戦う理由は人それぞれ、戦う方法も人それぞれ (後編) ◆MY/vgjLh0A
「一乃谷流、“地蜂乱刀”!!!」
愁厳が一乃谷流に伝わる技の一つ、乱撃技である地蜂乱刀を放つ。
狙うは九鬼の首筋、心臓、鳩尾。 その一つ一つの狙いが正確無比。 一つでも当たれば致命傷は必至。
敵が捌きを骨子にした戦法で来るのなら、捌きれないほどの攻撃を一呼吸でこなせばいい。
単純な考えだが真理だ。
狙うは九鬼の首筋、心臓、鳩尾。 その一つ一つの狙いが正確無比。 一つでも当たれば致命傷は必至。
敵が捌きを骨子にした戦法で来るのなら、捌きれないほどの攻撃を一呼吸でこなせばいい。
単純な考えだが真理だ。
「それで俺に勝てると思ったか!」
九鬼が刺突に特化した剣、エストックで愁厳の攻撃のベクトルを僅かにずらす。
それを一瞬で三回繰り返した。 九鬼には未だに傷一つない。
十の力をそのまま受けるには、こちらも十の力が必要とされる。
だが、受け流すだけなら出すのは一か二程度の力で問題ない。
もちろん受け流すにはそれなりの技量が必要だが、使いこなせばこれ以上なく効率がいい戦いができる。
それを一瞬で三回繰り返した。 九鬼には未だに傷一つない。
十の力をそのまま受けるには、こちらも十の力が必要とされる。
だが、受け流すだけなら出すのは一か二程度の力で問題ない。
もちろん受け流すにはそれなりの技量が必要だが、使いこなせばこれ以上なく効率がいい戦いができる。
「俺みたいなやつが言うのもなんだが……他者の屍の上に立つ人生なんてロクなモンじゃないぞ」
愁厳の攻撃を捌くと同時に、エストックの切っ先を愁厳の肩口目掛けて放つ。
半身を捻り避けようとするが、愁厳の肩に薄い切り傷が刻まれる。
まだ終わらない。 愁厳が痛みに耐えて次なる攻撃に移る前に、九鬼は容赦なく攻めていく。
愁厳はそれを持っている古青江で受け、反撃に転じる。
半身を捻り避けようとするが、愁厳の肩に薄い切り傷が刻まれる。
まだ終わらない。 愁厳が痛みに耐えて次なる攻撃に移る前に、九鬼は容赦なく攻めていく。
愁厳はそれを持っている古青江で受け、反撃に転じる。
「他人の言うことを聞く耳などもっていない!」
怒涛のような愁厳の攻め。 前に、前に。 敵が強いからこそ前に。 後ろに下がるのは下策だ。
身体能力で負けてるのに、気持ちまで負けては意味がない。
少し九鬼と距離をとった後、真っ直ぐに九鬼のもとへ肉薄。
同時に渾身の突きを放つ。 それはまさに神速。 だが、九鬼は九鬼流の基本の円運動でかわしきる。
愁厳の脳裏に先ほど感じた違和感が再び生じて、一瞬脚を止める。 やはり、愁厳は九鬼に対して何かを感じている。
愁厳がその違和感の正体を掴み損ねていると、九鬼はそれを好機と見たのか、エストックで一直線に心臓を狙おうとする。
しかし、その行為は中断せざるを得ない。 とうとう悪魔の時刻がやってきたのだから。
身体能力で負けてるのに、気持ちまで負けては意味がない。
少し九鬼と距離をとった後、真っ直ぐに九鬼のもとへ肉薄。
同時に渾身の突きを放つ。 それはまさに神速。 だが、九鬼は九鬼流の基本の円運動でかわしきる。
愁厳の脳裏に先ほど感じた違和感が再び生じて、一瞬脚を止める。 やはり、愁厳は九鬼に対して何かを感じている。
愁厳がその違和感の正体を掴み損ねていると、九鬼はそれを好機と見たのか、エストックで一直線に心臓を狙おうとする。
しかし、その行為は中断せざるを得ない。 とうとう悪魔の時刻がやってきたのだから。
「!?」
「!?」
「!?」
今まで金属のぶつかり合う音と、男二人の会話しか存在しなかった空間に無粋にも突如響き渡る音。
ピッピッピという、耳障りな電子音。
それがあろうことか、九鬼と愁厳の首輪から鳴り響いているのだ。
ピッピッピという、耳障りな電子音。
それがあろうことか、九鬼と愁厳の首輪から鳴り響いているのだ。
――貴方は禁止エリアに進入しました。後30秒後に爆破します。それまでに禁止エリアから退避してください、カウントダウン開始。30……29……28……
無機質な警告音とカウントダウンが始まった。
九鬼が驚きのあまり首輪に手をかけるが、乱暴に扱って爆発する可能性に思い当たり、すぐに手を離す。
戦いに熱中するあまり、現在位置と現在時刻の把握を完全に放棄していたのが失敗だ。
とにかく今必要なのは、敵を撃破することではなく、一刻も早く安全なエリアへ出ること。
愁厳も九鬼も互いの存在など忘れたかのように走り出し、一番禁止エリア外に近いと思われる方向へ駆けた。
九鬼が走ってきたのは駅のある東の方角。 そして今回禁止エリアになるのは駅のあるF-7エリアの西隣のF-6エリア。
ならば、東に戻るのが正解だ。 九鬼と愁厳が線路を挟んでにらみ合いながら、線路沿いに走る。
結果的に、愁厳も九鬼も間に合った。
電子音と爆発までの時間を告げるカウントダウンが鳴り止んだ。
安心した九鬼と愁厳は、用心のためにさらに東に移動した後、再び対峙した。
九鬼が驚きのあまり首輪に手をかけるが、乱暴に扱って爆発する可能性に思い当たり、すぐに手を離す。
戦いに熱中するあまり、現在位置と現在時刻の把握を完全に放棄していたのが失敗だ。
とにかく今必要なのは、敵を撃破することではなく、一刻も早く安全なエリアへ出ること。
愁厳も九鬼も互いの存在など忘れたかのように走り出し、一番禁止エリア外に近いと思われる方向へ駆けた。
九鬼が走ってきたのは駅のある東の方角。 そして今回禁止エリアになるのは駅のあるF-7エリアの西隣のF-6エリア。
ならば、東に戻るのが正解だ。 九鬼と愁厳が線路を挟んでにらみ合いながら、線路沿いに走る。
結果的に、愁厳も九鬼も間に合った。
電子音と爆発までの時間を告げるカウントダウンが鳴り止んだ。
安心した九鬼と愁厳は、用心のためにさらに東に移動した後、再び対峙した。
~
椰子なごみは動かない。 今動くのは好機ではないから。
禁止エリアのルールは最初に聞いたときと何も変わらなかった。
つまり、最初にどこか薄暗い広間で行われたルールに間違いはないということだ。
ならば、放送で言っていた『権利』や死者を生き返らせるという言葉も鵜呑みするわけにはいかないが、一考の価値はある。
動くなら全ての決着がついたあとでもいいのだから。
空っぽの少女、椰子なごみは雌伏を続ける。
レオを殺された怒りにとらわれながらも、椰子なごみの頭脳は極めて冷静に働いていた。
そして、ついになごみは動くべき好機を見つけた。
線路沿いのこの場所だからできること、そして二人が線路の向こう側にいるからこそできることがある。
ただし、チャンスは一度きり。 そのチャンスを掴もうが逃そうが、一度撤退しなければならない。
だが、追っ手がくる心配はほとんどない。 成功すれば得るものは大きいが、リスクはゼロ。
この考えの欠点を一つだけ挙げるとすれば、極端に成功率が低いこと。 距離が二人の男と離れ過ぎているので、命中率は極端に低い。
しかし、それを鑑みても比較的好条件な作戦だ。 距離が離れているということは、二人に気取られることもないということである。
なごみは銃を取り出し、残り一発のみになっていたコルト・パイソンの引き金に指をかける。
撃って結果を確認したら迅速にここを離れて、コルト・パイソンに弾丸を補充。 それだけでいい。
時間が近づいてきた。 地面を震わせ、大きな音を立てて。
禁止エリアのルールは最初に聞いたときと何も変わらなかった。
つまり、最初にどこか薄暗い広間で行われたルールに間違いはないということだ。
ならば、放送で言っていた『権利』や死者を生き返らせるという言葉も鵜呑みするわけにはいかないが、一考の価値はある。
動くなら全ての決着がついたあとでもいいのだから。
空っぽの少女、椰子なごみは雌伏を続ける。
レオを殺された怒りにとらわれながらも、椰子なごみの頭脳は極めて冷静に働いていた。
そして、ついになごみは動くべき好機を見つけた。
線路沿いのこの場所だからできること、そして二人が線路の向こう側にいるからこそできることがある。
ただし、チャンスは一度きり。 そのチャンスを掴もうが逃そうが、一度撤退しなければならない。
だが、追っ手がくる心配はほとんどない。 成功すれば得るものは大きいが、リスクはゼロ。
この考えの欠点を一つだけ挙げるとすれば、極端に成功率が低いこと。 距離が二人の男と離れ過ぎているので、命中率は極端に低い。
しかし、それを鑑みても比較的好条件な作戦だ。 距離が離れているということは、二人に気取られることもないということである。
なごみは銃を取り出し、残り一発のみになっていたコルト・パイソンの引き金に指をかける。
撃って結果を確認したら迅速にここを離れて、コルト・パイソンに弾丸を補充。 それだけでいい。
時間が近づいてきた。 地面を震わせ、大きな音を立てて。
~
舞台を安全な場所に移して、戦闘は再開される。
二人の男の戦いの周囲は、荒れ狂う台風の如く何者も近づく事を許さない。
台風の目に立つ九鬼と愁厳がただひたすらに剣と剣を重ね合わせる。
一乃谷愁厳。 戦力差を承知しながらもむしろ果敢に戦う剣士。
九鬼耀鋼。 圧倒的な強さで、人妖である愁厳すらも凌駕する闘士。
二人の男の戦いの周囲は、荒れ狂う台風の如く何者も近づく事を許さない。
台風の目に立つ九鬼と愁厳がただひたすらに剣と剣を重ね合わせる。
一乃谷愁厳。 戦力差を承知しながらもむしろ果敢に戦う剣士。
九鬼耀鋼。 圧倒的な強さで、人妖である愁厳すらも凌駕する闘士。
「なぁ、こんなことは終わらせるべきだと思わんか?」
感傷に浸るように九鬼が呟く。
愁厳はそれに対して無言で斬撃を肩口に奔らせた。 九鬼はまたもや蛇のように体を捻らせ回避。
気落ちすることなく、愁厳はさらに鋭さを増して踏み込んでいく。
まるで、九鬼の口を塞ぐかのように。
愁厳はそれに対して無言で斬撃を肩口に奔らせた。 九鬼はまたもや蛇のように体を捻らせ回避。
気落ちすることなく、愁厳はさらに鋭さを増して踏み込んでいく。
まるで、九鬼の口を塞ぐかのように。
「今回、運良くお前が優勝できたとして、またこんな催しごとが起こらないと誰が断定できる?
その時に妹も参加させられないと、誰が保証できる?」
その時に妹も参加させられないと、誰が保証できる?」
そこをつかれると愁厳も反論できない。
このバトルロワイアルが何度も起こっている出来事だという可能性も高い。
優勝者を無事に元の日常へ帰してもらえる保証もない。
そもそも、帰してもらっても次回の殺し合いに呼ばれる可能性さえも否定できない。
考えれば考えるほど、主催者の言葉に従うのが馬鹿らしくなってくる。
だとしても、だったらどうすればいいのか。 人妖をあっさりと拉致できる強さ、愁厳と刀子の精神体にまで首輪をかける技術。
こうして一つの島をまるまる殺し合いの舞台にまで整えるほどの財力。 人妖の能力に制限を課す摩訶不思議な力。
認めよう。 愁厳は確かに主催者の言葉を信用などしていない。
しかし、それでも主催者の言葉に踊らされるしかない。 本気で生きて帰る事を目指すのなら、愚かともいえる選択肢を選ばなければならないときもある。
例え妹に軽蔑されようと、正義は必ず勝つというお約束に縋れるほど愁厳は夢想家でもない。
まもなく、牛鬼の運命に従って愁厳の命は消える。 だったら、残り少ない命は妹のために使いたい。
これは兄として、妹のことを精一杯考えた上で選んだ方法だ。
このバトルロワイアルが何度も起こっている出来事だという可能性も高い。
優勝者を無事に元の日常へ帰してもらえる保証もない。
そもそも、帰してもらっても次回の殺し合いに呼ばれる可能性さえも否定できない。
考えれば考えるほど、主催者の言葉に従うのが馬鹿らしくなってくる。
だとしても、だったらどうすればいいのか。 人妖をあっさりと拉致できる強さ、愁厳と刀子の精神体にまで首輪をかける技術。
こうして一つの島をまるまる殺し合いの舞台にまで整えるほどの財力。 人妖の能力に制限を課す摩訶不思議な力。
認めよう。 愁厳は確かに主催者の言葉を信用などしていない。
しかし、それでも主催者の言葉に踊らされるしかない。 本気で生きて帰る事を目指すのなら、愚かともいえる選択肢を選ばなければならないときもある。
例え妹に軽蔑されようと、正義は必ず勝つというお約束に縋れるほど愁厳は夢想家でもない。
まもなく、牛鬼の運命に従って愁厳の命は消える。 だったら、残り少ない命は妹のために使いたい。
これは兄として、妹のことを精一杯考えた上で選んだ方法だ。
「分かっている。 奴らの言っていることがどれだけ確証のないあやふやなものか」
ならば、後悔するな一乃谷愁厳。
「それでも、俺は妹のために生きる!」
愁厳が咆哮する。
たとえ畜生道に落ちようと、兄は妹のために生きるものなのだから。
たとえ畜生道に落ちようと、兄は妹のために生きるものなのだから。
「それでも生きるだと?」
九鬼が応える。 九鬼もまた咆哮で。
「それは、一人前の男だけが言っていい台詞だ!!!」
この勝負ももう少しで決着がつく。
勝つのは妹のために修羅になることを選んだ兄か、悲劇の繰り返しを防ぐために戦う人妖を越えし人か、はたまたそれ以外の人物か。
攻撃の一手一手が小手先の技巧を凝らしたものではなく、急所を狙った必殺のものに変わっていく。
互いが互いの命を奪うことも目的とした、この島ではありふれた光景の一つ。
愁厳と九鬼の体に薄い切り傷と衣服の裂けた部分が増えていく。
もはや、何人たりともこの場に入っていける者は皆無だった。
勝つのは妹のために修羅になることを選んだ兄か、悲劇の繰り返しを防ぐために戦う人妖を越えし人か、はたまたそれ以外の人物か。
攻撃の一手一手が小手先の技巧を凝らしたものではなく、急所を狙った必殺のものに変わっていく。
互いが互いの命を奪うことも目的とした、この島ではありふれた光景の一つ。
愁厳と九鬼の体に薄い切り傷と衣服の裂けた部分が増えていく。
もはや、何人たりともこの場に入っていける者は皆無だった。
そう――人ならば。
人でないものならばそこに入っていける。
意志も意思もなく、ただただ与えられた役割を果たす巨大な鉄の塊なら二人の世界に無粋に入っていけることも可能だ。
線路沿いの道路に現れたのは線路を走る鉄の怪物、電車。
時刻表通りに走行しており、その速度と時間への妥協を許さない姿勢には高い評価を与えたいところだ。
そして、線路を挟んで九鬼と愁厳の反対側に位置するなごみにとって、これこそが唯一無二の勝機に他ならない。
意志も意思もなく、ただただ与えられた役割を果たす巨大な鉄の塊なら二人の世界に無粋に入っていけることも可能だ。
線路沿いの道路に現れたのは線路を走る鉄の怪物、電車。
時刻表通りに走行しており、その速度と時間への妥協を許さない姿勢には高い評価を与えたいところだ。
そして、線路を挟んで九鬼と愁厳の反対側に位置するなごみにとって、これこそが唯一無二の勝機に他ならない。
(行けッ!)
電車がなごみの目の前を通過するその瞬間。 今までのなごみの雌伏は、全てこの時のみにためにのみあった。
万感の思いを篭めて、なごみが電車の通過音に紛れさせた銃弾を放つ。
そして、戦果を確認して一目散に離脱。 結果は、それなりの成果をあげた。
万感の思いを篭めて、なごみが電車の通過音に紛れさせた銃弾を放つ。
そして、戦果を確認して一目散に離脱。 結果は、それなりの成果をあげた。
「――ッ!?」
背後で電車が通過するその刹那の瞬間、九鬼はわずかな殺気を背後に感じた。
その殺気に対処しようとした瞬間、手に持つエストックに銃弾らしきものが当たる。
あまりの衝撃に思わずエストックを手放しそうになるが、なんとか手放さずに済んだ。
そして、愁厳がそれを好機と見る。
今度の攻撃の目的は九鬼本人ではない。 目的は九鬼の持つ武器。
愁厳はエストックに対して、最も効果的な攻撃法を選択!
その殺気に対処しようとした瞬間、手に持つエストックに銃弾らしきものが当たる。
あまりの衝撃に思わずエストックを手放しそうになるが、なんとか手放さずに済んだ。
そして、愁厳がそれを好機と見る。
今度の攻撃の目的は九鬼本人ではない。 目的は九鬼の持つ武器。
愁厳はエストックに対して、最も効果的な攻撃法を選択!
「一乃谷流“鋼獅子”!!!」
比類なき剛剣である一乃谷流の中でも、単純な破壊力なら最強の部類に入る技だ。
上段に振りかぶった剣を、そのまま牛鬼の怪力の全力で振り下ろすだけの技。
銃弾を剣に受けて、衝撃でよろめいたの九鬼には真っ向からエスットクで対抗するしかない。
十の力をそのまま十で受け止めてしまったエストックは中途半端なところで折れ、飛んだ切っ先がかすかに九鬼の頬を掠める。
初めて九鬼の表情に驚愕が浮かんだ。 同時にエストックを放棄。 音を立ててエストックが地面に転がった。
背後から撃ってきた人物は、姿は電車そのものの姿で覆い隠され、音は電車の通過音で掻き消される。
九鬼は余計な介入者の存在を後回しにして、愁厳への対応を最優先する。
愁厳もまた、謎の介入者の存在を置いといて、目の前の敵を討つことに全力を尽くす。
上段に振りかぶった剣を、そのまま牛鬼の怪力の全力で振り下ろすだけの技。
銃弾を剣に受けて、衝撃でよろめいたの九鬼には真っ向からエスットクで対抗するしかない。
十の力をそのまま十で受け止めてしまったエストックは中途半端なところで折れ、飛んだ切っ先がかすかに九鬼の頬を掠める。
初めて九鬼の表情に驚愕が浮かんだ。 同時にエストックを放棄。 音を立ててエストックが地面に転がった。
背後から撃ってきた人物は、姿は電車そのものの姿で覆い隠され、音は電車の通過音で掻き消される。
九鬼は余計な介入者の存在を後回しにして、愁厳への対応を最優先する。
愁厳もまた、謎の介入者の存在を置いといて、目の前の敵を討つことに全力を尽くす。
◇ ◇ ◇ ◇
なごみは電車の音に紛れて二人の男から離れるべく移動していた。
結果はなごみが見た限り、眼帯の男の方の持つ剣に当たった。
これ以上の深入りは危険だと判断して離脱。 もっと強力な武器を手に入れるために今は撤退を選択する。
戦っている男の一人が愛しいレオの敵だと知ることなく、出会うこともなく別れていった。
それが幸福なのか、不幸なのか、それはまだ分からない。
結果はなごみが見た限り、眼帯の男の方の持つ剣に当たった。
これ以上の深入りは危険だと判断して離脱。 もっと強力な武器を手に入れるために今は撤退を選択する。
戦っている男の一人が愛しいレオの敵だと知ることなく、出会うこともなく別れていった。
それが幸福なのか、不幸なのか、それはまだ分からない。
【F-7 線路近く/1日目 昼】
【椰子なごみ@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:S&W M37 エアーウェイト(5/5)、スタンガン】
【所持品:支給品一式、S&W M37 エアーウェイトの予備弾24
コルト・パイソン(0/6)、357マグナム弾19】
【状態:軽度の肉体的疲労、右腕に深い切り傷(応急処置済み)、全身に細かい傷】
【思考・行動】
基本方針:他の参加者を皆殺しにして、レオの仇を討つ
1:殺せる相手は生徒会メンバーであろうと排除する
2:状況さえ許せば死者蘇生の話を利用して、他の参加者達を扇動する
3:クリスは次に会ったら絶対に殺す
4:赤毛の男(士郎)とブレザー姿の女(唯湖)、日本刀を持った女(烏月)も殺す
5:伊藤誠を殺してから、桂言葉を殺す
6:出来るだけ早く強力な武器を奪い取る
7:死者の復活は信じないようにするが、若干の期待
【装備:S&W M37 エアーウェイト(5/5)、スタンガン】
【所持品:支給品一式、S&W M37 エアーウェイトの予備弾24
コルト・パイソン(0/6)、357マグナム弾19】
【状態:軽度の肉体的疲労、右腕に深い切り傷(応急処置済み)、全身に細かい傷】
【思考・行動】
基本方針:他の参加者を皆殺しにして、レオの仇を討つ
1:殺せる相手は生徒会メンバーであろうと排除する
2:状況さえ許せば死者蘇生の話を利用して、他の参加者達を扇動する
3:クリスは次に会ったら絶対に殺す
4:赤毛の男(士郎)とブレザー姿の女(唯湖)、日本刀を持った女(烏月)も殺す
5:伊藤誠を殺してから、桂言葉を殺す
6:出来るだけ早く強力な武器を奪い取る
7:死者の復活は信じないようにするが、若干の期待
【備考】
※なごみルートからの参戦です。
※どこに行くかは次の書き手に任せます。
※なごみルートからの参戦です。
※どこに行くかは次の書き手に任せます。
◇ ◇ ◇ ◇
両者の距離、わずか2メートル。
このチャンスを、愁厳は逃さない。
九鬼もまた、後退を選ばずに前進を選択。
その剣に乗せるのは意地と誇りと殺意。
その拳に乗せるのは意地と誇りと信念。
このチャンスを、愁厳は逃さない。
九鬼もまた、後退を選ばずに前進を選択。
その剣に乗せるのは意地と誇りと殺意。
その拳に乗せるのは意地と誇りと信念。
「行くぞ、九鬼耀鋼!」
「来い、一乃谷愁厳!」
「来い、一乃谷愁厳!」
今、二人の戦いがクライマックスを迎える。
愁厳が斬る。 九鬼が捌く。
斬る、斬る、斬る。 捌く、捌く、捌く。
斬る、斬る、斬る、斬る。 捌く、捌く、捌く、捌く。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る。 捌く捌く捌く捌く捌く捌く。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
遅い遅いぞ一乃谷愁厳もっと速くなれ! 九鬼耀鋼よ眼前の敵を討ち己が強さ示せ!
奴よりも速く強く重く鋭く時にしなやかに! 九鬼の拳は人でない人妖をを撃つためにある!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
百の斬を以って剣の幕とし、 このような悲劇を繰り返させぬため、
千の撃を以って剣の壁を作り上げろ! 例え死者を生き返らせることができようと、
点の攻撃ならかわせても面の攻撃なら不可能。 死は死である以上受け入れなけられならない!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
まだだまだいけるもっと上へもっと高みへ。 息子の俊介は無残極まりない死を遂げた。
ただひたすらに斬と刺と突と薙の組み合わせ! だが起きた過去を変えることは許されない!
愛する妹のためにただこの身は刀子のために! 摂理に逆らって生きるなど息子は望まない!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
ならば! ならば!
!最強の攻撃を持って敵を殲滅せよ!
斬る、斬る、斬る。 捌く、捌く、捌く。
斬る、斬る、斬る、斬る。 捌く、捌く、捌く、捌く。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る。 捌く捌く捌く捌く捌く捌く。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
遅い遅いぞ一乃谷愁厳もっと速くなれ! 九鬼耀鋼よ眼前の敵を討ち己が強さ示せ!
奴よりも速く強く重く鋭く時にしなやかに! 九鬼の拳は人でない人妖をを撃つためにある!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
百の斬を以って剣の幕とし、 このような悲劇を繰り返させぬため、
千の撃を以って剣の壁を作り上げろ! 例え死者を生き返らせることができようと、
点の攻撃ならかわせても面の攻撃なら不可能。 死は死である以上受け入れなけられならない!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
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まだだまだいけるもっと上へもっと高みへ。 息子の俊介は無残極まりない死を遂げた。
ただひたすらに斬と刺と突と薙の組み合わせ! だが起きた過去を変えることは許されない!
愛する妹のためにただこの身は刀子のために! 摂理に逆らって生きるなど息子は望まない!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
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斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る! 捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く!
ならば! ならば!
!最強の攻撃を持って敵を殲滅せよ!
一乃谷愁厳が最後の一撃を最高の気迫で放つ。
選んだ技はやはり怪力を最大限に活かす剛剣の技。
一乃谷流“鋼獅子”。
裂帛の気合と不退転の決意で、愁厳が九鬼に生涯最高とも言える一撃を振り下ろす。
選んだ技はやはり怪力を最大限に活かす剛剣の技。
一乃谷流“鋼獅子”。
裂帛の気合と不退転の決意で、愁厳が九鬼に生涯最高とも言える一撃を振り下ろす。
(この気迫……)
九鬼の眉がピクリと動く。
愁厳が一気に決着をつける狙いであることを看破した。
愁厳が一気に決着をつける狙いであることを看破した。
(迂闊な技では迎撃不可能か――!)
ならば、今こそ見せようか。
持って生まれた才能と、人を捨てるほどのたゆまぬ訓練で得られたこの奥義。
持って生まれた才能と、人を捨てるほどのたゆまぬ訓練で得られたこの奥義。
―――手は綺麗に。
才能の無い如月双七とは、速さも動きも何もかもがレベルが違う。
右腕を後ろに引き、弓のようにギリギリと引き絞る。
右腕を後ろに引き、弓のようにギリギリと引き絞る。
―――心は熱く。
一乃谷愁厳の技に対抗するは、円運動が基本の九鬼流において数少ない直線のベクトルを持つ技。
九鬼流の絶招には全て大工道具の名を冠してある。これはその名の通り、手刀を相手に突き刺す技だ。
九鬼流の絶招には全て大工道具の名を冠してある。これはその名の通り、手刀を相手に突き刺す技だ。
―――頭は冷静に。
戦う理由は人それぞれ。
例え九鬼に一見正当性があろうとも、愁厳にも愁厳なりの戦う理由がある。
故に、今このとき彼らに共通する言語は剣と拳のみ。
だから、両者が咆哮するのはある意味当然のこと。
例え九鬼に一見正当性があろうとも、愁厳にも愁厳なりの戦う理由がある。
故に、今このとき彼らに共通する言語は剣と拳のみ。
だから、両者が咆哮するのはある意味当然のこと。
「切り裂け! 奴よりも速く!」
「貫け。 奴の心を信念ごと」
「貫け。 奴の心を信念ごと」
九鬼が後ろに引いていた右手を、放たれた矢の如く敵に穿つ!
愁厳の“鋼獅子”を迎え撃つは九鬼流絶招 肆式名山 内の弐!
愁厳の“鋼獅子”を迎え撃つは九鬼流絶招 肆式名山 内の弐!
「“焔錐”!」
「なッ!」
「なッ!」
愁厳の端正な顔が驚愕に彩られる。
九鬼が言っていた言葉に引っかかるものを感じた。
そして、一瞬の驚愕は一瞬の躊躇に繋がる。
本来、若干愁厳の方が発動タイミングが早かったはずの“鋼獅子”の速度が僅かに鈍った。
九鬼が言っていた言葉に引っかかるものを感じた。
そして、一瞬の驚愕は一瞬の躊躇に繋がる。
本来、若干愁厳の方が発動タイミングが早かったはずの“鋼獅子”の速度が僅かに鈍った。
それでも振り下ろされる古青江。
躊躇無く真っ直ぐ愁厳の心臓へと向かう九鬼の手刀。
躊躇無く真っ直ぐ愁厳の心臓へと向かう九鬼の手刀。
そして、その愁厳の差が勝負の明暗を分けた。
ドシュッ!
肉を抉るいびつな音。
愁厳の左肩を九鬼の手刀が抉る。鍛えられた九鬼の手刀は下手な刃物よりも鋭い。
手刀が突き刺さった愁厳の肩から血が吹き出る。 愁厳の顔が苦痛に歪み、古青江を手放してしまった
古青江は皮肉にも九鬼には触れていない。 そして、九鬼は追撃することをやめない。
愁厳の左肩を九鬼の手刀が抉る。鍛えられた九鬼の手刀は下手な刃物よりも鋭い。
手刀が突き刺さった愁厳の肩から血が吹き出る。 愁厳の顔が苦痛に歪み、古青江を手放してしまった
古青江は皮肉にも九鬼には触れていない。 そして、九鬼は追撃することをやめない。
「“焔螺子”!」
“焔錐”を放った右手とは別に、今度は左で螺旋を描いた掌を水月に叩き込む。
「――ッ!」
声を出す暇も無かった。 空気が喉から漏らすことしかできなかった。 それほど強烈な一撃だった。
愁厳は吹き飛ばされながら、ようやくずっと感じていた違和感の正体に気づく。
ひょっとしたら、無意識のうちに気づきたくなかったかもしれない。
妹のためという目的のために、その可能性を無意識のうちに頭から除外していたのかもしれない。
九鬼耀鋼が放った一撃は焔錐と焔螺子。 二つとも、親友である如月双七の使う技ではないか。
そして、如月双七はこうも言っていたではないか。 九鬼流は世界でたった二人しか使い手がいないと。
つまり、九鬼耀鋼は親友如月双七の師匠だったのだ。 ということは、如月双七もここにいる可能性が高い。
如月双七がいれば、今までやってきたことは刀子を幸せにするという目的と完全に矛盾する。
愁厳は吹き飛ばされながら、ようやくずっと感じていた違和感の正体に気づく。
ひょっとしたら、無意識のうちに気づきたくなかったかもしれない。
妹のためという目的のために、その可能性を無意識のうちに頭から除外していたのかもしれない。
九鬼耀鋼が放った一撃は焔錐と焔螺子。 二つとも、親友である如月双七の使う技ではないか。
そして、如月双七はこうも言っていたではないか。 九鬼流は世界でたった二人しか使い手がいないと。
つまり、九鬼耀鋼は親友如月双七の師匠だったのだ。 ということは、如月双七もここにいる可能性が高い。
如月双七がいれば、今までやってきたことは刀子を幸せにするという目的と完全に矛盾する。
(ああ、俺はなんということを……)
後悔がさざなみのように愁厳の胸を打つ。 脳だけでなく体全体が揺さぶられる。
その思考を最後に、愁厳の意識は途絶えた。
その思考を最後に、愁厳の意識は途絶えた。
◇ ◇ ◇ ◇
最後に愁厳の体に焔螺子を打ち込んだ姿勢のまま、九鬼は止まっていた。
終わった戦いの余韻を感じ、同時に周りにいるやもしれない第三者の存在がいないか気配を探る。
電車の通過と同時に撃ってきた女ももういない。
武道において最も大事な行為、残心を終了して、九鬼はようやく構えをといた。
一息ついてから九鬼は倒れている愁厳の元へ歩いていった。
殺すことはできなかった。 心臓を狙っていたが、回避されてしまった。
それはそれでいい。 聞きたいこともあったからだ。 愁厳は違和感の正体を得ることができたが、九鬼は最後まで違和感の正体をつかめなかった。
縛り付けて聞き出すか、動けない程度に半殺しにして聞くか、物騒な考えが次々と浮かんでくる。
愁厳の近くまできて気絶中と思われる愁厳の体を睥睨して、ようやく九鬼は愁厳の体の異変に気づいた。
いや、そもそもそれは一乃谷愁厳ではなかった。
服装こそ愁厳が着ていたものと全く同じだが、そこにいたのは愁厳と同じくらいの年頃のの女性だった。
絹糸のような漆黒の髪、愛らしい唇、閉じられた瞼からも深い母性を感じ取れる人形のような顔立ち。
白魚のような肌も合わさって、ハッキリ言って間違いなく美女に分類されるだろう。
愁厳の服はサイズが大きすぎるのか、ブカブカだった。 まぁ、ある一点だけは激しく自己主張してて窮屈そうではあるが。
九鬼が驚いたのはそれだけではない。
手品のように一瞬で人が入れ替わったことも驚嘆に値するが、それ以上に驚いたのが、その美女の顔に九鬼は見覚えがあるということだった。
さて、どうしたものかと九鬼が首を傾げていると、突然美女が目を覚まし、九鬼に向かってお辞儀した。
終わった戦いの余韻を感じ、同時に周りにいるやもしれない第三者の存在がいないか気配を探る。
電車の通過と同時に撃ってきた女ももういない。
武道において最も大事な行為、残心を終了して、九鬼はようやく構えをといた。
一息ついてから九鬼は倒れている愁厳の元へ歩いていった。
殺すことはできなかった。 心臓を狙っていたが、回避されてしまった。
それはそれでいい。 聞きたいこともあったからだ。 愁厳は違和感の正体を得ることができたが、九鬼は最後まで違和感の正体をつかめなかった。
縛り付けて聞き出すか、動けない程度に半殺しにして聞くか、物騒な考えが次々と浮かんでくる。
愁厳の近くまできて気絶中と思われる愁厳の体を睥睨して、ようやく九鬼は愁厳の体の異変に気づいた。
いや、そもそもそれは一乃谷愁厳ではなかった。
服装こそ愁厳が着ていたものと全く同じだが、そこにいたのは愁厳と同じくらいの年頃のの女性だった。
絹糸のような漆黒の髪、愛らしい唇、閉じられた瞼からも深い母性を感じ取れる人形のような顔立ち。
白魚のような肌も合わさって、ハッキリ言って間違いなく美女に分類されるだろう。
愁厳の服はサイズが大きすぎるのか、ブカブカだった。 まぁ、ある一点だけは激しく自己主張してて窮屈そうではあるが。
九鬼が驚いたのはそれだけではない。
手品のように一瞬で人が入れ替わったことも驚嘆に値するが、それ以上に驚いたのが、その美女の顔に九鬼は見覚えがあるということだった。
さて、どうしたものかと九鬼が首を傾げていると、突然美女が目を覚まし、九鬼に向かってお辞儀した。
「お初にお目にかかります。 私、一乃谷刀子と申します。 この度は兄がご迷惑をかけました」
一乃谷刀子、実にゲーム開始から10時間経過して、ようやく手に入れた自由である。
九鬼もまた合点がいったかのようにニヤリと笑みを零した。
九鬼もまた合点がいったかのようにニヤリと笑みを零した。
「……なるほど、お嬢さんが妹だったのか。 一つの体に二つの精神でも共有しているのか? そうすると名簿の不自然さも納得いく。
しかもその際精神だけならず肉体さえも入れ替わりができるとは……全く神沢市は珍しい人妖が勢ぞろいだな。
そしてそうだ、確かにお嬢さんも一乃谷流とか言っていたな……忘れていたよ。 久しぶりだな」
「久しぶり? 失礼ですが、どこかでお会いになりましたか?」
しかもその際精神だけならず肉体さえも入れ替わりができるとは……全く神沢市は珍しい人妖が勢ぞろいだな。
そしてそうだ、確かにお嬢さんも一乃谷流とか言っていたな……忘れていたよ。 久しぶりだな」
「久しぶり? 失礼ですが、どこかでお会いになりましたか?」
九鬼が眉を寄せる。
たしか自分はこの怪物のような少女とたしかにカンフュールを使って戦ったはず。
結果は、刀子に人を殺す意志がないために退屈すぎる茶番になってしまった。
いずれ人を殺せるようになったらまた相手をしてやると勝負を預けたはずである。
しかし、ことの仔細を事細かに説明しても刀子は知らないの一言しか返さなかった。
たしか自分はこの怪物のような少女とたしかにカンフュールを使って戦ったはず。
結果は、刀子に人を殺す意志がないために退屈すぎる茶番になってしまった。
いずれ人を殺せるようになったらまた相手をしてやると勝負を預けたはずである。
しかし、ことの仔細を事細かに説明しても刀子は知らないの一言しか返さなかった。
「お嬢さんは一乃谷流で、刀と鞘の二つを使って戦うのだろう?」
「……ええ」
「……ええ」
そこで、愁厳に遅れること数分。 ようやく九鬼は違和感の正体を掴めた。
愁厳の剣筋が、かつて戦った刀子の剣筋にあまりにも似ていたのだ。
最も、刀と鞘を使って戦う刀子と刀のみしか使わなかった愁厳では、最後まで確証を得られなかったが。
愁厳の剣筋が、かつて戦った刀子の剣筋にあまりにも似ていたのだ。
最も、刀と鞘を使って戦う刀子と刀のみしか使わなかった愁厳では、最後まで確証を得られなかったが。
九鬼が黙りこくって考え事をしている間は刀子も困惑していた。
ようやく外に出られて兄の罪の償いをしようとしていたら、ナンパとは違うだろうが、以前会ってないかと聞かれた。
事情を兄に聞こうにも、兄は九鬼耀鋼との戦闘で気絶したまま。
外に出られたのはうれしいが、今までの時間の大半を気絶していた刀子には圧倒的に情報量不足しているのだ。
ようやく外に出られて兄の罪の償いをしようとしていたら、ナンパとは違うだろうが、以前会ってないかと聞かれた。
事情を兄に聞こうにも、兄は九鬼耀鋼との戦闘で気絶したまま。
外に出られたのはうれしいが、今までの時間の大半を気絶していた刀子には圧倒的に情報量不足しているのだ。
「つまり、お嬢さんも双七と同じで俺と出会ってない世界から来た、ということか」
さらに追い討ちでこんな飛躍した理論を聞かされれば、刀子の頭が混乱するのも仕方なかろう。
刀子は聞き返さずにいられなかった。
刀子は聞き返さずにいられなかった。
「あの、一体どういう……」
「ん? ああ、説明したほうがいいか。 まずどこまで知ってる?」
「どこまでとは……?」
「ここにきてから知っている限りのことだ」
「ルールというか……最後の一人になるまで殺しあえというのは知っています。 一回目の放送も聞きました」
「大体のことは知っているということか。 それなら話は早い。 それじゃ、核心だけを話すか。
双七はお前と会ったか?」
「そ、双七さんがいるのですか!? ど、どこに――!?」
「落ち着け、衣服が脱げるぞ」
「ん? ああ、説明したほうがいいか。 まずどこまで知ってる?」
「どこまでとは……?」
「ここにきてから知っている限りのことだ」
「ルールというか……最後の一人になるまで殺しあえというのは知っています。 一回目の放送も聞きました」
「大体のことは知っているということか。 それなら話は早い。 それじゃ、核心だけを話すか。
双七はお前と会ったか?」
「そ、双七さんがいるのですか!? ど、どこに――!?」
「落ち着け、衣服が脱げるぞ」
ブカブカの衣服を纏った刀子から艶かしい脚線が覗く。
上半身はなんとか愁厳の衣服で間に合っているが、さすがにウエストの問題はどうしようもない。
今の刀子は上半身はブカブカ、下半身は何もつけてないという非常に男心をくすぐるものである。
最も、こんな場で女に欲情するほど九鬼は若くもないからあまり意味は無いのだが。
あまりにも恥ずかしそうだから九鬼もとりあえずコートを貸してやっている。
上半身はなんとか愁厳の衣服で間に合っているが、さすがにウエストの問題はどうしようもない。
今の刀子は上半身はブカブカ、下半身は何もつけてないという非常に男心をくすぐるものである。
最も、こんな場で女に欲情するほど九鬼は若くもないからあまり意味は無いのだが。
あまりにも恥ずかしそうだから九鬼もとりあえずコートを貸してやっている。
「で、だ。 双七と出会ったのは良いが、あの莫迦弟子は俺の容姿に驚いていた。 5年前とは髪の色が違う、眼帯もつけてなかった、とな。
たしかに5年前とは容姿は変わったが、俺はちゃんとこの姿であいつに会ったことがあるのにな。
おかしいと思わんか? お嬢さんも俺と会ったことがないらしいし」
「……何がいいたいのでしょう?」
「簡単なことだ、要するに俺とお嬢さん、双七はそれぞれ違う時間軸から連れてこられたんだ。 平行世界と言ってもいいかもれん。
ここまで来るともはやSFの世界だな。 笑ってくれても構わんぞ」
「……いえ、そのようなことは」
「なに、お嬢さんの兄のやっていることもあながち間違いではないんだよ。
こんなことをできる存在に立ち向かうことの方が無謀だ。 まさに狂気の沙汰というやつだからな」
「あの、一つ質問してよろしいでしょうか?」
たしかに5年前とは容姿は変わったが、俺はちゃんとこの姿であいつに会ったことがあるのにな。
おかしいと思わんか? お嬢さんも俺と会ったことがないらしいし」
「……何がいいたいのでしょう?」
「簡単なことだ、要するに俺とお嬢さん、双七はそれぞれ違う時間軸から連れてこられたんだ。 平行世界と言ってもいいかもれん。
ここまで来るともはやSFの世界だな。 笑ってくれても構わんぞ」
「……いえ、そのようなことは」
「なに、お嬢さんの兄のやっていることもあながち間違いではないんだよ。
こんなことをできる存在に立ち向かうことの方が無謀だ。 まさに狂気の沙汰というやつだからな」
「あの、一つ質問してよろしいでしょうか?」
今まで頷くことしかしなかった刀子の、初めての積極的な質問に九鬼も快く刀子の質問を承諾する。
「あの、そのようなことをする理由は?」
「理由?」
「平行世界とか、違う時間軸からつれてこられた、というのは了解しました。
しかし、一人一人違う時間軸から拉致するメリットはなんでしょうか?
例えば、私、双七さん、九鬼さんは人妖が存在する同じ世界だから、一つの世界から一度に連れて来た方が手間がかからないのでは?
わざわざ3つ、私と双七さんが同じ世界からかもしれないのでもしくは2つの世界から別々に連れてくるメリットはなんでしょう?」
「理由?」
「平行世界とか、違う時間軸からつれてこられた、というのは了解しました。
しかし、一人一人違う時間軸から拉致するメリットはなんでしょうか?
例えば、私、双七さん、九鬼さんは人妖が存在する同じ世界だから、一つの世界から一度に連れて来た方が手間がかからないのでは?
わざわざ3つ、私と双七さんが同じ世界からかもしれないのでもしくは2つの世界から別々に連れてくるメリットはなんでしょう?」
九鬼もその点はずっと考察していた。
アル・アジフという魔術の知識を持つ存在がいる以上、異世界に干渉できるという能力が主催者に備わっていることは間違いない。
その考えを広げていくと、平行世界への干渉能力を持っていてもおかしくはない。
それくらい人智を超えた現象の数々を主催者は披露しているのだから。 死者の蘇生ができるというのもその膨大な力の片鱗なのだろう。
まぁ、平行世界と異世界を同じ観点で考えると、SFマニアは怒りそうだが。
とにかく、平行世界へ自由に干渉できるという推理が当たったとして、何故そのような面倒なことをしているのかが問題だ。
これに関しては九鬼は最悪の展開を考慮していた。
アル・アジフという魔術の知識を持つ存在がいる以上、異世界に干渉できるという能力が主催者に備わっていることは間違いない。
その考えを広げていくと、平行世界への干渉能力を持っていてもおかしくはない。
それくらい人智を超えた現象の数々を主催者は披露しているのだから。 死者の蘇生ができるというのもその膨大な力の片鱗なのだろう。
まぁ、平行世界と異世界を同じ観点で考えると、SFマニアは怒りそうだが。
とにかく、平行世界へ自由に干渉できるという推理が当たったとして、何故そのような面倒なことをしているのかが問題だ。
これに関しては九鬼は最悪の展開を考慮していた。
「そうだな……違う時間軸から連れてくることで知り合い同士に疑心暗鬼を発生させる、というのはどうだ。
言わば、同郷の士だからと簡単に信用させないために、だな。 出身世界が同じなら信用もできるだろうという考えでつるむ奴もいるかもしれん。
同郷の士といえど簡単に信用はさせないし、上手くいけば疑心暗鬼も発生させることができる。
あいつは俺の知っているやつとは違う。 ひょっとして、あいつこそが放送で言っていた主催者の息のかかった人間ではないかと、ね」
「……全く趣味の悪い人間達ですね」
「まぁ、俺の話はここまでだ。 お嬢さんはどうする?」
「……私は、償いたいと思います。 兄の侵した罪を」
「双七には会わなくてもいいのか?」
言わば、同郷の士だからと簡単に信用させないために、だな。 出身世界が同じなら信用もできるだろうという考えでつるむ奴もいるかもしれん。
同郷の士といえど簡単に信用はさせないし、上手くいけば疑心暗鬼も発生させることができる。
あいつは俺の知っているやつとは違う。 ひょっとして、あいつこそが放送で言っていた主催者の息のかかった人間ではないかと、ね」
「……全く趣味の悪い人間達ですね」
「まぁ、俺の話はここまでだ。 お嬢さんはどうする?」
「……私は、償いたいと思います。 兄の侵した罪を」
「双七には会わなくてもいいのか?」
双七に会う。
双七に好意を抱いている刀子にはこれ以上ない申し出だ。
刀子は一も二もなく頷いた。
双七に好意を抱いている刀子にはこれ以上ない申し出だ。
刀子は一も二もなく頷いた。
「はい、もちろんです」
「なら、双七に会うのはお嬢さんに任せた。 俺は野暮用があるんでな」
「なら、双七に会うのはお嬢さんに任せた。 俺は野暮用があるんでな」
九鬼は戦いの最中で別れてしまったアル・アジフの元まで行かねばならない。
アル・アジフにはまだ聞きたいこともあるのだ。
戦闘はさすがに終わっているだろう。 しかし、生き残っている可能性もある。
電車に乗せられるという間抜けな醜態を晒してしまったことに対する礼はいつか必ずしなくてはならない。
アル・アジフにはまだ聞きたいこともあるのだ。
戦闘はさすがに終わっているだろう。 しかし、生き残っている可能性もある。
電車に乗せられるという間抜けな醜態を晒してしまったことに対する礼はいつか必ずしなくてはならない。
「では私は双七さんに会いに行きます。 途中までは一緒でよろしいんですね。
でも、その前に……」
でも、その前に……」
刀子が体をモジモジとさせる。
九鬼も刀子が何故そんなことをやっているのかすぐに気がついた。
服がないのだ。 兄、一乃谷愁厳の服はサイズが大きすぎて入らない。
しかも、嫌がらせなのか主催者は精神体に首輪をつけることはしても、刀子用の服は支給していなかった。
このままでは薄布一枚で戦うとんだ痴女が爆誕してしまう。 それだけは断固阻止せねばならない。
……まぁ、ここには生まれたままの姿で呼び出された男もいるのだからまだマシな方ではあるのだが、そんなこと刀子には知る由もない。
九鬼も刀子が何故そんなことをやっているのかすぐに気がついた。
服がないのだ。 兄、一乃谷愁厳の服はサイズが大きすぎて入らない。
しかも、嫌がらせなのか主催者は精神体に首輪をつけることはしても、刀子用の服は支給していなかった。
このままでは薄布一枚で戦うとんだ痴女が爆誕してしまう。 それだけは断固阻止せねばならない。
……まぁ、ここには生まれたままの姿で呼び出された男もいるのだからまだマシな方ではあるのだが、そんなこと刀子には知る由もない。
「お嬢さんの支給品になにか衣服はないのか?」
「ブ、ブルマなら……」
「ブ、ブルマなら……」
刀子の手にあるのはその筋の方々には高い人気を誇るブルマだった。
色は濃紺。 ポリエステル100%が肌に抜群にフィットする。 数年前まで、女子の体操着といえばこれだ、という時代もあったものだ。
時代に波に呑まれ世間からは消えていったが、それでも人々の心からブルマが消え去ることは無いだろう。
さて、このブルマ、十年に一つの逸材とも言えるナイスなブルマだ。
色は濃紺。 ポリエステル100%が肌に抜群にフィットする。 数年前まで、女子の体操着といえばこれだ、という時代もあったものだ。
時代に波に呑まれ世間からは消えていったが、それでも人々の心からブルマが消え去ることは無いだろう。
さて、このブルマ、十年に一つの逸材とも言えるナイスなブルマだ。
「ナイスブ……いや何でもない」
男子なら、おもわずいい笑顔でナイスブルマ!と言ってしまうところだが、大人の九鬼はそれを根性で乗り切った。
もし九鬼の年齢があと10若かったら親指を立ててナイスブルマ!と叫んでしまうところだっただろう。
げに恐るべきはナイスブルマの魅力なり。
もし九鬼の年齢があと10若かったら親指を立ててナイスブルマ!と叫んでしまうところだっただろう。
げに恐るべきはナイスブルマの魅力なり。
とりあえずブルマーだけでも穿いておけばいいのではないかという言葉が九鬼の口から出そうになったが、セクハラのような気がするので自重した。
あのコートは気に入っているので、ぜひとも返して欲しいところなのだが。
と、その代わりに九鬼の支給品になにか入っていたのを思い出す。
あのコートは気に入っているので、ぜひとも返して欲しいところなのだが。
と、その代わりに九鬼の支給品になにか入っていたのを思い出す。
「ああ、俺の支給品になにか服があったはずだ。 サイズはあうか分からんが、それでも着るか?」
「とりあえず、服ならなんでもいいです……」
「とりあえず、服ならなんでもいいです……」
さて、なにか女物の衣服があったのは覚えているが、それが何か忘れていた九鬼はデイパックに手を突っ込み、それを掴みだす。
九鬼が掴み出した衣服、それは――次の話のお楽しみ。
九鬼が掴み出した衣服、それは――次の話のお楽しみ。
【F-7 線路沿い/1日目 昼】
【九鬼耀鋼@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1~2、日本酒数本
【状態】:健康、肉体的疲労中
【思考・行動】
基本:このゲームを二度と開催させない。
0:アルたちと合流。方角が一緒なので途中までは刀子と同行
1:首輪を無効化する方法と、それが可能な人間を探す。
2:制限の解除の方法を探しつつ、戦力を集める。
3:自分同様の死人、もしくはリピーターを探し、空論の裏づけをしたい。
4:如月双七に自身の事を聞く。
5:主催者の意図に乗る者を、場合によっては殺す。
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1~2、日本酒数本
【状態】:健康、肉体的疲労中
【思考・行動】
基本:このゲームを二度と開催させない。
0:アルたちと合流。方角が一緒なので途中までは刀子と同行
1:首輪を無効化する方法と、それが可能な人間を探す。
2:制限の解除の方法を探しつつ、戦力を集める。
3:自分同様の死人、もしくはリピーターを探し、空論の裏づけをしたい。
4:如月双七に自身の事を聞く。
5:主催者の意図に乗る者を、場合によっては殺す。
【備考】
※すずルート終了後から参戦です。
双七も同様だと思っていますが、仮説にもとづき、数十年後または、自分同様死後からという可能性も考えています。
※自身の仮説にかなり自信を持ちました。
※今のところ、悪鬼は消滅しています。
※主催者の中に、死者を受肉させる人妖能力者がいると思っています。
その能力を使って、何度もゲームを開催して殺し合わせているのではないかと考察しています。
※黒須太一、支倉曜子の話を聞きました。が、それほど気にしてはいません。
※アルとの情報交換により、『贄の血』、『魔術師』、『魔術』、『魔導書』の存在を知りました。
情報交換の時間は僅かだった為、詳細までは聞いていません。
※首輪には『工学専門』と『魔術専門』の両方の知識が必要ではないか、と考えています。
※折れたエストックが転がっています。回収するかは任せます。次の話を書くときにはここは削除してください。
※九鬼が取り出した衣服が何かは次の書き手氏に任せます。
※すずルート終了後から参戦です。
双七も同様だと思っていますが、仮説にもとづき、数十年後または、自分同様死後からという可能性も考えています。
※自身の仮説にかなり自信を持ちました。
※今のところ、悪鬼は消滅しています。
※主催者の中に、死者を受肉させる人妖能力者がいると思っています。
その能力を使って、何度もゲームを開催して殺し合わせているのではないかと考察しています。
※黒須太一、支倉曜子の話を聞きました。が、それほど気にしてはいません。
※アルとの情報交換により、『贄の血』、『魔術師』、『魔術』、『魔導書』の存在を知りました。
情報交換の時間は僅かだった為、詳細までは聞いていません。
※首輪には『工学専門』と『魔術専門』の両方の知識が必要ではないか、と考えています。
※折れたエストックが転がっています。回収するかは任せます。次の話を書くときにはここは削除してください。
※九鬼が取り出した衣服が何かは次の書き手氏に任せます。
【一乃谷刀子@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備:古青江@現実】
【所持品:、支給品一式×2、ラジコンカー@リトルバスターズ!、ランダム不明支給品×1(渚砂)、ナイスブルマ@つよきす -Mighty Heart-】
【状態】:健康
【思考・行動】
基本方針:刀子を神沢市の日常に帰す
1:双七に会いに行く。方角が一緒なので途中まで九鬼と同行
2:主催者に反抗し、皆で助かる手段を模索する
3:兄の犯した罪を償いたい
4:服を着たい
【装備:古青江@現実】
【所持品:、支給品一式×2、ラジコンカー@リトルバスターズ!、ランダム不明支給品×1(渚砂)、ナイスブルマ@つよきす -Mighty Heart-】
【状態】:健康
【思考・行動】
基本方針:刀子を神沢市の日常に帰す
1:双七に会いに行く。方角が一緒なので途中まで九鬼と同行
2:主催者に反抗し、皆で助かる手段を模索する
3:兄の犯した罪を償いたい
4:服を着たい
【備考1】
【一乃谷愁厳@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【状態:疲労(中)、右肩に裂傷、腹部に痣、白い制服は捨てた状態 精神体、気絶中】
【思考】
0:気絶中
1:生き残りの座を賭けて他者とより積極的に争う
2:今後、誰かに名を尋ねられたら「黒須太一」を名乗る
【一乃谷愁厳@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【状態:疲労(中)、右肩に裂傷、腹部に痣、白い制服は捨てた状態 精神体、気絶中】
【思考】
0:気絶中
1:生き残りの座を賭けて他者とより積極的に争う
2:今後、誰かに名を尋ねられたら「黒須太一」を名乗る
121:戦う理由は人それぞれ、戦う方法も人それぞれ (前編) | 投下順 | 122:決意 ~誇りと思い出を胸に |
時系列順 | 122:決意 ~誇りと思い出を胸に | |
九鬼耀鋼 | 135:Do-Dai | |
一乃谷愁厳・一乃谷刀子 | 135:Do-Dai | |
椰子なごみ | 148:sola (前編) |