利を意味しない。
耐えてはいるものの、ザ・ワールドは近接タイプのスタンドの中でも随一の性能を誇る。
時間停止こそ封じられていても、基本的な性能に変化は無い。
ましてDIOは殺し合いに巻き込まれる直前、ジョセフ・ジョースターの血を糧にしているのだ。
普段以上にラッシュのキレが増しており、相手がメタルビルドでなければとっくにミンチと化していた。

そのメタルビルドとてこのまま耐え続けられるかと言えば否。
一方的に殴打を受ければ体力は削られ、ダメージも蓄積する。
装甲越しへ強烈な痛みが襲うのも時間の問題。

加えて、変身中の姿がゼロワンではないのも或人を有利から遠ざける一因だ。
メタルビルドは専用の武器を持たず、徒手空拳で攻撃を受け流しカウンターを叩き込むのが主な戦法。
対して或人が元々変身するゼロワンは蹴り技を主体にしており、メタルビルドとは使い勝手が異なる。
前々から変身しているならまだしも、たった数時間で完璧に使いこなせというのも無茶だろう。
その為出来ることと言えば防御を崩されないよう、歯を食い縛る程度。
いずれ限界が来るのは確実だが、そうなる前に反撃の切っ掛けを作る者がいた。

「チッ…!」

ザ・ワールドの頭部へ炎が襲い、本体であるDIOの顔にも煩わしい熱が走る。
片足で蹴り上げるも華麗に避けられ、頭上を飛び回る小さな龍。
クローズドラゴンの妨害で僅かな隙が生まれた、動くならここしかない。

デイパックに手を突っ込むメタルビルドを前に、DIOが何もしないつもりは無く。
再度スタンドを操作し殴り付けるも、敵は怯まず望みの得物を取り出す。
強化剤により基礎耐久力が底上げされたのがメタルビルドの装甲。
或人自身の打たれ強さも相俟って、モロに拳を受けようと多少の無茶は通せる。
右手が勢い良く振り上げられる前兆を察し、ザ・ワールドが身を引く。
一手遅れて顔を出したのは機械仕掛けの大剣、フルボトルバスターだ。

「せやあああああっ!!」

両手持ちに変えるや否や跳躍、落下の勢いを乗せ斬り掛かる。
殴り返してへし折ろうと考えるも、じわりと嫌な予感がDIOを蝕む。
根拠のない他人の戯言ならともかく、自分自身の勘を信じない理由は無い。
再度ザ・ワールドを下がらせ、黄色い刀身が地面を削り取った。

三都に配備されたガーディアンの合体形態をも、チーズのように切り刻む刃だ。
真っ向から殴ろうものなら反対に拳をスライスされる。
回避に動き正解だったと、一息つかせる余裕をくれてやる気は皆無。
ボディスーツが肉体のリミッターを解除、数十歩の距離すら即座に詰め剣を振るう。
大剣とは思えぬ速さで迫るも、DIOが焦りを感じるまでには至らない。

「ノロいノロい、わざわざこのDIOが避けられるようにサービスしてくれたのか?」

嘲りが強がりでないと、レンズが捉えた光景が伝えて来る。
刃部分を殴れば却って自分の方が傷を負うのは確実。
とはいえ他にやりようは幾らでもある、剣の腹を手刀が叩き狙いをズラす。
あらぬ方向へと弾かれた武器を、手元に戻すまでの猶予は極僅か。
DIOが大人しく待ってやる甘さを見せる筈も無く、がら空きの胴へ拳が殺到。
5秒も経たない内に十数発が叩き込まれ、メタルビルドは倒れ地面を転がった。

やはりスピードはザ・ワールドが勝る。
疑いようのない事実を噛み締め、ならばと次なる手に打って出た。
フルボトルバスターは単に撃った斬ったが性能の全てではない。
更なる力の引き出し方は既に把握済だ、万丈との戦闘がここに来て活きる。
ドライバーからボトルを外し、大剣中央部のスロットへ装填。

『TANK!』

『FULL BOTTLE BREAK!』

ボトルの成分を読み込み攻撃の強化を実行。
剣の間合いに敵はいないが問題無い、フルボトルバスターを振り下ろし鉛色の刃を飛ばす。
これをDIO、スタンドを一旦解除し本体は身を捩る。
背後をチラと見やれば斬撃が当たった箇所が刃と同じに変色、溶けてあっという間に固まった。
先の一撃以上に直撃は避けるべきと判断を下す。

ボトルの成分を付与した攻撃は、今の一撃で終わりじゃあない。
二度三度と振るえばその度に刃が飛び、地面や遮蔽物を破壊。
近付かなければ当たらないという考えは即座に捨て去らねば、あっという間に剣の餌食だ。
鞭のように刀身を伸ばし、地面を叩きつけ土埃が舞う。
つまらなそうに鼻を鳴らし跳躍、空中へ逃げたDIO目掛けまたもや刃が飛来。
脅威ではあるが命中すればの話だ、軽く上体を捻って躱し華麗に着地。

『TANK!』『TANKK!』

『ジャストマッチでーす!』

避けるのまで織り込み済みだ。
モード切り替えスイッチを押しながら、グリップ部分を動かす。
遠距離形態に変えたフルボトルバスターへ、すかさずボトルを読み込ませる。
二本へ増やした事で付与される成分の量が増加、技の威力も大幅に強化された。
補助グリップを掴み照準を合わせると、反動の抑制と共に命中率を引き上げる。

『JUST MATCH BREAK!』

着地地点に照準を合わせ、引き金を引くまでの一連の動作に無駄はない。
フルボトル二本分の成分を籠めた弾が銃口から飛び出る瞬間を、今か今かと待ち侘びている。
斬撃以上に真っ向から受け止めるのは危険な威力だ。
如何にザ・ワールドだろうと、拳で打ち消そうものなら焼き潰されるに違いない。

「フム……」

本来のザ・ワールドならば時を止め対処すれば良いだけだが、それが不可能なのはDIOとて理解している。
吸血鬼の生命力なら直ぐには死なないだろう、なれど余計な傷を負いたいとも思わない。

ならばスタンド以外の手札を切るまで。

取るべき一手を選んでからの動きは迅速。
エネルギー弾の発射まで残り僅か、躊躇を抱く必要も無い。
自分を差し置いて神を名乗り、あまつさえ時の止まった世界へずけずけと入り込む。
全く持って許し難き主催者からの施しを受けるようで気に食わないが、かといって使える道具を腐らせておくのは愚の骨頂。
利用出来るものはとことんまで利用し尽くす、人間時代からの変わらぬ精神性が敗北という結末を退ける。

『VMOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!』

解放されるや否や、骨まで揺さぶる雄叫びを響かせた。
野生動物か、NPCのモンスターか。
どちらも違う、現れたのはそのような狭い範疇に収めて良い存在に非ず。
黒々とした体毛と、戦槍の如く伸びた角が目を引く二頭の牛だ。
真紅の布を纏う猛牛が引く戦車に飛び乗り、帝王が小賢しくも楯突く人間を見据える。
叫び一つで有象無象を慄かせるも、伊達に滅亡迅雷.netやアークとの死闘を生き延びてはいない。
驚愕を抑え付けトリガーを引き、戦車諸共消し飛ばすべく砲撃を放った。

「無駄な足掻きと、直接体に教えてやろう」

対するDIOに焦りの二文字は毛先程も見当たらない。
優雅に足を組んで座り、リラックスする余裕を見せ付けながら発進。
蹄が地面を叩く度に雷が迸る様は、稲妻で舗装された道を駆け抜けているかのよう。
神秘的ながら決して美しさのみではない、獣が引いているにも関わらずスポーツカー顔負けの速度を発揮。
エネルギー弾など最早枯れ葉が横切った程度に過ぎず、二頭の突進により呆気なく掻き消された。

攻撃が無駄に終わったと理解したなら、即座に次の手に出ねばなるまい。
別の方法で迎え撃つか、回避や防御に専念するか。
そう頭では分かっていても、実際に体を動かすまでにほんのちょっぴりの間が生まれる。
メタルビルドの元へ戦車が到達するには、十分過ぎる程の隙だ。
アークワンやゼロツーの演算能力を用いれば避けられたろうが、言った所で無い物ねだりでしかない。

大型トラックと正面衝突しても、メタルビルドには傷一つ付かず体勢を崩すことすら不可能。
但し何事にも例外がある。
マケドニアにて名を馳せた稀代の戦略家、征服王イスカンダルが所有する宝具こそDIOの支給品の一つ。
神獣が牽引した後には屍すらも残らない。
支給品に落とし込んだ影響で多少の制限こそあっても脅威だ。

「っ――」

どれ程の勢いを乗せたのか、メタルビルドの両足が地から離れる。
装甲がダメージを最小限に抑えるも、全てを完璧に殺し切るには至らず。
ほんの一瞬視界が黒に染まり、口から出るのは言葉にならない苦悶の声。
飛びかけた意識を無理やりにでも手繰り寄せ、気絶を防いだのは痛みに慣れているが故だろう。
尤も、他にやれる事は何も無いが。

遥か彼方へ吹き飛び、いつ終わるかも定かじゃない激突を繰り返す。
などという展開にはならない。
背を向け宙を泳ぐ先にはもう、黄金の拳闘士が待ち構えていた。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!!」

近接タイプでありながら射程距離は他のスタンドよりも長い。
だからこうして、ザ・ワールドを使い挟み撃ちも可能だった。
今度は最初のような防御を取らせてやりはしない、無防備な背中を襲うラッシュ。
装甲がダメージ軽減を働きかけるも数が数。
百に及ぶ拳が蓄積した以上、軽く見れる傷にはならない。

「がっ…!」

一際強烈な一撃で殴り飛ばし、トドメとばかりに反対側から猛牛が頭突きを繰り出す。
絶えず襲う衝撃にとうとう限界が訪れ、地面を転がり漆黒の鎧は消え失せた。
うつ伏せに倒れる或人が手を伸ばすより早く、ヒョイとビルドドライバーを回収。
目的の一つであった太陽を遮断する道具は手に入れた。
残るは無様に敗北した人間の処遇のみ。

「さて…このDIOに歯向かうのが如何に愚かしいかを、身を以て知ってもらえた所でだ。何と言ったか…ああ確か滅、だったな」
「…っ!?」

何故このタイミングで再び滅の名を出すのか。
殴打を受け苦痛に苛まれながらも、DIOの言葉に意識が引き寄せられる。

「さっきの態度を見て分かったよ。或人、君は滅を強く憎んでいるのだろう?情報を欲したのも、復讐を果たす為だ」
「だったら…何だって言うんだ…!?」
「勘違いしないでもらいたいが、私は何も君の復讐を否定するつもりはないんだ。ただ…今の自分の姿をよく考えてみるといい。
 力の差を理解出来ずに噛み付き、挙句私に敗れた君が滅に挑んだとしても…おっと、この先を言うのは酷だったかな?」
「っ!!」

言わんとすることが分からない訳も無く。
憎々し気に歯を食いしばる様を見下ろし、弾むように続ける。

「この戦車を見てくれ。乗り心地だけでなく、君を撥ね飛ばした時の威力もすっかり気に入ったよ。人間を撥ねた感想など特に抱かないと思っていたが…分からんものだな。
 まあそれよりもだ、聞けば滅は随分危険な男らしいじゃあないか。そんな者にこの戦車のような支給品が与えられていたら、果たして君の手に負えるのかな?」

痛い所を咄嗟の反論も口を突いて出てくれない。
アークドライバーワンの代わりにビルドドライバーを支給された自分同様、滅も本来とは別の変身ツールを与えられているかもしれない。
フォースライザーを超えるライダーシステムを手に入れた可能性だってある。
アークワンどころかゼロワンにもなれず、未だ使いこなせないメタルビルドで復讐を果たせるのか。
出来ると自信満々言おうにも、現実に自分は万丈にもDIOにも負けているじゃあないか。
前者は精神的な影響も少なからず存在するが、敗北は事実だ。

「フフ…なぁ或人。復讐したい気持ちは分かったが、今の君はハッキリ言って中途半端にしか見えんぞ?力が欲しいなら、もっと餓えるべきとは思わないか?」

動揺を見逃さず、DIOの言葉は復讐者の精神を絡め取る。
見下ろし近付ける手を振り払うのが正しい選択の筈と、分かっているのに動けない。
傷の痛みだけが理由じゃない、真に受けるなと言い聞かせても胸の奥深くまで流れ込んでしまった。
キーキーと必死に叫ぶ小龍が邪魔そうに払い除けられても、まだ動けずにいる。
良くない何かが起こる、しかし自分の望みが本当に叶うのなら――






『SWORD VENT』

「うおらあああああああああああっ!!!」





誘惑に抗えず堕ちるのを認めぬと、銀の刃が振り下ろされる。
伸ばした手を引っ込めDIOが後退、悉く邪魔が入り内心の苛立ちが上昇。
余計な真似に出た者を睨めば、炎を思わせる真紅の騎士がいた。
白銀の鎧に青龍刀、頭部に龍の意匠を施した姿に見覚えは無い。
だが似たような存在を目にしてるだけに、正体への察しはすぐに着く。

「また仮面ライダーというやつか」

つまらなそうに呟くDIOを睨みつつ、赤い騎士は或人を背に庇う。
便所のゴキブリの糞にも劣る正義感に突き動かされ、乱入して来た。
と、それだけが理由ではないらしい。
剣を構えながらも背後の青年へ声を掛ける。

「大丈夫か或人!?」
「万丈、さん…何でここに……」
「助けがいる奴と会って、お前のとこに戻んなきゃならなくなったんだよ。あいつ…DIOだかってむちゃくちゃヤベェ奴なんだろ?」

初対面の相手から自分の名が飛び出て、ピクリとDIOのこめかみが動く。
この島で名を知っているのは限られてくる。
ジョースターの小僧ともう一人、自分だけに許された世界への入門を封じた決闘者。

「こうも早くにまた会うとはな…」
『りゅうが きゅうにおちて ビックリ!』
「ええ本当にね…心臓に悪いわよもう!」

誰から聞いたと問い質すまでもなく、降り立った者達が騎士に並ぶ。

「天城カイト!死にぞこないが、まだこのDIOの邪魔をするか…!」
「分かり切ったことを聞くな。死が避けられないなら、お前相手に残りの命を使うまでだ」

或人が向かっただろう方角へ引き返したカイト一行である。
空中からの捜索中、倒れ伏す探し人とカイト達を襲った危険な参加者を発見。
悠長に着地するのも惜しいと、フォトン・デルタ・ウィングの光刃部分へデッキを翳し龍騎に変身。
飛び降りた万丈に続く形で降下し今に至る。

圧倒的に有利だった状況に暗雲が立ち込め、小さく舌打ちを漏らす。
多対一だろうと負ける気は無い、だが決闘者の厄介さは身に染みている。
腕を負傷し非戦闘要員同然のクレヨンを抜きにしても、ミカンと万丈がカイトを守るだろう。
時間停止を封じたあのドラゴンが再び牙を剥くのは大いにあり得る。

『ZERO ONE…』

追い打ちを掛けるように、戦闘へ加わる者がもう一体。
肩で息をしながらも立ち上がり、メタルビルドとは別の変身を果たす。
低い電子音声が告げるのは或人が元々変身する仮面ライダー、しかし姿は全く異なる。
蛍光イエローのボディこそ同じでも、装甲ではなく生物的な肉体へ変化。
おぞましい顔面と肩から突き出た羽は、ライダーというより昆虫の怪人を思わせた。

アナザーゼロワン。
タイムジャッカーの手で歴史改変を受けた世界で、とあるヒューマギアが変身したアナザーライダー。
或人とも死闘を繰り広げた怪人だが、当人にその記憶はない。
元の歴史に戻った以上、全てを覚えているのは常磐ソウゴら魔王一行のみなのだから。

或人の戦線復帰にDIOは潮時と判断を下す。
納得のいかない部分はあるが時間停止が不可能な以上、無駄に体力を消費する必要もあるまい。
幸い日光を防ぐ手段は手に入った、ならば長居は無用。

「全く忌々しい……!」

それはそれとして、二度も撤退を選ぶのはやはりストレスが溜まる。
逃がしはしないと万丈が斬り掛かるも、付き合ってやる気は無い。
先程物々交換で手に入れたアイテムを地面に叩きつけた瞬間、閃光と轟音が万丈と背後のカイト達を襲った。
かんしゃく紙という22世紀のひみつ道具だ。
千切って投げる本来の使い方をせず、一枚丸々投擲し万丈達を怯ませる。
仮面ライダーに変身中の者もいるのだ、効果は大き過ぎて困らない。

「~~~~~っ!!おい待ちやがれ!」

耳鳴りが激しい中で、僅かに猛牛の雄叫びが聞こえた。
視界が戻った時にはもうDIOの姿は見当たらず、どこへ逃げたかも定かではない。
悔し紛れに叫んでも、嘲り一つ返って来なかった。


【H-6/一日目/早朝】

【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:疲労(小)、苛立ち(大)、精神的動揺、時間停止不可、搭乗中
[装備]:特殊名簿@オリジナル、神威の車輪@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品(食料・水・ルールブック・筆記用具無し)、ビルドドライバー+メタルタンクタンクフルボトル+ハザードトリガー@仮面ライダービルド、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]基本方針:「神」を追い落とし、すべてを手に入れる「王」となる。
1:東洋人(鬼舞辻無惨、名前は知らない)の弱点を見つけ出し、ボディを奪う。
2:次から次へとこのDIOの静止時間に入り込むか。同じ能力を持つものは必ず仕留める。
3:ザ・ワールドの効果を戻さなければならぬ。
4:肉の芽を植え付けられればいいのだが。
5:仮面ライダーとやらの道具は手に入れた。日光を防げるだろう。
6:承太郎はあえて味方と言い張る。取るに足らぬ人間は混乱させておく。
[備考]
※承太郎との最終決戦最終盤からの参戦。
※時間停止の時間は少なくとも5秒未満です。
 具体的な時間は後続にお任せします。
※銀河眼の時空竜の効果で効果を無効にされ時止めができません。
 何かしらの手段で無効効果がなくなるか、遅くとも第一放送後に戻ります。
 肉の芽も無効かは不明です。

※どこへ向かったかは後続の書き手に任せます。


◆◆◆


「クソッ!またこうなるのかよ…」

殺し合いに乗った者をみすみす逃してしまった。
パラダイスキングに続き二度目のミスだ、自分への怒りが募る。
だが今は失敗に悪態を付くより、仲間を優先するべき。
振り返ると各々呻いたり頭部を振って視界が危うい者もいるが、長続きはしない。
DIOがやったのはあくまで音と光を使った足止め、命を奪う傷は負わされなかった。

「万丈さん……」

消沈した声に顔を動かせば、俯く或人の姿を捉えた。
変身中で素顔も怪人になっているのに、落ち込んだ顔なのが良く分かる。
纏う空気の重苦しさに相応しい、非常に暗い声色で言葉を紡いだ。

「ごめん…後で返すって約束したのに……」

元は万丈の仲間の所有物であるビルドドライバー。
いずれ返してもらうと預けられたが、よりにもよってDIOに奪われる大失態を犯した。
聞けば戦兎は今の自分よりも仮面ライダーの名が相応しいヒーロー。
そんな人のベルトが今後はDIOに使われてしまう、自分がしくじったせいで。
申し訳なさと悔しさで、まともに目を合わせられない。

「お前だって必死に戦ったんだろ?ならしょうがねぇよ。俺が取り返せば戦兎の奴も文句は言わねぇだろうし、そんなに落ち込むなって」

あっけらかんとした態度は内心の怒りを抑える為ではなく、本心から気にしていないと伝える。
ビルドドライバーが奪われたのは確かに由々しき事態であるも、或人の責任を追及する気は皆無。
事前にカイト達からDIOがどれだけ危険かは聞いており、そのような相手に一人で持ち堪えた或人をどうして責められようか。

お前は悪くないと言われても或人は気落ちしたまま。
次に万丈が何かを言う前に、無言で両手を突き出す。
握られているのはフルボトルバスター、ビルドドライバー共々いずれ返却を約束した武器だ。
何故急にこれをと困惑する万丈へ、有無を言わせず無理やり持たせる。

「やっぱりこれは、万丈さんが持ってた方が良いと思う。またヘマやらかして、奪われる訳にもいかないし」
「だから俺は気にしてねぇって……」
「あのベルトは俺がどうにかして取り戻す。本当に、迷惑かけてごめん」

武器を手放し背を向けた或人に、嫌な予感を感じた。
ビルドドライバーの件で責任を感じているだけではない。
自分達の方に視線を寄越さない姿は、まるでこちらを拒絶してるかのよう。
素顔を見せずとも、安易に近付くのを憚れるこの雰囲気には覚えがあった。
同じだ、最初に会った時の或人と。
復讐を優先する余り嘗ての決意を裏切り、間違った道を進もうとしている。

「おい或人…っ!?」

伸ばした手を拒む壁が出現。
羽音を立てて無数のバッタが万丈達を取り囲み、足を止めざるを得ない。
追い払おうにも数が多く、前後左右どこを見てもあるのは虫虫虫。
農作物を食い荒らすのではない、人間を餌とする害虫の群れだ。
尤も或人に万丈達を傷付ける意図はない。
その証拠にバッタの群れは妨害にこそ動いても、攻撃はして来なかった。

やがて何かをするまでもなく、害虫は一斉に離れ徐々に姿を消す。
足止めという役目は終わりだ。
先のDIO同様、視界を塞いだ間に或人も何処かへ去って行った。


○


偽りの歴史で生まれたゼロワンには、仮面ライダーとしてのゼロワンには無い能力が複数存在する。
内の一つ、飛行機能を使い万丈達の元から飛び去った。
気にしてないとは言ってくれたが、はいそうですかと簡単には切り替えられない。
DIOに負けなければ、或いはもっとDIOを警戒して慎重に動くべきだった。
後悔だけなら幾らでも出来るが、やって何の意味があるのか。
自分の尻拭いを万丈にさせるつもりはない、責任の取り方は分かっている。

「どこに行った…?」

DIOを見付けてビルドドライバーを取り返す。
すぐには頷いてくれないだろうとは分かった、だから強引な形で飛び立ったのだ。
ドライバーに続きフルボトルバスターまで奪われては、流石に顔向け出来ない。
故にあの場で返し、アナザーウォッチのみを手にDIOの追跡に出た。





――本当にそれだけか?





問い掛ける声が聞こえた。
周囲には誰もいない。
DIOには追い付いていないし、万丈が追いかけて来る姿も見当たらない。
他の誰でもない、或人自身の声でもう一度問う。
本当に、万丈の元を去った理由はそれだけなのかと。

ビルドドライバーを取り戻したい気持ちに嘘はない。
だがそれならそれで、もっと他にやりようがあるだろうに。
先の場には万丈以外にも三人の参加者がいた。
様子から察するに殺し合いには否定的、であれば彼らとの情報共有をしっかり行うべきじゃあないのか。
特にカイトと呼ばれた青年はDIOと因縁があるように見えた。
となると、DIOに関する話を詳しく聞き再戦への備えを行う方が利口。
若しくは万丈と共にDIOを追い掛けたとて問題無い。
ビルドの力を好き勝手に使わせたくない想いは自分以上、人間性についても信頼が置ける万丈が同行する方が或人一人よりも戦力面での不安を取り除ける。
なのに何故、ロクに話しもせず単独行動を選んだ。

DIOを追い掛けるにしても、それはビルドドライバーを取り戻す為なのか?
そもそも自分が万丈達から離れたのは、DIOを追い掛ける為だとハッキリ言えるのか?

気付いてはいけない理由に、胸の奥が軋み出す。
先程の戦闘で自分は敗北した。
もし万丈が現れなかったら、一体DIOに何をされたのか分からない。
嫌と言う程に力の無さを思い知り、ふと思い出した。
アナザーゼロワンウォッチに隠された特殊な機能を。

善意に溢れる状態で使えば、強大な力を持った仮面ライダーゼロワンへの変身が可能となる。
しかし反対に、悪意に支配された状態で使えばより凶悪なアナザーゼロワンに変身する。
夢を追いかけていた頃ならともかく、今の自分に善意の力を引き出せるとは口が裂けても言えない。
では後者なら?
アークワンと同じ、悪意を糧とする怪物になるのを不可能とは言えないのでは?


――『滅への復讐、それ以外は捨てなされ』

――『どっちつかずなままじゃ、全部無駄になっちゃうよ?』

――『力が欲しいなら、もっと餓えるべきとは思わないか?』


この地で出会った三人の言葉が、耳元で繰り返し囁かれる。
決して善人とは言い難い、けれど間違いを言っていると否定も出来ない。

善意を捨て去れば、復讐以外いらないと決断すれば、滅を破壊する力を寄越せと貪欲に欲すれば。
アナザーウォッチは或人の悪意に応え、イズの仇を取れるだけの強大な力が手に入る。
だから、その為に『邪魔な』万丈達から逃げるように去った。
それが真実なんじゃあないか。

「……っ!」

違うと言い聞かせても、己への疑問は消えない。
自分を惑わす戯言を振り切るように、或いは受け入れ難い現実から逃げるように。
飛行速度を一段上げ、振り返らずに進む。

夜明けは近い、なのに或人の前には光なんて微塵も見えなかった。


【飛電或人@仮面ライダーゼロワン】
[状態]:迷い(極大)、疲労(中)、ダメージ(大)、アナザーゼロワンに変身中
[装備]:アナザーゼロワンライドウォッチ@仮面ライダージオウ×ゼロワン 令和・ザ・ファーストジェネレーション
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本方針:とりあえず滅をはか…倒す…
1:DIOを追ってビルドドライバーを取り戻す。…………そのつもり、だ。
2:滅がここにいるなら必ず倒す…つもりだ。でももし他の参加者に倒されたら……?
3:垓さんか…まぁ頑張ってくれてるといいな
4:とりあえずあった人からは話を聞いていこうかな
5:万丈の仲間に会えたら礼と情報交換をしなくちゃな
6:エボルトに警戒
7:主催の人達は許さない、けど滅よりは優先度は…まだ低いな
8:他の人達を助けて、それで間に合わなくなるなら……
[備考]
※参戦時期は43話開始直後。

※どこへ向かったかは後続の書き手に任せます。
 DIOの正確な位置を把握していない為、DIOと同じ方角へ向かったとは限りません。


◆◆◆


「悪いカイト、俺も急いで行かなきゃなんねぇ」

デイパックの口を閉じそう告げた万丈に、カイトからの驚きは無い。
短いやり取りの中で、或人を気に掛けているのは良く分かった。
であれば何を思って出発を急ぐかも、理由に察しが付かない訳がない。

「飛電或人を追うのか?」
「ああ。…今のアイツを一人にしたら絶対ヤバいことになっちまう」

そうだろうなと口には出さず同意する。
やり取りを見ていただけの者達にも、或人が危うい状態だとは察せられた。
一人でDIOの元に突っ込み返り討ちに遭うのが関の山。
下手をすれば、もっと悪い事態に発展しないとも言い切れない。

「そっちは大丈夫なんだよな?コイツが失敗した、なんてことは…」
「問題無い。流石に体力までは戻らんが、解毒は成功だ」
「お、おう、そうか。ずっとムスッとしてっから分かりにくくてよ…」

一言余計だと思いつつも、一難去ったのは事実なので素直に感謝しておく。
DIOに殴り飛ばされ痛がる素振りを見せていたが、クローズドラゴンは耐衝撃・耐熱性にも優れている。
ちょっとやそっとじゃ破壊されず、カイトに噛み付き毒を完全に除去。
ブラッドスタークの崩壊毒をも打ち消す治癒効果を以てすれば、モウドクフキヤガエルの毒も無効化が叶った。
疲労はそのままであり体力的に余裕があるとは言えないが、毒で死ぬ末路を回避出来ただけでも十分だ。

『カイト げんきなって クレヨンもうれしい!』
「ええ、本当に良かった…」

満面の笑みを浮かべるクレヨンに同意し、ミカンも安堵で胸を撫で下ろす。
使い魔から抽出した毒を魔法抜きで解毒可能なのか不安だったが、杞憂で済んだらしい。
どうあっても助からない事態も考えただけに、解毒が上手くいって心底ホッとした。

カイトの治療という当初の目的を果たし、本当ならば万丈も彼らに同行する筈だった。
なれど前述の通り或人を放って置けず、追いかけ無茶をしでかす前に止めねばならない。

「待って龍我さん。あの人を追い掛けるなら、これを持って行って」

呼び止めたミカンがデイパックから出したのは、小さな支給品とは不釣り合いな物体。
赤いボディが目を引く金属の塊、バイクである。
と言っても普通の二輪車にない特徴が複数個所見られるが。
移動手段としては便利だがデュエルモンスターズのモンスターを召喚できるカイトがいる為、使う場面はなく仕舞ったままで数時間。
ようやく出番が回って来たのだろう。

「かなり助かるけど良いのかよ?」
「ああ、初見のデュエルシステムが搭載されていたのは気になるが……今はお前が使う方が良いだろう」

毒を治せる支給品がないかと確認した時、このマシンをミカンのデイパックから見付けた。
ざっと見ただけでも、カイトをして見事と言わざるを得ない性能。
説明書に記載された名称から、Dホイールなるマシンの持ち主兼開発者も参加していると発覚。
状況が違えばその者とも話をしてみたかったが。

高性能な足が手に入り、これで本当に出発の準備は整った。
カイト達は予定通り島の中央を目指し、万丈も或人をどうにかしたらそっちへ一旦合流。
平行して互いの仲間の捜索も行う。
同じグループのHANOIや監察官が不参加のクレヨン以外は、それぞれ信頼出来る者も巻き込まれている。
彼らの名前と特徴は既に交換し合ったので問題なし。

「戦兎を見付けたらクレヨンの腕のことも言っとく!絶対に死ぬんじゃねぇぞ!」

運転に少々クセのあるDホイールをどうにか動かし、カイト達の元を去って行く。
これで残ったのは最初に出会った三人だけ。
同行こそ出来なかったが、打倒主催者の方針が同じ参加者との縁は作れた。

「…クレヨン?大丈夫?」
『うい だいじょぶ』

ふと横を見ると、笑顔を絶やさない彼女の瞳が悲し気に揺れた気がする。
尋ねてみても次の瞬間には笑顔を向けられ、書き込んだ文字もこちらを心配させまいとするもの。

但し内心まで明るいかと言うと違う。

(あると、ずっとおこってないてた……)

一度も言葉を交わしていない。
万丈と話すのを見ただけの相手で、素顔だって晒さなかった。
だけど、彼が抱えているモノには覚えがある。

憤怒、憎悪、嫌悪、絶望。
心に亀裂を生み、悪しき方へと堕ちる感情。
それは何も人間だけが持ち合わせる訳ではない。

愛玩人形として弄ばれ、嫌悪を押し殺した者がいた。
命ある存在とは思えない扱いをされた者がいた。
悪霊を生み出す人の悪意を見て来た者がいた。
料理に愛情を注ぐキッチンを醜悪な争いの場に変えられた者がいた。

現実で多大なストレスを抱え、TOWERに集められたHANOI達。
彼らと同じモノに或人も苛まれ続けている。

(ひとりはかなしくて、いたいよ……)

HANOI達と決定的に違うのは、痛みを和らげてくれる存在の有無。
TOWER内でストレス発散をするだけではない。
根本的な部分で心を癒す誰かが必要なのだ。

HANOIが何に強く苦しんでいるかを理解しようとして。
失言をすれば心から謝罪し、対等の関係を築こうとする。
監察官のような者が傍にいてあげたら、或人を苦しめる痛みも治るのだろうか。

「あのー、そろそろ良いですかい?」
「っ!」

背に声をぶつけられ、弾かれたように振り向く。
身構える彼らが見つめる先には、人の特徴を一つも持ち合わせない生物がいた。
赤い履物の巨大な虫、魔導雑貨商人である。
或人とDIOの戦闘に巻き込まれないように隠れ、もう出ても良い頃だろうと姿を見せたのだ。

「さっきの旦那方はもう行っちまったみたいですが、とりあえず何か買いやすか?」

カタログを開き言う特殊なNPCに、三人は思わず顔を見合わせた。


【天城カイト@遊☆戯☆王ZEXAL】
[状態]:ダメージ(特大・非常食で少し回復)、肩に傷(応急処置済み)
[装備]:デュエルディスクとデッキ(天城カイト)@遊☆戯☆王ZEXAL、NO.107 銀河眼の時空竜@遊☆戯☆王ZEXAL
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本方針:首輪を外しこの戦いを終わらせる。
1:何だこいつは?
2:首輪を外すための方法を探る。そのためにサンプルとして二人(渡とマヤ)の遺体を探す。
3:ナッシュ警戒、ベクターとあの男(DIO)は要警戒。
4:遊馬ではできないだろう敵の排除。ベクターを優先とする。
5:空条承太郎、安易に信用するべき相手ではなさそうだな。
6:遊馬、お前は無事か?
7:E-4辺りで参加者を探す。
8:不動遊星、あのDホイールとやらを作った男か……
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※既存のエクストラデッキの銀河眼エクシーズモンスターは全てありません。
※クローズドラゴンの治癒機能で解毒を行いました。
※時の止まった世界を認識できます。
 但し殆ど動けません。何度も時間停止が起きれば動けるかも?
※ミカン、クレヨン、海馬(アニメ版)、万丈と情報交換してます。

【陽夏木ミカン@まちカドまぞく】
[状態]:精神疲労(大)、精神的動揺、魔法少女モード、呪い&ミカエルの毒無効
[装備]:クロスボウ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(解毒系のものはなし)
[思考・状況]基本方針:誰も殺さず、元の世界に帰る
1:今度は何!?
2:もしかしてこの決闘企画も、私の呪いのせいで始まったのかしら。
3:彼(カイト)の毒、治って良かった……
4:名簿は……まだ見れないわ。
5:クレヨンと一緒に行動する。腕もどうにかしてあげたい
6:ひょっとして、此処は仮想世界?
7:呪いがないのはいいことだけど……
8:E-4を中心に人を探す。
[備考]
※参戦時期は、原作49話(アニメでは2丁目11話)で呪いが発動し、
 シャミ子・桃と別れた後、かつ再会する前からです。
※名簿は見ていません。
※クレヨンとの会話からこの舞台が仮想世界TOWERの可能性を考えています。
※銀河眼の時空竜の効果でウガルルの呪いが無効になってます。
 何かしらの手段で無効効果がなくなった瞬間、或いは第一放送時に戻ります。
※カイト、クレヨン、海馬(アニメ版)、万丈と情報交換してます。
 DIOの時を止める能力も把握してます。

【クレヨン@TOWER of HANOI】
[状態]:左腕粉砕(修復は困難)、右腕損壊(使用自体可能)、ダメージ(大)、MP消費(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品(紙とピンク色のクレヨン含む)、ランダム支給品×1~3(解毒系のものはなし)、壊れた左腕の残骸
[思考・状況]基本方針:ミカンを ニコニコ えがおに したい!
1:おっきいむしさん!
2:けっとう?イヤ!
3:ここ タワー?
4:せんとってひと うで なおせる?
5:おはなし むずかしい!
[備考]
※参戦時期は後続書き手さんにお任せします。
※コーラルとの親密度はB以下です。
※戦闘補正があるため戦闘能力はTOWER世界と同等です。
 ナイフ等のTOWERでの技で使う武器や道具を任意で生成できます。
 ただし出せる技の範疇の武器のみで、生成する際にMPを消費します。
 作成できるナイフの種類はクレヨンが所持しているナイフに変更されます。
 ない場合は原作の『ペーパーナイフ』がデフォルトになります(攻撃力微増)
※銀河眼の時空竜の効果でティアドロップ、ラッキーカードが使えません。
 何かしらの手段で無効効果がなくなった瞬間、或いは六時間後に戻ります。
※カイト、ミカン、海馬(アニメ版)、万丈と情報交換してます。
 DIOの時を止める能力も把握してます。

【万丈龍我@仮面ライダービルド】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、運転中
[装備]:龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎、遊星のDホイール@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品一式、フルボトルバスター@仮面ライダービルド、クローズドラゴン@仮面ライダービルド、火炎剣烈火&聖剣ソードライバー@仮面ライダーセイバー、ガトリングフルボトル@仮面ライダービルド
[思考・状況]
基本方針:主催の奴ら全員倒して殺し合いを潰す。
1:或人を追い掛ける。急いで見付けねえとヤバいだろ
2:遊戯って奴が心配。
3:檀黎斗はもう絶対に許さねぇ
4:戦兎ならクレヨンの腕も直せる筈だ
5:戦兎、玄さん、カズミン、絶対生きてろよ、永夢もな
6:エボルト、滅、DIOを警戒、特にエボルトは一度共闘したからって信用出来るわけねぇ
7:爆発頭野郎(パラダイスキング)は次に会ったら絶対に倒す。
8:他にも仮面ライダーがいるのか知りてぇな
9:俺のフルボトル(ドラゴンフルボトル)はどこいったんだ?出来たら知りてぇな
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』以降。

※万丈がどの方角へ向かったかは後続の書き手に任せます。
また或人やDIOの正確な位置を把握していない為、同じ方へ向かったとは限りません。

【かんしゃく紙@ドラえもん】
22世紀のひみつ道具の一つ。
ちぎって丸めてぶつけたり、紙そのものに衝撃を与えるとかんしゃく玉のように破裂して驚かす。

【神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)@Fate/Grand Order】
ライダーのサーヴァント、イスカンダルが所有する二匹の神獣『飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)』が牽引する戦車型宝具。
地面だけでなく、空までも自らの領域として駆け抜けることが可能。
神牛の踏みしめた跡にはどこであれ雷が迸る。
イスカンダルはキュプリオトの剣を振るい自在に召喚するが、今回剣は支給されなかった。

【遊星のDホイール@遊戯王5D's】
デュエルディスクの発展系であるオートバイ型のデュエルマシン。
本体の他にバイザーに場のモンスターのステータスが表示されるヘルメットと、デッキホルダー及び手札ホルダーを備え左腕に装備するデバイスで構成される。
デュエルが開始されると自動操縦(オートパイロット)に切り替わるが、手動操縦(マニュアルモード)のままにすることも可能。
不動遊星はサテライトに捨てられたジャンクパーツを使い、仲間と共に自作した。
名称は遊星号。


075:ゲーマーコンビは不思議な生物と出会うようです 投下順 077:凛と咲く花のように強く美しいナルシスト
時系列順
040:デュエリスト・ランデブー 陽夏木ミカン 106:無情の抹殺 群雄割拠
クレヨン
天城カイト
071:物々交換録アルト 飛電或人 097:リローデッド ─禁じられた遊び─
034:Ark vs Love&PEACE 万丈龍我 087:融合準備
029:ⅩⅩⅠ THE WORLD DIO 083:スカイ・ハンター
「ソレが正しい選択か?」をウィキ内検索
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