熊本の戦車学校と学ぶ戦線講座
はじめに
キーンコーンカーンコーン・・・
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ブ;彡'´ // / ,r;;、゙:、,.、┬ 、 ` ‐-゙:ミ
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-‐'-グ, ,ィ'7 ハi! / | ! `゙| ハ l i !ヾ\
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7ィ./ iハ|+=ミ:、` -―_''"j゙iノ .! i゙ヾiヾー`
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l l,.ノ/ ト、 ヽ.___/ ,.イ i | | !
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ノ/r'!ヽ、_,|「 i |,..ム. ヽ
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よーこそ。
飛んで跳ねて大砲をぶっぱなす、現代の侍を育成する学校に。
ま、今回は出張編だがな。おめーを一人前の侍にしてやることは保証する。
今日は特別講習、だからノン・ペナルティだ。
好きなところに座りな。
俺は、本田 節子(ほんだ せつこ)。二戦級の戦場で闘いながら、戦訓を教えている。
今回はマグメルから戦線について教えろって言われてな。
ま、俺達流の戦いに沿った考え方になるが、しっかり聞いてくれ。
あと教官はもう一人いる。坂上先生。
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|| 一ー /
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坂上 久臣(さかうえ ひさおみ)です。
戦線に関する戦術理論を教えます。
…よし、以上、オリエンテーション終わり。
こっからは授業だ、1時間目と2時間目は俺。
午後からは坂上先生にやってもらう。
ノートはとらんでいい。俺が言うことを確実に覚えろ。
戦場じゃ、ノートなんて読む暇ねえぞ。
1時間目 数の考え方
さて、今日教えることは「戦線について」だったな。
だがいきなりあれやこれやと言う前に、戦線を考える前の基本的なことについて教える。
この授業を聞いてるということは、お前らもそれなりに場数は踏んでいるだろうから、これから教えることはすぐに理解できるはずだ。
戦線ってのは結局のところ、「兵の場所」で考える。んで、「数」で戦線の強さを量れる。
1人か、2人か、3人かで、その強さってのは随分違うからな。
1時間目はこれを頭に叩き込め。
こんな経験は無いか?
2人以上の相手に囲まれ、他の味方は遠い位置にいる状況、つまり多対一だ。
望む望まないに関わらず、お前らがよっぽど後ろでビクビクしてるだけのピーナッツ野郎でもない限り1度は経験はあるだろうさ。
この場合、自分1人では2人以上の相手にまず勝てない。
いいか、お前らはコンピューターゲームのヒーローじゃねぇんだ。
1人だけで2人以上の敵を一度に相手取って勝てるとか、そんなことを当たり前に考えるんじゃねぇ。
// ヽ
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l ト l ´イ_:j` \l´イ:;j`l レ'l l
レ' lヽ l _ - 、 レ' l lメ
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くヽl l 「 __` / / \
l \ ー' / ` ァー-、
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滝川「先生、でもそれだと『連続撃破×3』とかは難しいんじゃないですか?」
連続撃破は少し違う。
3人が一斉に掛かってきたら1人では負ける。
だがその3人がそれぞれ一人、20秒づつ遅れてくればオメー、一人でも結構やれる。
そいつは1対3じゃない。1対1が3回だ。そういうこった。
『同時撃破』というものもあるが、そっちについては後で坂上先生が教えるから待ってろ。
実際にシミュレーションすれば尚更わかるだろう。
敵味方共に同じブラストとする。敵は2体いる。で、構えている武器が・・・どちらも
M90サブマシンガン持ちとする。
自分は・・・そうだな、
ヴォルペ・メガロをフルに活用できる腕があったとしよう。
武器の差は歴然だな。秒間火力4000と6000だ。
だが、敵は2体だから、敵の最大秒間火力は8000になっちまう。火力差はこれでひっくり返る。
更に自分は1体の敵にしか狙いをつけられねぇ。狙われた敵は回避しながら撃つことになるが、もう一人の敵は撃たれずにしっかりと狙いをつけることが出来る。
まぁシミュレーションなんざしなくても、お前ら自身、「まず勝てない」ってことは経験でよくわかってるだろうさ。
俺たちの世界での戦線でも同じ考えがあってな。
一般に陸戦における敗北ラインは5%と言われる。
まあ、20人に1人以上死んだら、だいたいその戦闘では負けと言う訳だ。
10%を越えると大敗北。
14%を越えると記録的な惨敗だ。
一般に20%を越える戦力被害が出た場合、立ち直れない…つまり戦争を継続するのが困難な状況になるわけだ。
これは何故か?
5人対5人で戦っているときに、一人やられて5対4になると、もう4人のほうは大体勝てなくなるからだ。
5人の方の1人が誰かに加勢して2対1になった段階で、1人の方は勝ち目がなくなる。理由はさっき言ったな?
この2対1が連鎖して5対4の勝負を決める。
お前らの世界でも同じことだ。
5対4の状況、5人の方が誰か1人に加勢しちまえば決着は付くからな。
ま、時としてプラント戦でそうならないこともあるのは・・・お前らの世界では撃破されたヤツもすぐに戦線復帰するからだが。
減った人員がすぐに後ろから来るんだから、そりゃあ楽だよなぁ。こっちの士魂号はメンテが大変でな・・・
おっと、話が逸れちまった。
取り敢えず戦力の基本値は数だって事はわかったな?
じゃ、1時間目は終わりだ。休みたいやつは休んどけ、10分後に再開する。
2時間目 戦線は数と位置と役割で考えろ
さて授業再開だ。こっからが本番だぞ。
ボーダー個々の強さはそれぞれ、武器の強さもそれぞれだが、単純に兵の数の差でも強さが量れることはさっきの授業で解説したとおりだ。
戦線を維持する、前線を支える、という考え方は兵の位置や数を基準にして考えろ。
大まかな前線ラインってのはプラントの取得状況である程度は見えてくる。
何故ならプラントのリスポン位置周辺に兵は固まりやすいからだ。
全部で5プラントのマップとして、中央のプラントを取っていれば、兵が中央から前に出やすいので「こちらが押している」
取られていれば「こちらが押されている」。これはそれほど間違いじゃない。
だが、正確な前線ラインはこれが全てじゃない。
例え中央のプラントをこちらが抑えていても、その周辺には味方が3機しかいなくて、しかも残りは全部後ろにいようものなら、間違いなく前線が下がっている。
何故なら、最前線の味方が3機だけで、しかも敵陣側に1機もいないのならば、敵からすればたった4機を前線プラントに送り込むだけで勝ち目があるってことだからな。
こうなれば前線が下がった結果、中央プラントを取られてこちらが不利側に立たされるぞ。
つまり戦線ってのは敵味方の位置関係や数で正確に表すわけだ。
お前らの世界で「芋砂」「芋蛇」「ベースニート」が嫌われる傾向にあるが、要因は色々あるだろう。
この戦線構築や維持に何一つ役立ってない点も1つだろうな。
前線が押されても前に出ようとしないヤツが1人でも居たとすれば、前線を支える人間が1人減ることになる。
これに対して、敵側が積極的に前に出て戦線を上げようとするヤツらばかりなら、前線は徐々に下がっていく。
その限りじゃないって考えるやつは、さっきの授業が頭に入ってねぇ証拠だ。
戦力は数で考えろ、1人が延々とベースや兵装選択画面のままでサボってたら戦場は10対9のままだから、9人の方はまず勝ち目がない。
10人になっている方が数で前線押し倒すだけで決着付くぞ。
例え10人の方にドンパチが苦手なやつがいたとしても同じだ。
ドンパチが得意なやつと組んで前線に出れば、取り敢えず肉壁程度には役に立つし、
プラント占拠の力は全員等しく存在するから2人分の占拠力は持てる。
戦闘が苦手でも前に出る価値はある、それより常に前に出ずに恐れおののくヤツの方が役に立たないってことさ。
大まかな前線や戦線はプラントで見えてくるが、正確な戦線は敵味方の位置取りで考えるんだ。
また、その位置取りによって「役割」も見えてくる。細かく分ければ色々あるが、大まかには・・・
1・敵陣深くに入っていき、プラントの奇襲やベースへの直接攻撃を試みる「急襲」
2・前線プラントの防衛、ないしは敵側前線プラントの攻略を行う戦線構築
3・自陣側深くに入っている敵からコアを守る「防衛」
この3つでいい。サッカーのフォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーで例えればそれでいいくらいだ。
そして・・・このうち2の戦線を前に前に押し出せば、結果はついてくる。
プラントを押し切ってベース前、とは行かずとも4プラント目を取得すれば重量機体にだってベース攻撃が十分できるくらいの距離になるからな。
そのまま積極的に前に押し出してベース攻撃すれば、いずれはコアに届くってわけさ。
前線を押しきって勝ちにいくってのは、こういった状況を作るのが理想だな。
ただこっちの戦場の作戦目標はあくまでも「敵ベースの破壊」であり、そのための戦線構築だということを忘れちゃいかん。
戦線を上げることはあくまでも手段であり、それそのものを目的にしちゃあだめだ。
凸屋と呼ばれる連中のなかには「押されてるときはカウンター凸のチャンス」と宣うのもいるからな。戦線が下がっているなら下がっているなりにやることはあるというのも覚えときな。
俺が戦線について教えるべきことの基本はこんなもんだが、いい機会だから、この前線がダメになっちまう例を教えておく。
特にSランクあたりまでの連中がやりがちな問題点を並べたぞ。
よく聞いとけ。
◆過剰防衛◆
例えばネソス島実験ドーム 構造α-01を例に取ろう。
ここは中央、第三プラントのCを取れば、第4プラント攻めと、裏ルートを通って敵ベースを直接叩く2正面作戦が狙いやすくなる。
確か、お前らの世界での絢爛舞踏(エースボーダー)の代表が生中継でも言ってたな、名前は確か、ひ・・・まぁいいや。
このマップで最初にプラントCを取ったとするぞ。
当然こちらは有利だ。だが敵側がこちらへ急襲を仕掛けてきて中央プラントを抜けてベースへ向かおうとしてきた。幸い、索敵に引っかかり防衛も間に合いそうだが・・・
さて、問題だ。何人の味方が防衛に向かえばいい?
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r――――――┐ _,、-ー"| r' ノー{ ~ ,i / `i、
| 芝村 舞 ,! / {, | ノ/ i\ ノ / `i
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|| 戦線としての理想は1人だが、敵の反撃もある。
|| こちらのコアへの被害だけは確実に抑えておきたい。
|| 2人で向かえば、2対1だから敵側が不利となり、何とか押さえ込めるだろう。
|| だが戦線が手薄になることは否めないな。
いい模範解答だ、芝村。
1人の敵陣急襲に対し、防衛として向かうべき人員はせいぜい1~2人だ。
自コアの防衛ということを考えると、敵側が何らかの拍子でこちらの防衛人員を倒してしまうとマズい。
だから1人で行くのは理想だが、危険でもある。2人ならば大丈夫だろう。
だが敵1人に対し後ろに2人下がるってことは残りは8対9だ。自陣側は間違いなく不利だ。
あまり手間取ると、前線は下がっちまう。早めに復帰することを心がけろ。
さて、ここまで説明すれば過剰防衛って言葉の意味はわかるな?
敵1人に3人も防衛に向かうと速いペースで前線が危うくなる。
自陣側の残りは7対9だ。戦力差はさっきより大幅についちまう。
さっきのネソス島の話の続きだが、これで3人が自陣側に戻ったら最初にとったプラントCが敵に取られるだろう。7対9では長くはもたない。
そうなれば第4プラントとベースへの2正面作戦を食らうのはこちらだ。
今度は防衛に割く人員を増やさざるを得ず、そんな中でCを取り返さないといけなくなるってわけだ。
あん?2人防衛に向かったのに敵を止めきれていない?
それは防衛側の問題だろう。もう1度言うが2対1の戦いは2人側が非常に有利だ。
この場合、敵側がとんでもないバケモノだったってこともあるが、そもそも防衛人員が防衛をしてないって可能性もあるな。
ありがちなのは・・・AC蒸して逃げる強襲を重火や支援で延々とノロノロ追いかけちまう場合とかかな。
普通は味方が2人も防衛についているのに、なおもベースに戻るような判断をするのはNGだが・・・まぁ、こんな状況だったらあと1人も仕方ないのかもしれねぇ。
だが絶対に前線下がって不利になるのはこちらだ、覚えておけ。
ちなみに敵が2人なら3人までにしとけ。敵の数に+1した分だけ味方を防衛に回すのがいい、と考えろ。
これは特にコアダメージを怖がるA~Sランクあたりのボーダーがやりがちな問題だ。
自陣側のコアダメージが怖いばかりに、敵1人に味方4人もベースに戻っちまうこともある。
これは自陣のコアを守っているようで、むしろ危険に晒している。残った6人の味方では敵の前進は防ぎきれんだろう。
ま、実際は互いに過剰防衛になって結局バランスが取れちまうことも多いらしい。
だから気づきにくい所かもしれんが、とにかく悪手ってことは頭に入れとけ。
◆過剰防衛2(過剰ベース防衛)◆
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岩田「ふっふっふ、ならば全員でベースを守りコアへのダメージを完全にカットすればいいのです!」
…よーし岩田、前でろ!
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_ニ‐ iノノ \| ∠!  ̄
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| ,ヘ `´( _、、_、、 | し‐‐-、/ /  ̄ ,∠._>‐' ≧ィr,^r,、≦
レ'´〃ヾ. /ニ=v-' ミr_,ニ、 !i |ノィ_,x,_)ヘ._/ / / ´} '_.、 b´
..ノ 〃 !} ト、 0j○=bl ∠ィヘ[] イへゝ / ∠_゙< >‐r气、
`‐、_ ヾ='' Ll_,ィ.へ ヒニi _⊥..,_ ___ |ハ「X」レ'/ /i ∠こx-、≦ / ノ`! !
`‐、_`'ァ‐、 -一'/ ⊥-‐ヘ二..____ ハ‐、  ̄ 乙__/‐ z/ レ'|/xb^!`>'ニミF=<+} / /
、、 \∝∝>、ー---r<ー- 、 ト、} ,ィレ'´しイ /Z_`勹/l/Al lAノ={ ̄`テ
((_o ヽ 、 \o | ヽ、_L.__ 」==i___/ . : : / l. ト、l7´へ.ヒ!__ヒ!K=i、/l|
}}o |==、i r=ヘ.r┴_一'.ニ┐「 ̄ 「 l= : : : [. .l. l//∠- `ロエ二,,ノ-ッ‐ィワっ
\}ト、 l. ヽノ ノ| i「_,_-_,ニ4rトnnl-‐へ:,_;_、∠... __ .ィノ/ ̄oliー―ッr--'‐┴‐'^
ヽ、V_,_,_,_,_,!Lrく/^ー'丁| l |ニ二´ ___,:、__ //``ヽ.---l|==il´ l|
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厂 l | ! ^''´ /.ィ´ l| 、  ̄
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ズガガガガガ!!
んなマネ出来るか!!!!
詳しい説明は省くが、お前らの世界でも「大攻防戦」ってヤツがあるだろ? あれを思い出せ!
ベース前プラント取られた状況から、コアが1ミリでも無事なことはあるか!? ねぇだろうが!!
前線はつまり数と言ったが、この前線が押されきったら、とにかくコアが危ない。
味方10人がベース近辺に全員固まっていたとしても、
敵の10人がベース前プラントや第4プラントにたむろしてる状況下ならばいずれ崩されるものと覚えておけ!
この場合、ある程度のコア防衛人員を残す必要はあるだろうが、とにかく前線を押されている原因の除去を急げ。
第4プラント取られたら即座に取り返すんだ。これを放置して「全員でベースを守ってコアにかすり傷もつけなきゃいい」って考えを捨てることだ。
ま、それ以前に前線を押されることを防ぐべきだがな。
経験上、第4プラントかベース前のプラントを取られた場合、全員が後ろに下がって前線を放棄しベース防衛って状況は、良くて1分しかもたねぇ。
まぁ「良くて」1分だからな、捲くられても仕方ないが。
もし、それで3分もったのなら、それは敵がへっぴり腰だったか他の役割で後ろに下がっちまったかが原因だろう。
,イ _' 二ィ ̄:::二ニ - 、
、 }、v/ 〃:::::::ノ:∠_::::::::::::::::ミ
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`≧ヽ::::::::_厶 -  ̄ヽ`: : : : : : : : :i
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f㍉ f゙ ̄ヽ_,. -‐ヘ{ fう 〉:|
y'^ト--ヘ_,ノ レ/: :!
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/ /ノ__ - / v、
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_ r‐く / `T 、、 / l/ |
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レ′. . 仁二二7::/ /::::::::::/ / ∠二二
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|. . / |:::::レ'::::::::::::/ 〃 ̄ ヽ ll \ヽTk
ヽ/ |:::::::::::::::::/ r‐一':{ \ ll ☆ >` く
善行「つまり、残り一分なら前線を放棄しても良い、と?」
状況によりけりだな。
残り1分で作戦終了かつ第4プラントやベース前プラントを押されてなければ、使える手ではある。
呑気に残り1分で第4プラントを占拠するようなヤツがいれば、いいエサだしな。
残り3分なら前線放棄は避けたいが中央プラントに拘らなくてもいい場合もある。マップ次第だな。
過剰にベース攻撃を怖がる人間は、この判断が早すぎる傾向にある。
自チームが有利となったばかりに全力で守ろうとしてベースに全員待機してしまう。
これを残り3分でやってしまって、残り1分にして捲くられるってな・・・
残り3分を本気で守るってのは間違いじゃない、だからこそ前線を支えるために前に出ろ。第5、第4プラントを守れ。
それが自ベースを守ることに繋がるんだ。
◆ベースニート◆
これはさっきも言ったな。
ずっとベースに篭っているヤツがいたら実質戦場に出ているのは9人だ。チーム内での前線での勝ち目が非常に薄くなる。
そうやって前線が押されきったら、ベースニートなんぞした所で数で押されて結局コアは割れるってわけだ。
しかし、トラザやスカービのように延々と凸屋がやってくる状況ならば、ある意味では戦力バランスは取れるんだよな。
何せベースニートの相手はその凸屋だからな。他の連中が凸屋を相手にしないのなら数の構造は成り立つ。
だからといって推奨はしないがな。
コア下にトラップ張った所で、矢継ぎ早に敵が来たら2体目の敵は防げん。確実にコアが傷つく。
ま、そうでなくてもコア下に爆発物でも入れられておしまいだがな。
◆あまり意味のないトラップ設置◆
敵陣急襲に備え、トラップを設置するのは時として有効だ。
だが敵がそれほどハイペースにベースに来るわけでもないのにベース入り口にトラップを仕掛けたとして、それは有効か?
答えはNOだ。
発動も邪魔もしないトラップに意味はなく、仕掛ける時間分は無駄になる・・・つまりその時間だけベースニートと同じ結果を出しちまう。
トラップ設置中は前線に出れねぇからな。
トラップは発動させるか、最低でも敵に撤去させる邪魔をさせなきゃ、その存在価値がない。
それも出来ないような位置にトラップを仕掛け続けるのは、ただの時間の無駄だ。
逆に言えば、ちゃんと発動したトラップであればそれは時間分の働きはしている場合が多い。恥じることはないぞ。
これもルーキーにありがちだ。なまじ敵がベースに到着したからと、ベース防衛完了後に、次の急襲を恐れて過剰にベース内にトラップを撒き続けるのは悪い結果しか生まないぞ。
◆死体撃ち◆
…こんなくだらん説明なんざしたくないが一応、言っておく。
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/l / ̄ 二ニ=‐
_ -=ニ>| l∨ / / -──- 、
_, - 二 ̄ ̄`ヽ | / / ̄二 _ \
/ _ -─ 二 ヽ / `ヽ ヽ
/'/ / >ニミ\ヽ Y / />‐ 、 \ヽ
/ // / 〃 /^ヽ' v ,' / ヽヽヘ\ ヾ、
// ' / | / ' /イトヾミV∠ニヘ ト、 l| ,\ 、ゝ
/ / / l |/ //| | ̄ ', | | ハ ヽ\ \
// | 〃/ /l ,ハ |l | | }/ j/ lヘ Vl Nヽ\
/ | /厶イVT¬ヽト、 ヽ! _,∠⌒ ∨ミヘ|
l/イ r┤-ンィ 〒トミー-'八ヾーテ T リ Y lム |
' | {とl `ヽ ゞ'- `′'´ l l |
ヽヽ.l | l ノ/
>'7! | 「l^ヽ
// }l _ j _ /| | lト、
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_r‐<V / l し'/ r{ヘ / ー── 'ヽ 〃ハl\/ ヽ / ̄>‐、
^ー'_⊥-‐/ ー'´ !ト、:::\ ヾー ニ:ン’ /,イ l | ヽ `ヽ ` ー┴-
_, -‐' / トヽ \:::\ /:/「V/| ヽ  ̄¨ -、_
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死体撃ちはするな!
それはマグメル側で禁じられているという問題のみならず戦線にも影響する!
何せ敵が動けない10秒の時間を、自分がただ無駄にしているにすぎないからな。
実はごく一部のルーキーにありがちな問題なんだ。
ルーキーは自ベースへ攻撃されることを極端に怖がる。
それだけに、例えば自ベースに向かった敵を防衛して倒すと、そのまま自ベースを襲った敵を恨むあまり死体撃ちを始めるヤツが時としているんだ。
ベース防衛が完了したのなら、どうしても手薄になりがちな前線にすぐ戻るべきだ。だがそこで死体撃ちすれば10秒も無駄に前線を手薄にさせる。
こんなシチュエーションで死体撃ちをして怒るのは敵じゃない、味方とマグメルだ。敵はむしろ喜ぶことになる。
とにかく死体撃ちはやめとけ。
あ、でも敵にリペアインジェクターや自貼りセンサーが付いてるのなら別だ。素直に破壊しとけよ?
最後にまとめると。
- 戦線はプラントの状況である程度見える
- 正確な戦線は敵味方の位置に依存する
- プラントの取り合いや急襲の戦闘は数の多いほうが勝つ
- 1箇所に兵が固まれば他の戦線はゆるくなる
- ベース防衛に拘りすぎると前線がゆるくなる
- 前線がゆるくなって前にプラント制圧が大きく傾けば、どれだけベース防衛に全力を尽くしても守りきれなくなる。
プラント戦を疎かにして自陣側防衛に拘りすぎた結果、前線を押されて、結局ベース防衛の首が回らなくなる。
こんな事態にならないようにすることが、Sランクから上を目指すボーダー達が考えるべきことの1つだ。
最上位にまで行くと逆に防衛が疎かになりがちなこともあるが、A~Sランクあたりの連中は俺の見る限り、ベース急襲に過敏に反応しすぎだからな・・・
ま、守りたいのならもう少し攻めろってことだ。
おっ、時間か。
じゃ、昼飯ーってとこで。
3時間目 敵の戦線を崩す戦術1 ~急襲と囮~
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午前の授業はどうでしたか。
本田先生は、自分の変な格好を許している、この国と軍を、それなりに気に入ってますからね…、まあ、あれでも愛国者ですよ。
授業を、はじめましょうか。
私の授業は…あちらの世界では戦術理論を教えていますので、敵の戦線を崩す方の戦術をお教えしましょう。
戦いというものは、武器が強ければ良いわけではありません。
剣にこだわっているようでは、真のサムライではありません。これは古代の剣豪の言葉ですがね、現代にも、十分に通用します。
重要なのは、武器ではなく、その使い方…戦術なのです。
千の戦場で、千の戦い方で千の勝利を収める。
それが、サムライであり、あなた方が最終的に目指す存在です。
千の戦い方を覚えなさい。
私の授業は、あなた方に腕には腕の、銃には銃の戦い方を教えること。
良く覚えなさい。これを戦術と呼びます。
強いのは、能力があるとか、性能がいいとかではありません。
一人の意志を持った人間が、明確な目標の下で戦術を駆使することが強いのです。
その気になれば、サブマシ一本、剣一本でもコアは殺せます。
私が育てるのは、その強い人間です。
明確な目標の下で、戦術を駆使するサムライを、育てるのです。
さて、それでは授業をはじめましょうか。
戦線の基本については本田先生が午前に教えましたね。
今度は敵が引いた戦線を崩す方法についてですが…実は既に本田先生が教えているようなものなのですが。
結論を言いましょう。戦線を崩す方法の基本は急襲にあります。
はじめに、自分は好きなことをして、相手に好きなことをさせなければ、すなわち戦いには勝ちます。
これが主導権を握る、イニシアチブを取るといい、戦術の基本になります。
そして古来、主導権とは機動によってのみ、確保されます。
人類発生以来、戦闘種族としての人類が磨き上げてきた戦術は、結局機動、マニューバのことを指すのです。
滝川君、機動とはなんだ?
滝川「移動ですか。」
そうです。移動こそ戦術です。
あなた方は的確な移動を行って戦いの主導権を握り、戦いに勝つことになる。
この場合なら、敵陣深くに急襲することで、自軍コアの防衛という行動を敵に強要し、前線の敵を減らすことができるでしょう。
自陣深くに潜り込んだ敵がいれば、誰もがそれを排除しようとします。
しかも全力で。1対1が理想ではあるものの、2対1もやむ無しとするほどに、です。
自陣深くにいる敵というのは、いわば身体に潜む病原菌みたいなもの。たとえそれが心臓部に届かなくても除去したくなるのが人情ですし、当然の本能です。
中央プラントを何とか取ろうと全軍が躍起になって戦闘したとして、もし互いの実力差に差異があった場合、数が互角ならプラントを占拠するのは困難でしょう。ましてそれを維持するとなれば尚更です。
しかし誰かが急襲に向かい、2対1の状況を作れば、肝心の前線では8対9の戦いが展開されることになります。
もし敵が誤って4人も戻れば6対9。これはとても有利です。プラント1つくらい難なく落とせるでしょう。
無論、別に急襲でなくてもいいのです。敵を何人も引きつける。そうすれば他の戦線では数の上では有利な戦いになりますからね。
しかし、自分に大量の追手を差し向けてくれる状況を確実に生むのには敵陣急襲が一番手っ取り早いのですよ。
さて。
こうは言ったものの、囮というのも案外楽ではありません。
この場合、索敵に引っかかるのは問題ありません。むしろバレなければ囮ではありませんから。
もっとも、バレないように潜入しても、コアを攻撃すれば敵に報告は行くんですがね。
もちろん、直接攻撃でコアゲージを一気に減らして彼我の戦力差を埋めるというのももちろん一つの戦術です。
しかし敵が2人、3人も向かってくると、自分の生存率が低くなるのは当然として、すぐにやられてしまう可能性もあります。
これはいけない。敵を引きつけるためにも、少しでもコアにダメージを与えるためにも、ある程度は生き残る必要があります。
そこで、生き残る術を幾つかお教えしましょう。
いわゆる置きグレというテクです。
倒せれば良し、倒せなくても敵が足を止めればそれだけ時間を稼げます。
強化グレネードランチャー、バーストチャクラム等でも同じことが出来るでしょう。
パワーバウンダーは元々高所へ飛ぶためのものです。よって高所は地上からでは狙いづらい。
コレを活用して逃げるというわけですね。
もちろん敵も追撃してきますが、その際には飛び降りてしまえばよろしい。
そうして延々と・・・とは行かずとも、何回か昇降するだけでも数秒は粘れます。
コレはいわゆる「凸パルト」がある戦場に限定される手段です。
例えば旧ブロア市街地 激戦の丘なんかがわかりやすい。
敵側へ飛ぶカタパルトに乗り、その後、先程の地点へすぐ戻れるカタパルトへ向かう。
これを延々と繰り返すわけです。
カタパルト上昇中は敵も狙いをつけづらく、意外と迎撃されません。
何より「鬱陶しい」。粘るだけならこれもかなり有効です。
そうやって自分が敵に鬱陶しがられて撃たれている間、他の味方がその近辺以外の制圧や急襲へ向かえばベストです。
戦場に出ている機体は一つ一つ違うカスタマイズがされています。
これはすなわち、機動力に差があることを意味しています。
この機動力の差を生かすことにより、追っ手を振り切ったり翻弄したり、ということが出来ます。
最も顕著な例ですと、俗にいう「ホバールート」と呼ばれるものですね。
水上を浮遊したり、空中を飛翔したりするこれらのルートは、並の機体では到底追いかけられるものではありません。
このようなルートを使用することにより、「敵が急襲していることは分かっても追うことが出来ない」という、非常に厄介な状況を生み出せるわけです。
物陰に潜めば、敵も相手の急襲を恐れ様子を見ながら近づいてきます。この慎重さ分だけ時間を稼げる、ということですね。
また主戦場から外れた位置で行えば、引きつけられた分だけ敵は主戦場から離れていきます。
もっとも極端な例ですと…ホバー機限定ですが、ウーハイ産業港の水上部などが有効です。
南西部に船と陸の間の隙間に挟まって水上に浮かんでいるだけ。一見、意味は無さそうで実際あまり有効な位置取りではないのですが…「敵陣深い場所」と「非常に狙いづらい場所」という2点だけは完璧です。
この位置なら敵が3体来ても案外粘れます。そんな状況を30秒も続けてご覧なさい。
事実上敵はベースニートを3人も抱えたまま30秒も戦線を放置するのと同意なのです。
焦れて敵が入水して来ようものなら儲けものです。相手は少なくとも確実に15秒間、9人の状態で戦わざるを得ませんし、追加で防衛を向かわせる必要が出てくるでしょう。
もし放置されたらどうすればいいか、ですって?もちろん、ベースの裏を回って逆サイドからコア凸を決めに行きましょう。
私が教えるのはあくまで一例、あとは皆さんで考えてください。他の講座も参照してください。マップの把握なんかも重要です。
あと…これらのテクニックは自分が弱くても出来ることです。
囮や急襲という役目は、単純に強いボーダーがやるものと思われがちですが、別にそうでもない。
戦術を生かすことです。
4時間目 敵の戦線を崩す戦術2 ~多対一を制する~
最後に私が教えるのは、ちょっとしたバケモノの戦術です。
1時間目に何度も本田先生がおっしゃったように、多対一は絶対に勝ち目がありません。
しかしそれは「理論上」です。
もし、実際に一人のボーダーが二人のボーダーを一度に倒せたら・・・それは戦線の上ではとても大きな一手と言えるでしょう。
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jハィ r ヾl `=' ′ く ィ ゝ L. -─ァ
jハ廴 /{ ト-_ -┐ / /
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l ト、_ \ \:::\ `ヽ{⌒ ヽ `v:: l ヽヽ
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厂\ -‐' ヽ ` く Vヘ、::::\ \/ |l:: | l{ r- vー ¬
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r ´ l ヽ ヽ ト、 人 `ヽ::::::`ヽ、_j」::.| |:::h | T _ }
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ハ | { ノ | レ′ ヾ:::: \ < / {::::{ V⌒> - 、_ -一'フ ̄ l:| -ヘ ゝ─- r'
く 、 \ /⌒ ` l ト-ヘ \::: ヽ トイ l:: | Y´ / l:| l:| ヽ ー_ュ- '
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 ̄ ヽ ` ー ´  ̄ ̄ / | | ∥: | |:i | |:: | ヽ l:| l:| l|
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滝川「マルチバスターですね!」
そうです。
プラント戦の最中、誰かが『同時撃破』をするとすぐに前線プラントを取れたことがありませんか?
これは単純に、敵が同時に2人もやられたことによって数の上で大幅に有利になったからです。
しかもそれを1人が同時にやったとなれば、数の優位は突然反対に傾くわけです。
敵軍の支援兵装による再起動がなければ、ほんの20秒ほどでしょうが、戦力バランスは2体分も優位になりますからね。
戦線全体で見ても大きな戦果です。
誰かが同時撃破を決めていたら攻め上がるチャンスです。機会は逃さないように。
力で戦線を崩すやり方としては確かに成り立ちますが、当然それは容易ではありません。
あくまでも「一つの戦術」と考えるように。多対一は出来て当然のことではないのです。
もし、それを平気でこなすことができれば・・・きっと貴方は「絢爛舞踏」と呼ばれることになるでしょう。
さて、多対一の場合、真正面から戦うのは厳禁です。それは確実に理論上の通りになる。
つまり最初の一撃で優位を取らなければ負けると考えましょう。
マルチバスターと言えばこれでしょう。
一部のグレネードやリムペットボム、ジャンプマインでも出来ますが……この爆発物で一気に敵を殲滅する方法は重火力が一番向いています。
サワード・コング、スピキュール、エクスプロードカノンといった副武器郡なんかが代表的ですね。
接敵前に複数の敵にぶつけ、耐久力の優位を取りましょう。
最悪、敵集団に囲まれても自爆覚悟でもう1度ぶつけてしまってもいい。たとえ自爆でも1対2で全員が一度に倒れれば数の戦果としては上々です。
また榴弾砲やエアバスター、重装砲もマルチバスターに向いています。
これらの武器は蔑まれる傾向にありますが、前線押上げの手段として考えると威力面ではやはり魅力的です。
プラントに投げ込むと誤射の可能性もありますが、それを避けて、敵集団に当てられるようになれば多対一も制することが出来るでしょう。
そうですね、ネフィリム榴弾やモノセロス重装砲などは、一撃の威力と、攻撃の容易さを両立しています。
プラント戦でのマルチバスターを狙うのなら、このあたりでどうでしょう。
我々の世界では煙幕弾頭という武器があります。
回避が難しくなる、敵の真ん中に突撃する際は、この煙幕は非常に有効とされています。
もっとも、それだけでなくスキュラという強敵のレーザー攻撃を無力化することが目的として大きいんですがね…
こちらの世界でもECMグレネードと呼ばれる武器がありますね。
仕組みは違えど敵陣、すなわち多人数の敵を相手取る上では有効です。
ジャミングを食らった敵は一応の攻撃・移動は出来るものの、前が見えないということは実質的な戦闘は不可能に近い。
数秒間とはいえジャミング中の敵は数にいれないものと考えていい。この間に一気にダメージを与えて数の不利を覆しましょう。
数の不利を覆す、という用途を考える場合、オススメは新型ECMグレネードです。
ジャミング効果としては一番強力で、食らった相手はほとんど数に入らないほどになりますから。しかも7秒も効果が続きます。
しかし性能上では非常に当てにくい武器です。接敵前に敵の死角に仕掛ける形で投げ、奇襲気味に使いましょう。
また、初期型でも十分効果が得られます。使い方は同様ですが、こちらは加害半径が広いことが魅力です。
多対一で数の不利を覆して戦いたい、という前提であれば、この2種類が主な選択肢になるでしょう。
数が不利なわけですから、敵の数を減らせばいいというわけで、最初の一手で敵を倒してしまうやり方です。
マルチバスターではないですが、こちらも紹介しておきます。
敵の側面、背面を急襲しプラズマカノン・ネオやチャージカノン・イオが当たれば一撃必殺。
こうすれば確実に数の面の不利は覆ります。無傷の敵を一撃で大破に追いやるメリットは案外大きいのですよ。
何となく気づいたかもしれませんが重火力兵装は多対一に向いた武器が多めに準備されています。
戦線を上げるのであれば重火力と言われるのはこういった副武器・特別兵装の存在故です。
それと、強襲兵装であればブラスターガン、パイロダート、いっそ剣撃ですね。
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壬生屋「剣撃ですか・・・それなら聞いたことがあります。集団戦なら敵を閉所に誘い込め、と」
それは幕末の頃にあったと言われる戦術ですね、壬生屋さん。
最初に本田先生もおっしゃったように、3対1と1対1を3回は本質的に違うものです。
なので後者の状況になるように狭い通路に逃げ込むというのも、1つの手です。
最初の一手に失敗しても、逃げ込む通路があればそちらに向かいなさい。
さて誘い込んだ敵をどうするかですが、これを一撃で仕留めないと難しい所です。
壬生屋さん程の腕であれば剣撃もありかもしれませんが、もっと確実なのは支援兵装の爆破武器でしょうね。
「逃げる支援は追うな」と一部で言われる教訓は、こういった点からも知られます。
もっとも、剣撃にしろ支援にしろ「待ちの姿勢」がバレれば、敵も簡単に対処できることをお忘れなく。
以上の方法を行ったものの、最初の一手に失敗したのであれば・・・まぁ逃げるのが一番です。
それが厳しいというのであれば、あとは普通に戦うしかありません。
しかし意味もなく戦うより意識すべきことが3つあります。
1つは「瀕死の敵を狙う」
瀕死の敵とて銃は撃てるのです。瀕死の敵と戦闘不能の敵は、その重要度は雲泥の差です。
敵の数は少ないに越したことはない、瀕死の敵はすぐにトドメを刺しなさい。
2つ目は「支援兵装を狙う」
敵が集団でいる場合で特に瀕死という敵もいないのであれば、支援兵装を優先的に狙いなさい。
他の敵と比べ、支援兵装はリペアが出来る機体です。ただでさえ不利な状況下で、さらに回復されては微塵の可能性も無くなります。
最後は「センサーを壊しに行く」
索敵センサーというものは非常に厄介でして、こちらの行動をリアルタイムで敵に知らせてしまうものです。
こちらの行動が知られてしまっては、敵に対処されてしまうだけです。
また、センサーを壊すという行為は、味方の急襲を助ける働きがあります。
可能ならば積極的に壊しに行きましょう。
おや、もう時間ですね。それでは授業を終わります。
ホームルーム
じゃ、今日はこれで終わる!
ちゃんと腕、みがいて置けよ。
最終更新:2018年07月30日 23:09